植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter386

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ヒコビアミニレター No. 386 (2011年5月4日)

2011年4月17日の第509回植物観察会は広島県尾道市生口(いくち)島観音山 (472 m)で行われ,初めは小雨がぱらついたが,後に晴れた.参加者は54名. 生口島の基盤は花崗岩であるが,海抜200 mくらいから上部は中生代の変成岩 [最近の学説ではマントル対流の付加体という]で,森林植生が特異である. 豊原源太郎先生は「アベマキ群集」にあたるであろうとされた.海抜240 mの駐車 場に10時に集合.よく整備された登山道を登る.日曜日なので,すでに登頂した 人々が下りて来るのに出あう.高木層はアベマキ,ノグルミ,カヤ,コナラ,ヤ マザクラ(満開),エドヒガン(花終わりかけ),クマノミズキなどで,アカマ ツもあるが少ない.亜高木から低木層はダンコウバイ(花終わり),ネズミモ チ,ウツギ,オニイタヤ(満開),ミヤマウグイスカグラ,コバノミツバツツジ (満開)など,草本層はケスゲ,ヒメカンスゲ(沿岸型),ヤマイタチシダ,ヒ メイタチシダ,オオイタチシダ,クマワラビ,ベニシダなど,とくにナルコユリ が多いのは注目される.海抜400 m付近の湿った谷に,ヒトリシズカ,ハンカイ ソウがある.広島市近郊や宮島の花崗岩地帯の森林を見なれた眼には,これが瀬 戸内の島かと疑う林型である.頂上に12時着.瀬戸の海が美しく,かすかに四国 の山並みも見える.足元の海抜200 mくらいにアカマツ林が見える.豊原先生が 「あそこは花崗岩だろう」といわれる.頂上の岩間にコテリハキンバイかミツバ ツチグリか疑問なのが花をつけている.日朝先生が興味を示されたが,この属の 分類はなかなかむつかしい.宮島実験所で栽培するように内田さんにことづけ る.頂上の岩場と三角点付近にトネリコ属の大きな木がある.冨沢由美子さんと 上村恭子さんが苦労して新芽を採集した.どうもツクシトネリコのようである.

(T. Seki記)

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