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 ヒコビアミニレターNo.327 2007年2月26日

2007年2月18日の第452回植物観察会は呉市安芸阿賀の大空山(205m)において行われた。JR安芸阿賀駅前に10時集合。参加者48名。今年は、暖冬と呼ばれる日々が続いてきており、ウメの花が見頃であった。まず、残存照葉樹林がある阿賀中央一丁目の神田神社に行く。直径50cmのコジイや60cmのクロガネモチなどの大木に混じり、ヤマビワ、カンザブロウノキ、イヌガシ、シリブカガシ、クロキ、アラカシ、カクレミノ、クスノキなどの常緑広葉樹があり、エノキなどの落葉広葉樹も混じる。イヌガシは満開であったが、全て雄花ばかり。
大空山に向かう道筋にはアカマツ、コナラ、アベマキなどの見られる二次林があった。クロキ、シャシャンボ、ナナメニキ、コシダが存在するアカマツ−アラカシ群集に属し、アセビ、ソヨゴ、イヌツゲ、リョウブの存在しないネズ亜群集に属するものであった。しかし、部分的にはそれらの存在するコシダ亜群集に属する所も見られた。そのことから、当地の二次林は、以前に強度の人為的影響を受けてきた歴史があり、コシダ亜群集が退行遷移をしてネズ亜群集となり、禿げ山にもなったことがあるが、現在では人為的影響が少なくなり、植生が回復してきていることを示していた。(G.Toyohara 記)