植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter364

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ヒコビアミニレター No. 364 (2010年1月24日)

2010年1月24日の第489回植物観察会は尾道市因島の高見山において行われた.天気は晴.参加者は54名.10時に広島大学大学院理学研究科附属臨海実験所に集合した.この実験所は1933年(昭和8年)に設立されたものである.所内のイブキやモクマオウを見ながら,立花の集落へと向かう.道沿いにはウバメガシ,アラカシ,マサキなどが目につく.落葉樹はアキニレであった.また,タマシダは逸出と思われる.この立花地域では昭和20年代に農水省が日本の農業の改善のために,傾斜地農業の現状と対策を検討している.当時の写真には,山の中腹まで段々畑があり,海藻が肥料として使われていたのが示されている.登山道沿いにはムラサキカタバミ,キイロハナカタバミ,ハナカタバミなどの花があった.ユリズイセンも逸出していた.また,道路沿いの斜面にツメレンゲ(枯)が見られた.高見山への登山路沿いは樹高数mのアカマツ林で,ウバメガシ,コナラ,ヒサカキ,シャシャンボ,コバノミツバツツジなどが見られる.全体に構成種が著しく貧弱である.永年の過利用により,樹木類が切られ,表土が流失した結果と思われる.登山路沿いの自然石には和歌が刻まれている.タチカンツバキなども植栽されていた.観光開発の結果と思われる.午後は山頂で記念写真のあと,豊原先生にアカマツ-ウバメガシ群集について,生態学的な話を伺う.この群集は瀬戸内海の少雨地域に見られるとのことである.帰路はほぼ同じ道をもどる.実験所に帰ってから所内を案内していただく.生きたナメクジウオを見ることができた.大変珍しく参加者一同感激した.

(Y. Yoshino記)

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