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− | <span style="font-size:10">[http://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html 広島大学] > [http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~museum/ デジタル自然史博物館] > [[メインページ]] > [[広島大学の自然]] > [[東広島植物園]] > [[植物の病害虫]] </span>
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− | [[ファイル:20190913モンクロシャチホコ幼虫_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_49317s.JPG|200px|thumb|right|モンクロシャチホコの幼虫(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Sep. 13, 2019)|link=モンクロシャチホコ_広島大学東広島キャンパス]] | + | [[ファイル:20190913モンクロシャチホコ幼虫_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_49317s.JPG|250px|thumb|right|モンクロシャチホコの幼虫(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Sep. 13, 2019)|link=モンクロシャチホコ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | [[ファイル:20190913ヒヨドリバナとジェミニウイルス_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_48981s.JPG|200px|thumb|right|ジェミニウイルスに侵されたヒヨドリバナ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Sep. 13, 2019)|link=ヒヨドリバナ]] | + | [[ファイル:20190913ヒヨドリバナとジェミニウイルス_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_48981s.JPG|250px|thumb|right|ジェミニウイルスに侵されたヒヨドリバナ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Sep. 13, 2019)|link=ヒヨドリバナ]] |
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| =植物の病害虫= | | =植物の病害虫= |
| ==昆虫== | | ==昆虫== |
| ;[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]]:イラガ科の蛾で,幼虫が初夏に発生.サクラやカエデ,ケヤキ,ザクロの葉っぱを食害する. | | ;[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]]:イラガ科の蛾で,幼虫が初夏に発生.サクラやカエデ,ケヤキ,ザクロの葉っぱを食害する. |
− | ;[[モンクロシャチホコ_広島大学東広島キャンパス|モンクロシャチホコ]]:シャチホコガ科の蛾で,幼虫がサクラの葉っぱを食害する. | + | ;[[モンクロシャチホコなどによるサクラの食害|モンクロシャチホコ]]:シャチホコガ科の蛾で,幼虫が8月下旬から9月上旬に発生.サクラの葉っぱを食害する. |
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| ==子嚢菌(しのうきん)== | | ==子嚢菌(しのうきん)== |
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| ;[[ジェミニウイルス]]:[[ヒヨドリバナ]]に感染するウイルス. | | ;[[ジェミニウイルス]]:[[ヒヨドリバナ]]に感染するウイルス. |
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− | ==虫こぶ(虫えい)== | + | ==[[虫こぶ|虫こぶ(虫えい)]]== |
− | ===虫こぶ(虫えい)とは===
| + | ;[[虫こぶ]]:昆虫・ダニなどが植物体や植物の遺伝子に作用し,組織の異常発達を引き起こすことで形成される「こぶ」のこと. |
− | 昆虫・ダニなどが植物体や植物の遺伝子に作用し,組織の異常発達を引き起こすことで形成される「こぶ」のこと.虫瘤(むしこぶ),虫癭(ちゅうえい)などと呼ばれる.形成者はむしに限らず線虫や菌類であることもあり,単に英語名でGall(ゴール)と呼ぶこともある.このページでは昆虫・ダニといった「むし」が形成者のものに絞って解説する.
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− | 虫こぶはいわば,むしの食料兼シェルターである.形成者は植物体に卵を産み付けるのと同時に何らかの働きかけをして,虫こぶを導入する.虫こぶの中で孵化した幼虫は,植物の甘露を摂取し,自身の排泄物を植物の細胞壁に吸収してもらい,さらに分厚い壁で外敵からも守られる.こうしてぬくぬくとシェルター暮らしを送って成長し,用済みの虫こぶから出ていくのだ.
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− | さらに虫こぶは単に植物の形状を物理的に変化させるだけでなく,植物が自身の防御物質として利用している化合物をコントロールして,化学的な変化も引き起こすことが知られている.たとえばヌルデシロアブラムシが形成する[[ヌルデミミフシ 広島大学東広島キャンパス|ヌルデミミフシ]]は,ポリフェノールの一種であるタンニンを通常よりも多く含む.これは捕食者を寄せ付けない効果があるとされている.他にも,虫こぶが導入された葉は落葉後も微生物による分解が遅れるという報告もある.虫こぶは植物-むし間だけでなくその土地全体の生態系にも影響を及ぼすのだ.
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− | 一方で虫こぶは人間との関わりも深い.中世ヨーロッパではタマバチの虫こぶの成分を利用して没食子インクが作られてきた.また,日本でも上のヌルデミミフシがお歯黒の染料として用いられたり,昭和以降には五倍子(ふし)という漢方薬として重宝されたりしてきたという歴史がある.
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− | ===虫こぶとそうでないもの===
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− | 虫こぶは「植物の組織が異常に発達した状態」である.したがって,オトシブミが葉を切って作るゆりかごや,ハモグリガの幼虫がみかんの葉を食べ進む際にできる迷路模様などは虫こぶとは呼ばないので注意が必要.これらは葉が変形しただけであるから,虫こぶの定義に当てはまらない.
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− | ===名前の付け方===
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− | 一般に,'''(宿主の植物名)+(形成される場所)+(形態的特徴)+フシ(虫こぶの意)'''という規則に則り命名される.
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− | 虫こぶが形成される場所は葉,茎,芽,実など.特徴としては球状(タマ),いぼ状(イボ),つぼ状(ツボ),ふくろ状(フクロ)などと形容する.虫こぶが毛におおわれているときは「ケ」がつくこともある.
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− | つまり,虫こぶの和名を見るだけでどんな虫こぶかある程度知ることができるのが特徴である.
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− | また,形成者のむしの和名についても,宿主となる植物名からはじまるものがほとんどである.一般に虫こぶにおいて,寄主と宿主は1:1の関係になることが多い.
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− | ===植物から調べる===
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− | 以下では東広島キャンパス内で見られた虫こぶを紹介します.
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− | ====イヌツゲ====
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− | *イヌツゲタマフシ
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− | ====エノキ====
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− | *エノキハイボフシ
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− | ====クヌギ====
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− | *[[クヌギエダイガフシ_広島大学東広島キャンパス|クヌギエダイガフシ]](編集中)
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− | *[[クヌギハケタマフシ_広島大学東広島キャンパス|クヌギハケタマフシ]](編集中)
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− | *[[クヌギハケツボタマフシ_広島大学東広島キャンパス|クヌギハケツボタマフシ]](編集中)
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− | ====ソヨゴ====
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− | *ソヨゴメタマフシ
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− | ====ヌルデ====
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− | *[[ヌルデハイボケフシ_広島大学東広島キャンパス|ヌルデハイボケフシ]](編集中)
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− | *[[ヌルデミミフシ_広島大学東広島キャンパス|ヌルデミミフシ]](編集中)
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− | ====ビロードイチゴ====
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− | *キイチゴハケフシ
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− | ====ヨモギ====
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− | *[[ヨモギハシロケタマフシ_広島大学東広島キャンパス|ヨモギハシロケタマフシ]](編集中)
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− | *[[ヨモギハベリマキフシ_広島大学東広島キャンパス|ヨモギハベリマキフシ]](編集中)
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− | *ヨモギクキコブフシ
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− | *ヨモギクキナガズイフシ
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− | ===形成者から調べる===
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− | *[[ケヤキヒトスジワタムシ_広島大学東広島キャンパス|ケヤキヒトスジワタムシ]]:[[ケヤキ]]の葉に寄生するアブラムシ.ケヤキハフクロフシを形成する.
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− | *[[ヌルデシロアブラムシ]]:[[ヌルデ]]に葉に寄生するアブラムシ.[[ヌルデミミフシ 広島大学東広島キャンパス|ヌルデミミフシ]]を形成する.
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