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教養ゼミ 植物系コースの宮島実習
 理学部生物科学科 教養的教育の授業の一環として広大宮島自然植物実験所で毎年7月下旬から8
月上旬にかけて3泊4日の集中講義の授業を行われている。
対象者は、理学部学生1年生で定員15名前後を対象
授業内容:植物の陽葉、陰葉を種々の分野から実験・観察し、その結果について考察を行い、レポート
をまとめ上げる方法を指導する。
 1日目:担当指導教官  豊原 源太郎 助教授
             自然界では、同じ個体内であっても、それぞれの部位が置かれる環境には違いが
             ある場合があることが多い、特に光環境については短・長期的に劇的に変化する。
             植物は移動することが出来ないため、これら環境の変化に対して環境応答を行い、
             生育する光環境に応じて陽葉と陰陽を形成する。葉が光環境に応じて陽葉と陰葉
             に分化することは古くから知られており、陽葉と陰葉の間には様々な違いが見られ
             る。これらの違いの多くが高等植物に共通して現れ陽葉と陰葉の比較研究も多い。
             実習では陽葉と陰葉の形態の測定を行い、その差異について考察する。
         
授業の実習風景
 2日目:担当指導教官  松崎雅広 助手(植物生理学関係)
               一つの樹冠における陽葉と陰葉及び光環境を異にする植物間の光合成活性を
              調査比較する。
              特にCO2濃度と光合成速度、光飽和に達する光強度、補償点、音呼吸速度等
              について比較する。
               実験は、光合成による酸素放出速度と呼吸による酸素吸収速度とを検容法に
              よって測定する。
               
               
 3日目:担当指導教官  坪田博美・田中克幸 助手
               今までの実習で実際に得られたデーターを用いて多変量解析を行い、マツ類
               のデータを用いた主成分分析の例とヤブツバキを用いた判別分析を行う。
               その結果をもとに 平均値・標準偏差・相関行列・固有値・奇与率・累積奇与率
               ・固有ベクトル・主成分負荷量・主成分分岐点・散布図を作りそれぞれの統計
               量もとに解釈を行っていく。
 4日目:担当指導教官  豊原 源太郎 助教授・坪田博美 助手 
               最後の日は、これまで行った実習をもとにレポートを作成し実習を修了する。