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2015年6月19日 (金) 15:32時点における版
ヒコビアミニレターNo. 443(2015年6月10日)
2015年6月6-7日の第567回植物観察会は長崎県長崎市脇岬町の長崎県亜熱帯植物園と岩屋山で行われた.
6月6日は参加者11名.
集合場所の餅ノ木駐車場は広く,三段峡の上流部に手軽に入れる.晴天で,参加者42名,10時から歩き始めるが,明るい林縁部に開花中の植物が多く,渓谷に入るまでに30分以上かかってしまった.何か煙が出ているとの声に目を凝らすと,ヒメコウゾの雄花序から飛ぶ花粉,球形の雌花序には細毛が密生した細い花柱があり,風媒花の仕組みが良く解る.コバノガマズミ,ツリバナ,サルトリイバラ,タチシオデ,コマユミが開花,ウリハダカエデ,マタタビは葉を展開しているが花はまだ.スギ林内に入るとコケイランの花ざかり,チャルメルソウは果実になっていた.渓谷に入ると,斜面下部に堆積した崩土上にヤグルマソウが目立ち,コイカリソウは果実,渓畔のトチノキとリョウメンシダは定番.大きな葉を展開したウスゲクロモジの下にはムラサキマユミ.サワフタギは咲き始め,ハナイカダには雌花が多い,ヤマアジサイとウリノキはつぼみ,エンレイソウは果実が膨らんでいる.ハスノハイチゴが特徴のある葉を広げ,もう少しで開花.足元にサワハコベとタニギキョウの白い花,岩の上にオオイワカガミの新葉と淡紅色の花,ウスギヨウラクも咲いている.対岸の渓畔にキシツツジの花,岩上はヒメレンゲが満開で黄一色.路傍にはナツトウダイの奇妙な花と果実,ミズタビラコの花.葉が一枚で特徴のある仏炎苞を持ったオモゴウテンナンショウが点在,1939年に記載された珍種アキテンナンショウとして知られていたが,1932年記載の愛媛県面河渓産と同種であることが判明,異名となった.やや乾いた場所にはオトコヨウゾメ,ヤブニンジン,ホガエリガヤの花,ミヤマニガイチゴ,コゴメウツギにつぼみが見られた.三段滝展望台への到着が12時を過ぎたので,ここで昼食,往路を引き返す.本日のコースは標高600—650 mで基本的にはウラジロガシ林の領域であるがイヌブナが多い,崩積地にはトチノキやサワグルミ,岩石地にはケヤキが多い.また,多雪地に適応した変種のアシュウスギ,チャボガヤ,ハイイヌツゲが多いことも特徴である.
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