植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter492

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ヒコビアミニレターNo. 492(2019年1月11日)

 2018年12月26日の第616回植物観察会は広島県廿日市市宮島町で開催された.宮島フェリーターミナルに9時集合,参加者xx名.コースの説明の後,要害山に向かう.要害山から町並みが一望できる.宮尾城跡でもある要害山にはアカマツが残存するが,市街地の周辺では枯れて切られた場所も見られた.存光寺そばの急階段を降りながらコナラやオオイタビを観察.山辺の古径に入り,ハスノハカズラやイタビカズラ,シキミ,ミミズバイなどを観察.関先生から乾・本田(1930)による天然記念物調査報告書の中にあるカラスビシャクやアマナの記録について説明.タンスイベニマダラの生育を確認後,光明院のそばを通って,紅葉谷駅に向かう.途中,メキシコマンネングサやビロードシダ,マルバウツギ,オガタマノキ,ハマクサギなどをみる.

宮島フェリーターミナル → 紅葉谷 → 弥山 → 大元公園

廿日市市宮島町 弥山



 JR西広島駅に10時集合,参加者49名.コース説明の後,新己斐橋を渡り,太田川放水路の塩生植物群落を観察した.塩生植物群落は夏の豪雨災害の際に撹乱を受け,堆積していた土砂がかなり流されていた.関先生から塩生植物群落の説明があり,定期的な攪乱が必要とのこと.海側にハママツナが生育し,ハマサジやフクドがそれより陸側に,シオクグやヨシはより安定した場所,ホソバハマアカザが流路から離れた場所に生育する.今後の群落の回復を追跡したい.河川敷から堤防にかけてヨモギ,エノコログサ,チガヤ,アカメガシワ,センダン,オガルカヤ,ヘラオオバコ,ススキ,クコなどが生育.平和大通りの植栽木を観察.ネムノキとされている樹木を確認.平和大通りの新己斐橋から西平和大橋間で,エノキやケヤキ,アラカシ,クスノキ,イヌマキ,イチョウ,ヒマラヤスギ,キンモクセイ,クロガネモチ,コナラ,タブノキ,ツバキの園芸品種,トウカエデ,タラヨウ,サンゴジュ,セイヨウキヅタ,マルバシャリンバイ,クヌギ,アメリカスズカケノキ,アオギリ,メタセコイア,シラカシ,クマノミズキ,ナツメ,ノグルミ,ウラジロガシ,キョウチクトウ,カゴノキ,クチナシ,シリブカガシ,ダイオウショウ,スダジイ,ナナメノキ,シナサワグルミ(以上樹木),アオスズメノカタビラ,ミチタネツケバナ,オオバコ,シロツメクサ,マメカミツレメリケントキンソウ(訂正.チさん同定)などを観察.樹幹にヒナノハイゴケやコゴメゴケ,ノキシノブなどが着生していた.トクサバモクマオウと思われるものがあった.西平和大橋西詰の中国新聞ビルそばに並んで植栽されているフウ(タイワンフウ)とモミジバフウ(アメリカフウ)を観察.関先生から分布や落葉の時期の違い,吉本さんからフウの漢字について説明.楓の字は,中国ではフウのことを意味しているが,日本ではカエデ類に意味が変わっている.本来,カエデ類は槭(木偏に戚)の字であるとのこと.当初鶴見橋まで歩く予定だったが,天気予報通り途中で雨が降り始めたため,


15時半に大元公園で解散した.


(H. Tsubota 記)

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