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(ページの作成: = ヒコビアミニレター No. 403 (2012年6月30日) =  第525回植物観察会は,2012年6月9-10日(土・日)に福井県の越前町立福井総合植物園…)
 
 
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= ヒコビアミニレター No. 403 (2012年6月30日) =
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= ヒコビアミニレター No. 403 (2012年7月4日) =
 第525回植物観察会は,2012年6月9-10日(土・日)に福井県の越前町立福井総合植物園プラントピア(福井県丹生郡越前町朝日17−3,入園料大人300円)および福井市尼ケ谷町・丹生郡越前町越知山(612.8 m)で行われた.現地での移動の関係で予約制とした.福井総合植物園プラントピアは,越前町立の総合植物園で,総面積が約25 haある.日本列島のほぼ中央に位置する福井県の植物を中心に,約3,000種の植物や植生が観察できる.また,植物を系統立てて解説した展示などもある.9日は福井総合植物園プラントピアで観察した.天気は雨.参加者13名.13:00に植物園前に集合.少し早めに着いたので,館内の展示を見た.日程説明の後,13:30から松本園長の案内で園内を見学した.園内ではちょうどクリが開花していた.観察路沿いに進み,湿性植物園を観察する.カワラナデシコやトチノキ,アメリカノウゼンカズラ,ハグマノキ,キササゲ,コウヤマキ,ゴヨウツツジ,シラカンバ,ハマナス,ゼンマイ,タチアオイ,ツガ,キリ,ドクダミ,エゴノキ,ミズメ,カレンボク,アメリカヒトツバタゴ,ワカサハマギク,ハナノキ,イソギク,ハマナデシコ,ニューサイラン,ヒイラギ,ハマギク,キリンソウ,セイヨウヒイラギ,コナラ,シロヤマブキ,コナラ,シシガシラ,ヒヨドリバナ,ウラジロ,ムクゲ,オキナグサ,ハイネズ,セノビカンアオイ,ホクリクタツナミソウ,ヤマモモ,ヤマツツジ,オウレン,ヒメカンスゲ,ネジキ,チョウジソウ,ネコノチチ,アズキナシ,カキラン,ナガボノシロワレモコウ,トキソウ,ミツバアケビ,サギソウ,カリヤス,サクラバハンノキ,バッコヤナギ,ミズバショウ,キブシ,フイリミズバショウ,モウセンゴケ,フキ,タニウツギなどを見る.観察路に戻り,ブッドレアやジンチョウゲ,シキミ,ミヤマガマズミ,ヒサカキ,クロモジ,コシアブラ,フウリンガマズミ,コバノガマズミ,ソヨゴ,クチナシ,ハネミイヌエンジュ,ウラジロガシ,ヤマグルマ,クサイチゴ,ヒメバライチゴ,ヨモギ,アズキナシ,ムクロジ,レンギョウ,アオハダ,チョウセンレンギョウ,ムクノキ,オオバボダイジュ,カレープラント,ハンカチノキ,ヤドリギ,セイヨウナシ,イボタノキ,ハシドイ,コウヨウザン,ヒムロ,ホツツジ,キングサリ,ナギイカダ,ヤブカンゾウ,ハナミズキ,ヒイラギナンテン,モミジバススカケノキ,シモツケ,ハマヒサカキ,ニワウルシ,セイヨウヤブイチゴ,オウゴンアキニレ,ハナゾノツクバネウツギなどを見る.マンサク科園に入り,トキワマンサク,マルバノキ,ヒュウガミズキ,フウ,モミジバフウ,シナマンサク,イソノキなどを見る.ツツジ科園では,ユキグニミツバツツジやドウダンツツジ,ヤクシマシャクナゲ,トサノミツバツツジ,オオムラサキツツジ,コメツツジなどを見る.その後,トチュウやハナズオウ,キハダ,カシワ,キササゲ,フジバカマ,オニグルミ,ヤマナラシ,ストケシア,ユリノキ,マメザクラ,ウワミズザクラ,キンキマメザクラ,ジョウロウホトトギスなどを見て,15:00すぎ本館に戻った.翌日の説明の後,15:30頃解散.10日は越知山で福井の森林の植物を観察した.天気は雨のちくもり.参加者13名.8:00に福井駅前に集合.8:30頃,車に分乗して移動.福井市尼ヶ谷を経由して,9:45頃越智神社下の駐車場に到着.越智山は福井市と越前町の境界に位置する山で,泰澄大師が修行したとされる修験霊場で,越前五山のひとつに数えられる.山頂付近にはブナ林が残っており,日本海側の自然植生を見ることができる.駐車場から頂上はそれほど高低差がないので,越智神社周辺をゆっくりと観察した.駐車場からの道沿いでは,高木層にブナやホオノキ,ミズナラ,アカマツ,クリ,ウワミズザクラ,アカシデ,スギ,クマシデ,タムシバ,イタヤカエデ(アカイタヤと思われる),トチノキ,モミ,亜高木層から低木層にマルバマンサクやキブシ,ヤマウルシ,ゴトウヅル,ミヤマガマズミ,エゴノキ,リョウブ,ヒメモチ,エゾユズリハ,ヒメアオキ,ユキバタツバキ,ユキグニミツバツツジ,オオバクロモジ,タニウツギ,ヤマボウシ,コシアブラ,ナツツバキ,ハクウンボク,タラノキ,タンナサワフタギ,ゴヨウアケビ,ツタウルシ,ナンキンナナカマド,コハウチワカエデ,ツクバネ,ハウチワカエデ,タカノツメ,草本層にフキ,ノブキ,コアジサイ(開花),クルマバハグマ,オオイワカガミ,イヌガンソク,ナガバモミジイチゴ,ミヤマナルコユリ,ウマノミツバ,ミヤマハコベ,リョウメンシダ,トウバナ,ヤブタビラコ,コウゾリナ,カキドオシ,トチバニンジン,スミレサイシン,カニコウモリ,ウバユリ,ミヤマカタバミ,ギンリョウソウ,ウワバミソウ,ヤブコウジ,サラシナショウマ,ツルリンドウ,ショウジョウバカマ,ササユリなどが見られた.越智神社から奥の院周辺には典型的な日本海側のブナ林の構造が見られ,ユキバタツバキやエゾユズリハの積雪に適応した樹形を確認した.途中,アツバカンアオイのような植物を見たが,これがエチゼンカンアオイと呼ばれている植物であろうか.奥の院に12時頃到着.昼食を食べて引き返す.殿池周辺のイタヤカエデの大木にはノキシノブやオシャグジデンダが着生.殿池付近ではザゼンソウやフトヒルムシロが見られた.その後,展望台に向かって歩きながら,イヌシデやミズキ,ミヤマクマヤナギ,ムラサキマユミ,サジガンクビソウ,テツカエデ,マツブサ,ツノハシバミ,ヌルデ,ヨツバムグラ,ハリガネワラビ,ウツギ,アズキナシなどを観察.そのまま下り,駐車場で14:00頃解散した.15:00頃福井駅に到着し,それぞれ帰路についた.
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2012年6月17日の第526回植物観察会は神石郡神石高原町の帝釈峡で行われた.スコラ高原駐車場に10時30分集合.参加者51名.天気予報では雨天ではないかと危ぶまれたが,当日は好天であった.帝釈峡は神石高原に刻み込まれた渓谷である.駐車場から北方に向かう遊歩道を進み,渓谷に下りるコースをとる.高原面の植生はアカマツやコナラの二次林,ヒノキ植林,耕作地や路傍の雑草群落であり,どこにでも見られるようなものであるが,イタチササゲやヒレアザミ(赤花と白花)が見られるなど珍しい植物にも出会った.エドヒガン,ヤマウコギ,ミヤマウグイスカグラ,ウグイスカグラ,アサダ,ミツバウツギ,ハナイカダなどを観察する.予想通り,ヒサカキは1本も見なかった.峡谷に下る地点の休憩所で昼食.休憩所周辺にヒゴスミレが沢山見られた.峡谷を下る道筋の植生は高原面とは一変して渓谷林となり,ケヤキやイヌシデ,オニイタヤ,チドリノキ,ケグワ,ミツデカエデ,コクサギ,ヨコグラノキ,サワシバ,ウリノキ,キビノナワシロイチゴ,カノツメソウ,ヤマジオウ,スハマソウ,オニシバリなど植物相は豊富である.露岩地ではチョウセンヒメツゲやイワツクバネウツギ,イワシデなどが僅かに見られる.谷底に達したところに養魚場があり,そこから上流に向かう.マタタビ,オオツヅラフジ,ヤマトレンギョウ,ミヤマイラクサ,ジンジソウ,アズマスゲ,コタニワタリ,ウワバミソウなどを観察し,川沿いでカワセミとカワガラスに出会うなど,自然を満喫しながら雄橋まで行き,そこから元来た道を引き返した.
<div style="text-align:right">(H. Tsubota & S. Uchida記)</div>
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<div style="text-align:right">(G. Toyohara 記)</div>
 
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2015年1月14日 (水) 06:50時点における最新版

ヒコビアミニレター No. 403 (2012年7月4日)

2012年6月17日の第526回植物観察会は神石郡神石高原町の帝釈峡で行われた.スコラ高原駐車場に10時30分集合.参加者51名.天気予報では雨天ではないかと危ぶまれたが,当日は好天であった.帝釈峡は神石高原に刻み込まれた渓谷である.駐車場から北方に向かう遊歩道を進み,渓谷に下りるコースをとる.高原面の植生はアカマツやコナラの二次林,ヒノキ植林,耕作地や路傍の雑草群落であり,どこにでも見られるようなものであるが,イタチササゲやヒレアザミ(赤花と白花)が見られるなど珍しい植物にも出会った.エドヒガン,ヤマウコギ,ミヤマウグイスカグラ,ウグイスカグラ,アサダ,ミツバウツギ,ハナイカダなどを観察する.予想通り,ヒサカキは1本も見なかった.峡谷に下る地点の休憩所で昼食.休憩所周辺にヒゴスミレが沢山見られた.峡谷を下る道筋の植生は高原面とは一変して渓谷林となり,ケヤキやイヌシデ,オニイタヤ,チドリノキ,ケグワ,ミツデカエデ,コクサギ,ヨコグラノキ,サワシバ,ウリノキ,キビノナワシロイチゴ,カノツメソウ,ヤマジオウ,スハマソウ,オニシバリなど植物相は豊富である.露岩地ではチョウセンヒメツゲやイワツクバネウツギ,イワシデなどが僅かに見られる.谷底に達したところに養魚場があり,そこから上流に向かう.マタタビ,オオツヅラフジ,ヤマトレンギョウ,ミヤマイラクサ,ジンジソウ,アズマスゲ,コタニワタリ,ウワバミソウなどを観察し,川沿いでカワセミとカワガラスに出会うなど,自然を満喫しながら雄橋まで行き,そこから元来た道を引き返した.

(G. Toyohara 記)

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