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 2013年9月15日の第543回植物観察会は安芸高田市高宮町川根の小掛峡で行われた.接近中の台風の影響から小雨模様のところ,参加者は37名.この峡谷は特異な穿入曲流が発達,県の自然環境保全地域であり,1982年7月にも観察会が行われている.交通が不便な地域であったが,「川根原山連絡農道」が通じて,中国道の安芸高田ICから30分かからなくなった.集合場所の川根小学校から渓谷入り口までは水田雑草を観察,アゼムシロ,イヌビエ,アゼナ,コナギ,オモダカ,アギナシ,ミズマツバ,ホシクサ,トキンソウ,ヒナガヤツリ,タマガヤツリ,キカシグサ,タカサブロウ,ヤナギタデに花や果実が,土手の草地にはカナビキソウ,ニラ,ヤハズソウに花,メリケンカルカヤ,ツルボ,ヒガンバナが咲き始め.渓谷の入口からスギ林の日陰となり,アラカシ,ヒサカキ,ヤマコウバシ,アブラチャンなどの低木,キツネノマゴ,キンミズヒキ,ゲンノショウコ,チヂミザサ,エノキグサ,アキチョウジ,ガンクビソウに花,キッコウハグマは閉鎖花,ハエドクソウ,ヒカゲイノコヅチは果実,フユノハナワラビが胞子葉を伸ばし,クラマゴケ,ヤブソテツ,ミドリヒメワラビ,シケチシダ,ジュウモンジシダ,リョウメンシダ,オオクジャクシダなどのシダ類も多い.渓谷に入ると湿気が多く,アスファルトの路面にトサカホウオウゴケの団塊が多数,キバナアキギリやヒヨドリバナに花.木本では,カゴノキに花,ツリバナ,コバノトネリコ,ウメモドキ,エゴノキ,ウリカエデ,コアジサイに果実,ツクシハギは咲き始め,他にミヤマフユイチゴ,ウラジロガシ,シラカシ,クリ,ノグルミ,タカノツメ,ホオノキ,ミヤマガマズミ,ムラサキシキブ,アワブキ,ウツギ,ヤブムラサキ,エノキ,リョウブ,ヤマグワ,テイカカズラ,ヤマボウシ,キブシ,ウラジロノキ,ウグイスカグラ,サルトリイバラ.渓畔にはコウヤミズキ,ツクバネガシが目立ち,斜面にはタカノツメ,ヤマツツジ,ネジキ,コバノミツバツツジ,ナガバコウヤボウキ,マツブサ,サカキ,ウワミズザクラ,コツクバネウツギ,ネムノキ,タムシバ,アクシバ,ネズミサシ,アカシデなど.右岸の尾根に登るとアカマツの若木が多く,地衣類のトゲシバリ,ハナゴケ,蘚類のホソバオキナゴケ,オオシラガゴケ,ハイゴケ,シッポゴケ,カガミゴケ,フトリュウビゴケなどが地表や岩上を被う.ナツハゼの果実はやや未熟であったが,渓谷入口のサンカクヅルは完熟であった.
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 2013年9月15日の第543回植物観察会は安芸高田市高宮町川根の小掛峡で行われた.接近中の台風の影響から小雨模様のところ,参加者は37名.この峡谷は特異な穿入曲流が発達,県の自然環境保全地域であり,1982年7月にも観察会が行われている.交通が不便な地域であったが,「川根原山連絡農道」が通じて,中国道の安芸高田ICから30分かからなくなった.集合場所の川根小学校から渓谷入り口までは水田雑草を観察,[[ミゾカクシ|アゼムシロ]],[[イヌビエ]],[[アゼナ]],[[コナギ]],[[オモダカ]],[[アギナシ]],[[ミズマツバ]],[[ホシクサ]],[[トキンソウ]],[[ヒナガヤツリ]],[[タマガヤツリ]],[[キカシグサ]],[[タカサブロウ]],[[ヤナギタデ]]に花や果実が,土手の草地には[[カナビキソウ]],[[ニラ]],[[ヤハズソウ]]に花,[[メリケンカルカヤ]],[[ツルボ]],[[ヒガンバナ]]が咲き始め.渓谷の入口からスギ林の日陰となり,[[アラカシ]],[[ヒサカキ]],[[ヤマコウバシ]],[[アブラチャン]]などの低木,[[キツネノマゴ]],[[キンミズヒキ]],[[ゲンノショウコ]],[[チヂミザサ]],[[エノキグサ]],[[アキチョウジ]],[[ガンクビソウ]]に花,[[キッコウハグマ]]は閉鎖花,[[ハエドクソウ]],[[ヒカゲイノコズチ|ヒカゲイノコヅチ]]は果実,[[フユノハナワラビ]]が胞子葉を伸ばし,[[クラマゴケ]],[[ヤブソテツ]],[[ミドリヒメワラビ]],[[シケチシダ]],[[ジュウモンジシダ]],[[リョウメンシダ]],[[オオクジャクシダ]]などのシダ類も多い.渓谷に入ると湿気が多く,アスファルトの路面に[[トサカホウオウゴケ]]の団塊が多数,[[キバナアキギリ]]や[[ヒヨドリバナ]]に花.木本では,[[カゴノキ]]に花,[[ツリバナ]],[[アオダモ|コバノトネリコ]],[[ウメモドキ]],[[エゴノキ]],[[ウリカエデ]],[[コアジサイ]]に果実,[[ツクシハギ]]は咲き始め,他に[[ミヤマフユイチゴ]],[[ウラジロガシ]],[[シラカシ]],[[クリ]],[[ノグルミ]],[[タカノツメ]],[[ホオノキ]],[[ミヤマガマズミ]],[[ムラサキシキブ]],[[アワブキ]],[[ウツギ]],[[ヤブムラサキ]],[[エノキ]],[[リョウブ]],[[ヤマグワ]],[[テイカカズラ]],[[ヤマボウシ]],[[キブシ]],[[ウラジロノキ]],[[ウグイスカグラ]],[[サルトリイバラ]].渓畔には[[コウヤミズキ]],[[ツクバネガシ]]が目立ち,斜面には[[タカノツメ]],[[ヤマツツジ]],[[ネジキ]],[[コバノミツバツツジ]],[[ナガバノコウヤボウキ|ナガバコウヤボウキ]],[[マツブサ]],[[サカキ]],[[ウワミズザクラ]],[[コツクバネウツギ]],[[ネムノキ]],[[タムシバ]],[[アクシバ]],[[ネズミサシ]],[[アカシデ]]など.右岸の尾根に登ると[[アカマツ]]の若木が多く,地衣類の[[トゲシバリ]],[[ハナゴケ]],蘚類の[[ホソバオキナゴケ]],[[オオシラガゴケ]],[[ハイゴケ]],[[シッポゴケ]],[[カガミゴケ]],[[フトリュウビゴケ]]などが地表や岩上を被う.[[ナツハゼ]]の果実はやや未熟であったが,渓谷入口の[[サンカクヅル]]は完熟であった.
 
<div style="text-align:right">(H. Taoda 記)</div>
 
<div style="text-align:right">(H. Taoda 記)</div>
  

2014年7月23日 (水) 15:55時点における最新版

ヒコビアミニレター No. 419(2013年9月26日)

 2013年9月15日の第543回植物観察会は安芸高田市高宮町川根の小掛峡で行われた.接近中の台風の影響から小雨模様のところ,参加者は37名.この峡谷は特異な穿入曲流が発達,県の自然環境保全地域であり,1982年7月にも観察会が行われている.交通が不便な地域であったが,「川根原山連絡農道」が通じて,中国道の安芸高田ICから30分かからなくなった.集合場所の川根小学校から渓谷入り口までは水田雑草を観察,アゼムシロイヌビエアゼナコナギオモダカアギナシミズマツバホシクサトキンソウヒナガヤツリタマガヤツリキカシグサタカサブロウヤナギタデに花や果実が,土手の草地にはカナビキソウニラヤハズソウに花,メリケンカルカヤツルボヒガンバナが咲き始め.渓谷の入口からスギ林の日陰となり,アラカシヒサカキヤマコウバシアブラチャンなどの低木,キツネノマゴキンミズヒキゲンノショウコチヂミザサエノキグサアキチョウジガンクビソウに花,キッコウハグマは閉鎖花,ハエドクソウヒカゲイノコヅチは果実,フユノハナワラビが胞子葉を伸ばし,クラマゴケヤブソテツミドリヒメワラビシケチシダジュウモンジシダリョウメンシダオオクジャクシダなどのシダ類も多い.渓谷に入ると湿気が多く,アスファルトの路面にトサカホウオウゴケの団塊が多数,キバナアキギリヒヨドリバナに花.木本では,カゴノキに花,ツリバナコバノトネリコウメモドキエゴノキウリカエデコアジサイに果実,ツクシハギは咲き始め,他にミヤマフユイチゴウラジロガシシラカシクリノグルミタカノツメホオノキミヤマガマズミムラサキシキブアワブキウツギヤブムラサキエノキリョウブヤマグワテイカカズラヤマボウシキブシウラジロノキウグイスカグラサルトリイバラ.渓畔にはコウヤミズキツクバネガシが目立ち,斜面にはタカノツメヤマツツジネジキコバノミツバツツジナガバコウヤボウキマツブササカキウワミズザクラコツクバネウツギネムノキタムシバアクシバネズミサシアカシデなど.右岸の尾根に登るとアカマツの若木が多く,地衣類のトゲシバリハナゴケ,蘚類のホソバオキナゴケオオシラガゴケハイゴケシッポゴケカガミゴケフトリュウビゴケなどが地表や岩上を被う.ナツハゼの果実はやや未熟であったが,渓谷入口のサンカクヅルは完熟であった.

(H. Taoda 記)

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