「東広島キャンパスの生き物/過去のニュース/2019」の版間の差分

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*[[東広島キャンパスの生き物|最新のニュースはこちら]]
 
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*2019.12.20-25 東広島キャンパスでは冬尺蛾や冬夜蛾(キリガ)など,冬期に見られる蛾が出現しています.冬尺蛾はフユシャク亜科及び冬期に発生するエダシャク亜科,ナミシャク亜科の一部の種の総称です.メスは翅が退化しており飛べませんが,樹幹や手すりなどを登り,フェロモンを出してオスを誘引します.冬夜蛾は[[アラカシ]]や[[アベマキ]]の樹液やサザンカの蜜を吸っている姿が見られます.その他樹皮に擬態する[[キノカワガ_広島大学東広島キャンパス|キノカワガ]],カレハガ科では珍しく冬に現れる[[ウスズミカレハ_広島大学東広島キャンパス|ウスズミカレハ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20191224ウスバフユシャク交尾_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91532s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のウスバフユシャク.左の翅がない個体がメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 24, 2019)|link=ウスバフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191220チャバネフユエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90968s.jpg|250px|thumb|right|チャバネフユエダシャクの成虫(オス).前翅に暗色条が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 20, 2019)|link=チャバネフユエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191227クロオビフユナミシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91774s.jpg|250px|thumb|right|クロオビフユナミシャクの成虫(オス).翅の黒い帯模様が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 27, 2019)|link=クロオビフユナミシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191224シロオビフユシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91389s.jpg|250px|thumb|right|シロオビフユシャクの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 24, 2019)|link=シロオビフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191225カシワキボシキリガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91675s.jpg|250px|thumb|right|カシワキボシキリガの成虫.越冬するキリガ類.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)|link=カシワキボシキリガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191224チャマダラキリガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91554s.jpg|250px|thumb|right|チャマダラキリガの成虫.翅の模様は変異が著しい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 24, 2019)|link=チャマダラキリガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191225ハネナガモクメキリガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91720s.jpg|250px|thumb|right|[[アベマキ]]の樹液を吸うハネナガモクメキリガの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)|link=ハネナガモクメキリガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191225キノカワガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91682s.jpg|250px|thumb|right|キノカワガの成虫.樹皮に溶け込んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)|link=キノカワガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191225ウスズミカレハ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91652s.jpg|250px|thumb|right|ウスズミカレハの成虫(オス).カレハガ科では珍しく初冬に現れる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)|link=ウスズミカレハ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.12.12-20 東広島キャンパスで[[ハイタカ]]と[[オシドリ]],[[ミヤマホオジロ]]のメスを観察することができました.[[ハイタカ]]は朝や夕に上空を飛翔している姿が見られます.
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|[[ファイル: 20191214ハイタカ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90560sa.jpg|250px|thumb|right|空を舞うハイタカ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 14, 2019)|link=ハイタカ]]
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|[[ファイル: 20191214オシドリオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90508s.jpg|250px|thumb|right|オシドリのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 14, 2019)|link=オシドリ]]
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|[[ファイル: 20191212ミヤマホオジロメス_東広島市鏡山_南葉撮影_MG_90445s.jpg|250px|thumb|right|地上で採餌するミヤマホオジロのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 12, 2019)|link=ミヤマホオジロ]]
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東広島キャンパスで[[クロスジホソサジヨコバイ_広島大学東広島キャンパス|クロスジホソサジヨコバイ]],[[コブマダラカモドキサシガメ_広島大学東広島キャンパス|コブマダラカモドキサシガメ]],[[ヒゲナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス|ヒゲナガサシガメ]]を観察することができました.[[クロスジホソサジヨコバイ_広島大学東広島キャンパス|クロスジホソサジヨコバイ]]は翅端にある一対の黒斑が眼,細い筋模様が脚に見え,まるで別の虫に見えることから「マエムキダマシ」といいます.冬期に[[ヤツデ]]など常緑樹の葉をめくると見つかります.
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|[[ファイル: 20191219クロスジホソサジヨコバイ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90938s.jpg|250px|thumb|right|クロスジホソサジヨコバイの成虫(メス).矢印の先が頭部.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 19, 2019)|link=クロスジホソサジヨコバイ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191216コブマダラカモドキサシガメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90744s.jpg|250px|thumb|right|コブマダラカモドキサシガメの幼虫.樹洞で越冬していた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 16, 2019)|link=コブマダラカモドキサシガメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191219ヒゲナガサシガメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90931s.jpg|250px|thumb|right|ヒゲナガサシガメの幼虫.葉裏で越冬していた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 19, 2019)|link=ヒゲナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.12.5-7 東広島キャンパスで[[ヤマシギ]],[[シメ]],[[ミヤマホオジロ]]のオスなどを観察することができました.[[ヤマシギ]]は夜間活動することが多く,水田の畔や芝生などでミミズや昆虫を探す姿が見られます.東広島キャンパスの野鳥については「[[東広島キャンパスの鳥類相]]」というページもご覧になってください。
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|[[ファイル: 20191210ヤマシギ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90431s.jpg|250px|thumb|right|ヤマシギ.主に夜間田畑や芝生などで採餌する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 10, 2019)]]
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|[[ファイル: 20191207シメメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89984s.jpg|250px|thumb|right|シメ(メス).メスは眼から嘴にかけての黒斑が薄い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 7, 2019)|link=シメ]]
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|[[ファイル: 20191207ミヤマホオジロオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90119s.jpg|250px|thumb|right|ミヤマホオジロ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 7, 2019)|link=ミヤマホオジロ]]
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12月になり気温がかなり下がっていますが,晴れて暖かい日には[[アキアカネ_広島大学東広島キャンパス|アキアカネ]]が日当たりの良い草地などで見られます.また,[[ヒシガタグモ_広島大学東広島キャンパス|ヒシガタグモ]]や[[アカハバビロオオキノコ_広島大学東広島キャンパス|アカハバビロオオキノコ]]なども見られます.
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|[[ファイル: 20191205アキアカネ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89794s.jpg|250px|thumb|right|アキアカネの成虫(オス).寒くなっても多くの個体が残っている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 5, 2019)|link=アキアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191205アカハバビロオオキノコ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89830s.jpg|250px|thumb|right|アカハバビロオオキノコの成虫.カイガラタケを食べている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 5, 2019)]]
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*2019.11.27 東広島キャンパスでもワタムシの仲間が見られるようになりました.ワタムシの仲間は「雪虫」とも呼ばれ,北海道ではトドノネオオワタムシが初雪を知らせる秋の風物詩として知られています.キャンパスでは主に[[ヒイラギハマキワタムシ_広島大学東広島キャンパス|ヒイラギハマキワタムシ]]と[[ケヤキヒトスジワタムシ_広島大学東広島キャンパス|ケヤキヒトスジワタムシ]]の2種が見られ,雨が降る前に飛翔することが多いです.
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また,この時期の林縁部では[[ゴマフリドクガ_広島大学東広島キャンパス|ゴマフリドクガ]]の幼虫が見られます.ドクガ科の幼虫には毒を持たないものもいますが,本種は毒刺毛をもつので触らないよう注意が必要です.
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|[[ファイル: 20191127ヒイラギハマキワタムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89595s.jpg|250px|thumb|right|ヒイラギハマキワタムシの成虫(メス).晩秋に現れる有翅虫は二次寄主(不明)から一次寄主のモクセイ科に移る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)|link=ヒイラギハマキワタムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191118ケヤキヒトスジワタムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88826s.jpg|250px|thumb|right|ケヤキヒトスジワタムシの成虫(メス).晩秋に現れる有翅虫は二次寄主のササ類から一次寄主のニレ科に移る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 18, 2019)|link=ケヤキヒトスジワタムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191127ゴマフリドクガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89486s.jpg|250px|thumb|right|ゴマフリドクガの幼虫.同じく毒をもつキドクガやモンシロドクガ,毒をもたないリンゴケンモンなど類似種が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)|link=ゴマフリドクガ_広島大学東広島キャンパス]]
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秋に発生するシャクガの仲間は[[ナカオビアキナミシャク_広島大学東広島キャンパス|ナカオビアキナミシャク]]や[[カバエダシャク_広島大学東広島キャンパス|カバエダシャク]]を観察することができました.越冬前の虫は[[アカホシテントウ_広島大学東広島キャンパス|アカホシテントウ]]が見られました.滲むような赤色斑が特徴です.
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|[[ファイル: 20191127ナカオビアキナミシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89469s.jpg|200px|thumb|right|ナカオビアキナミシャクの成虫.晩秋~初冬にかけて多く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)|link=ナカオビアキナミシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191127カバエダシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89535s.jpg|250px|thumb|right|カバエダシャクの成虫.晩秋から初冬にかけて出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)|link=カバエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191127アカホシテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89545s.jpg|250px|thumb|right|アカホシテントウの成虫.翅に沈み込むような赤色斑が独特.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)|link=アカホシテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.11.18-23 東広島キャンパスで[[ミヤマホオジロ]]が見られるようになりました.また,[[ジョウビタキ]]はキャンパスのあちらこちらで観察することができます.
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|[[ファイル: 20191120ミヤマホオジロオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88935s.jpg|250px|thumb|right|ミヤマホオジロのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)|link=ミヤマホオジロ]]
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|[[ファイル: 20191120ジョウビタキオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88968s.jpg|250px|thumb|right|ジョウビタキのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)|link=ジョウビタキ]]
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|[[ファイル: 20191120ジョウビタキメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88920s.jpg|250px|thumb|right|ジョウビタキのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)|link=ジョウビタキ]]
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先週に引き続き[[ウスタビガ_広島大学東広島キャンパス|ウスタビガ]]や[[チャエダシャク_広島大学東広島キャンパス|チャエダシャク]],[[ニトベエダシャク_広島大学東広島キャンパス|ニトベエダシャク]]など晩秋~初冬の蛾を観察することができました.
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|[[ファイル: 20191120ウスタビガ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89157s.jpg|250px|thumb|right|ウスタビガの成虫(オス).橙褐色の翅は枯葉のようである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)|link=ウスタビガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191118チャエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88725s.jpg|250px|thumb|right|チャエダシャクの成虫(オス).触角が発達している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 18, 2019)|link=チャエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191123ニトベエダシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89327s.jpg|250px|thumb|right|ニトベエダシャクの成虫.出現時期が晩秋であることと,独特な模様から識別は容易.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)|link=ニトベエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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秋が深まり観察できる虫は少なくなりましたが,[[セスジツユムシ_広島大学東広島キャンパス|セスジツユムシ]]や[[キトンボ_広島大学東広島キャンパス|キトンボ]]はまだ活動しています.[[ムラサキツバメ_広島大学東広島キャンパス|ムラサキツバメ]]はまもなく越冬に入ることでしょう.
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|[[ファイル: 20191123セスジツユムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89351s.jpg|250px|thumb|right|セスジツユムシの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)|link=セスジツユムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191123キトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89423s.jpg|250px|thumb|right|キトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)|link=キトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191123ムラサキツバメ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89301s.jpg|250px|thumb|right|ムラサキツバメの成虫(オス).成虫で越冬するシジミチョウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)|link=ムラサキツバメ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.11.11-17 東広島キャンパスでは現在冬鳥の[[ルリビタキ]]や[[キクイタダキ]],[[シメ]]を観察することができます.
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|[[ファイル: 20191117ルリビタキオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88567s.jpg|250px|thumb|right|ルリビタキのオス.若いオスと縄張り争いをしていた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)|link=ルリビタキ]]
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|[[ファイル: 20191113キクイタダキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87832s.jpg|250px|thumb|right|キクイタダキ.針葉樹の間を飛び回る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)|link=キクイタダキ]]
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|[[ファイル: 20191115シメ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88190s.jpg|250px|thumb|right|シメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 15, 2019)|link=シメ]]
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[[ヒメヤママユ_広島大学東広島キャンパス|ヒメヤママユ]]はいよいよ見られなくなってきましたが,[[ウスタビガ_広島大学東広島キャンパス|ウスタビガ]]が見られるようになりました.ヤママユ科では最も遅く出現する種で,眼状紋が透けているのが特徴です.そのほか枝にそっくりな[[キバラモクメキリガ_広島大学東広島キャンパス|キバラモクメキリガ]]を確認しました.
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|[[ファイル: 20191117ウスタビガ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_78338s.jpg|250px|thumb|right|ウスタビガの成虫(メス).キャンパスにおいては最も遅い季節に見られるヤママユ科である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)|link=ウスタビガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191112ヒメヤママユ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81697s.jpg|250px|thumb|right|ヒメヤママユの成虫(オス).11月中旬に入ると翅が傷ついた個体が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 12, 2019)|link=ヒメヤママユ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191113キバラモクメキリガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88143s.jpg|250px|thumb|right|キバラモクメキリガの成虫.枝の端のような見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)|link=キバラモクメキリガ_広島大学東広島キャンパス]]
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褐色型の[[ハラビロカマキリ_広島大学東広島キャンパス|ハラビロカマキリ]]や手すりで見られた[[カネタタキ_広島大学東広島キャンパス|カネタタキ]],[[キイロテントウ_広島大学東広島キャンパス|キイロテントウ]],その他の虫を紹介します.
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|[[ファイル: 20191113褐色型ハラビロカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87785s.jpg|250px|thumb|right|褐色型のハラビロカマキリの成虫(メス).褐色型はキャンパスではあまり見られない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)|link=ハラビロカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191117カネタタキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88714s.jpg|250px|thumb|right|カネタタキの成虫(オス).夜の手すりでメスとともによく見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)|link=カネタタキ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191117キイロテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88704s.jpg|250px|thumb|right|越冬前のキイロテントウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)]]
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|[[ファイル: 20191111アオモンツノカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81542s.jpg|250px|thumb|right|アオモンツノカメムシの成虫.[[キヅタ]]の葉の上に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 11, 2019)|link=アオモンツノカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191113コハナグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87961s.jpg|250px|thumb|right|花の上で獲物を待つコハナグモの成体(メス).[[ハナグモ_広島大学東広島キャンパス|ハナグモ]]に似るが頭胸部に剛毛を有する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)|link=コハナグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191113アリグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88053s.jpg|250px|thumb|right|アリグモの成体(メス).オスのように大アゴは発達しない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)|link=アリグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.11.6-11.9 東広島キャンパスで[[ジムグリ]]を観察することができました.[[ジムグリ]]は高温に弱く,夏場はあまり見ることができませんが,春や秋には見られる機会が多くなります.また,冬鳥も渡ってきています.[[生態実験園]]で[[アトリ]],[[ぶどう池]]で[[クロジ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20191109ジムグリ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91026s.jpg|250px|thumb|right|ジムグリの成蛇.春や秋は昼間にも見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 9, 2019)|link=ジムグリ]]
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|[[ファイル: 20191107アトリメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90225s.jpg|250px|thumb|right|アトリのメス.メスは顔の色が淡い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 7, 2019)|link=アトリ]]
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|[[ファイル: 20191108クロジ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90500s.jpg|250px|thumb|right|クロジ.[[アオジ]]と混群を形成していた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)]]
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キャンパスで見られる虫も晩秋を象徴するものが多くなりました.[[オオスズメバチ_広島大学東広島キャンパス|オオスズメバチ]]のオスは晩秋になると巣を離れ,他の巣の新女王と交尾します.[[ベッコウバエ_広島大学東広島キャンパス|ベッコウバエ]]も主に晩秋に見られるハエで,腐食物に集まります.[[オオアオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|オオアオイトトンボ]]も越冬しない均翅亜目のトンボでは最も遅い時期まで見られ,金緑色の光沢部が美しいです.
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[[ムラサキシジミ_広島大学東広島キャンパス|ムラサキシジミ]]は越冬するシジミチョウで,気温が低く,かつ天気のいい日に翅を開いて美しい模様を見せてくれます.その他地衣類に擬態する[[ケンモンミドリキリガ_広島大学東広島キャンパス|ケンモンミドリキリガ]]や繊細な模様が美しい[[キバラケンモン_広島大学東広島キャンパス|キバラケンモン]]などを観察することができました.
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|[[ファイル: 20191108オオスズメバチ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90638s.jpg|250px|thumb|right|オオスズメバチの成虫オス.働きバチや女王バチに比べて触角が長く,頭楯の突起が丸い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)|link=オオスズメバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191108ベッコウバエ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90427s.jpg|250px|thumb|right|ベッコウバエの成虫.林縁部などでよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)]]
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|[[ファイル: 20191107オオアオイトトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90217s.jpg|250px|thumb|right|オオアオイトトンボの成虫(オス).キャンパスではため池のある環境でふつうに見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 7, 2019)|link=オオアオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191108ムラサキシジミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90484s.jpg|250px|thumb|right|ムラサキシジミの成虫(メス).メスは翅表の青色部が狭い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)|link=ムラサキシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191109ケンモンミドリキリガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91109s.jpg|250px|thumb|right|ケンモンミドリキリガの成虫.ウメノキゴケに擬態していると考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 9, 2019)|link=ケンモンミドリキリガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191108キバラケンモン成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90375s.jpg|250px|thumb|right|キバラケンモンの成虫.ニセキバラケンモンやキタキバラケンモンなどの類似種がいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)]]
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林内に入ればキノコも様々なものが見られます.地面から直接生え,橙色がよく目立つ[[ヒイロチャワンタケ_広島大学東広島キャンパス|ヒイロチャワンタケ]],倒木から何百本以上も群生する[[イヌセンボンタケ_広島大学東広島キャンパス|イヌセンボンタケ]],押すと胞子が勢いよく放出する[[クチベニタケ_広島大学東広島キャンパス|クチベニタケ]]などが見られました.
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|[[ファイル: 20191106ヒイロチャワンタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89956s.jpg|250px|thumb|right|ヒイロチャワンタケ.柄はなく,地面から直接生える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 6, 2019)]]
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|[[ファイル: 20191106イヌセンボンタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89900s.jpg|250px|thumb|right|イヌセンボンタケ.倒木や切り株にびっしりと生える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 6, 2019)]]
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|[[ファイル: 20191106クチベニタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90136s.jpg|250px|thumb|right|クチベニタケ.広葉樹林の切り通しなどやや開けた場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 6, 2019)]]
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===10月===
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*2019.10.26-11.3 11月3日(日)は[[ふれあいビオトープ]]にて生物の観察会がありました.多くの水生生物を観察することができたのでその一部を紹介します.
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|[[ファイル: 20191103ウスイロシマゲンゴロウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89541s.jpg|250px|thumb|right|ウスイロシマゲンゴロウの成虫(メス).本州では分布が局所的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 3, 2019)|link=ウスイロシマゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191103コガムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89500s.jpg|250px|thumb|right|コガムシの成虫.水田やため池の浅い場所で見ることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 3, 2019)|link=コガムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191102ミズカマキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89277s.jpg|250px|thumb|right|ミズカマキリの成虫.カメムシ目であるため,口は鋭い口吻になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 2, 2019)|link=ミズカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスの各所で晩秋を告げる蛾が見られます.[[ヒメヤママユ_広島大学東広島キャンパス|ヒメヤママユ]]や[[ミノウスバ_広島大学東広島キャンパス|ミノウスバ]]はその代表格で,後者は[[生態実験園]]で多く見られます.[[フクラスズメ_広島大学東広島キャンパス|フクラスズメ]]は成虫で越冬するガです.
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|[[ファイル: 20191030ヒメヤママユ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88988s.jpg|250px|thumb|right|ヒメヤママユの成虫(オス).ヤママユ科では小型で,赤紫色の斑紋が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)|link=ヒメヤママユ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191102ミノウスバ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89382s.jpg|250px|thumb|right|ミノウスバの成虫(オス).晩秋に見られるマダラガ科のガである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 2, 2019)|link=ミノウスバ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191101フクラスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89103s.jpg|250px|thumb|right|フクラスズメの成虫.成虫越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 1, 2019)]]
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キャンパス内の[[クスノキ]]で[[クスベニヒラタカスミカメ_広島大学東広島キャンパス|クスベニヒラタカスミカメ]]を確認しました.2015年に国内で初確認された外来種で,近畿地方を中心に爆発的に増加しています.写真の右下に写っているように,[[クスノキ]]の葉を食害して濃い赤色の食痕を残します.そのほか晩秋を告げる虫である[[トゲアリ_広島大学東広島キャンパス|トゲアリ]]の女王アリや[[ヒメカマキリ_広島大学東広島キャンパス|ヒメカマキリ]],[[ヒメツチハンミョウ_広島大学東広島キャンパス|ヒメツチハンミョウ]]に加えて,幼虫または成虫の状態で越冬する虫([[オツネントンボ_広島大学東広島キャンパス|オツネントンボ]],[[アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス|アカスジキンカメムシ]]など)を観察することができました.
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|[[ファイル: 20191029クスベニヒラタカスミカメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88250s.jpg|250px|thumb|right|クスベニヒラタカスミカメの成虫.近年確認された外来種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 29, 2019)|link=クスベニヒラタカスミカメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191026トゲアリ女王アリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87963s.jpg|250px|thumb|right|翅を落としたトゲアリの成虫(女王アリ).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 26, 2019)|link=トゲアリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191030ヒメカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88688s.jpg|200px|thumb|right|ヒメカマキリの成虫(メス).日当たりの良い場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)|link=ヒメカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191101ヒメツチハンミョウ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_89133s.jpg|250px|thumb|right|ヒメツチハンミョウの成虫(オス).オスには触角に大きな節がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 1, 2019)|link=ヒメツチハンミョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191030オツネントンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_88824s.jpg|250px|thumb|right|越冬前のオツネントンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)|link=オツネントンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191030アカスジキンカメムシ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_98752s.jpg|250px|thumb|right|アカスジキンカメムシの幼虫.幼虫で越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)|link=アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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===10月===
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*2019.10.21-23 東広島キャンパスで[[ヤマカガシ]]の幼蛇を観察することができました.キャンパス周辺でも[[ヤマカガシ]]の色彩変異は多様で,他にも黄色が目立つ個体や白っぽい個体も見られます.そのほか各地で[[キアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス|キアシナガバチ]]のオスや[[クロスズメ_広島大学東広島キャンパス|クロスズメ]]の幼虫が見られました.アシナガバチのオスは毒針を持たず,秋になると観察する機会が増えます.
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|[[ファイル: 20191023ヤマカガシ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87704s.jpg|250px|thumb|right|ヤマカガシの幼蛇.赤と黄色の模様が目立つ個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)|link=ヤマカガシ]]
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|[[ファイル: 20191023キアシナガバチ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87288s.jpg|250px|thumb|right|キアシナガバチの成虫(オス).働きバチや女王バチに比べ顔面の色が薄く,触角が長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)|link=キアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191023クロスズメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87438s.jpg|200px|thumb|right|クロスズメの幼虫.緑と濃褐色の模様が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)|link=クロスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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先週の[[ハイイロセダカモクメ_広島大学東広島キャンパス|ハイイロセダカモクメ]]のように,人の目を欺く巧みな擬態をする昆虫はキャンパスでも様々なものが見られます.[[コマダラウスバカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|コマダラウスバカゲロウ]]は所謂アリジゴクの仲間ですが,幼虫はすり鉢状の巣は作らず,岩肌や地表を覆う地衣類を身にまとって獲物を待ちます.[[アケビコノハ_広島大学東広島キャンパス|アケビコノハ]]は翅を閉じていると枯葉にそっくりですが,危険を感じると目玉のような派手な後翅の模様を見せつけて威嚇します.[[ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス|ホソミオツネントンボ]]は越冬前は体が茶褐色であり,枯れ枝に紛れることができます.
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|[[ファイル: 20191023コマダラウスバカゲロウ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87427.jpg|250px|thumb|right|コマダラウスバカゲロウの幼虫.地衣類に扮するアリジゴク類.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)|link=コマダラウスバカゲロウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191023アケビコノハ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87513s.jpg|250px|thumb|right|アケビコノハの成虫.翅を閉じると枯葉にそっくりな姿になる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)|link=アケビコノハ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191023ホソミオツネントンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87322s.jpg|250px|thumb|right|ホソミオツネントンボの成虫(メス).越冬前は雌雄ともに茶褐色で,小枝にそっくりな見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)|link=ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスでは[[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカガエル]]をはじめとして両生類や爬虫類が多いですが,同時に路上に現れた個体が轢死することも少なくありません.そのような死骸を好んで集まる虫として[[ヨツボシモンシデムシ_広島大学東広島キャンパス|ヨツボシモンシデムシ]]がいます.シデムシ類の中でも鮮やかな模様が目を引く種です.そのほか同様に動物の死骸や糞に集まる[[センチコガネ_広島大学東広島キャンパス|センチコガネ]]や,[[ヨモギ]]の葉を食べる[[ヨモギハムシ_広島大学東広島キャンパス|ヨモギハムシ]]などの甲虫を観察することができました.
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|[[ファイル: 20191021ヨツボシモンシデムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87158s.jpg|250px|thumb|right|[[ニホンアカガエル]]の死骸を捕食するヨツボシモンシデムシの成虫.鮮やかな橙色紋が4つ並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 21, 2019)|link=ヨツボシモンシデムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191021センチコガネ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87120s.jpg|250px|thumb|right|正面から見たセンチコガネの成虫.オオセンチコガネと比べると頭楯が丸みを帯びている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 21, 2019)|link=センチコガネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191023ヨモギハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_87370s.jpg|250px|thumb|right|ヨモギハムシの成虫.大型で瑠璃色や真鍮色に輝く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)|link=ヨモギハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.10.15-16 東広島キャンパスで[[シロマダラ]]を観察することができました.夜行性のヘビであるため人目につかず,しばしば幻のヘビとして報道されていますが,キャンパスでも個体数は少なくないようです.そのほか巧みに[[ヨモギ]]の花序に擬態する[[ハイイロセダカモクメ_広島大学東広島キャンパス|ハイイロセダカモクメ]]の幼虫や,交接する[[アカサビザトウムシ_広島大学東広島キャンパス|アカサビザトウムシ]]などが見られました.
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|[[ファイル: 20191016シロマダラ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86896s.jpg|250px|thumb|right|シロマダラの成蛇.黒い斑模様が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=シロマダラ]]
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|[[ファイル: 20191016ハイイロセダカモクメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86824s.jpg|250px|thumb|right|[[ヨモギ]]の花序に擬態するハイイロセダカモクメの幼虫.赤い矢印が示す場所にいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=ハイイロセダカモクメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191016アカサビザトウムシ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86841s.jpg|250px|thumb|right|交接するアカサビザトウムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)]]
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東広島キャンパスでは様々なシジミチョウが見られます.笹薮で見られる[[ゴイシシジミ_広島大学東広島キャンパス|ゴイシシジミ]]は翅表の黒斑が大きく,碁石のような模様をしています.また,日本のシジミチョウとしては珍しく,幼虫が肉食性で[[ネザサ]]につくアブラムシを捕食します.[[ウラギンシジミ_広島大学東広島キャンパス|ウラギンシジミ]]は[[クズ]]原などで見られ,性的二型のため雌雄で翅表の模様が異なります.気温が低く,よく晴れた日に翅を開くので色の違いを観察しやすくなります.
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|[[ファイル: 20191016ゴイシシジミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86614s.jpg|250px|thumb|right|陽を浴びるゴイシシジミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=ゴイシシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191016ウラギンシジミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86583s.jpg|250px|thumb|right|開翅するウラギンシジミの成虫(オス).翅表の模様は橙色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=ウラギンシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191016ウラギンシジミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86637s.jpg|250px|thumb|right|開翅するウラギンシジミの成虫(メス).翅表の模様は銀白色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=ウラギンシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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そのほか成熟した[[ナツアカネ_広島大学東広島キャンパス|ナツアカネ]]のオスやヘビのような[[ベニスズメ_広島大学東広島キャンパス|ベニスズメ]]の幼虫,ドーム状の巣を張る[[アシナガサラグモ_広島大学東広島キャンパス|アシナガサラグモ]]などを観察することができました.
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|[[ファイル: 20191016ナツアカネ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86429s.jpg|250px|thumb|right|成熟したナツアカネの成虫(オス).頭部から腹部まで赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=ナツアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191016ベニスズメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86542s.jpg|250px|thumb|right|ベニスズメの幼虫.驚くと頭部を膨らませる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=ベニスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191016アシナガサラグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_86486s.jpg|250px|thumb|right|アシナガサラグモの成体(メス).メスの腹部背面は黒い腹部が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)|link=アシナガサラグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.10.7-11 東広島キャンパスでは、在来種に限定すると5種類のカマキリを観察することができます.[[チョウセンカマキリ_広島大学東広島キャンパス|チョウセンカマキリ]]は湿った草地に多く,[[ふれあいビオトープ]]などで見る機会が多いです.[[オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス|オオカマキリ]]はキャンパス全域の林縁部などに多く,時折大きい獲物を捕らえている姿が見られます.[[ヒメカマキリ_広島大学東広島キャンパス|ヒメカマキリ]]は小さなカマキリで少し発見が難しいですが,オスは外灯に飛来していることが多いです.
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|[[ファイル: 20191009チョウセンカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81532s.jpg|200px|thumb|right|チョウセンカマキリの成虫(メス).前脚の付け根が橙色であることが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=チョウセンカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191009ヒメカマキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81783s.jpg|250px|thumb|right|ヒメカマキリの成虫(オス).飛翔性が高く,灯りにもしばしば飛来する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=ヒメカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191011オオカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_82181s.jpg|250px|thumb|right|[[マイマイカブリ_広島大学東広島キャンパス|マイマイカブリ]]を捕食するオオカマキリの成虫(メス).甲虫の頑強な鞘翅をものともせず食い破る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 11, 2019)|link=オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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秋の東広島キャンパスでは,至る所でアカネ属のトンボが数多く見られます.「赤とんぼ」を代表する[[アキアカネ_広島大学東広島キャンパス|アキアカネ]]や[[ナツアカネ_広島大学東広島キャンパス|ナツアカネ]]はもちろん,翅の先に暗色班のある[[コノシメトンボ_広島大学東広島キャンパス|コノシメトンボ]]や[[リスアカネ_広島大学東広島キャンパス|リスアカネ]],小型な[[ヒメアカネ_広島大学東広島キャンパス|ヒメアカネ]]や[[マイコアカネ_広島大学東広島キャンパス|マイコアカネ]]などです.多くの種が山中池や角脇調整池などのため池周辺で観察することができます.
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|[[ファイル: 20191011アキアカネ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_82071s.jpg|250px|thumb|right|成熟したアキアカネの成虫(メス).ナツアカネのメスに似るが,胸部側面の黒条が尖る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 11, 2019)|link=アキアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191007ナツアカネ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80812s.jpg|250px|thumb|right|成熟したナツアカネの成虫(メス).アキアカネのメスに似るが,胸部側面の黒条が角ばる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 7, 2019)|link=ナツアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191009コノシメトンボ成虫成熟メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81703s.jpg|250px|thumb|right|成熟したコノシメトンボの成虫(メス).東広島キャンパスでは角脇調整池周辺に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=コノシメトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191009マイコアカネ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81532.JPG|250px|thumb|right|成熟したマイコアカネの成虫(オス).オスは頭部が青白いのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=マイコアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191009リスアカネ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81485s.jpg|250px|thumb|right|成熟したリスアカネの成虫(オス).樹林に囲まれたため池に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=リスアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191009ヒメアカネ成熟オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81621s.jpg|250px|thumb|right|成熟したヒメアカネの成虫(オス).キャンパスではマユタテアカネに次いでよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=ヒメアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスでは[[ササキリ_広島大学東広島キャンパス|ササキリ]]のような鳴く虫だけではなく,個性的なバッタ目の昆虫が見られます.夏場に成虫が見られた[[コロギス_広島大学東広島キャンパス|コロギス]]や[[ハネナシコロギス_広島大学東広島キャンパス|ハネナシコロギス]]はもう幼虫が出現しており,このまま冬を越します.
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|[[ファイル: 20191010コロギス幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_82060s.jpg|250px|thumb|right|コロギスの幼虫(オス).本種や[[ハネナシコロギス_広島大学東広島キャンパス|ハネナシコロギス]]は幼虫で越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 10, 2019)|link=コロギス_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191008ササキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81252s.jpg|250px|thumb|right|ササキリの成虫(オス).生態実験園の低木上で「シリシリシリ・・・」と鳴いていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 8, 2019)|link=ササキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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秋型のチョウも見られます.東広島キャンパスでは[[ツマグロキチョウ_広島大学東広島キャンパス|ツマグロキチョウ]]が比較的多く,[[生態実験園]]などで[[キタキチョウ_広島大学東広島キャンパス|キタキチョウ]]とともに観察することができます.[[クロコノマチョウ_広島大学東広島キャンパス|クロコノマチョウ]]はとまっていると枯葉にそっくりなチョウで,薄暗い林縁部で見られます.[[コウモリガ_広島大学東広島キャンパス|コウモリガ]]は細長い体と太い前中脚が特徴的で,灯りにしばしば飛来します.[[クロメンガタスズメ_広島大学東広島キャンパス|クロメンガタスズメ]]の幼虫は非常に大きく,尾角が巻いており小突起が並ぶことが特徴です.
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|[[ファイル: 20191009ツマグロキチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81585s.jpg|250px|thumb|right|秋型のツマグロキチョウの成虫.後翅裏に暗色筋が2本入るのが特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=ツマグロキチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191010クロコノマチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81866s.jpg|250px|thumb|right|秋型のクロコノマチョウの成虫(メス).翅の裏には小さな眼状紋が並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 10, 2019)|link=クロコノマチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191008コウモリガ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81204s.jpg|200px|thumb|right|コウモリガの成虫(メス).日中は樹幹や壁にしがみついていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 8, 2019)|link=コウモリガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191009クロメンガタスズメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_81750s.jpg|200px|thumb|right|クロメンガタスズメの幼虫.クサギのほか,ナス科のチョウセンアサガオやナスも食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)|link=クロメンガタスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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毎週金曜日の野鳥調査で[[ノスリ]]が確認されました.これでキャンパスで確認された鳥類は69種になりました.また,[[オオバン]]の飛来も確認されました.[[モズ]]が「キチキチキチキチ……」と高鳴きしています.キャンパスの野鳥については「[[東広島キャンパスの鳥類相]]」もご覧ください.
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|[[ファイル:20191011ノスリ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50191s.JPG|250px|thumb|right|ノスリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)|link=ノスリ]]
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|[[ファイル:20191011オオバン_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50200s.JPG|250px|thumb|right|オオバン(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)|link=オオバン]]
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|[[ファイル:20191011モズ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50408s.JPG|250px|thumb|right|高鳴きするモズ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)|link=モズ]]
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|[[ファイル:20191011イソヒヨドリオス_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50313s.JPG|250px|thumb|right|イソヒヨドリのオス(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)]]
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|[[ファイル:20191011カワラヒワ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50120s.JPG|250px|thumb|right|カワラヒワ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)|link=カワラヒワ]]
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|[[ファイル:20191011キジバト_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50273s.JPG|250px|thumb|right|キジバト(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)|link=キジバト]]
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*2019.09.30-10.4 東広島キャンパスでは[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]]など多くのセミが姿を消していますが,[[チッチゼミ_広島大学東広島キャンパス|チッチゼミ]]は盛んに鳴いています.[[チッチゼミ_広島大学東広島キャンパス|チッチゼミ]]は晩秋まで観察することができます.また,成熟した[[キトンボ_広島大学東広島キャンパス|キトンボ]]や[[ウラナミシジミ_広島大学東広島キャンパス|ウラナミシジミ]],鳴く虫の[[クマコオロギ_広島大学東広島キャンパス|クマコオロギ]]など秋の到来を感じさせる昆虫が見られました.
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|[[ファイル: 20191004チッチゼミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80525s.jpg|250px|thumb|right|チッチゼミの成虫(オス).「チッチッチッチ・・・」と単調に鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)|link=チッチゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191004キトンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80319s.jpg|250px|thumb|right|キトンボの成虫(メス).メスは腹部の先の産卵弁が下方に突き出ている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)|link=キトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191002ウラナミシジミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79989s.jpg|250px|thumb|right|ヤブツルアズキで吸蜜するウラナミシジミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 2, 2019)|link=ウラナミシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191004クマコオロギ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80638s.jpg|250px|thumb|right|クマコオロギの成虫(メス).湿った草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)|link=クマコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190930コカマキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79594s.jpg|250px|thumb|right|コカマキリの成虫(オス).林縁から草地まで幅広い環境に見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep.30, 2019)|link=コカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190930キボシマルウンカ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79817s.jpg|250px|thumb|right|キボシマルウンカの成虫.キャンパスでは様々な植物についている姿が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 30, 2019)|link=キボシマルウンカ_広島大学東広島キャンパス]]
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夜には秋を告げる様々なガが見られます.[[クスサン_広島大学東広島キャンパス|クスサン]]と[[ヤママユ_広島大学東広島キャンパス|ヤママユ]]はともにヤママユ科の大型蛾で,眼状紋が特徴的です.[[ウスバツバメガ_広島大学東広島キャンパス|ウスバツバメガ]]はサクラ並木などでよく見られます.
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|[[ファイル: 20190930ヤママユ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79945s.jpg|250px|thumb|right|ヤママユの成虫(メス).晩夏を告げる大型のガである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 30, 2019)|link=ヤママユ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191004クスサン成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80727s.jpg|250px|thumb|right|クスサンの成虫(メス).刺激を受けると後翅の眼状紋を見せつけて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)|link=クスサン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191004ウスバツバメガ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80692s.jpg|250px|thumb|right|ウスバツバメガの成虫(メス).ウメやサクラなどバラ科樹木の周りで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)|link=ウスバツバメガ_広島大学東広島キャンパス]]
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個性的なクモ類も見られました.[[カトウツケオグモ_広島大学東広島キャンパス|カトウツケオグモ]]は珍種とされていますが,ががら山の林縁部でしばしば確認されています.[[ビジョオニグモ_広島大学東広島キャンパス|ビジョオニグモ]]は日中葉を巻いた巣に身を隠していますが,日が暮れると円網の中で獲物を待ちます.[[ワキグロサツマノミダマシ_広島大学東広島キャンパス|ワキグロサツマノミダマシ]]はキャンパスで広く見られ,[[サツマノミダマシ_広島大学東広島キャンパス|サツマノミダマシ]]という近縁種も見られます.
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|[[ファイル: 20191004カトウツケオグモ幼体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80418s.jpg|250px|thumb|right|カトウツケオグモの幼体.臭いを放出することがある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)|link=カトウツケオグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190930ビジョオニグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79658s.jpg|250px|thumb|right|ビジョオニグモの成体(メス).腹部に人面のような模様がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 30, 2019)|link=ビジョオニグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20191002ワキグロサツマノミダマシ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80089s.jpg|250px|thumb|right|ワキグロサツマノミダマシの成体(メス).サツマノミダマシに似るが,腹部腹面が黒褐色であることが識別点.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 2, 2019)|link=ワキグロサツマノミダマシ_広島大学東広島キャンパス]]
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===9月===
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*2019.09.23-27 夜のキャンパスでは様々な秋の虫が鳴いています.有名な[[マツムシ_広島大学東広島キャンパス|マツムシ]]や[[エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス|エンマコオロギ]]はそれぞれ「チンチロリン」「コロコロリー」と鳴き,秋の風物詩として親しまれてきた存在です.また,名はあまり知られていませんが[[クマスズムシ_広島大学東広島キャンパス|クマスズムシ]]も見られ,こちらも「リンリンリン」と美しい声で鳴きます.いずれもキャンパスの陸上競技場の近くで鑑賞することができます.
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|[[ファイル: 20190923マツムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80561s.jpg|250px|thumb|right|マツムシの成虫(オス).ススキなどの根本でチンチロリンと鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2019)|link=マツムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190923エンマコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80572s.jpg|250px|thumb|right|エンマコオロギの成虫(オス).コロコロリーと鳴くことが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2019)|link=エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190923クマスズムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80493s.jpg|250px|thumb|right|クマスズムシの成虫(メス).産卵管があり,翅の筋が単純.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2019)|link=クマスズムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.09.20 毎週金曜日の野鳥調査の際,[[ぶどう池]]で[[ヒドリガモ]]のオス1羽を初認しました.また,[[コサメビタキ]]を確認しました.これから冬鳥が飛来する季節になります.東広島キャンパスの野鳥については,「[[東広島キャンパスの鳥類相]]」という特集ページをご覧ください.
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|[[ファイル:20190920コサメビタキ_東広島市鏡山_谷口撮影_IMG_8028_10_27s.JPG|250px|thumb|right|コサメビタキ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 谷口昌司・範子; , Sep. 20, 2019)]]
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|[[ファイル:20190920ヒドリガモ01_東広島市鏡山_谷口撮影_IMG_8067_10_41s.JPG|250px|thumb|right|ヒドリガモのオス.2019年冬季の初認.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 谷口昌司・範子; , Sep. 20, 2019)|link=ヒドリガモ]]
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|[[ファイル:20190920ヒドリガモ02_東広島市鏡山_谷口撮影_IMG_8077_10_42s.JPG|250px|thumb|right|ヒドリガモのオス.ぶどう池にて.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 谷口昌司・範子; , Sep. 20, 2019)|link=ヒドリガモ]]
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*2019.09.16-20 キャンパスでは多くの両生類や爬虫類を観察することができます.今週は[[ヒバカリ]]と[[ニホンマムシ]]の幼蛇を観察することができました.マムシの幼蛇は尻尾が黄色いことが特徴です.また,休む[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]のメスを観察することができました.
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|[[ファイル: 20190920ヒバカリ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80444s.jpg|250px|thumb|right|ヒバカリの幼蛇.湿った環境に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2019)|link=ヒバカリ]]
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|[[ファイル: 20190918ニホンマムシ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79916s.jpg|250px|thumb|right|ニホンマムシの幼蛇.尻尾が黄色い.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 18, 2019)|link=ニホンマムシ]]
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|[[ファイル: 20190920シュレーゲルアオガエル成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80396s.jpg|200px|thumb|right|休むシュレーゲルアオガエルの成体(メス).黄色い斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2019)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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秋の虫が鳴いています.陸上競技場周辺では[[スズムシ_広島大学東広島キャンパス|スズムシ]]やマツムシに加え,[[カンタン_広島大学東広島キャンパス|カンタン]]と[[ヒロバネカンタン_広島大学東広島キャンパス|ヒロバネカンタン]]の鳴き声が聞こえます.両種は外見が非常に似ていますが,前者は「ルルルルルル...」と鳴き,後者は「フィリー・フィリー」と鳴きます.また,[[ヌルデ]]の樹上には翅をもつナナフシである[[タイワントビナナフシ_広島大学東広島キャンパス|タイワントビナナフシ]]が見られます.
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|[[ファイル: 20190917カンタン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79730s.jpg|250px|thumb|right|鳴くカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)|link=カンタン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190917ヒロバネカンタン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79722s.jpg|250px|thumb|right|鳴くヒロバネカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)|link=ヒロバネカンタン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190916タイワントビナナフシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79546s.jpg|250px|thumb|right|タイワントビナナフシの成虫(メス).単為生殖を行うため,オスはほとんど見つかっていない.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 16, 2019)|link=タイワントビナナフシ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスでは初記録となる[[ネキトンボ_広島大学東広島キャンパス|ネキトンボ]]を観察することができました.また,陣ヶ平山のため池で[[オオコオイムシ_広島大学東広島キャンパス|オオコオイムシ]]を確認することができました.そのほか角脇調整池周辺の林縁部の獣糞から[[コブマルエンマコガネ_広島大学東広島キャンパス|コブマルエンマコガネ]]を見つけたり,テニスコートの灯りに飛来した[[ホソバスズメ_広島大学東広島キャンパス|ホソバスズメ]]を観察したりすることができました.
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|[[ファイル: 20190916ネキトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79521s.jpg|250px|thumb|right|ネキトンボの成虫(メス).メスはショウジョウトンボやキトンボとは似ない.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 16, 2019)|link=ネキトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190918オオコオイムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79807s.jpg|250px|thumb|right|オオコオイムシの成虫.ふつうコオイムシよりも体長が大きく,全体的に黒い.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 18, 2019)|link=オオコオイムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190917コブマルエンマコガネ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79653s.jpg|250px|thumb|right|コブマルエンマコガネの成虫(オス).目立たないが頭部に角がある.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)|link=コブマルエンマコガネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190917ホソバスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79756s.jpg|250px|thumb|right|ホソバスズメの成虫.類似種が多く,模様や翅の形で識別する.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)|link=ホソバスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190917コガタスズメバチ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_79618s.jpg|250px|thumb|right|[[ヤブガラシ]]で蜜を集めるコガタスズメバチの成虫(メス).オオスズメバチと色や模様が似るが,小型で頭楯の突起が3つであることで識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)|link=コガタスズメバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190920アミガサハゴロモ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_80426s.jpg|250px|thumb|right|アミガサハゴロモの成虫.前翅の一対の黄色斑が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2019)|link=アミガサハゴロモ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.09.13 キャンパス内で[[ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス|ミンミンゼミ]]と[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]]が鳴いています.間もなくセミのシーズンも終わりです.秋の虫の鳴き声が聞かれるようになりました.[[ハラビロカマキリ_広島大学東広島キャンパス|ハラビロカマキリ]]の成虫が見られ,[[コバネアオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|コバネアオイトトンボ]]がキャンパスのため池に集まっています.
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|[[ファイル: 20190913ミンミンゼミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_78772s.jpg|250px|thumb|right|鳴くミンミンゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2019)|link=ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190912ハラビロカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_78391s.jpg|250px|thumb|right|ハラビロカマキリの成虫(メス).前翅の白斑が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 12, 2019)|link=ハラビロカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190912コバネアオイトトンボ成虫オス_東広島市_南葉撮影_IMG_78508s.jpg|250px|thumb|right|コバネアオイトトンボの成虫(オス).アオイトトンボやオオアオイトトンボとは胸部の金属光沢部の範囲で識別することができる.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 12, 2019)|link=コバネアオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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===8月===
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*2019.08.05-09 東広島キャンパスでは様々なバッタ目の成虫が見られます.各地で絶滅が心配されている[[セグロイナゴ_広島大学東広島キャンパス|セグロイナゴ]]や独特な顔の[[ショウリョウバッタ_広島大学東広島キャンパス|ショウリョウバッタ]],[[アシグロツユムシ_広島大学東広島キャンパス|アシグロツユムシ]]などを観察することができました.
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|[[ファイル: 20190809セグロイナゴ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68802s.jpg|250px|thumb|right|セグロイナゴの成虫(オス).キャンパス内でも生息域は限られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)|link=セグロイナゴ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190808ショウリョウバッタ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68552s.jpg|250px|thumb|right|ショウリョウバッタの成虫(メス).顔が縦に長く,独特なつくりをしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=ショウリョウバッタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190805アシグロツユムシ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68388s.jpg|250px|thumb|right|ヘクソカズラの花とアシグロツユムシの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)|link=アシグロツユムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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灯りや樹液にはガが見られます.枯葉に見える翅をもつ[[クチバスズメ_広島大学東広島キャンパス|クチバスズメ]]や,枝に見える[[クロツマキシャチホコ_広島大学東広島キャンパス|クロツマキシャチホコ]],白い帯模様が特徴の[[シロスジカラスヨトウ_広島大学東広島キャンパス|シロスジカラスヨトウ]]などです.また,蛇のような姿をした[[ベニスズメ_広島大学東広島キャンパス|ベニスズメ]]の幼虫を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190808クチバスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68639s.jpg|250px|thumb|right|クチバスズメの成虫.モモスズメとともによく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=クチバスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190808クロツマキシャチホコ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68714s.jpg|250px|thumb|right|クロツマキシャチホコの成虫.翅を閉じると枝の切れ端のようである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=クロツマキシャチホコ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190805シロスジカラスヨトウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68369s.jpg|250px|thumb|right|シロスジカラスヨトウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)|link=シロスジカラスヨトウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190809ベニスズメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68836s.jpg|200px|thumb|right|アレチマツヨイグサにつくベニスズメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)|link=ベニスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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東広島キャンパスは夏真っ只中で[[ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス|ミンミンゼミ]]も鳴き始めましたが,夜は[[エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス|エンマコオロギ]]や[[スズムシ_広島大学東広島キャンパス|スズムシ]]の鳴き声が聞こえてくるようになり,秋の兆しも感じられます.また,[[オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス|オオカマキリ]]の成虫や[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]]などを観察することができました.そして[[サムライアリ_広島大学東広島キャンパス|サムライアリ]]が[[クロヤマアリ_広島大学東広島キャンパス|クロヤマアリ]]の巣を襲撃して奴隷狩りをする様子も見られました.
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|[[ファイル: 20190805サムライアリ働きアリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68221s.jpg|250px|thumb|right|サムライアリの働きアリ.クロヤマアリの繭を持ち運んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)|link=サムライアリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190808スズムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68702s.jpg|250px|thumb|right|鳴くスズムシの成虫(オス).草深い場所で鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=スズムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190808オオカマキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68664s.jpg|250px|thumb|right|オオカマキリの成虫(オス).夜間は複眼が黒くなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190805ツクツクボウシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68384s.jpg|200px|thumb|right|羽化直後のツクツクボウシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)|link=ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[イナズマハエトリ_広島大学東広島キャンパス|イナズマハエトリ]]や[[ヤマジハエトリ_広島大学東広島キャンパス|ヤマジハエトリ]]などのハエトリグモや[[クリチャササグモ_広島大学東広島キャンパス|クリチャササグモ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190809イナズマハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68763s.jpg|250px|thumb|right|イナズマハエトリの成体(オス).体には白斑が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)|link=イナズマハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190809ヤマジハエトリ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68861s.jpg|250px|thumb|right|クリの実の上のヤマジハエトリの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)|link=ヤマジハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190808クリチャササグモ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68662s.jpg|250px|thumb|right|クリチャササグモ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=クリチャササグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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小型のイラガ類の幼虫も観察することができました.いずれもユニークな姿をしていますが棘には毒があるので触らないよう注意が必要です.
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|[[ファイル: 20190808アカイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68455s.jpg|250px|thumb|right|アカイラガの幼虫.赤い突起のある半透明の房は刺激を受けると外れる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=アカイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190808クロシタアオイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68673s.jpg|250px|thumb|right|クロシタアオイラガの幼虫.背面には青く縁取られた赤い線が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)|link=クロシタアオイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190805ムラサキイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68367s.jpg|250px|thumb|right|ムラサキイラガの幼虫.トゲは根本も先端も太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)|link=ムラサキイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.07.29-08.02 東広島キャンパスで[[アオダイショウ]]と[[ヒバカリ]]と[[ニホンマムシ]]を観察することができました.[[アオダイショウ]]と[[ヒバカリ]]はともにナミヘビ科のヘビで,毒はありません.しかしマムシはクサリヘビ科のヘビで,大変危険な毒を持ちます.キャンパスでは主に陸上競技場の周辺の林縁部で見られるため,その周辺を通るときは咬まれないようご注意ください.
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|[[ファイル: 20190802アオダイショウ亜成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71242s.jpg|250px|thumb|right|威嚇するアオダイショウの亜成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=アオダイショウ]]
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|[[ファイル: 20190801ヒバカリ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70879s.jpg|250px|thumb|right|ヒバカリの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)|link=ヒバカリ]]
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|[[ファイル: 20190802マムシ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71485s.jpg|250px|thumb|right|ニホンマムシの幼蛇.マムシといえば太くて短い体型の印象が強いが,幼蛇は比較的に細いので要注意.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=ニホンマムシ]]
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夜のキャンパスでは,様々な昆虫の羽化の様子を観察することができます.乾ききっていない半透明の翅はどの昆虫であろうと美しく,神秘性を感じられます.
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|[[ファイル: 20190801オオカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70890s.jpg|200px|thumb|right|羽化直後のオオカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)|link=オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190802クサキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71534s.jpg|200px|thumb|right|羽化直後のクサキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=クサキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190802ヒグラシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71466s.jpg|200px|thumb|right|羽化直後のヒグラシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=ヒグラシ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[クマゼミ_広島大学東広島キャンパス|クマゼミ]]や[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]]も鳴き始めました.[[クマゼミ_広島大学東広島キャンパス|クマゼミ]]はアカデミック地区内では少ないですが,交番裏のサクラ並木やキャンパス外周のケヤキ並木で鳴き声を聞くことができます.また,[[セスジアシナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス|セスジアシナガサシガメ]]というナナフシのような特徴的な見た目をしているカメムシを観察することができました.
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|[[ファイル: 20190802クマゼミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71269s.jpg|250px|thumb|right|クマゼミの成虫(メス).本土のセミでは最大級の大きさを誇る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=クマゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190801ツクツクボウシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70800s.jpg|250px|thumb|right|ツクツクボウシの成虫.夏の終わりのイメージがあるが,実際は7月にはもう出現していることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)|link=ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス]]
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| [[ファイル: 20190802セスジアシナガサシガメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71036s.jpg|250px|thumb|right|林床を歩くセスジアシナガサシガメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=セスジアシナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス]]
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樹液では[[アオカナブン_広島大学東広島キャンパス|アオカナブン]]を観察することができました.[[カナブン_広島大学東広島キャンパス|カナブン]]に比べるとキャンパスでの個体数は少ないようです.また,角脇調整池周辺で[[ガムシ_広島大学東広島キャンパス|ガムシ]]が見られました.ゲンゴロウに匹敵する大型の水生甲虫です.バッタの多い乾燥した草地では狩りバチの[[キアシハナダカバチモドキ_広島大学東広島キャンパス|キアシハナダカバチモドキ]]を観察することができました.環境省RDBで絶滅危惧II類に指定されている希少なハチです.
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|[[ファイル: 20190730アオカナブン成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70148s.jpg|250px|thumb|right|アオカナブンの成虫.カナブンの緑色型よりも鮮やかな光沢を放つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2019)|link=アオカナブン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190731ガムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70655s.jpg|250px|thumb|right|ガムシの成虫.日本のガムシ科では最大.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2019)|link=ガムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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| [[ファイル: 20190802キアシハナダカバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71356s.jpg|250px|thumb|right|ショウリョウバッタモドキを狩るキアシハナダカバチモドキの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=キアシハナダカバチモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
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ため池では数多くのトンボが見られます.開けて水生植物の豊かなため池では[[ギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ギンヤンマ]]や[[タイワンウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|タイワンウチワヤンマ]]を観察することができます.前者は休みなく飛び回っていますが後者は水面に突き出た枝や杭にとまっていることが多いです.また少数ながら[[アジアイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|アジアイトトンボ]]も見られました.木々に囲まれ日照の悪いため池では[[ヤブヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ヤブヤンマ]]が見られます.
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|[[ファイル: 20190729アジアイトトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69328s.jpg|250px|thumb|right|アジアイトトンボの成虫(オス).アオモンイトトンボに似るが,より小型で腹部第9節の全体が青い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 29, 2019)|link=アジアイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190729タイワンウチワヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69246s.jpg|250px|thumb|right|タイワンウチワヤンマの成虫.近年北上している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 29, 2019)|link=タイワンウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190729ギンヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69620s.jpg|250px|thumb|right|ギンヤンマの成虫(オス).ため池や開けた場所を巡回飛行する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 29, 2019)|link=ギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190802ヤブヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71124s.jpg|200px|thumb|right|ヤブヤンマの成虫(オス).日当たりの悪いため池に見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=ヤブヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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バッタ目の昆虫も多くが成虫になっています.夜は林縁部で[[ミドリササキリモドキ_広島大学東広島キャンパス|ミドリササキリモドキ]]が見られ,[[ハヤシノウマオイ_広島大学東広島キャンパス|ハヤシノウマオイ]]の鳴き声が響き渡ります.昼は限られた草地で[[クルマバッタ_広島大学東広島キャンパス|クルマバッタ]]の姿が見られます.
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|[[ファイル: 20190801ミドリササキリモドキ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70835s.jpg|250px|thumb|right|ミドリササキリモドキの成虫(メス).セスジササキリモドキに似るが,背面は黒くならない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)|link=ミドリササキリモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190802ハヤシノウマオイ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71542s.jpg|250px|thumb|right|ハヤシノウマオイの成虫(オス).ハタケノウマオイとは外見上の違いはほとんど無いが,本種のほうが鳴き声のテンポがゆっくりであることで識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=ハヤシノウマオイ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190802クルマバッタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_71359s.jpg|250px|thumb|right|クルマバッタの成虫(オス).飛翔するときに後翅に黒い輪のような模様が見える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)|link=クルマバッタ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[アオスジアゲハ_広島大学東広島キャンパス|アオスジアゲハ]]や[[ジャコウアゲハ_広島大学東広島キャンパス|ジャコウアゲハ]]などアゲハチョウの仲間も観察することができました.また,[[アケビコノハ_広島大学東広島キャンパス|アケビコノハ]]の成虫も見られました.
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|[[ファイル: 20190730アオスジアゲハ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70231s.jpg|250px|thumb|right|休息するアオスジアゲハの成虫.近年北上している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2019)|link=アオスジアゲハ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190730ジャコウアゲハ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70261s.jpg|250px|thumb|right|ジャコウアゲハの成虫(メス).アゲハチョウの中では比較的ゆったりと飛翔する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2019)|link=ジャコウアゲハ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190731アケビコノハ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_70779s.jpg|250px|thumb|right|アケビコノハの成虫.驚くと翅を広げて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2019)|link=アケビコノハ_広島大学東広島キャンパス]]
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===7月===
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*2019.07.22-26 東広島キャンパスでは梅雨が明けて,現在キノコがあちらこちらで確認されています.[[キタマゴタケ_広島大学東広島キャンパス|キタマゴタケ]]もその一つで,卵のような白いツボから傘が出てきます.また[[ヤマトヒロバカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトヒロバカゲロウ]]や夜間樹上で休息する[[ハンミョウ_広島大学東広島キャンパス|ハンミョウ(ナミハンミョウ)]]なども観察することができました.
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|[[ファイル: 20190726キタマゴタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68749s.jpg|250px|thumb|right|キタマゴタケ.有毒種のタマゴタケモドキに似るが,タマゴタケモドキはヒダとツバがともに白い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)|link=キタマゴタケ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190722ヤマトヒロバカゲロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68119s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトヒロバカゲロウの成虫.画像では確認しづらいが,前翅後縁の中央付近に小さな黒斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)|link=ヤマトヒロバカゲロウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190726ハンミョウ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69045s.jpg|250px|thumb|right|ハンミョウの成虫.夜間は樹上で休息する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)|link=ハンミョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスでは直翅目の昆虫がたくさん見られます.しかし,[[ヤブキリ_広島大学東広島キャンパス|ヤブキリ]]は生息域が狭く,農場や池ノ上学生寮周辺など鏡山に近い林縁部でしか見られません.また,カマドウマ類は主に[[マダラカマドウマ_広島大学東広島キャンパス|マダラカマドウマ]],[[カマドウマ_広島大学東広島キャンパス|カマドウマ]],[[も_広島大学東広島キャンパス|モリズミウマ]]の3種が観察されます.
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|[[ファイル: 20190722ヤブキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68175s.jpg|250px|thumb|right|ヤブキリの成虫(オス).オスの成虫はクズなどが茂った林縁で「シリリ・シリリリ」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)|link=ヤブキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724セスジササキリモドキ幼虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68199s.jpg|250px|thumb|right|セスジササキリモドキの幼虫(オス).複眼が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=セスジササキリモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724ハネナシコロギス成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68229s.jpg|250px|thumb|right|ハネナシコロギスの成虫(メス).体表は艶やか.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=ハネナシコロギス_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724カマドウマオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68323s.jpg|250px|thumb|right|カマドウマのオス.マダラカマドウマのような派手な模様はなく,一様に茶褐色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=カマドウマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190726モリズミウマオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69088s.jpg|250px|thumb|right|モリズミウマのオス.林床などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)|link=モリズミウマ_広島大学東広島キャンパス]]
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夜の樹液に集まる昆虫は当然ながら[[カブトムシ_広島大学東広島キャンパス|カブトムシ]]やクワガタムシなどの甲虫だけではありません.ヤガ科のシタバガ亜科([[シロシタバ_広島大学東広島キャンパス|シロシタバ]]や[[キシタバ_広島大学東広島キャンパス|キシタバ]]など)や[[オオトモエ_広島大学東広島キャンパス|オオトモエ]]なども集まります.また,灯火には[[セダカシャチホコ_広島大学東広島キャンパス|セダカシャチホコ]]や[[モンクロシャチホコ_広島大学東広島キャンパス|モンクロシャチホコ]]も見られます.[[コシロシタバ_広島大学東広島キャンパス|コシロシタバ]]は環境省RDBで準絶滅危惧種に指定されています.
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|[[ファイル: 20190724シロシタバ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68409s.jpg|250px|thumb|right|シロシタバの成虫.大型で後翅が白を基調としている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=シロシタバ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724キシタバ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68389s.jpg|250px|thumb|right|キシタバの成虫.類似種が多いが,本種は特に大型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=キシタバ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724コシロシタバ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68415s.jpg|250px|thumb|right|コシロシタバの成虫.前翅表中央の白斑が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=コシロシタバ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190722オオトモエ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68157s.jpg|250px|thumb|right|オオトモエの成虫.灯火にもしばしば飛来する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)|link=オオトモエ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724オスグロトモエ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68287s.jpg|250px|thumb|right|オスグロトモエの成虫(オス).オスはハグルマトモエとはあまり似ていないので容易に識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=オスグロトモエ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724セダカシャチホコ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68362s.jpg|250px|thumb|right|セダカシャチホコの成虫.胸部背面の盛り上がった毛束が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=セダカシャチホコ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190726モンクロシャチホコ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69075s.jpg|250px|thumb|right|モンクロシャチホコの成虫.翅の黒斑は銀色に光る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)|link=モンクロシャチホコ_広島大学東広島キャンパス]]
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また,キャンパスの各所でイラガの仲間の幼虫が見られます.距離を置いて観察する分には危険ではありませんが,作業中や木の下をくぐり抜ける際に誤ってこれらのケムシに触れると毒針が刺ってしまい激しい痛みを伴いますのでご注意ください.また,トゲに触れるとビリビリと痛みを感じることから「デンキムシ」という地方名が存在します.
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|[[ファイル: 20190726イラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68877s.jpg|250px|thumb|right|イラガの幼虫.カキノキなどに多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)|link=イラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190726ヒロヘリアオイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68903s.jpg|250px|thumb|right|ヒロヘリアオイラガの幼虫.キブシなど様々な広葉樹につく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)|link=ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル:20190726ヒメクロイラガ幼虫_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_46697s.JPG|250px|thumb|right|ヒメクロイラガの幼虫(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jul. 26, 2019)]]
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|}
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夜は夜行性のクモが営巣する姿が見られます.トリノフンダマシ類は特殊な水平円網を張り,[[オニグモ_広島大学東広島キャンパス|オニグモ]]は垂直円網を張ります.
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|[[ファイル: 20190722トリノフンダマシメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68139s.jpg|250px|thumb|right|網を張るトリノフンダマシのメス.オオトリノフンダマシよりも白っぽい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)|link=トリノフンダマシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724アカイロトリノフンダマシ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68283s.jpg|250px|thumb|right|網を張るアカイロトリノフンダマシの成体(メス).巣は目が粗く,横糸は大きく弛んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=アカイロトリノフンダマシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190724オニグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68305s.jpg|250px|thumb|right|オニグモの成体(メス).非常に大型のクモで,夜に営巣する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)|link=オニグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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その他観察することができた雑木林の昆虫を紹介します.
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|[[ファイル: 20190726シロスジカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69056s.jpg|250px|thumb|right|シロスジカミキリの成虫.複眼が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)|link=シロスジカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190725カナブン成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68605s.jpg|250px|thumb|right|カナブンの成虫.アオカナブンに似た色だが,胴が太短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 25, 2019)|link=カナブン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190725ヨツボシキシキスイ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68622s.jpg|250px|thumb|right|ヨツボシケシキスイの成虫(オス).小さいので樹皮の隙間に潜り込んで樹液をなめることができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 25, 2019)|link=ヨツボシケシキスイ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.07.15-17 東広島キャンパスで[[ヒグラシ_広島大学東広島キャンパス|ヒグラシ]]を観察することができました.[[生態実験園]]などの林内に入ると驚いて飛んで逃げることが多いです.また,[[ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス|ニイニイゼミ]]と[[アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス|アブラゼミ]]の羽化を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190715ヒグラシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67328s.jpg|250px|thumb|right|ヒグラシの成虫(オス).薄暗い林内に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)|link=ヒグラシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190717ニイニイゼミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68104s.jpg|250px|thumb|right|羽化後しばらく経ったニイニイゼミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190717アブラゼミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68101s.jpg|200px|thumb|right|羽化直後のアブラゼミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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東広島キャンパスでトゲグモ,タカネトンボ,コオイムシを観察することができました.トゲグモは腹部が硬質でドクロのような模様があることが特徴です.タカネトンボは陣が平山の林縁部でゆったりと飛翔していました.コオイムシは角脇調整池で見られ,[[生態実験園]]などに多いオオコオイムシとは生息場所を異にしているようです.
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|[[ファイル: 20190715トゲグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67425s.jpg|250px|thumb|right|トゲグモの成体(メス).山地に見られ,木々の間に網を張る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)|link=トゲグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190715タカネトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67286s.jpg|250px|thumb|right|タカネトンボの成虫(メス).タカネは高嶺を意味するが,低地でも見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)|link=タカネトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190717コオイムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67953s.jpg|250px|thumb|right|コオイムシの成虫.オオコオイムシよりも低地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=コオイムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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オオモンクロクモバチが狩った[[コアシダカグモ_広島大学東広島キャンパス|コアシダカグモ]]を運ぶ様子や,休むキイロスズメバチ,[[カバキコマチグモ_広島大学東広島キャンパス|カバキコマチグモ]]の産室などを観察することができました.キイロスズメバチは攻撃性が高く,ときに人にも危害を及ぼす恐れがあります.また[[カバキコマチグモ_広島大学東広島キャンパス|カバキコマチグモ]]は強い毒をもつと言われていますが,無理やり産室をこじ開けたり,成体をむやみに掴んだりしなければ基本的に安全です.
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その他様々な甲虫を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190717オオモンクロクモバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67971s.jpg|250px|thumb|right|オオモンクロクモバチの成虫.コアシダカグモを捕らえ,巣に運んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=オオモンクロクモバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190717キイロスズメバチ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67897s.jpg|250px|thumb|right|木陰で休むキイロスズメバチの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=キイロスズメバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190716カバキコマチグモ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67733s.jpg|250px|thumb|right|カバキコマチグモの産室.ちまき型をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2019)|link=カバキコマチグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190715ヒラタクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67521s.jpg|250px|thumb|right|ヒラタクワガタの成虫(オス).樹皮裏に潜んでいることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)|link=ヒラタクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190716ヘリグロテントウノミハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67722s.jpg|250px|thumb|right|ヘリグロテントウノミハムシの成虫.ヒイラギモクセイなどに多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2019)|link=ヘリグロテントウノミハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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バッタ目の昆虫も昼夜問わず多数観察することができました.[[マダラバッタ_広島大学東広島キャンパス|マダラバッタ]]は乾燥した草地に,[[ヒメギス_広島大学東広島キャンパス|ヒメギス]]は草深い藪に多いです.
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|[[ファイル: 20190716マダラバッタ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67785s.jpg|250px|thumb|right|マダラバッタの成虫(緑色型メス).色彩変異に富む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2019)|link=マダラバッタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190715ヒメギス成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67614s.jpg|250px|thumb|right|ヒメギスの成虫(オス).キリギリス同様驚くと藪の奥へと逃げる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)|link=ヒメギス_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190717マダラカマドウマメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_68030s.jpg|250px|thumb|right|マダラカマドウマのメス.人家で見られるが,林床にも多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=マダラカマドウマ_広島大学東広島キャンパス]]
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その他クロバネツリアブやスズメガ類の幼虫が見られました.
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|[[ファイル: 20190717クロバネツリアブ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67917s.jpg|250px|thumb|right|クロバネツリアブの成虫(メス).ビロードツリアブと同様に砂とりを行い,卵を砂でコーティングする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=クロバネツリアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190715クロスズメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67467s.jpg|250px|thumb|right|アカマツの葉につくクロスズメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)|link=クロスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190717ホシホウジャク幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_67930s.jpg|250px|thumb|right|ホシホウジャクの幼虫.ホシヒメホウジャク同様ヘクソカズラが食草.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)|link=ホシホウジャク_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.07.11-12 東広島キャンパスで[[アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス|アブラゼミ]]が発生しています.また,[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]が[[ふれあいビオトープ]]や[[生態実験園]]で上陸しています.[[コナラ]]や[[アベマキ]]の生える林内では[[アイタケ_広島大学東広島キャンパス|アイタケ]]が見られます.
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|[[ファイル: 20190711シュレーゲルアオガエル幼体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66529s.jpg|250px|thumb|right|シュレーゲルアオガエルの幼体.尾がほとんど吸収されている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711アブラゼミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_65939s.jpg|250px|thumb|right|アブラゼミの成虫(オス).羽化後間もない個体は翅脈が緑色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711アイタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66674s.jpg|250px|thumb|right|アイタケ.ブナ科の樹木が生える林床に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=アイタケ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスではトリノフンダマシ類も多く観察することができます.昼は植物の葉裏で休んでいますが,日没とともに巣を張りはじめます.
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|[[ファイル: 20190712アカイロトリノフンダマシ成体メス_東広島市鏡山_IMG_67016s.jpg|250px|thumb|right|アカイロトリノフンダマシの成体(メス).赤みの強い個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)|link=アカイロトリノフンダマシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711オオトリノフンダマシ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66011s.jpg|250px|thumb|right|オオトリノフンダマシの成体(メス).大きな一対の目玉模様が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=オオトリノフンダマシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711シロオビトリノフンダマシ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66156s.jpg|250px|thumb|right|シロオビトリノフンダマシの成体.昼はイネ科草本の裏で休んでいる場合が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)|link=シロオビトリノフンダマシ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスの南部では[[コロギス_広島大学東広島キャンパス|コロギス]]と[[タンボコオロギ_広島大学東広島キャンパス|タンボコオロギ]]を観察することができました.また,[[ふれあいビオトープ]]の林縁では[[ササキリ_広島大学東広島キャンパス|ササキリ]]の初齢幼虫を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190711コロギス成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66822s.jpg|250px|thumb|right|威嚇するコロギスの成虫(メス).つつくと咬みつこうとしてくる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=コロギス_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711タンボコオロギ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66892s.jpg|250px|thumb|right|タンボコオロギの成虫(メス).複眼と複眼とを結ぶ黄白色の線が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=タンボコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711ササキリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66264s.jpg|250px|thumb|right|ササキリの幼虫.頭部が赤い特徴的な見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=ササキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスで見られた個性的なイモムシを紹介します.
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|[[ファイル: 20190711トビモンオオエダシャク幼虫_東広島市鏡山_IMG_66710s.jpg|250px|thumb|right|トビモンオオエダシャクの幼虫の顔.猫耳のような突起がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=トビモンオオエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190712オオトモエ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66953s.jpg|250px|thumb|right|オオトモエの幼虫.刺激を受けると上半身を巻き,眼状紋を見せつけて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)|link=オオトモエ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711キイロスズメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66282s.jpg|250px|thumb|right|キイロスズメの幼虫.ヤマノイモを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=キイロスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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その他見られた生き物を紹介します.
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|[[ファイル: 20190712クロタマムシ成虫メス東広島市鏡山南葉撮影IMG_67097s.jpg|250px|thumb|right|クロタマムシの成虫(メス).全身が黒っぽく,鈍い金属光沢をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)|link=クロタマムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711ハグロトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66106s.jpg|250px|thumb|right|ハグロトンボの成虫(オス).カミサマトンボの別称をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=ハグロトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711ホソバセセリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66051s.jpg|250px|thumb|right|アザミで吸蜜するホソバセセリの成虫.ふれあいビオトープに多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=ホソバセセリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711スジコガネ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66085s.jpg|250px|thumb|right|スジコガネの成虫.針葉樹の葉を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=スジコガネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711アオメアブ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66274s.jpg|250px|thumb|right|アオメアブの成虫.夕暮れに草地で多く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=アオメアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190711ニセノコギリカミキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_66925s.jpg|250px|thumb|right|ニセノコギリカミキリの成虫(メス).ノコギリカミキリよりも胸部の光沢が鈍い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)|link=ニセノコギリカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.07.01-05 東広島キャンパスで[[ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス|ニイニイゼミ]]と[[ヒグラシ_広島大学東広島キャンパス|ヒグラシ]]が鳴き始めました.
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|[[ファイル: 20190704ニイニイゼミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62113s.jpg|250px|thumb|right|ニイニイゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190704トノサマバッタ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61971s.jpg|250px|thumb|right|トノサマバッタの成虫(メス)の褐色型.年に2回発生する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=トノサマバッタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190705ハリカメムシとウズラカメムシ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52322s.jpg|250px|thumb|right|ハリカメムシ(右)とウズラカメムシ(左)(それぞれともに成虫).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=ウズラカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスで[[コシアカツバメ]]や[[ツバメ]]が飛んでいます.また,変態した[[ニホンアマガエル]]も観察することができます.
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|[[ファイル: 20190705コシアカツバメ_東広島市鏡山南葉撮影_IMG_52336s.jpg|250px|thumb|right|旋回するコシアカツバメ.胸から腹にかけて縦斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=コシアカツバメ]]
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|[[ファイル: 20190705ツバメ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62349s.jpg|250px|thumb|right|ツバメ.腰の部分にはコシアカツバメのような橙色の帯はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=ツバメ]]
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|[[ファイル: 20190701ニホンアマガエル幼体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61623s.jpg|250px|thumb|right|ニホンアマガエルの幼体.ササの葉の上などで静止している姿が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)|link=ニホンアマガエル]]
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雑木林では[[シロスジカミキリ_広島大学東広島キャンパス|シロスジカミキリ]]が見られます.また,キャンパスの材置き場ではカミキリムシやタマムシの仲間など様々な甲虫類を観察することができます.
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|[[ファイル: 20190701シロスジカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61713s.jpg|250px|thumb|right|カシの幹を登るシロスジカミキリの成虫.胸部や鞘翅の斑紋は生存時は黄色いが,死ぬと白化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)|link=シロスジカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190701クビアカトラカミキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61501s.jpg|250px|thumb|right|クビアカトラカミキリの成虫(オス).胸部が赤い特徴的なカミキリムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)|link=クビアカトラカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190701カタジロゴマフカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61533s.jpg|250px|thumb|right|カタジロゴマフカミキリ成虫.ナガゴマフカミキリに似るが,鞘翅の肩周りが白い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)|link=カタジロゴマフカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190704マツノマダラカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62094s.jpg|250px|thumb|right|マツノマダラカミキリの成虫.マツノザイセンチュウを媒介し,「マツ枯れ」を引き起こす要因とされる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=マツノマダラカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190701ムツボシタマムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61572s.jpg|250px|thumb|right|ムツボシタマムシの成虫(メス).オオムツボシタマムシに似るが,本種のほうがより小型で斑紋が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)|link=ムツボシタマムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパス中のため池で[[チョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|チョウトンボ]]が舞っていたり,[[ウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ウチワヤンマ]]が縄張りを張っていたりしています.また,南方系のナナフシである[[タイワントビナナフシ_広島大学東広島キャンパス|タイワントビナナフシ]]の幼虫を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190705チョウトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62508s.jpg|250px|thumb|right|飛翔するチョウトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=チョウトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190705ウチワヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62421s.jpg|250px|thumb|right|枝の先にとまるウチワヤンマの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=ウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190705タイワントビナナフシ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62552s.jpg|250px|thumb|right|タイワントビナナフシの幼虫.分布を北に拡大している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=タイワントビナナフシ_広島大学東広島キャンパス]]
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昼行性のガである[[スキバホウジャク_広島大学東広島キャンパス|スキバホウジャク]]や,その他の夜行性のガやイモムシなどを観察することができました.
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|[[ファイル: 20190705スキバホウジャク成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62297s.jpg|250px|thumb|right|スイカズラに産卵のため訪れるスキバホウジャクの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=スキバホウジャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190705オオゴマダラエダシャク_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62364s.jpg|250px|thumb|right|オオゴマダラエダシャクの成虫.大変大きなエダシャクで,翅の縁の黒斑は繋がる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=オオゴマダラエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190704アカスジシロコケガ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62232s.jpg|250px|thumb|right|アカスジシロコケガの成虫(オス).オスの前翅の黒斑は二つに分かれて並ぶことが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=アカスジシロコケガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190703メンガタスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61855s.jpg|200px|thumb|right|メンガタスズメの成虫.胸部に黒い人面のような模様がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 3, 2019)|link=メンガタスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190704コスズメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62010s.jpg|250px|thumb|right|ヤブガラシの花を食べるコスズメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=コスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190704オオエグリシャチホコ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61944s.jpg|250px|thumb|right|オオエグリシャチホコの幼虫.マメ科植物を食べて生育する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=オオエグリシャチホコ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628ウンモンスズメ幼虫_東広島市鏡山_岩崎撮影_DSC_0596s.JPG|250px|thumb|right|ウンモンスズメ幼虫(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩崎元道,Jun . 28, 2019)|link=ウンモンスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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狩りバチや寄生バチ,スズメバチの仲間も観察することができました.
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|[[ファイル: 20190604ベッコウクモバチ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61894s.jpg|250px|thumb|right|獲物を探すベッコウクモバチの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=ベッコウクモバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190704スズバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62038s.jpg|250px|thumb|right|ヤブガラシの蜜を吸うスズバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=スズバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190705オオホシオナガバチ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62440s.jpg|250px|thumb|right|産卵するオオホシオナガバチの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=オオホシオナガバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスでは,鹿児島以南の島々に分布するオオスミコガネグモや南西諸島に分布するナガマルコガネグモを除けば,日本産コガネグモ属の全種を観察することができます.
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|[[ファイル: 20190701コガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61644s.jpg|250px|thumb|right|コガネグモの成体(メス).日本のコガネグモ属では最大.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)|link=コガネグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190704ムシバミコガネグモメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61935s.jpg|250px|thumb|right|ムシバミコガネグモのメス.コガタコガネグモに似るが,模様がガタガタしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)|link=ムシバミコガネグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190705ナガコガネグモ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_62315s.jpg|250px|thumb|right|ナガコガネグモのメス.隠れ帯は縦につける.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)|link=ナガコガネグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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===6月===
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*2019.06.22-28 キャンパスの[[コナラ]]や[[アベマキ]]の樹液などにクワガタムシやカブトムシが集まっています.
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|[[ファイル: 20190624カブトムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59893s.jpg|250px|thumb|right|カナブンとともに樹液を吸うカブトムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)|link=カブトムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190624ヒラタクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60064s.jpg|250px|thumb|right|ヒラタクワガタの成虫(オス).樹皮が剥がれてできた隙間を好む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)|link=ヒラタクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628ノコギリクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51128s.jpg|250px|thumb|right|ノコギリクワガタの成虫(オス).ショックを受けると落下して死んだふりをすることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=ノコギリクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628ノコギリクワガタ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61107s.jpg|250px|thumb|right|ノコギリクワガタの成虫(メス).体が赤褐色で丸みを帯びるのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=ノコギリクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628ネブトクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61194s.jpg|250px|thumb|right|ネブトクワガタの成虫(オス).針葉樹の樹液にも集まるなど,他のクワガタには見られない生態をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=ネブトクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
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夜のキャンパスでは[[シンジュサン_広島大学東広島キャンパス|シンジュサン]]が灯りに飛来することがあります.また,[[オオウラギンスジヒョウモン_広島大学東広島キャンパス|オオウラギンスジヒョウモン]]はアザミで吸蜜する姿が,[[ウラナミアカシジミ_広島大学東広島キャンパス|ウラナミアカシジミ]]が各所の[[アベマキ]]や[[クヌギ]]の若木の周りで見られます.
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|[[ファイル: 20190622シンジュサン成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59416.jpg|250px|thumb|right|シンジュサンの成虫(メス).開張すると120mm以上にもなる非常に大きなガ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 22, 2019)|link=シンジュサン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628オオウラギンスジヒョウモン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60792s.jpg|250px|thumb|right|オオウラギンスジヒョウモンの成虫(オス).ウラギンスジヒョウモンに似るが,翅頂が尖るなどの差異がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=オオウラギンスジヒョウモン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190624ウラナミアカシジミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59768s.jpg|250px|thumb|right|ウラナミアカシジミの成虫.夕方になると活発に飛ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)|link=ウラナミアカシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスでは[[ヤマカガシ]]をはじめとした毒のある生き物も見られます.観察する場合はむやみに触る,刺激するなどしないようご注意ください.
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また,キリギリスの仲間が発生しています.今週は[[ホシササキリ_広島大学東広島キャンパス|ホシササキリ]]と[[キリギリス_広島大学東広島キャンパス|キリギリス(ニシキリギリス)]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190628ヤマカガシ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61012s.jpg|250px|thumb|right|ヤマカガシの成蛇.赤色の色素が抜け,体色が白と黒の二色になっている個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=ヤマカガシ]]
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|[[ファイル: 20190624ホシササキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59722s.jpg|250px|thumb|right|ホシササキリの成虫(メス).前翅に黒い点列をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)|link=ホシササキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628ニシキリギリス成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60734s.jpg|250px|thumb|right|ニシキリギリスの成虫(オス).丈の高い草むらを好む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=キリギリス_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスではヤンマの黄昏飛翔を観察することができます.また,[[生態実験園]]の水田では[[オオシオカラトンボ_広島大学東広島キャンパス|オオシオカラトンボ]]の産卵も見られます.
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|[[ファイル: 20190625オニヤンマ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60391s.jpg|250px|thumb|right|林縁部を巡回するオニヤンマの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2019)|link=オニヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190624ギンヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69459s.jpg|250px|thumb|right|ギンヤンマの成虫(オス).オスは腹部と胸部の境界が青い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)|link=ギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190625ヤブヤンマ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60260s.jpg|250px|thumb|right|黄昏飛翔中のヤブヤンマの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2019)|link=ヤブヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190624オオシオカラトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_69597s.jpg|250px|thumb|right|打水産卵をするオオシオカラトンボの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)|link=オオシオカラトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190625コフキトンボ成虫未成熟オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60442.jpg|250px|thumb|right|コフキトンボの成虫(未成熟オス).シオカラトンボ属に似るが,小型で胸部に複雑な模様を有する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2019)|link=コフキトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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その他[[トゲアリ_広島大学東広島キャンパス|トゲアリ]]やハエトリグモ,カミキリムシ,[[ウシカメムシ_広島大学東広島キャンパス|ウシカメムシ]],[[スジアオゴミムシ_広島大学東広島キャンパス|スジアオゴミムシ]]などを観察することができました.
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|[[ファイル: 20190628トゲアリ成虫はたらきアリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60891s.jpg|250px|thumb|right|トゲアリのはたらきアリ.ムネアカオオアリに似るが,胸部にトゲがあるのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=トゲアリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628ヒメカラスハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60913s.jpg|250px|thumb|right|ヒメカラスハエトリの成体(オス).カラスハエトリに似るが,小型で頭胸部が丸みを帯びる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=ヒメカラスハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190626キレワハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60506s.jpg|250px|thumb|right|キレワハエトリの成体(オス).ウデブトハエトリに似るが,腹部に白帯が入らない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2019)|link=キレワハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628ナガゴマフカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60567s.jpg|250px|thumb|right|ナガゴマフカミキリの成虫.斑模様は樹皮に溶け込みやすい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=ゴマフカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628リンゴカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61071s.jpg|250px|thumb|right|リンゴカミキリの成虫.サクラなどの葉脈を齧る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=リンゴカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628キボシカミキリ_成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61272s.jpg|250px|thumb|right|キボシカミキリの成虫.幼虫成虫ともにクワやイチジクの害虫になりうる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=キボシカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628クロカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51336s.jpg|250px|thumb|right|クロカミキリ成虫.触角が短く大アゴが発達しているため,クワガタやゴミムシと間違われることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)|link=クロカミキリ]]
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|[[ファイル: 20190626ウシカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_60533s.jpg|250px|thumb|right|口吻を掃除するウシカメムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2019)|link=ウシカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190628スジアオゴミムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_61067s.jpg|250px|thumb|right|スジアオゴミムシの成虫.アオゴミムシよりも大型で,翅には何本もの筋がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=スジアオゴミムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.06.17-21 夜のキャンパスの生き物の様子を紹介します.山中谷川や角脇川では[[ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス|ゲンジボタル]]が見頃を迎えています.またクワガタムシなど樹液に集まる虫も活発になっています.
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|[[ファイル: 20190620ゲンジボタル_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58703as.jpg|250px|thumb|right|山中谷川で舞うゲンジボタル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620ネブトクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58679s.jpg|250px|thumb|right|ネブトクワガタの成虫(オス).キャンパスではコナラの樹液に集まっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=ネブトクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620コクワガタ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58682s.jpg|250px|thumb|right|戦うコクワガタの成虫(オス)同士.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=コクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620カナブン成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58552s.jpg|250px|thumb|right|カナブンの成虫.日中よく樹液に集まる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=カナブン_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620ヨツボシケシキスイ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58567s.jpg|250px|thumb|right|ヨツボシケシキスイの成虫(オス).オスは左右非対称の大アゴが発達する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=ヨツボシケシキスイ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190621オオゾウムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59331s.jpg|250px|thumb|right|オオゾウムシの成虫.外来種のヤシオサゾウムシを除けば日本最大のゾウムシである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)|link=オオゾウムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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山中谷川ではホタルだけではなく,5種類以上と多くのアメンボを観察することができます.今回はその一部を紹介します.
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|[[ファイル: 20190620シマアメンボ成虫無翅型_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58180s.jpg|250px|thumb|right|シマアメンボの成虫(無翅型).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=シマアメンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620オオアメンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57993s.jpg|250px|thumb|right|昆虫を捕らえているオオアメンボの成虫(オス).他のアメンボに比べると極端に体が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=オオアメンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620コセアカアメンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57977s.jpg|250px|thumb|right|コセアカアメンボの成虫.流れをあまり好まないためか淀みで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=コセアカアメンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパス内の水辺ではいつも様々なトンボを観察することができます.今回紹介している[[アオヤンマ_広島大学東広島キャンパス|アオヤンマ]],[[グンバイトンボ_広島大学東広島キャンパス|グンバイトンボ]],[[ベニイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|ベニイトトンボ]]はいずれも環境省のレッドデータブックにて準絶滅危惧種に指定されています.
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|[[ファイル: 20190621アオヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59026s.jpg|200px|thumb|right|アオヤンマの成虫.抽水植物の豊かなため池に見られ,営巣性のクモを狩る生態が知られている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)|link=アオヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190617グンバイトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57057s.jpg|250px|thumb|right|グンバイトンボの成虫(メス).メスの脚は軍配状になっておらず,モノサシトンボとの識別が少し難しくなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)|link=グンバイトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620ベニイトトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58403s.jpg|250px|thumb|right|ベニイトトンボの成虫(オス).環境省RDBで準絶滅危惧種に指定されているが,キャンパスでは個体数が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=ベニイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620モノサシトンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58297s.jpg|250px|thumb|right|モノサシトンボの成虫(オス).他のイトトンボなどに比べると眼が離れている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=モノサシトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190621ウスバキトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59303s.jpg|250px|thumb|right|ウスバキトンボの成虫(オス).最もふつうに見られるトンボで,日中はヒラヒラと空中を漂っていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)|link=ウスバキトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190619ハラビロトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57495s.jpg|250px|thumb|right|ハラビロトンボの成虫(メス).キャンパスでは広く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2019)|link=ハラビロトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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チョウも多くの種類を観察することができます.[[オオヒカゲ_広島大学東広島キャンパス|オオヒカゲ]]は発生が進んでおり,[[ふれあいビオトープ]]でも確認することができます.
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|[[ファイル: 20190621オオヒカゲ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_59102s.jpg|250px|thumb|right|オオヒカゲの成虫(オス).キャンパスではササの生い茂る場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)|link=オオヒカゲ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190618ヒメアカタテハ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57244s.jpg|250px|thumb|right|ヒメアカタテハの成虫.アカタテハに似るがより小型で,後翅の橙色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)|link=ヒメアカタテハ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190617ルリタテハ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57075s.jpg|250px|thumb|right|ルリタテハの成虫(オス).オスは見晴らしのよい場所でテリトリーを張る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)|link=ルリタテハ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190617キアゲハ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56977s.jpg|250px|thumb|right|キアゲハの成虫(オス).ナミアゲハに似るが,前翅の付け根周辺の模様が黒いモザイク状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)|link=キアゲハ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190621ムラサキシジミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58785s.jpg|250px|thumb|right|ムラサキシジミの成虫(メス).カシやコナラなどが生えている林縁部で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)|link=ムラサキシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190618ルリシジミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57186s.jpg|250px|thumb|right|ルリシジミの成虫(メス).フジやハギなどに産卵する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)|link=ルリシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
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ガも多数観察することができました.[[ヤホシホソマダラ_広島大学東広島キャンパス|ヤホシホソマダラ]]は環境省のレッドデータブックにて準絶滅危惧種に指定されています.
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|[[ファイル: 20190620ヤホシホソマダラ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58371s.jpg|250px|thumb|right|ヤホシホソマダラの成虫(メス).キャンパスではササが茂っており,かつ開けている環境に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=ヤホシホソマダラ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620エビガラスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57783s.jpg|250px|thumb|right|エビガラスズメの成虫.翅を閉じているとシモフリスズメに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=エビガラスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190619キハダカノコ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57481s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のキハダカノコ.カノコガに似るが腹部の模様が異なる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2019)|link=キハダカノコ_広島大学東広島キャンパス]]
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中~大型のコガネムシも観察することができます.いずれも様々な広葉樹の葉を食べます.
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|[[ファイル: 20190617オオコフキコガネ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56750s.jpg|250px|thumb|right|オオコフキコガネの成虫(メス).コフキコガネに似るが,体にふく粉がより灰白色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)|link=オオコフキコガネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190617アオドウガネ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57001s.jpg|250px|thumb|right|アオドウガネの成虫.金属光沢はほとんどない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)|link=アオドウガネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620ドウガネブイブイ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58487s.jpg|250px|thumb|right|ドウガネブイブイの成虫.銅色の光沢をもつコガネムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=ドウガネブイブイ_広島大学東広島キャンパス]]
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その他見られた生き物を紹介します.
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|[[ファイル: 20190618シマヘビ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57203s.jpg|250px|thumb|right|シマヘビの成蛇.縞模様が目立たない個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)|link=シマヘビ]]
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|[[ファイル: 20190620ニホンアカガエル成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57936s.jpg|250px|thumb|right|正面から見たニホンアカガエルの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190618ヒバリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57390s.jpg|250px|thumb|right|2羽のヒバリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)|link=ヒバリ]]
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|[[ファイル: 20190619カタオカハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57650s.jpg|250px|thumb|right|カタオカハエトリの成体(オス).第一歩脚が橙色をしている非常に特徴的なハエトリグモ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2019)|link=カタオカハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620マミジロハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57958s.jpg|250px|thumb|right|チャイロアサヒハエトリを捕食しているマミジロハエトリの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=マミジロハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620キバネツノトンボ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58320s.jpg|250px|thumb|right|孵化したキバネツノトンボの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=キバネツノトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190618ゴマダラカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57132s.jpg|250px|thumb|right|ゴマダラカミキリの成虫.幼虫は様々な広葉樹の生木を食害することで知られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)|link=ゴマダラカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190617ベニヘリテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56877s.jpg|250px|thumb|right|ベニヘリテントウの成虫.オオワラジカイガラムシを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)|link=ベニヘリテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190621マイマイカブリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58802s.jpg|250px|thumb|right|マイマイカブリの幼虫.幼虫も成虫同様カタツムリを襲う.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)|link=マイマイカブリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190620オオカマキリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_58420s.jpg|250px|thumb|right|脱皮するオオカマキリの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)|link=オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190617ハネナシコロギス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57091s.jpg|250px|thumb|right|ハネナシコロギスのオス.成虫になっても翅を欠く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)|link=ハネナシコロギス_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190618ハマベアワフキ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_57365s.jpg|250px|thumb|right|ハマベアワフキの成虫.低地の草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)|link=ハマベアワフキ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.06.10-14 キャンパスで[[ハラグロオオテントウ_広島大学東広島キャンパス|ハラグロオオテントウ]]が羽化しています.[[ハラグロオオテントウ_広島大学東広島キャンパス|ハラグロオオテントウ]]は大型のテントウムシで,名前の通り腹面が黒いことが特徴です.また,山中谷川や角脇川で[[ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス|ゲンジボタル]]が飛んでいます.その他[[ノコギリカミキリ_広島大学東広島キャンパス|ノコギリカミキリ]]や[[コガネムシ_広島大学東広島キャンパス|コガネムシ]],[[キマワリ_広島大学東広島キャンパス|キマワリ]]など,様々な甲虫を観察することができます.
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|[[ファイル: 20160613ハラグロオオテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56316s.jpg|250px|thumb|right|ハラグロオオテントウの成虫.大変大きなテントウムシで,10mm以上ある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 13, 2019)|link=ハラグロオオテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190612ゲンジボタル成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56115s.jpg|250px|thumb|right|ゲンジボタルの成虫(オス).オスは発光器がメスよりも大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)|link=ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190614ノコギリカミキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56637s.jpg|250px|thumb|right|ノコギリカミキリの成虫(オス).ニセノコギリカミキリに似るが,本種のほうが前胸の光沢が強い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)|link=ノコギリカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190614コガネムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56665s.jpg|250px|thumb|right|コガネムシの成虫.キャンパスでは生態実験園の林縁に生える植物上に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)|link=コガネムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190610キマワリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55569s.jpg|250px|thumb|right|キマワリの成虫.立ち枯れした木や生木の幹についている場合が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=キマワリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190610オオヒラタシデムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55584s.jpg|250px|thumb|right|オオヒラタシデムシの成虫.動物の死骸やその他腐食物を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=オオヒラタシデムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパス内で[[クロアナバチ_広島大学東広島キャンパス|クロアナバチ]]や[[サトジガバチ_広島大学東広島キャンパス|サトジガバチ]]といった狩りバチや[[ヒメスズメバチ_広島大学東広島キャンパス|ヒメスズメバチ]]など様々なハチが見られます.[[オオスズメバチ_広島大学東広島キャンパス|オオスズメバチ]]やキイロスズメバチといった攻撃性の高い種も見られるので刺激しないよう注意が必要です.
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|[[ファイル: 20190610クロアナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55554s.jpg|250px|thumb|right|クロアナバチの成虫.キリギリスの幼虫を捕らえている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=クロアナバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190611サトジガバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55834s.jpg|250px|thumb|right|休むサトジガバチの成虫.ヤマジガバチに似るが,より小型で中胸背板に皺がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)|link=サトジガバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190611ヒメスズメバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55879s.jpg|250px|thumb|right|ヒメスズメバチの成虫(メス).オオスズメバチや他のスズメバチに似るが,腹部の先端が黒いのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)|link=ヒメスズメバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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色々な昆虫の幼虫を観察することができました.[[スゲドクガ_広島大学東広島キャンパス|スゲドクガ]]の幼虫は環境省RDBで準絶滅危惧種に指定されています.
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|[[ファイル: 20190610ハラビロカマキリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55623s.jpg|250px|thumb|right|ハラビロカマキリの幼虫.腹部を上げる姿が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=ハラビロカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190612ナナフシモドキ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56105s.jpg|250px|thumb|right|ナナフシモドキの幼虫.エダナナフシに似るが,触角がより短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)|link=ナナフシモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190611スゲドクガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55797s.jpg|250px|thumb|right|スゲドクガの幼虫.カヤツリグサ科やイネ科の植物の葉を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)|link=スゲドクガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190614シャチホコガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56609s.jpg|200px|thumb|right|シャチホコガの幼虫.ヒメシャチホコの幼虫に似るが,腹脚の黒斑の有無で識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)|link=シャチホコガ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[生態実験園]]やぶどう池で[[コシアキトンボ_広島大学東広島キャンパス|コシアキトンボ]]が飛んでいます.また,未成熟の[[アオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|アオイトトンボ]]もキャンパス各所で見られます.アブの仲間ではムシヒキアブ科の[[シオヤアブ_広島大学東広島キャンパス|シオヤアブ]]も発生しています.
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|[[ファイル: 20190613コシアキトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56366s.jpg|250px|thumb|right|縄張りを往復するコシアキトンボの成虫.同種のオスやオオシオカラトンボやショウジョウトンボと争う姿を観察することができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 13, 2019)|link=コシアキトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190612アオイトトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55911s.jpg|250px|thumb|right|アオイトトンボの成虫(メス).胸部に黒い模様が入っている個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)|link=アオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190610シオヤアブ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55568s.jpg|250px|thumb|right|昆虫を捕食するシオヤアブの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=シオヤアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパスではシャクガ類をはじめとした蛾の仲間を観察することができます.
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|[[ファイル: 20190612オオミズアオ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56137s.jpg|250px|thumb|right|オオミズアオの成虫(オス).オナガミズアオに似るが,触角が茶色っぽく,翅先が丸い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)|link=オオミズアオ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190611ハグルマトモエ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55810s.jpg|250px|thumb|right|ハグルマトモエの成虫(オス).オスグロトモエに似るが,前翅の2本筋が広がる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)|link=ハグルマトモエ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190610キマダラコウモリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55726s.jpg|200px|thumb|right|キマダラコウモリの成虫.コウモリガに似るが,前翅の銀白色紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=キマダラコウモリ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190614ギンボシリンガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56588s.jpg|250px|thumb|right|ギンボシリンガの成虫.白地に赤の複雑な模様が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)|link=ギンボシリンガ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190612ウメエダシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56036s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のウメエダシャク(成虫).総合科学部棟前のアンズの木に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)|link=ウメエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190614ヒョウモンエダシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56596s.jpg|250px|thumb|right|ヒョウモンエダシャクの成虫.日中林間を飛ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)|link=ヒョウモンエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]]
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その他[[アリグモ_広島大学東広島キャンパス|アリグモ]]や[[オナガグモ_広島大学東広島キャンパス|オナガグモ]]といった独特なクモ類を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190612アリグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56064s.jpg|250px|thumb|right|アリグモの成体(メス).触肢はオスほど発達しない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)|link=アリグモ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190610オナガグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55558s.jpg|250px|thumb|right|オナガグモの成体(メス).卵を保護している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)|link=オナガグモ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190612コアシダカグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_56111s.jpg|250px|thumb|right|コアシダカグモの成体(メス).アシダカグモのメスに似るが,上顎と単眼の間の白帯が本種にはなく,また腹部後縁の黄色斑が明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)|link=コアシダカグモ_広島大学東広島キャンパス]]]
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*2019.06.03-07 [[ふれあいビオトープ]]周辺で[[グンバイトンボ_広島大学東広島キャンパス|グンバイトンボ]]と[[イボテングタケ_広島大学東広島キャンパス|イボテングタケ]]を,[[生態実験園]]で[[クロアナバチ_広島大学東広島キャンパス|クロアナバチ]]を観察することができました.[[グンバイトンボ_広島大学東広島キャンパス|グンバイトンボ]]は県のRDBで準絶滅危惧種に指定されており,河川や水路の改修で減少しています.オスは白い軍配状の脚が大変目を引きます.
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|[[ファイル: 20190603グンバイトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54875s.jpg|250px|thumb|right|グンバイトンボの成虫(オス).モノサシトンボに似るがより小型で,オスは中脚と後脚が白い軍配状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2019)|link=グンバイトンボ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190603イボテングタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54843s.jpg|250px|thumb|right|工学部棟前のイボテングタケ.テングタケに似るが針葉樹林に多く,傘のイボが硬質.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2019)|link=イボテングタケ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190606クロアナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55202s.jpg|250px|thumb|right|ヒメギスの幼虫を狩るクロアナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)|link=クロアナバチ_広島大学東広島キャンパス]]]
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[[東広島植物園]]で[[サトキマダラヒカゲ_広島大学東広島キャンパス|サトキマダラヒカゲ]]と[[ヒオドシチョウ_広島大学東広島キャンパス|ヒオドシチョウ]]を,[[生態実験園]]で[[キアシドクガ_広島大学東広島キャンパス|キアシドクガ]]と[[オビガ_広島大学東広島キャンパス|オビガ]]の幼虫を,[[ふれあいビオトープ]]で[[キスジホソマダラ_広島大学東広島キャンパス|キスジホソマダラ]]と[[マツカレハ_広島大学東広島キャンパス|マツカレハ]]を観察することができました.[[キアシドクガ_広島大学東広島キャンパス|キアシドクガ]]はときに大発生するガで,名前にドクガとつきますが一生を通して毒を持ちません.また[[マツカレハ_広島大学東広島キャンパス|マツカレハ]]は毒針をもつケムシで,同じく毒を持つタケカレハの幼虫とともに[[ふれあいビオトープ]]に多いので観察には十分ご注意ください.
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|[[ファイル: 20190606サトキマダラヒカゲ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55265s.jpg|250px|thumb|right|サトキマダラヒカゲの成虫(メス).メスは後翅裏の色がメスより淡くなる傾向がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)|link=サトキマダラヒカゲ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190606ヒオドシチョウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55252s.jpg|250px|thumb|right|ヒオドシチョウの成虫(メス).メスは翅形が幅広く,腹部が太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)|link=ヒオドシチョウ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190606キアシドクガ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54913s.jpg|250px|thumb|right|キアシドクガの成虫(オス).日中林縁を盛んに飛び回る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)|link=キアシドクガ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190606キスジホソマダラ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55319s.jpg|250px|thumb|right|キスジホソマダラの成虫(メス).メスの触角は櫛型でない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)|link=キスジホソマダラ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190606オビガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55423s.jpg|250px|thumb|right|オビガの幼虫.スイカズラに多いケムシで,毒はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)|link=オビガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 2010606マツカレハ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55414s.jpg|250px|thumb|right|マツカレハの幼虫.毛には毒があり,刺されないよう注意が必要.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)|link=マツカレハ_広島大学東広島キャンパス]]
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山中池周辺で[[キュウシュウクロナガオサムシ_広島大学東広島キャンパス|キュウシュウクロナガオサムシ]]を,[[生態実験園]]で[[センチコガネ_広島大学東広島キャンパス|センチコガネ]]と[[オジロアシナガゾウムシ_広島大学東広島キャンパス|オジロアシナガゾウムシ]],[[ヤマクダマキモドキ_広島大学東広島キャンパス|ヤマクダマキモドキ]],[[ニシムネアカオオアリ_広島大学東広島キャンパス|ニシムネアカオオアリ]]を観察することができました.[[オジロアシナガゾウムシ_広島大学東広島キャンパス|オジロアシナガゾウムシ]]はパンダのような模様をしており,クズの茎などに多いです.
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|[[ファイル: 20190607キュウシュウクロナガオサムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55444s.jpg|250px|thumb|right|キュウシュウクロナガオサムシの成虫(メス).広島県にはオニクロナガオサムシとチュウゴククロナガオサムシの2亜種が存在する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 07, 2019)|link=キュウシュウクロナガオサムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190606センチコガネ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55013s.jpg|250px|thumb|right|センチコガネの成虫.オオセンチコガネに似るが,体色はより地味な場合が多く,頭楯が半円形である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)|link=センチコガネ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190606オジロアシナガゾウムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55216s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のオジロアシナガゾウムシ.食草はクズ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)|link=オジロアシナガゾウムシ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190606ヤマクダマキモドキ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55131s.jpg|250px|thumb|right|ヤマクダマキモドキの幼虫.キャンパスでは生態実験園に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)|link=ヤマクダマキモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190606ニシムネアカオオアリ成虫(はたらきアリ)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55091s.jpg|250px|thumb|right|ニシムネアカオオアリのはたらきアリ.ムネアカオオアリに似るが,本種は胸部の前半分が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)|link=ニシムネアカオオアリ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[生態実験園]]で[[チャイロアサヒハエトリ_広島大学東広島キャンパス|チャイロアサヒハエトリ]],[[ふれあいビオトープ]]で[[ヤマシロオニグモ_広島大学東広島キャンパス|ヤマシロオニグモ]],山中池周辺で[[サワガニ_広島大学東広島キャンパス|サワガニ]],[[東広島植物園]]で[[トビズムカデ_広島大学東広島キャンパス|トビズムカデ]]を観察することができました.サワガニはキャンパスでは山中谷川に多いですが,[[ふれあいビオトープ]]を流れる湧水でも見つかることがあります.また,[[トビズムカデ_広島大学東広島キャンパス|トビズムカデ]]は10cmを超える巨体で,少し触れただけでも咬みつこうとする上に毒を持つのでご注意ください.
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|[[ファイル: 20190606チャイロアサヒハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55162s.jpg|250px|thumb|right|チャイロアサヒハエトリの成体(オス).メスに比べると歩脚が非常に細長く,ハエトリグモとしては独特な見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)|link=チャイロアサヒハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190606ヤマシロオニグモ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55313s.jpg|250px|thumb|right|ヤマシロオニグモの成体(メス背白型).腹背の模様は変異が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)|link=ヤマシロオニグモ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190607サワガニ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55512s.jpg|250px|thumb|right|サワガニの成体(メス).メスの腹節は半円形で,左右の第1歩脚(はさみ)の大きさにほとんど差がない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 07, 2019)|link=サワガニ_広島大学東広島キャンパス]]]
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|[[ファイル: 20190607トビズムカデ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_55516s.jpg|250px|thumb|right|トビズムカデの成体.コガネムシ類の幼虫を捕食している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 07, 2019)]]
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===5月===
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*2019.05.30-31 [[ふれあいビオトープ]]で[[サラサヤンマ_広島大学東広島キャンパス|サラサヤンマ]]と[[モノサシトンボ_広島大学東広島キャンパス|モノサシトンボ]]を,[[生態実験園]]で[[アサヒナカワトンボ_広島大学東広島キャンパス|アサヒナカワトンボ]]を観察することができました.[[サラサヤンマ_広島大学東広島キャンパス|サラサヤンマ]]と[[モノサシトンボ_広島大学東広島キャンパス|モノサシトンボ]]はともにキャンパス内に広く分布しています.
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|[[ファイル: 20190530サラサヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54136s.jpg|250px|thumb|right|パトロール中のサラサヤンマの成虫(オス).日本のヤンマ科では最小.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=サラサヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530モノサシトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54179s.jpg|250px|thumb|right|モノサシトンボの成虫(メス).キャンパスでは広く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=モノサシトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530アサヒナカワトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53930s.jpg|250px|thumb|right|成熟したアサヒナカワトンボの成虫(オス)の橙褐色翅.成熟すると体に粉を吹く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=アサヒナカワトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[ふれあいビオトープ]]で[[ヒメジャノメ_広島大学東広島キャンパス|ヒメジャノメ]],[[ヒカゲチョウ_広島大学東広島キャンパス|ヒカゲチョウ]],[[オオヒカゲ_広島大学東広島キャンパス|オオヒカゲ]]を観察することができました.いずれも成虫は眼状紋(目玉模様)をもつチョウです.[[ヒカゲチョウ_広島大学東広島キャンパス|ヒカゲチョウ]]は先週紹介した[[クロヒカゲ_広島大学東広島キャンパス|クロヒカゲ]]に酷似していますが,全体的に明るい色をしています.
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|[[ファイル: 20190530ヒメジャノメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54262s.jpg|250px|thumb|right|ヒメジャノメの成虫.コジャノメに似るが,本種は後翅の裏に並ぶ眼状紋が3つである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=ヒメジャノメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530ヒカゲチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54368s.jpg|250px|thumb|right|ヒカゲチョウの成虫.クロヒカゲより色が明るく,オオヒカゲよりも一回り小さい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=ヒカゲチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530オオヒカゲ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54385s.jpg|250px|thumb|right|オオヒカゲの幼虫.幼虫の頭部には斜めに伸びた一対の角がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=オオヒカゲ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[生態実験園]]で[[ラクダムシ_広島大学東広島キャンパス|ラクダムシ]]を,[[ふれあいビオトープ]]で[[ヤマトクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトクサカゲロウ]]と[[ヒメクロゴキブリ_広島大学東広島キャンパス|ヒメクロゴキブリ]]を観察することができました.クサカゲロウの仲間は頭部の模様で識別をすることができます.
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|[[ファイル: 20190531ラクダムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54637s.jpg|250px|thumb|right|ラクダムシの成虫(メス).メスは長い産卵管をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)|link=ラクダムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190531ヤマトクサカゲロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54519s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトクサカゲロウの成虫.背面中央には黄色い筋が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)|link=ヤマトクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530ヒメクロゴキブリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54036s.jpg|250px|thumb|right|ヒメクロゴキブリの成虫(オス).樹上性のゴキブリであり,害はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=ヒメクロゴキブリ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[生態実験園]]で[[マイマイカブリ_広島大学東広島キャンパス|マイマイカブリ]]と[[ヨツボシゴミムシ_広島大学東広島キャンパス|ヨツボシゴミムシ]]を観察することができました.ゴミムシの仲間は地表をせわしなく動き回っています.
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また[[ふれあいビオトープ]]付近で[[アオハナムグリ_広島大学東広島キャンパス|アオハナムグリ]]と[[オバボタル_広島大学東広島キャンパス|オバボタル]],[[ゴボウゾウムシ_広島大学東広島キャンパス|ゴボウゾウムシ]],[[ハスジカツオゾウムシ_広島大学東広島キャンパス|ハスジカツオゾウムシ]]を,[[生態実験園]]で[[ヤナギハムシ_広島大学東広島キャンパス|ヤナギハムシ]]と[[ハラグロオオテントウ_広島大学東広島キャンパス|ハラグロオオテントウ]]を観察することができました.[[オバボタル_広島大学東広島キャンパス|オバボタル]]は成虫が光らないホタルで,幼虫は陸生です.
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|[[ファイル: 20190531マイマイカブリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54798s.jpg|250px|thumb|right|マイマイカブリの成虫.キャンパスではよく道路を横断する姿が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)|link=マイマイカブリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530ヨツボシゴミムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53873s.jpg|250px|thumb|right|ヨツボシゴミムシの成虫.似た種類が複数存在する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=ヨツボシゴミムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530アオハナムグリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54403s.jpg|250px|thumb|right|アオハナムグリの成虫.ナミハナムグリに似るが,本種は前翅に毛がほとんど生えず,前胸の金紫色の部分は縁のみである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=アオハナムグリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530オバボタル成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54357s.jpg|250px|thumb|right|オバボタルの成虫.キャンパスでは広く見られるが,特に林床のような場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=オバボタル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530ゴボウゾウムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54227s.jpg|250px|thumb|right|ゴボウゾウムシの成虫.オオゴボウゾウムシなどに似るが,本種のほうが前翅の点刻が弱い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=ゴボウゾウムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530ハスジカツオゾウムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54191s.jpg|250px|thumb|right|ハスジカツオゾウムシの成虫.アザミやヨモギといったキク科植物の上で見られることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=ハスジカツオゾウムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530ヤナギハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53964s.jpg|250px|thumb|right|ヤナギハムシの成虫.キャンパスではアカメヤナギなどの葉を食べていると考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=ヤナギハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190531ハラグロオオテントウ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54749s.jpg|250px|thumb|right|ハラグロオオテントウの幼虫.約10mmほどの大きの巨体で,主にクワキジラミなどを捕食する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)|link=ハラグロオオテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
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植物園で[[コガタノミズアブ_広島大学東広島キャンパス|コガタノミズアブ]]を,[[ふれあいビオトープ]]で[[ミスジガガンボ_広島大学東広島キャンパス|ミスジガガンボ]],[[チュウガタコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|チュウガタコガネグモ]]を観察することができました.[[コガタノミズアブ_広島大学東広島キャンパス|コガタノミズアブ]]の幼虫は水棲であるため,水田や湿地の周辺で見られます.
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|[[ファイル: 20190531コガタノミズアブ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54724s.jpg|250px|thumb|right|コガタノミズアブの成虫(メス).美しい黄緑色をしたミズアブ類で,近年減少している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)|link=コガタノミズアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190531ミスジガガンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54553s.jpg|250px|thumb|right|ミスジガガンボの成虫.小さいが翅に3本の黒帯が入り,頭~胸部が青色に輝く美しいガガンボ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)|link=ミスジガガンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190530チュウガタコガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_54156s.jpg|250px|thumb|right|チュウガタコガネグモの成体(メス).コガネグモに似るが,少し小さく腹部の模様も異なる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)|link=チュウガタコガネグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.05.21-24 [[生態実験園]]で[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]の抱接を,陣ヶ平山周辺で[[ナキイナゴ_広島大学東広島キャンパス|ナキイナゴ]]を観察することができました.[[ナキイナゴ_広島大学東広島キャンパス|ナキイナゴ]]はバッタ類の中では出現が早く,6月頃から見られます.丈の長いススキなどが生えた草原で「シャカシャカ」と音を立てて鳴きます.
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|[[ファイル: 20190521シュレーゲルアオガエル_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52916s.jpg|250px|thumb|right|正面から見たシュレーゲルアオガエルの抱接.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521シュレーゲルアオガエル_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52927s.jpg|250px|thumb|right|横から見たシュレーゲルアオガエルの抱接.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521ナキイナゴ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52441s.jpg|250px|thumb|right|ナキイナゴの成虫(オス).後脚と前翅をこすり合わせシャカシャカという音を鳴らす.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=ナキイナゴ_広島大学東広島キャンパス]]
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植物園で[[クロスジギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス|クロスジギンヤンマ]],[[ヨツボシトンボ_広島大学東広島キャンパス|ヨツボシトンボ]],[[ショウジョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|ショウジョウトンボ]]を観察することができました.これら3種のトンボは激しく縄張り争いを行っている様子でした.
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|[[ファイル: 20190521クロスジギンヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52727s.jpg|250px|thumb|right|池を周回するクロスジギンヤンマの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=クロスジギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521ヨツボシトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52762s.jpg|250px|thumb|right|ヨツボシトンボの成虫(オス).メスの産卵中,オスはそれを見張るようにメスの真上でホバリングをする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=ヨツボシトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521ショウジョウトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52774s.jpg|250px|thumb|right|成熟したショウジョウトンボの成虫(オス).止まり木に近寄る別のトンボを追い払おうとする姿が観察される.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=ショウジョウトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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同じく植物園で[[アカサシガメ_広島大学東広島キャンパス|アカサシガメ]],[[シマサシガメ_広島大学東広島キャンパス|シマサシガメ]],[[アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス|アカスジキンカメムシ]]を観察することができました.サシガメ類は肉食で他の昆虫の体液を吸いますが,[[アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス|アカスジキンカメムシ]]は植物の汁を吸います.
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|[[ファイル: 20190521アカサシガメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52574s.jpg|250px|thumb|right|アカサシガメの成虫.低木上に多く,真っ赤な体がよく目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=アカサシガメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521シマサシガメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52799s.jpg|250px|thumb|right|シマサシガメの成虫.ヨコヅナサシガメに少し似るが,より小型でどちらかというと草本上に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=シマサシガメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521アカスジキンカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52639s.jpg|250px|thumb|right|アカスジキンカメムシの成虫.成虫は緑色の胸部と翅に赤い筋が入っているという派手な模様をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[クロオオアリ_広島大学東広島キャンパス|クロオオアリ]]及び[[ムネアカオオアリ_広島大学東広島キャンパス|ムネアカオオアリ]]の結婚飛行が始まろうとしています.キャンパスの至る所で翅をつけた女王アリや,巣の周りで待機する雄アリのようすを観察することができました.
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また,[[ふれあいビオトープ]]で[[オオイシアブ_広島大学東広島キャンパス|オオイシアブ]]と[[チャイロオオイシアブ_広島大学東広島キャンパス|チャイロオオイシアブ]]を観察することができました.この2種は酷似しているため,識別が少し難しいです.
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|[[ファイル: 20190523クロオオアリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53437s.jpg|250px|thumb|right|結婚飛行を控えているクロオオアリの巣.翅があるのは雄アリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=クロオオアリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190524クロオオアリ女王_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53843s.jpg|250px|thumb|right|クロオオアリの女王.まだ交尾を終えていない様子.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 24, 2019)|link=クロオオアリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523ムネアカオオアリ女王_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53668s.jpg|250px|thumb|right|ニシムネアカオオアリの女王アリ.翅が生えているため,まだ交尾を済ませていないと考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=ニシムネアカオオアリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523オオイシアブ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53263s.jpg|250px|thumb|right|オオイシアブの成虫(メス).しばしば飛ぶ虫を目で追う.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=オオイシアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190524チャイロオオイシアブ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53727s.jpg|250px|thumb|right|チャイロオオイシアブの成虫(メス).腹部第2節以降にオレンジ色の毛が生えているため,オオイシアブよりも全体的に明るい色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 24, 2019)|link=チャイロオオイシアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[発見の小径]]で[[アサマイチモンジ_広島大学東広島キャンパス|アサマイチモンジ]]と[[クロヒカゲ_広島大学東広島キャンパス|クロヒカゲ]]と[[キンモンガ_広島大学東広島キャンパス|キンモンガ]]を,植物園で[[ベニオビヒゲナガ_広島大学東広島キャンパス|ベニオビヒゲナガ]]を観察することができました.ヒゲナガガ類はオスの触角が非常に細長いのが特徴で,キャンパスではほかにシロオビヒゲナガやクロハネシロヒゲナガなどを観察することができます.
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イモムシでは[[アケビコノハ_広島大学東広島キャンパス|アケビコノハ]]や[[ホタルガ_広島大学東広島キャンパス|ホタルガ]],[[シロシタホタルガ_広島大学東広島キャンパス|シロシタホタルガ]]を観察することができました.[[ホタルガ_広島大学東広島キャンパス|ホタルガ]]と[[シロシタホタルガ_広島大学東広島キャンパス|シロシタホタルガ]]はともに刺激されると有毒な分泌液を出すので,観察にはご注意ください.
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|[[ファイル: 20190523アサマイチモンジ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53253s.jpg|200px|thumb|right|ウツギの花で吸蜜するアサマイチモンジの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=アサマイチモンジ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523クロヒカゲ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53226s.jpg|250px|thumb|right|クロヒカゲの成虫.ヒカゲチョウよりも全体的に黒っぽい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=クロヒカゲ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523キンモンガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53183s.jpg|250px|thumb|right|キンモンガの成虫.昼行性のガで,チョウのような美しい模様をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=キンモンガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523ベニオビヒゲナガ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53539s.jpg|250px|thumb|right|ベニオビヒゲナガの成虫(オス).翅の赤い帯が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=ベニオビヒゲナガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521アケビコノハ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52766s.jpg|250px|thumb|right|アケビコノハの幼虫.眼状紋と威嚇姿勢が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=アケビコノハ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521ホタルガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53012s.jpg|250px|thumb|right|ホタルガの幼虫.ヒサカキによく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=ホタルガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523シロシタホタルガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53302s.jpg|250px|thumb|right|シロシタホタルガの幼虫.サワフタギやクロミノニシゴリに見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=シロシタホタルガ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[生態実験園]]で[[ウバタマムシ_広島大学東広島キャンパス|ウバタマムシ]]と[[ヒメイトアメンボ_広島大学東広島キャンパス|ヒメイトアメンボ]]と[[ヤマトシリアゲ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトシリアゲ]]を,植物園で[[カタオカハエトリ_広島大学東広島キャンパス|カタオカハエトリ]]と[[ヒトリコゲチャハエトリ_広島大学東広島キャンパス|ヒトリコゲチャハエトリ]]と[[キアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス|キアシナガバチ]]を観察することができました.[[ヤマトシリアゲ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトシリアゲ]]はキャンパスで最も普通に見られるシリアゲムシ類で,オスの腹部の先端は鋏状になっておりオス同士での争いやメスとの交尾に用いられます.[[カタオカハエトリ_広島大学東広島キャンパス|カタオカハエトリ]]の旧称はカキイロハエトリで,その名の通りオスは第1脚が鮮やかな柿色をしていますが,今回紹介しているメスは地味な体色です.
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|[[ファイル: 20190524ウバタマムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53747s.jpg|250px|thumb|right|アカマツの切り株の上にいるウバタマムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 24, 2019)|link=ウバタマムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521ヒメイトアメンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52946s.jpg|250px|thumb|right|ヒメイトアメンボの成虫.アメンボというよりはナナフシのような形をしており,キャンパスでは生態実験園やふれあいビオトープで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=ヒメイトアメンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523ヤマトシリアゲ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53611s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトシリアゲの交尾.オス(左)は,メス(右)が餌を食べているのを見計らって交尾行動に移る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=ヤマトシリアゲ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521カタオカハエトリ成体(メス)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52991s.jpg|250px|thumb|right|カタオカハエトリの成体(メス).メスはオスのように脚が鮮やかでない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=カタオカハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190521ヒトリコゲチャハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52682s.jpg|250px|thumb|right|ヒトリコゲチャハエトリの成体(オス).オスはあまりシラホシコゲチャハエトリとは似ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)|link=ヒトリコゲチャハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190523キアシナガバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_53422s.jpg|250px|thumb|right|巣材を集めるため看板を齧るキアシナガバチの成虫(メス).セグロアシナガバチに似るが,胸部から腹部にかけて一対の黄斑があり,各脚にも黄色い模様が目立つなどの違いがある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)|link=キアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.05.10-17 教育学部棟周辺で[[イソヒヨドリ]],生態実験園で[[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカガエル]]の幼体と[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]のオタマジャクシ,[[ふれあいビオトープ]]でシュレーゲルアオガエルの成体.理学部棟周辺で[[ニホンヤモリ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190514イソヒヨドリオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51491s.jpg|250px|thumb|right|イソヒヨドリ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=イソヒヨドリ]]
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|[[ファイル: 20190516ニホンアカガエル_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52237s.jpg|250px|thumb|right|上陸したニホンアカガエルの幼体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190516シュレーゲルアオガエル孵化_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52264s.jpg|250px|thumb|right|孵化したシュレーゲルアオガエルのオタマジャクシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190516シュレーゲルアオガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52065s.jpg|250px|thumb|right|休むシュレーゲルアオガエルの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190516ニホンヤモリ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52271s.jpg|250px|thumb|right|夜活動するニホンヤモリの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=ニホンヤモリ]]
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[[ふれあいビオトープ]]で[[ムカシヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ムカシヤンマ]]と[[タベサナエ_広島大学東広島キャンパス|タベサナエ]]と[[フタスジサナエ_広島大学東広島キャンパス|フタスジサナエ]],山中池で[[オオヤマトンボ_広島大学東広島キャンパス|オオヤマトンボ]]と[[クロイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|クロイトトンボ]],植物園で[[ヤマサナエ_広島大学東広島キャンパス|ヤマサナエ]]を観察することができました.[[ムカシヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ムカシヤンマ]]は県の,[[フタスジサナエ_広島大学東広島キャンパス|フタスジサナエ]]は国のRDBで準絶滅危惧種に指定されています.
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|[[ファイル: 20190512ムカシヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51483s.jpg|250px|thumb|right|ふれあいビオトープのパイロンにとまるムカシヤンマの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=ムカシヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190510タベサナエ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50499s.jpg|250px|thumb|right|ブタナにとまるタベサナエの成虫(メス).タベサナエは胸部の前方の黒条が途中で切れている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)|link=タベサナエ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190516フタスジサナエ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51979s.jpg|250px|thumb|right|フタスジサナエの成虫.フタスジサナエは胸部の黒条が2本.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=フタスジサナエ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190512オオヤマトンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50850s.jpg|250px|thumb|right|山中池の岸辺を巡回飛行するオオヤマトンボの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=オオヤマトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190512クロイトトンボ成虫オス成熟_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50717s.jpg|250px|thumb|right|成熟したクロイトトンボの成虫(オス).左にはジュンサイハムシの姿も確認できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=クロイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514ヤマサナエ成虫(メス)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51719s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトシリアゲを捕食するヤマサナエの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=ヤマサナエ_広島大学東広島キャンパス]]
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学生プラザ付近で[[ウンモンスズメ_広島大学東広島キャンパス|ウンモンスズメ]]、[[生態実験園]]で[[ダイミョウセセリ_広島大学東広島キャンパス|ダイミョウセセリ]]と[[ヒメウラナミジャノメ_広島大学東広島キャンパス|ヒメウラナミジャノメ]],山中池周辺で[[イボタガ_広島大学東広島キャンパス|イボタガ]],[[ふれあいビオトープ]]で[[ヒオドシチョウ_広島大学東広島キャンパス|ヒオドシチョウ]]と[[ルリイロスカシクロバ_広島大学東広島キャンパス|ルリイロスカシクロバ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190516ウンモンスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51972s.jpg|250px|thumb|right|ケヤキにとまるウンモンスズメの成虫.緑色の翅にピンクの脚と,派手な見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=ウンモンスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514ダイミョウセセリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51834s.jpg|250px|thumb|right|スイカズラにとまるダイミョウセセリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=ダイミョウセセリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514ヒメウラナミジャノメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51840s.jpg|250px|thumb|right|ヒメウラナミジャノメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=ヒメウラナミジャノメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190512イボタガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51084s.jpg|250px|thumb|right|イボタガの幼虫.突起は若齢幼虫のみ存在する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=イボタガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190512ヒオドシチョウ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51463s.jpg|250px|thumb|right|エノキの葉を食べるヒオドシチョウの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=ヒオドシチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514ルリイロスカシクロバ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51904s.jpg|250px|thumb|right|ルリイロスカシクロバの幼虫.ブドウなどを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=ルリイロスカシクロバ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[生態実験園]]で[[エゴツルクビオトシブミ_広島大学東広島キャンパス|エゴツルクビオトシブミ]]と[[ヒメクロオトシブミ_広島大学東広島キャンパス|ヒメクロオトシブミ]]と[[カシルリオトシブミ_広島大学東広島キャンパス|カシルリオトシブミ]]を,キャンパス北部で[[シロオビナカボソタマムシ_広島大学東広島キャンパス|シロオビナカボソタマムシ]]と[[アカガネサルハムシ_広島大学東広島キャンパス|アカガネサルハムシ]]を,ががら山で[[ニワハンミョウ_広島大学東広島キャンパス|ニワハンミョウ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190514エゴツルクビオトシブミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51801s.jpg|250px|thumb|right|エゴツルクビオトシブミの成虫(オス).オスは非常に首が長く,本当に鶴のような形をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=エゴツルクビオトシブミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514ヒメクロオトシブミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51851s.jpg|250px|thumb|right|ヒメクロオトシブミの成虫.様々な広葉樹の葉を巻き,産卵用のゆりかごを作る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=ヒメクロオトシブミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190516カシルリオトシブミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52230s.jpg|250px|thumb|right|カシルリオトシブミの成虫(メス).主にイタドリの葉の上で見られ,それを巻いてゆりかごを作る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=カシルリオトシブミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514シロオビナカボソタマムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51539s.jpg|250px|thumb|right|シロオビナカボソタマムシの成虫.クマイチゴの葉を好んで食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=シロオビナカボソタマムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514アカガネサルハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51695s.jpg|250px|thumb|right|アカガネサルハムシの成虫.ノブドウなどを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=アカガネサルハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190512ニワハンミョウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50925s.jpg|250px|thumb|right|ニワハンミョウの成虫(メス).メスは大アゴの有色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=ニワハンミョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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ががら山で[[トビイロツノゼミ_広島大学東広島キャンパス|トビイロツノゼミ]],キャンパス北部で[[ウシカメムシ_広島大学東広島キャンパス|ウシカメムシ]],[[ふれあいビオトープ]]で[[ハルゼミ_広島大学東広島キャンパス|ハルゼミ]]の抜け殻を観察することができました.
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また,[[生態実験園]]で[[メガネアサヒハエトリ_広島大学東広島キャンパス|メガネアサヒハエトリ]],工学部棟周辺で[[チャイロアサヒハエトリ_広島大学東広島キャンパス|チャイロアサヒハエトリ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190512トビイロツノゼミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50964s.jpg|250px|thumb|right|トビイロツノゼミの成虫.最も身近なツノゼミ類.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=トビイロツノゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190514ウシカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51574s.jpg|250px|thumb|right|ウシカメムシの成虫.胸部から大きく突き出た一対の角が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)|link=ウシカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190512ハルゼミ抜け殻_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51470s.jpg|250px|thumb|right|ハルゼミの抜け殻.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=ハルゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190516メガネアサヒハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52257s.jpg|250px|thumb|right|メガネアサヒハエトリの成体(オス).タカラダニに寄生されている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)|link=メガネアサヒハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190512チャイロアサヒハエトリ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51328s.jpg|250px|thumb|right|チャイロアサヒハエトリの幼体.メスは脚が短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)|link=チャイロアサヒハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.05.07-10 キャンパス内で[[キバネツノトンボ_広島大学東広島キャンパス|キバネツノトンボ]],植物園で[[アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス|アカスジキンカメムシ]],キャンパス南部で[[トサハエトリ_広島大学東広島キャンパス|トサハエトリ]]を観察することができました.[[キバネツノトンボ_広島大学東広島キャンパス|キバネツノトンボ]]は広島県のRDBで準絶滅危惧種に指定されている昆虫です.
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|[[ファイル: 20190509キバネツノトンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50445s.jpg|250px|thumb|right|キバネツノトンボの成虫.昼間,開けた草地などを素早く飛び回る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)|link=キバネツノトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190510アカスジキンカメムシ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50572s.jpg|250px|thumb|right|アカスジキンカメムシの幼虫.成虫と比べると体色は比較的地味.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)|link=アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190509トサハエトリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50388s.jpg|250px|thumb|right|トサハエトリの成体(オス).ジャバラハエトリ類に似るが,オスは胸部が光沢のない黒色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)|link=トサハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパス内で[[ニホンイシガメ]],[[生態実験園]]で[[クロスジギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス|クロスジギンヤンマ]],[[ヨツボシトンボ_広島大学東広島キャンパス|ヨツボシトンボ]]を観察することができました.ほかにも[[ヤマサナエ_広島大学東広島キャンパス|ヤマサナエ]]や[[クロイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|クロイトトンボ]]など,各種トンボが続々と羽化しています.
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|[[ファイル: 20190510ニホンイシガメ幼体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50616s.jpg|250px|thumb|right|ニホンイシガメの幼体.甲板の数からおよそ2歳だと推測される.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)|link=ニホンイシガメ]]
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|[[ファイル: 20190509クロスジギンヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50472s.jpg|250px|thumb|right|飛翔するクロスジギンヤンマの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)|link=クロスジギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190510ヨツボシトンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50621s.jpg|250px|thumb|right|ヨツボシトンボの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)|link=ヨツボシトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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キャンパス南部で[[カバキコマチグモ_広島大学東広島キャンパス|カバキコマチグモ]],[[オオイシアブ_広島大学東広島キャンパス|オオイシアブ]],[[ウバタマコメツキ_広島大学東広島キャンパス|ウバタマコメツキ]]を観察することができました.[[カバキコマチグモ_広島大学東広島キャンパス|カバキコマチグモ]]はキャンパスでは特に南部に多く,毒を持つクモです.ススキの葉の先がちまき状に巻かれているのは本種の産室であるため,不用意に触れたり開けたりしないよう十分にご注意ください.
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|[[ファイル: 20190507カバキコマチグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50079s.jpg|250px|thumb|right|カバキコマチグモの成体(メス).メスは葉を粽のような形に巻いて,中に産卵する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 7, 2019)|link=カバキコマチグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190509オオイシアブ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50320s.jpg|250px|thumb|right|コメツキムシを捕食するオオイシアブの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)|link=オオイシアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190509ウバタマコメツキ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50309s.jpg|250px|thumb|right|アカマツ材上のウバタマコメツキの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)|link=ウバタマコメツキ_広島大学東広島キャンパス]]
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===4月===
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*2019.04.20-26 キャンパス内でハルゼミが鳴いています.高所で鳴くことが多いため,姿を確認することが難しいです.
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植物園で[[アオオビハエトリ_広島大学東広島キャンパス|アオオビハエトリ]]と[[アダンソンハエトリ_広島大学東広島キャンパス|アダンソンハエトリ]],[[シラホシコゲチャハエトリ_広島大学東広島キャンパス|シラホシコゲチャハエトリ]]を観察することができました.[[アダンソンハエトリ_広島大学東広島キャンパス|アダンソンハエトリ]]は屋内でよく見られるハエトリグモで,[[アオオビハエトリ_広島大学東広島キャンパス|アオオビハエトリ]]や[[シラホシコゲチャハエトリ_広島大学東広島キャンパス|シラホシコゲチャハエトリ]]も垣根や植木鉢の上でよく見られるため,いずれも身近な存在です.
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|[[ファイル: 20190425アオオビハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52008s.JPG|250px|thumb|right|求愛するアオオビハエトリの成体(オス).メスのアオオビハエトリより第一脚に毛が多く,腹部の模様が不明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=アオオビハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190425アダンソンハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52083s.JPG|250px|thumb|right|アダンソンハエトリの成体(オス)の正面顔.オスは触肢が白くて目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=アダンソンハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190425シラホシコゲチャハエトリ成体オス_東広島市_鏡山南葉撮影_IMG_52033s.JPG|250px|thumb|right|シラホシコゲチャハエトリの成体(オス).腹部の白い斑が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=シラホシコゲチャハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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植物園で[[ニッポンヒゲナガハナバチ_広島大学東広島キャンパス|ニッポンヒゲナガハナバチ]],ぶどう池横のドウダンツツジで[[コマルハナバチ_広島大学東広島キャンパス|コマルハナバチ]]と[[オオスズメバチ_広島大学東広島キャンパス|オオスズメバチ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190426ニッポンヒゲナガハナバチ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52393s.JPG|250px|thumb|right|ニッポンヒゲナガハナバチの成虫(オス).オスは触角が非常に長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)|link=ニッポンヒゲナガハナバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190425コマルハナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52188s.JPG|250px|thumb|right|コマルハナバチの成虫.クロマルハナバチよりも小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=コマルハナバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190425オオスズメバチ女王_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52196s.JPG|250px|thumb|right|オオスズメバチの女王蜂.女王蜂は刺激しなければ基本的には襲ってこない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=オオスズメバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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陣ヶ平山周辺で[[オスクロハエトリ_広島大学東広島キャンパス|オスクロハエトリ]],[[ニホンジネズミ(ジネズミ)]],[[アオゲラ]]を観察することができました.[[ニホンジネズミ]]は東広島キャンパスの哺乳類相調査でも確認されています.
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|[[ファイル: 20190421オスクロハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50195s.jpg|250px|thumb|right|オスクロハエトリの成体(オス).メスや亜成体はヤハズハエトリに似るが,オスは全身が黒銅色をしているので容易に識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2019)|link=オスクロハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190423ニホンジネズミ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51514s.jpg|250px|thumb|right|ニホンジネズミ.ネズミと名が付くが,モグラの仲間である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 23, 2019)]]
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|[[ファイル: 20190425アオゲラオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51789s.jpg|250px|thumb|right|早朝に囀るアオゲラ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019|link=アオゲラ]]
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[[ふれあいビオトープ]]で[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]と[[クビキリギス_広島大学東広島キャンパス|クビキリギス]]と[[ヤサアリグモ_広島大学東広島キャンパス|ヤサアリグモ]]を観察することができました.[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]と[[クビキリギス_広島大学東広島キャンパス|クビキリギス]]は夜の[[ふれあいビオトープ]]で鳴く姿が観察できます.
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|[[ファイル: 20190425シュレーゲルアオガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52283s.jpg|250px|thumb|right|鳴くシュレーゲルアオガエルの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190425クビキリギス成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52288s.jpg|250px|thumb|right|鳴くクビキリギスの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=クビキリギス_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190425ヤサアリグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52136s.jpg|250px|thumb|right|ヤサアリグモの成体(メス).アリグモのメスに似るが,腹部がより細長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=ヤサアリグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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[[ふれあいビオトープ]]で[[セモンジンガサハムシ_広島大学東広島キャンパス|セモンジンガサハムシ]],[[生態実験園]]で[[イチモンジカメノコハムシ_広島大学東広島キャンパス|イチモンジカメノコハムシ]],植物園で[[バラルリツツハムシ_広島大学東広島キャンパス|バラルリツツハムシ]]を観察することができました.[[セモンジンガサハムシ_広島大学東広島キャンパス|セモンジンガサハムシ]]と[[イチモンジカメノコハムシ_広島大学東広島キャンパス|イチモンジカメノコハムシ]]は非常によく似ていますが,食樹や体の大きさ,模様などが異なります.
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|[[ファイル: 20190426セモンジンガサハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52360s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のセモンジンガサハムシ(成虫).イチモンジカメノコハムシに似るが,背中の金色に輝くX字紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)|link=セモンジンガサハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190426イチモンジカメノコハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_52402s.jpg|250px|thumb|right|イチモンジカメノコハムシ(成虫).セモンジンガサハムシに似るが,背中に金色の紋はなく,体も一回り大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)|link=イチモンジカメノコハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190422バラルリツツハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51000s.jpg|250px|thumb|right|バラルリツツハムシ(成虫).様々な樹木の葉を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)|link=バラルリツツハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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陣ヶ平山で[[シオヤトンボ_広島大学東広島キャンパス|シオヤトンボ]],角脇調整池で[[オツネントンボ_広島大学東広島キャンパス|オツネントンボ]],[[生態実験園]]で[[アサヒナカワトンボ_広島大学東広島キャンパス|アサヒナカワトンボ]]を観察することができました.[[ヤマサナエ_広島大学東広島キャンパス|ヤマサナエ]]や[[クロスジギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス|クロスジギンヤンマ]]の発生も確認しています.
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|[[ファイル: 20190421シオヤトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50209s.jpg|250px|thumb|right|シオヤトンボの成虫(未成熟オス).シオカラトンボよりも一回り小さく,ずんぐりしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2019)|link=シオヤトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190422オツネントンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51257s.jpg|250px|thumb|right|オツネントンボの成虫(オス).ホソミオツネントンボとは異なり,越冬前と越冬後で体色に変化がない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 22, 2019)|link=オツネントンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190425アサヒナカワトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_51856s.jpg|250px|thumb|right|アサヒナカワトンボの成虫(オス)の透明翅.周囲を樹林で囲まれた渓流を好むため,生態実験園は本種の生息環境に適していると考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)|link=アサヒナカワトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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*2019.04.17-19 生物生産学部農場で[[キリギリス_広島大学東広島キャンパス|キリギリス]],[[ヤブキリ_広島大学東広島キャンパス|ヤブキリ]],[[ヒメギス_広島大学東広島キャンパス|ヒメギス]]の幼虫を観察することができました.[[ヤブキリ_広島大学東広島キャンパス|ヤブキリ]]の初齢幼虫はタンポポの花の上で花粉を食べてる姿がよく見られます.
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|[[ファイル: 20190419キリギリス幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影IMG_50012s.jpg|250px|thumb|right|セイヨウタンポポの上のキリギリスの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)|link=キリギリス_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190419ヤブキリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50043s.jpg|250px|thumb|right|セイヨウタンポポの上のヤブキリの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)|link=ヤブキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190419ヒメギス幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49917s.jpg|250px|thumb|right|ヒメギスの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)|link=ヒメギス_広島大学東広島キャンパス]]
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植物園で[[ニホンミツバチ_広島大学東広島キャンパス|ニホンミツバチ]]と[[セグロアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス|セグロアシナガバチ]]を,[[ぶどう池]]で[[キムネクマバチ_広島大学東広島キャンパス|キムネクマバチ(クマバチ)]]を観察することができました.4月になると藤の花の周りや林縁部でクマバチのオスがホバリングをする姿がよく観察されますが,羽音が大きいだけで人を刺すことはありませんのでご安心ください.
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|[[ファイル: 20190416ニホンミツバチワーカー_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49083.jpg|250px|thumb|right|ニホンミツバチの働きバチ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)|link=ニホンミツバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190416セグロアシナガバチ女王_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49142s.jpg|250px|thumb|right|セグロアシナガバチの女王.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)|link=セグロアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190418キムネクマバチ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49627s.jpg|250px|thumb|right|キムネクマバチの成虫(メス).メスはホバリングをせず,ひたすら花の蜜を集めている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)|link=キムネクマバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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植物園で[[ナガメ_広島大学東広島キャンパス|ナガメ]],[[生態実験園]]で[[イカリモンガ_広島大学東広島キャンパス|イカリモンガ]],[[ぶどう池]]周辺で[[タベサナエ_広島大学東広島キャンパス|タベサナエ]],[[ナミハナムグリ_広島大学東広島キャンパス|ナミハナムグリ]],[[シマヘビ]],[[クロセンブリ_広島大学東広島キャンパス|クロセンブリ]],生物生産学部農場で[[ナミテントウ_広島大学東広島キャンパス|ナミテントウ]],[[シラヒゲハエトリ_広島大学東広島キャンパス|シラヒゲハエトリ]],[[オオハサミムシ_広島大学東広島キャンパス|オオハサミムシ]]を観察することができました.
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|[[ファイル: 20190416ナガメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49140s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のナガメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)|link=ナガメ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190416イカリモンガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49242s.jpg|250px|thumb|right|イカリモンガの成虫.チョウにそっくりなガである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)|link=イカリモンガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190416タベサナエ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49323s.jpg|250px|thumb|right|タベサナエの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)|link=タベサナエ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190418ナミハナムグリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49620s.jpg|250px|thumb|right|ナミハナムグリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)|link=ナミハナムグリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190418シマヘビ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49559s.jpg|250px|thumb|right|シマヘビの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)|link=シマヘビ]]
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|[[ファイル: 20190418クロセンブリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49305s.jpg.jpg|250px|thumb|right|クロセンブリの成虫.キャンパスでは発見の小径沿いでよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)|link=クロセンブリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190419ナミテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49955s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のナミテントウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)|link=ナミテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190419シラヒゲハエトリ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_49936s.jpg|250px|thumb|right|シラヒゲハエトリの成体(メス)の正面顔.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)|link=シラヒゲハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190419オオハサミムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_50122s.jpg|250px|thumb|right|威嚇するオオハサミムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)|link=オオハサミムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|}
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*2019.04.6-12 4月になり,クモや昆虫の活動が活発になってきました.[[ふれあいビオトープ]]で[[オオハエトリ_広島大学東広島キャンパス|オオハエトリ]]と[[マダラスジハエトリ_広島大学東広島キャンパス|マダラスジハエトリ]],[[生態実験園]]で[[アオオビハエトリ_広島大学東広島キャンパス|アオオビハエトリ]]を観察することができました.[[オオハエトリ_広島大学東広島キャンパス|オオハエトリ]]と[[マダラスジハエトリ_広島大学東広島キャンパス|マダラスジハエトリ]]は針葉樹林を好むため,アカマツの多い東広島キャンパスでは比較的よく見られます.
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|[[ファイル: 20190406オオハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_47573s.jpg|250px|thumb|right|オオハエトリ成体(オス).オスの触肢はボクシンググローブのような形をしているのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 6, 2019)|link=オオハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407マダラスジハエトリ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48614s.jpg|250px|thumb|right|ハチを捕らえているマダラスジハエトリ成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=マダラスジハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407アオオビハエトリ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48167s.jpg|250px|thumb|right|アオオビハエトリ成体(メス).メスは腹部の模様が明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=アオオビハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
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また,陣ヶ平山で[[イボタガ_広島大学東広島キャンパス|イボタガ]]と,[[ツチイナゴ_広島大学東広島キャンパス|ツチイナゴ]],植物園周辺で[[エゾヨツメ_広島大学東広島キャンパス|エゾヨツメ]]を観察することができました.[[イボタガ_広島大学東広島キャンパス|イボタガ]]と[[エゾヨツメ_広島大学東広島キャンパス|エゾヨツメ]]はともに春に見られる代表的な大型蛾で,写真では分かりませんが[[エゾヨツメ_広島大学東広島キャンパス|エゾヨツメ]]の翅表には鮮やかな青い目玉模様があります.
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|[[ファイル: 20190406イボタガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_47418s.jpg|250px|thumb|right|イボタガの成虫.翅の色や模様は樹皮にそっくりである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 6, 2019)|link=イボタガ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407ツチイナゴ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48070s.jpg|250px|thumb|right|ツチイナゴの成虫.本土では珍しい越冬するバッタである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=ツチイナゴ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190406エゾヨツメ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影IMG_48055s.jpg|250px|thumb|right|枝にとまるエゾヨツメの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 6, 2019)|link=エゾヨツメ_広島大学東広島キャンパス]]
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発見の小径では[[イタドリハムシ_広島大学東広島キャンパス|イタドリハムシ]]や[[ツマキチョウ_広島大学東広島キャンパス|ツマキチョウ]],[[ビロードツリアブ_広島大学東広島キャンパス|ビロードツリアブ]],[[ニホンカナヘビ]],[[ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス|ホソミオツネントンボ]],[[ミズカマキリ_広島大学東広島キャンパス|ミズカマキリ]],[[メミズムシ_広島大学東広島キャンパス|メミズムシ]]などを観察することができました.
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|[[ファイル: 20190407イタドリハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48326s.jpg|250px|thumb|right|イタドリハムシの成虫.春になると草地を飛び回っていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=イタドリハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407ツマキチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48455s.jpg|250px|thumb|right|ツマキチョウの成虫(オス).前翅の先が黄橙色になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=ツマキチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407ビロードツリアブ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48641s.jpg|250px|thumb|right|ホバリングするビロードツリアブの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=ビロードツリアブ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407ニホンカナヘビ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48491s.jpg|250px|thumb|right|日光浴をするニホンカナヘビの成体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=ニホンカナヘビ]]
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|[[ファイル: 20190407ホソミオツネントンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48331s.jpg|250px|thumb|right|ホソミオツネントンボの成虫(オス).越冬後は美しい水色に変化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407ミズカマキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48667s.jpg|250px|thumb|right|ミズカマキリの成虫.4月になると越冬から目覚めて活動する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=ミズカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20190407メミズムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_48409s.jpg|250px|thumb|right|メミズムシの成虫.極めて長い口吻をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)|link=メミズムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル:20190409クロボシツツハムシ01_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_41875s.JPG|250px|thumb|right|クロボシツツハムシ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Apr. 9, 2019)|link=クロボシツツハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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|}
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===3月===
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*2019.03.27 [[生態実験園]]や[[ふれあいビオトープ]]で[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]が鳴き始めました.オスはあぜの土の中に穴を掘り,鳴き声でメスを呼びます.白い泡に包まれた卵塊を土の中に産み付けます.鳴き声はよく響き聞こえますが,姿を見るのは難しいカエルです.[[シュレーゲルアオガエル|広島県版のシュレーゲルアオガエルの解説ページはこちら]].
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*2019.03.15 成虫越冬する[[テングチョウ_広島大学東広島キャンパス|テングチョウ]]が今年初めて観察できました.毎週金曜日の野鳥調査では,[[ウグイス]]や[[ホオジロ]],[[カワラヒワ]]などのさえずりが聞けました.
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|[[ファイル:20190315テングチョウ成虫オス_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_38693s.JPG|250px|thumb|left|成虫越冬したテングチョウ(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 15, 2019)|link=テングチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル:20190315ダイサギ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_38585s.JPG|250px|thumb|right|ダイサギ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 15, 2019)|link=ダイサギ]]
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|[[ファイル:20190315ホオジロオス_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_38421s.JPG|250px|thumb|right|さえずるホオジロのオス(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 15, 2019)|link=ホオジロ]]
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*2019.03.01 [[メジロ]]が[[ウメ]]や[[カワヅザクラ_廣島大學櫻曼荼羅|カワヅザクラ(河津桜)]],[[アセビ]]など様々な花の蜜を吸っている様子が観察できました.
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|[[ファイル:20190301メジロとギョクエイ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_37337s.JPG|250px|thumb|right|[[ウメ]]で吸蜜するメジロ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)|link=メジロ]]
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|[[ファイル:20190301メジロとカワヅザクラ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_37605s.JPG|250px|thumb|right|[[カワヅザクラ_廣島大學櫻曼荼羅|カワヅザクラ]]で吸蜜するメジロ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)|link=メジロ]]
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|[[ファイル:20190301メジロとアセビ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_37363s.JPG|250px|thumb|right|[[アセビ]]で吸蜜するメジロ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)|link=メジロ]]
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*2019.03.01 [[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカガエル]]の幼生(オタマジャクシ)が泳ぎ始めました.また,今年も[[ニホンヒキガエル]]の卵塊が確認でき繁殖していることが分かりました.[[カスミサンショウウオ]]は,卵のうの中で泳ぎ始めました.このカスミサンショウウオですが,先日出た論文で分類の再検討がなされ,9種に分かれました.東広島市のものは「[[アキサンショウウオ]]」とされ,東広島キャンパスのものも[[アキサンショウウオ]]に相当します.
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|[[ファイル:20190301ニホンアカガエル幼生_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_37452s.JPG|250px|thumb|right|ニホンアカガエルの幼生(オタマジャクシ)(広島県東広島市 東広島キャンパスふれあいビオトープ; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル:20190301ニホンヒキガエル卵塊_東広島市_池田撮影_IMG_37217s.JPG|250px|thumb|right|ニホンヒキガエルの卵塊.ひも状の卵塊の中に多数の卵が見える.(広島県東広島市; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)|link=ニホンヒキガエル]]
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|[[ファイル:20190301アキサンショウウオ卵のう_東広島市_池田撮影_IMG_37463s.JPG|250px|thumb|right|アキサンショウウオの卵のう.幼生が中で泳ぎ始めている.(広島県東広島市; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)|link=カスミサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス]]
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2020年4月22日 (水) 21:18時点における版

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2019年の東広島キャンパスの生き物

キャンパスで見られる生き物の2019年の情報です.写真や名前をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).解説ページの写真はクリックすると拡大します.

12月

  • 2019.12.20-25 東広島キャンパスでは冬尺蛾や冬夜蛾(キリガ)など,冬期に見られる蛾が出現しています.冬尺蛾はフユシャク亜科及び冬期に発生するエダシャク亜科,ナミシャク亜科の一部の種の総称です.メスは翅が退化しており飛べませんが,樹幹や手すりなどを登り,フェロモンを出してオスを誘引します.冬夜蛾はアラカシアベマキの樹液やサザンカの蜜を吸っている姿が見られます.その他樹皮に擬態するキノカワガ,カレハガ科では珍しく冬に現れるウスズミカレハを観察することができました.
交尾中のウスバフユシャク.左の翅がない個体がメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 24, 2019)
チャバネフユエダシャクの成虫(オス).前翅に暗色条が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 20, 2019)
クロオビフユナミシャクの成虫(オス).翅の黒い帯模様が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 27, 2019)
シロオビフユシャクの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 24, 2019)
カシワキボシキリガの成虫.越冬するキリガ類.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)
チャマダラキリガの成虫.翅の模様は変異が著しい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 24, 2019)
アベマキの樹液を吸うハネナガモクメキリガの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)
キノカワガの成虫.樹皮に溶け込んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)
ウスズミカレハの成虫(オス).カレハガ科では珍しく初冬に現れる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 25, 2019)


空を舞うハイタカ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 14, 2019)
オシドリのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 14, 2019)
地上で採餌するミヤマホオジロのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 12, 2019)

東広島キャンパスでクロスジホソサジヨコバイコブマダラカモドキサシガメヒゲナガサシガメを観察することができました.クロスジホソサジヨコバイは翅端にある一対の黒斑が眼,細い筋模様が脚に見え,まるで別の虫に見えることから「マエムキダマシ」といいます.冬期にヤツデなど常緑樹の葉をめくると見つかります.

クロスジホソサジヨコバイの成虫(メス).矢印の先が頭部.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 19, 2019)
コブマダラカモドキサシガメの幼虫.樹洞で越冬していた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 16, 2019)
ヒゲナガサシガメの幼虫.葉裏で越冬していた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 19, 2019)
ヤマシギ.主に夜間田畑や芝生などで採餌する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 10, 2019)
シメ(メス).メスは眼から嘴にかけての黒斑が薄い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 7, 2019)
ミヤマホオジロ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 7, 2019)

12月になり気温がかなり下がっていますが,晴れて暖かい日にはアキアカネが日当たりの良い草地などで見られます.また,ヒシガタグモアカハバビロオオキノコなども見られます.

アキアカネの成虫(オス).寒くなっても多くの個体が残っている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 5, 2019)
アカハバビロオオキノコの成虫.カイガラタケを食べている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Dec. 5, 2019)

11月

  • 2019.11.27 東広島キャンパスでもワタムシの仲間が見られるようになりました.ワタムシの仲間は「雪虫」とも呼ばれ,北海道ではトドノネオオワタムシが初雪を知らせる秋の風物詩として知られています.キャンパスでは主にヒイラギハマキワタムシケヤキヒトスジワタムシの2種が見られ,雨が降る前に飛翔することが多いです.

また,この時期の林縁部ではゴマフリドクガの幼虫が見られます.ドクガ科の幼虫には毒を持たないものもいますが,本種は毒刺毛をもつので触らないよう注意が必要です.

ヒイラギハマキワタムシの成虫(メス).晩秋に現れる有翅虫は二次寄主(不明)から一次寄主のモクセイ科に移る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)
ケヤキヒトスジワタムシの成虫(メス).晩秋に現れる有翅虫は二次寄主のササ類から一次寄主のニレ科に移る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 18, 2019)
ゴマフリドクガの幼虫.同じく毒をもつキドクガやモンシロドクガ,毒をもたないリンゴケンモンなど類似種が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)

秋に発生するシャクガの仲間はナカオビアキナミシャクカバエダシャクを観察することができました.越冬前の虫はアカホシテントウが見られました.滲むような赤色斑が特徴です.

ナカオビアキナミシャクの成虫.晩秋~初冬にかけて多く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)
カバエダシャクの成虫.晩秋から初冬にかけて出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)
アカホシテントウの成虫.翅に沈み込むような赤色斑が独特.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 27, 2019)
  • 2019.11.18-23 東広島キャンパスでミヤマホオジロが見られるようになりました.また,ジョウビタキはキャンパスのあちらこちらで観察することができます.
ミヤマホオジロのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)
ジョウビタキのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)
ジョウビタキのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)

先週に引き続きウスタビガチャエダシャクニトベエダシャクなど晩秋~初冬の蛾を観察することができました.

ウスタビガの成虫(オス).橙褐色の翅は枯葉のようである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 20, 2019)
チャエダシャクの成虫(オス).触角が発達している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 18, 2019)
ニトベエダシャクの成虫.出現時期が晩秋であることと,独特な模様から識別は容易.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)

秋が深まり観察できる虫は少なくなりましたが,セスジツユムシキトンボはまだ活動しています.ムラサキツバメはまもなく越冬に入ることでしょう.

セスジツユムシの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)
キトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)
ムラサキツバメの成虫(オス).成虫で越冬するシジミチョウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 23, 2019)
ルリビタキのオス.若いオスと縄張り争いをしていた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)
キクイタダキ.針葉樹の間を飛び回る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)
シメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 15, 2019)

ヒメヤママユはいよいよ見られなくなってきましたが,ウスタビガが見られるようになりました.ヤママユ科では最も遅く出現する種で,眼状紋が透けているのが特徴です.そのほか枝にそっくりなキバラモクメキリガを確認しました.

ウスタビガの成虫(メス).キャンパスにおいては最も遅い季節に見られるヤママユ科である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)
ヒメヤママユの成虫(オス).11月中旬に入ると翅が傷ついた個体が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 12, 2019)
キバラモクメキリガの成虫.枝の端のような見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)

褐色型のハラビロカマキリや手すりで見られたカネタタキキイロテントウ,その他の虫を紹介します.

褐色型のハラビロカマキリの成虫(メス).褐色型はキャンパスではあまり見られない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)
カネタタキの成虫(オス).夜の手すりでメスとともによく見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)
越冬前のキイロテントウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 17, 2019)
アオモンツノカメムシの成虫.キヅタの葉の上に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 11, 2019)
花の上で獲物を待つコハナグモの成体(メス).ハナグモに似るが頭胸部に剛毛を有する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)
アリグモの成体(メス).オスのように大アゴは発達しない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 13, 2019)
  • 2019.11.6-11.9 東広島キャンパスでジムグリを観察することができました.ジムグリは高温に弱く,夏場はあまり見ることができませんが,春や秋には見られる機会が多くなります.また,冬鳥も渡ってきています.生態実験園アトリぶどう池クロジを観察することができました.
ジムグリの成蛇.春や秋は昼間にも見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 9, 2019)
アトリのメス.メスは顔の色が淡い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 7, 2019)
クロジ.アオジと混群を形成していた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)

キャンパスで見られる虫も晩秋を象徴するものが多くなりました.オオスズメバチのオスは晩秋になると巣を離れ,他の巣の新女王と交尾します.ベッコウバエも主に晩秋に見られるハエで,腐食物に集まります.オオアオイトトンボも越冬しない均翅亜目のトンボでは最も遅い時期まで見られ,金緑色の光沢部が美しいです. ムラサキシジミは越冬するシジミチョウで,気温が低く,かつ天気のいい日に翅を開いて美しい模様を見せてくれます.その他地衣類に擬態するケンモンミドリキリガや繊細な模様が美しいキバラケンモンなどを観察することができました.

オオスズメバチの成虫オス.働きバチや女王バチに比べて触角が長く,頭楯の突起が丸い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)
ベッコウバエの成虫.林縁部などでよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)
オオアオイトトンボの成虫(オス).キャンパスではため池のある環境でふつうに見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 7, 2019)
ムラサキシジミの成虫(メス).メスは翅表の青色部が狭い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)
ケンモンミドリキリガの成虫.ウメノキゴケに擬態していると考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 9, 2019)
キバラケンモンの成虫.ニセキバラケンモンやキタキバラケンモンなどの類似種がいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 8, 2019)

林内に入ればキノコも様々なものが見られます.地面から直接生え,橙色がよく目立つヒイロチャワンタケ,倒木から何百本以上も群生するイヌセンボンタケ,押すと胞子が勢いよく放出するクチベニタケなどが見られました.

ヒイロチャワンタケ.柄はなく,地面から直接生える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 6, 2019)
イヌセンボンタケ.倒木や切り株にびっしりと生える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 6, 2019)
クチベニタケ.広葉樹林の切り通しなどやや開けた場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 6, 2019)

10月

  • 2019.10.26-11.3 11月3日(日)はふれあいビオトープにて生物の観察会がありました.多くの水生生物を観察することができたのでその一部を紹介します.
ウスイロシマゲンゴロウの成虫(メス).本州では分布が局所的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 3, 2019)
コガムシの成虫.水田やため池の浅い場所で見ることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 3, 2019)
ミズカマキリの成虫.カメムシ目であるため,口は鋭い口吻になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 2, 2019)

キャンパスの各所で晩秋を告げる蛾が見られます.ヒメヤママユミノウスバはその代表格で,後者は生態実験園で多く見られます.フクラスズメは成虫で越冬するガです.

ヒメヤママユの成虫(オス).ヤママユ科では小型で,赤紫色の斑紋が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)
ミノウスバの成虫(オス).晩秋に見られるマダラガ科のガである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 2, 2019)
フクラスズメの成虫.成虫越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 1, 2019)


キャンパス内のクスノキクスベニヒラタカスミカメを確認しました.2015年に国内で初確認された外来種で,近畿地方を中心に爆発的に増加しています.写真の右下に写っているように,クスノキの葉を食害して濃い赤色の食痕を残します.そのほか晩秋を告げる虫であるトゲアリの女王アリやヒメカマキリヒメツチハンミョウに加えて,幼虫または成虫の状態で越冬する虫(オツネントンボアカスジキンカメムシなど)を観察することができました.

クスベニヒラタカスミカメの成虫.近年確認された外来種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 29, 2019)
翅を落としたトゲアリの成虫(女王アリ).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 26, 2019)
ヒメカマキリの成虫(メス).日当たりの良い場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)
ヒメツチハンミョウの成虫(オス).オスには触角に大きな節がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Nov. 1, 2019)
越冬前のオツネントンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)
アカスジキンカメムシの幼虫.幼虫で越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 30, 2019)

10月

  • 2019.10.21-23 東広島キャンパスでヤマカガシの幼蛇を観察することができました.キャンパス周辺でもヤマカガシの色彩変異は多様で,他にも黄色が目立つ個体や白っぽい個体も見られます.そのほか各地でキアシナガバチのオスやクロスズメの幼虫が見られました.アシナガバチのオスは毒針を持たず,秋になると観察する機会が増えます.
ヤマカガシの幼蛇.赤と黄色の模様が目立つ個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)
キアシナガバチの成虫(オス).働きバチや女王バチに比べ顔面の色が薄く,触角が長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)
クロスズメの幼虫.緑と濃褐色の模様が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)

先週のハイイロセダカモクメのように,人の目を欺く巧みな擬態をする昆虫はキャンパスでも様々なものが見られます.コマダラウスバカゲロウは所謂アリジゴクの仲間ですが,幼虫はすり鉢状の巣は作らず,岩肌や地表を覆う地衣類を身にまとって獲物を待ちます.アケビコノハは翅を閉じていると枯葉にそっくりですが,危険を感じると目玉のような派手な後翅の模様を見せつけて威嚇します.ホソミオツネントンボは越冬前は体が茶褐色であり,枯れ枝に紛れることができます.

コマダラウスバカゲロウの幼虫.地衣類に扮するアリジゴク類.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)
アケビコノハの成虫.翅を閉じると枯葉にそっくりな姿になる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)
ホソミオツネントンボの成虫(メス).越冬前は雌雄ともに茶褐色で,小枝にそっくりな見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)

キャンパスではニホンアカガエルをはじめとして両生類や爬虫類が多いですが,同時に路上に現れた個体が轢死することも少なくありません.そのような死骸を好んで集まる虫としてヨツボシモンシデムシがいます.シデムシ類の中でも鮮やかな模様が目を引く種です.そのほか同様に動物の死骸や糞に集まるセンチコガネや,ヨモギの葉を食べるヨモギハムシなどの甲虫を観察することができました.

ニホンアカガエルの死骸を捕食するヨツボシモンシデムシの成虫.鮮やかな橙色紋が4つ並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 21, 2019)
正面から見たセンチコガネの成虫.オオセンチコガネと比べると頭楯が丸みを帯びている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 21, 2019)
ヨモギハムシの成虫.大型で瑠璃色や真鍮色に輝く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 23, 2019)
  • 2019.10.15-16 東広島キャンパスでシロマダラを観察することができました.夜行性のヘビであるため人目につかず,しばしば幻のヘビとして報道されていますが,キャンパスでも個体数は少なくないようです.そのほか巧みにヨモギの花序に擬態するハイイロセダカモクメの幼虫や,交接するアカサビザトウムシなどが見られました.
シロマダラの成蛇.黒い斑模様が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)
ヨモギの花序に擬態するハイイロセダカモクメの幼虫.赤い矢印が示す場所にいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)
交接するアカサビザトウムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)

東広島キャンパスでは様々なシジミチョウが見られます.笹薮で見られるゴイシシジミは翅表の黒斑が大きく,碁石のような模様をしています.また,日本のシジミチョウとしては珍しく,幼虫が肉食性でネザサにつくアブラムシを捕食します.ウラギンシジミクズ原などで見られ,性的二型のため雌雄で翅表の模様が異なります.気温が低く,よく晴れた日に翅を開くので色の違いを観察しやすくなります.

陽を浴びるゴイシシジミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)
開翅するウラギンシジミの成虫(オス).翅表の模様は橙色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)
開翅するウラギンシジミの成虫(メス).翅表の模様は銀白色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)

そのほか成熟したナツアカネのオスやヘビのようなベニスズメの幼虫,ドーム状の巣を張るアシナガサラグモなどを観察することができました.

成熟したナツアカネの成虫(オス).頭部から腹部まで赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)
ベニスズメの幼虫.驚くと頭部を膨らませる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)
アシナガサラグモの成体(メス).メスの腹部背面は黒い腹部が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 16, 2019)
  • 2019.10.7-11 東広島キャンパスでは、在来種に限定すると5種類のカマキリを観察することができます.チョウセンカマキリは湿った草地に多く,ふれあいビオトープなどで見る機会が多いです.オオカマキリはキャンパス全域の林縁部などに多く,時折大きい獲物を捕らえている姿が見られます.ヒメカマキリは小さなカマキリで少し発見が難しいですが,オスは外灯に飛来していることが多いです.
チョウセンカマキリの成虫(メス).前脚の付け根が橙色であることが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)
ヒメカマキリの成虫(オス).飛翔性が高く,灯りにもしばしば飛来する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)
マイマイカブリを捕食するオオカマキリの成虫(メス).甲虫の頑強な鞘翅をものともせず食い破る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 11, 2019)

秋の東広島キャンパスでは,至る所でアカネ属のトンボが数多く見られます.「赤とんぼ」を代表するアキアカネナツアカネはもちろん,翅の先に暗色班のあるコノシメトンボリスアカネ,小型なヒメアカネマイコアカネなどです.多くの種が山中池や角脇調整池などのため池周辺で観察することができます.

成熟したアキアカネの成虫(メス).ナツアカネのメスに似るが,胸部側面の黒条が尖る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 11, 2019)
成熟したナツアカネの成虫(メス).アキアカネのメスに似るが,胸部側面の黒条が角ばる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 7, 2019)
成熟したコノシメトンボの成虫(メス).東広島キャンパスでは角脇調整池周辺に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)
成熟したマイコアカネの成虫(オス).オスは頭部が青白いのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)
成熟したリスアカネの成虫(オス).樹林に囲まれたため池に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)
成熟したヒメアカネの成虫(オス).キャンパスではマユタテアカネに次いでよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)

キャンパスではササキリのような鳴く虫だけではなく,個性的なバッタ目の昆虫が見られます.夏場に成虫が見られたコロギスハネナシコロギスはもう幼虫が出現しており,このまま冬を越します.

コロギスの幼虫(オス).本種やハネナシコロギスは幼虫で越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 10, 2019)
ササキリの成虫(オス).生態実験園の低木上で「シリシリシリ・・・」と鳴いていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 8, 2019)

秋型のチョウも見られます.東広島キャンパスではツマグロキチョウが比較的多く,生態実験園などでキタキチョウとともに観察することができます.クロコノマチョウはとまっていると枯葉にそっくりなチョウで,薄暗い林縁部で見られます.コウモリガは細長い体と太い前中脚が特徴的で,灯りにしばしば飛来します.クロメンガタスズメの幼虫は非常に大きく,尾角が巻いており小突起が並ぶことが特徴です.

秋型のツマグロキチョウの成虫.後翅裏に暗色筋が2本入るのが特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)
秋型のクロコノマチョウの成虫(メス).翅の裏には小さな眼状紋が並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 10, 2019)
コウモリガの成虫(メス).日中は樹幹や壁にしがみついていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 8, 2019)
クロメンガタスズメの幼虫.クサギのほか,ナス科のチョウセンアサガオやナスも食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 9, 2019)

毎週金曜日の野鳥調査でノスリが確認されました.これでキャンパスで確認された鳥類は69種になりました.また,オオバンの飛来も確認されました.モズが「キチキチキチキチ……」と高鳴きしています.キャンパスの野鳥については「東広島キャンパスの鳥類相」もご覧ください.

ノスリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)
オオバン(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)
高鳴きするモズ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)
イソヒヨドリのオス(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)
カワラヒワ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)
キジバト(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019)
チッチゼミの成虫(オス).「チッチッチッチ・・・」と単調に鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)
キトンボの成虫(メス).メスは腹部の先の産卵弁が下方に突き出ている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)
ヤブツルアズキで吸蜜するウラナミシジミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 2, 2019)
クマコオロギの成虫(メス).湿った草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)
コカマキリの成虫(オス).林縁から草地まで幅広い環境に見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep.30, 2019)
キボシマルウンカの成虫.キャンパスでは様々な植物についている姿が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 30, 2019)

夜には秋を告げる様々なガが見られます.クスサンヤママユはともにヤママユ科の大型蛾で,眼状紋が特徴的です.ウスバツバメガはサクラ並木などでよく見られます.

ヤママユの成虫(メス).晩夏を告げる大型のガである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 30, 2019)
クスサンの成虫(メス).刺激を受けると後翅の眼状紋を見せつけて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)
ウスバツバメガの成虫(メス).ウメやサクラなどバラ科樹木の周りで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)

個性的なクモ類も見られました.カトウツケオグモは珍種とされていますが,ががら山の林縁部でしばしば確認されています.ビジョオニグモは日中葉を巻いた巣に身を隠していますが,日が暮れると円網の中で獲物を待ちます.ワキグロサツマノミダマシはキャンパスで広く見られ,サツマノミダマシという近縁種も見られます.

カトウツケオグモの幼体.臭いを放出することがある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 4, 2019)
ビジョオニグモの成体(メス).腹部に人面のような模様がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 30, 2019)
ワキグロサツマノミダマシの成体(メス).サツマノミダマシに似るが,腹部腹面が黒褐色であることが識別点.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Oct. 2, 2019)

9月

  • 2019.09.23-27 夜のキャンパスでは様々な秋の虫が鳴いています.有名なマツムシエンマコオロギはそれぞれ「チンチロリン」「コロコロリー」と鳴き,秋の風物詩として親しまれてきた存在です.また,名はあまり知られていませんがクマスズムシも見られ,こちらも「リンリンリン」と美しい声で鳴きます.いずれもキャンパスの陸上競技場の近くで鑑賞することができます.
マツムシの成虫(オス).ススキなどの根本でチンチロリンと鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2019)
エンマコオロギの成虫(オス).コロコロリーと鳴くことが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2019)
クマスズムシの成虫(メス).産卵管があり,翅の筋が単純.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2019)
コサメビタキ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 谷口昌司・範子; , Sep. 20, 2019)
ヒドリガモのオス.2019年冬季の初認.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 谷口昌司・範子; , Sep. 20, 2019)
ヒドリガモのオス.ぶどう池にて.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 谷口昌司・範子; , Sep. 20, 2019)
  • 2019.09.16-20 キャンパスでは多くの両生類や爬虫類を観察することができます.今週はヒバカリニホンマムシの幼蛇を観察することができました.マムシの幼蛇は尻尾が黄色いことが特徴です.また,休むシュレーゲルアオガエルのメスを観察することができました.
ヒバカリの幼蛇.湿った環境に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2019)
ニホンマムシの幼蛇.尻尾が黄色い.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 18, 2019)
休むシュレーゲルアオガエルの成体(メス).黄色い斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2019)

秋の虫が鳴いています.陸上競技場周辺ではスズムシやマツムシに加え,カンタンヒロバネカンタンの鳴き声が聞こえます.両種は外見が非常に似ていますが,前者は「ルルルルルル...」と鳴き,後者は「フィリー・フィリー」と鳴きます.また,ヌルデの樹上には翅をもつナナフシであるタイワントビナナフシが見られます.

鳴くカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)
鳴くヒロバネカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)
タイワントビナナフシの成虫(メス).単為生殖を行うため,オスはほとんど見つかっていない.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 16, 2019)

キャンパスでは初記録となるネキトンボを観察することができました.また,陣ヶ平山のため池でオオコオイムシを確認することができました.そのほか角脇調整池周辺の林縁部の獣糞からコブマルエンマコガネを見つけたり,テニスコートの灯りに飛来したホソバスズメを観察したりすることができました.

ネキトンボの成虫(メス).メスはショウジョウトンボやキトンボとは似ない.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 16, 2019)
オオコオイムシの成虫.ふつうコオイムシよりも体長が大きく,全体的に黒い.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 18, 2019)
コブマルエンマコガネの成虫(オス).目立たないが頭部に角がある.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)
ホソバスズメの成虫.類似種が多く,模様や翅の形で識別する.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)
ヤブガラシで蜜を集めるコガタスズメバチの成虫(メス).オオスズメバチと色や模様が似るが,小型で頭楯の突起が3つであることで識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 17, 2019)
アミガサハゴロモの成虫.前翅の一対の黄色斑が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2019)
鳴くミンミンゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2019)
ハラビロカマキリの成虫(メス).前翅の白斑が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 12, 2019)
コバネアオイトトンボの成虫(オス).アオイトトンボやオオアオイトトンボとは胸部の金属光沢部の範囲で識別することができる.(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 12, 2019)

8月

セグロイナゴの成虫(オス).キャンパス内でも生息域は限られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)
ショウリョウバッタの成虫(メス).顔が縦に長く,独特なつくりをしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)
ヘクソカズラの花とアシグロツユムシの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)

灯りや樹液にはガが見られます.枯葉に見える翅をもつクチバスズメや,枝に見えるクロツマキシャチホコ,白い帯模様が特徴のシロスジカラスヨトウなどです.また,蛇のような姿をしたベニスズメの幼虫を観察することができました.

クチバスズメの成虫.モモスズメとともによく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)
クロツマキシャチホコの成虫.翅を閉じると枝の切れ端のようである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)
シロスジカラスヨトウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)
アレチマツヨイグサにつくベニスズメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)

東広島キャンパスは夏真っ只中でミンミンゼミも鳴き始めましたが,夜はエンマコオロギスズムシの鳴き声が聞こえてくるようになり,秋の兆しも感じられます.また,オオカマキリの成虫やツクツクボウシなどを観察することができました.そしてサムライアリクロヤマアリの巣を襲撃して奴隷狩りをする様子も見られました.

サムライアリの働きアリ.クロヤマアリの繭を持ち運んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)
鳴くスズムシの成虫(オス).草深い場所で鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)
オオカマキリの成虫(オス).夜間は複眼が黒くなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)
羽化直後のツクツクボウシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)

イナズマハエトリヤマジハエトリなどのハエトリグモやクリチャササグモを観察することができました.

イナズマハエトリの成体(オス).体には白斑が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)
クリの実の上のヤマジハエトリの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 9, 2019)
クリチャササグモ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)

小型のイラガ類の幼虫も観察することができました.いずれもユニークな姿をしていますが棘には毒があるので触らないよう注意が必要です.

アカイラガの幼虫.赤い突起のある半透明の房は刺激を受けると外れる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)
クロシタアオイラガの幼虫.背面には青く縁取られた赤い線が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 8, 2019)
ムラサキイラガの幼虫.トゲは根本も先端も太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2019)
  • 2019.07.29-08.02 東広島キャンパスでアオダイショウヒバカリニホンマムシを観察することができました.アオダイショウヒバカリはともにナミヘビ科のヘビで,毒はありません.しかしマムシはクサリヘビ科のヘビで,大変危険な毒を持ちます.キャンパスでは主に陸上競技場の周辺の林縁部で見られるため,その周辺を通るときは咬まれないようご注意ください.
威嚇するアオダイショウの亜成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)
ヒバカリの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)
ニホンマムシの幼蛇.マムシといえば太くて短い体型の印象が強いが,幼蛇は比較的に細いので要注意.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)

夜のキャンパスでは,様々な昆虫の羽化の様子を観察することができます.乾ききっていない半透明の翅はどの昆虫であろうと美しく,神秘性を感じられます.

羽化直後のオオカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)
羽化直後のクサキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)
羽化直後のヒグラシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)

クマゼミツクツクボウシも鳴き始めました.クマゼミはアカデミック地区内では少ないですが,交番裏のサクラ並木やキャンパス外周のケヤキ並木で鳴き声を聞くことができます.また,セスジアシナガサシガメというナナフシのような特徴的な見た目をしているカメムシを観察することができました.

クマゼミの成虫(メス).本土のセミでは最大級の大きさを誇る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)
ツクツクボウシの成虫.夏の終わりのイメージがあるが,実際は7月にはもう出現していることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)
林床を歩くセスジアシナガサシガメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)

樹液ではアオカナブンを観察することができました.カナブンに比べるとキャンパスでの個体数は少ないようです.また,角脇調整池周辺でガムシが見られました.ゲンゴロウに匹敵する大型の水生甲虫です.バッタの多い乾燥した草地では狩りバチのキアシハナダカバチモドキを観察することができました.環境省RDBで絶滅危惧II類に指定されている希少なハチです.

アオカナブンの成虫.カナブンの緑色型よりも鮮やかな光沢を放つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2019)
ガムシの成虫.日本のガムシ科では最大.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2019)
ショウリョウバッタモドキを狩るキアシハナダカバチモドキの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)

ため池では数多くのトンボが見られます.開けて水生植物の豊かなため池ではギンヤンマタイワンウチワヤンマを観察することができます.前者は休みなく飛び回っていますが後者は水面に突き出た枝や杭にとまっていることが多いです.また少数ながらアジアイトトンボも見られました.木々に囲まれ日照の悪いため池ではヤブヤンマが見られます.

アジアイトトンボの成虫(オス).アオモンイトトンボに似るが,より小型で腹部第9節の全体が青い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 29, 2019)
タイワンウチワヤンマの成虫.近年北上している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 29, 2019)
ギンヤンマの成虫(オス).ため池や開けた場所を巡回飛行する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 29, 2019)
ヤブヤンマの成虫(オス).日当たりの悪いため池に見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)

バッタ目の昆虫も多くが成虫になっています.夜は林縁部でミドリササキリモドキが見られ,ハヤシノウマオイの鳴き声が響き渡ります.昼は限られた草地でクルマバッタの姿が見られます.

ミドリササキリモドキの成虫(メス).セスジササキリモドキに似るが,背面は黒くならない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 1, 2019)
ハヤシノウマオイの成虫(オス).ハタケノウマオイとは外見上の違いはほとんど無いが,本種のほうが鳴き声のテンポがゆっくりであることで識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)
クルマバッタの成虫(オス).飛翔するときに後翅に黒い輪のような模様が見える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 2, 2019)

アオスジアゲハジャコウアゲハなどアゲハチョウの仲間も観察することができました.また,アケビコノハの成虫も見られました.

休息するアオスジアゲハの成虫.近年北上している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2019)
ジャコウアゲハの成虫(メス).アゲハチョウの中では比較的ゆったりと飛翔する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2019)
アケビコノハの成虫.驚くと翅を広げて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2019)

7月

キタマゴタケ.有毒種のタマゴタケモドキに似るが,タマゴタケモドキはヒダとツバがともに白い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)
ヤマトヒロバカゲロウの成虫.画像では確認しづらいが,前翅後縁の中央付近に小さな黒斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)
ハンミョウの成虫.夜間は樹上で休息する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)

キャンパスでは直翅目の昆虫がたくさん見られます.しかし,ヤブキリは生息域が狭く,農場や池ノ上学生寮周辺など鏡山に近い林縁部でしか見られません.また,カマドウマ類は主にマダラカマドウマカマドウマモリズミウマの3種が観察されます.

ヤブキリの成虫(オス).オスの成虫はクズなどが茂った林縁で「シリリ・シリリリ」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)
セスジササキリモドキの幼虫(オス).複眼が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
ハネナシコロギスの成虫(メス).体表は艶やか.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
カマドウマのオス.マダラカマドウマのような派手な模様はなく,一様に茶褐色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
モリズミウマのオス.林床などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)

夜の樹液に集まる昆虫は当然ながらカブトムシやクワガタムシなどの甲虫だけではありません.ヤガ科のシタバガ亜科(シロシタバキシタバなど)やオオトモエなども集まります.また,灯火にはセダカシャチホコモンクロシャチホコも見られます.コシロシタバは環境省RDBで準絶滅危惧種に指定されています.

シロシタバの成虫.大型で後翅が白を基調としている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
キシタバの成虫.類似種が多いが,本種は特に大型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
コシロシタバの成虫.前翅表中央の白斑が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
オオトモエの成虫.灯火にもしばしば飛来する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)
オスグロトモエの成虫(オス).オスはハグルマトモエとはあまり似ていないので容易に識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
セダカシャチホコの成虫.胸部背面の盛り上がった毛束が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
モンクロシャチホコの成虫.翅の黒斑は銀色に光る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)

また,キャンパスの各所でイラガの仲間の幼虫が見られます.距離を置いて観察する分には危険ではありませんが,作業中や木の下をくぐり抜ける際に誤ってこれらのケムシに触れると毒針が刺ってしまい激しい痛みを伴いますのでご注意ください.また,トゲに触れるとビリビリと痛みを感じることから「デンキムシ」という地方名が存在します.

イラガの幼虫.カキノキなどに多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)
ヒロヘリアオイラガの幼虫.キブシなど様々な広葉樹につく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)
ヒメクロイラガの幼虫(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jul. 26, 2019)

夜は夜行性のクモが営巣する姿が見られます.トリノフンダマシ類は特殊な水平円網を張り,オニグモは垂直円網を張ります.

網を張るトリノフンダマシのメス.オオトリノフンダマシよりも白っぽい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 22, 2019)
網を張るアカイロトリノフンダマシの成体(メス).巣は目が粗く,横糸は大きく弛んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)
ファイル:20190724オニグモ成体メス 東広島市鏡山 南葉撮影 IMG 68305s.jpg
オニグモの成体(メス).非常に大型のクモで,夜に営巣する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 24, 2019)

その他観察することができた雑木林の昆虫を紹介します.

シロスジカミキリの成虫.複眼が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 26, 2019)
カナブンの成虫.アオカナブンに似た色だが,胴が太短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 25, 2019)
ヨツボシケシキスイの成虫(オス).小さいので樹皮の隙間に潜り込んで樹液をなめることができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 25, 2019)
ヒグラシの成虫(オス).薄暗い林内に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)
羽化後しばらく経ったニイニイゼミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)
羽化直後のアブラゼミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)

東広島キャンパスでトゲグモ,タカネトンボ,コオイムシを観察することができました.トゲグモは腹部が硬質でドクロのような模様があることが特徴です.タカネトンボは陣が平山の林縁部でゆったりと飛翔していました.コオイムシは角脇調整池で見られ,生態実験園などに多いオオコオイムシとは生息場所を異にしているようです.

トゲグモの成体(メス).山地に見られ,木々の間に網を張る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)
タカネトンボの成虫(メス).タカネは高嶺を意味するが,低地でも見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)
コオイムシの成虫.オオコオイムシよりも低地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)

オオモンクロクモバチが狩ったコアシダカグモを運ぶ様子や,休むキイロスズメバチ,カバキコマチグモの産室などを観察することができました.キイロスズメバチは攻撃性が高く,ときに人にも危害を及ぼす恐れがあります.またカバキコマチグモは強い毒をもつと言われていますが,無理やり産室をこじ開けたり,成体をむやみに掴んだりしなければ基本的に安全です. その他様々な甲虫を観察することができました.

オオモンクロクモバチの成虫.コアシダカグモを捕らえ,巣に運んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)
木陰で休むキイロスズメバチの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)
カバキコマチグモの産室.ちまき型をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2019)
ヒラタクワガタの成虫(オス).樹皮裏に潜んでいることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)
ヘリグロテントウノミハムシの成虫.ヒイラギモクセイなどに多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2019)

バッタ目の昆虫も昼夜問わず多数観察することができました.マダラバッタは乾燥した草地に,ヒメギスは草深い藪に多いです.

マダラバッタの成虫(緑色型メス).色彩変異に富む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2019)
ヒメギスの成虫(オス).キリギリス同様驚くと藪の奥へと逃げる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)
マダラカマドウマのメス.人家で見られるが,林床にも多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)

その他クロバネツリアブやスズメガ類の幼虫が見られました.

ファイル:20190717クロバネツリアブ成虫メス 東広島市鏡山 南葉撮影 IMG 67917s.jpg
クロバネツリアブの成虫(メス).ビロードツリアブと同様に砂とりを行い,卵を砂でコーティングする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)
アカマツの葉につくクロスズメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2019)
ホシホウジャクの幼虫.ホシヒメホウジャク同様ヘクソカズラが食草.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2019)
シュレーゲルアオガエルの幼体.尾がほとんど吸収されている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
アブラゼミの成虫(オス).羽化後間もない個体は翅脈が緑色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
アイタケ.ブナ科の樹木が生える林床に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)

キャンパスではトリノフンダマシ類も多く観察することができます.昼は植物の葉裏で休んでいますが,日没とともに巣を張りはじめます.

アカイロトリノフンダマシの成体(メス).赤みの強い個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)
オオトリノフンダマシの成体(メス).大きな一対の目玉模様が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
シロオビトリノフンダマシの成体.昼はイネ科草本の裏で休んでいる場合が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)

キャンパスの南部ではコロギスタンボコオロギを観察することができました.また,ふれあいビオトープの林縁ではササキリの初齢幼虫を観察することができました.

威嚇するコロギスの成虫(メス).つつくと咬みつこうとしてくる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
タンボコオロギの成虫(メス).複眼と複眼とを結ぶ黄白色の線が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
ササキリの幼虫.頭部が赤い特徴的な見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)

キャンパスで見られた個性的なイモムシを紹介します.

トビモンオオエダシャクの幼虫の顔.猫耳のような突起がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
オオトモエの幼虫.刺激を受けると上半身を巻き,眼状紋を見せつけて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)
キイロスズメの幼虫.ヤマノイモを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)

その他見られた生き物を紹介します.

クロタマムシの成虫(メス).全身が黒っぽく,鈍い金属光沢をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2019)
ハグロトンボの成虫(オス).カミサマトンボの別称をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
アザミで吸蜜するホソバセセリの成虫.ふれあいビオトープに多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
スジコガネの成虫.針葉樹の葉を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
アオメアブの成虫.夕暮れに草地で多く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
ニセノコギリカミキリの成虫(メス).ノコギリカミキリよりも胸部の光沢が鈍い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 11, 2019)
ニイニイゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
トノサマバッタの成虫(メス)の褐色型.年に2回発生する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
ハリカメムシ(右)とウズラカメムシ(左)(それぞれともに成虫).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)

キャンパスでコシアカツバメツバメが飛んでいます.また,変態したニホンアマガエルも観察することができます.

旋回するコシアカツバメ.胸から腹にかけて縦斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)
ツバメ.腰の部分にはコシアカツバメのような橙色の帯はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)
ニホンアマガエルの幼体.ササの葉の上などで静止している姿が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)

雑木林ではシロスジカミキリが見られます.また,キャンパスの材置き場ではカミキリムシやタマムシの仲間など様々な甲虫類を観察することができます.

カシの幹を登るシロスジカミキリの成虫.胸部や鞘翅の斑紋は生存時は黄色いが,死ぬと白化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)
クビアカトラカミキリの成虫(オス).胸部が赤い特徴的なカミキリムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)
カタジロゴマフカミキリ成虫.ナガゴマフカミキリに似るが,鞘翅の肩周りが白い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)
マツノマダラカミキリの成虫.マツノザイセンチュウを媒介し,「マツ枯れ」を引き起こす要因とされる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
ムツボシタマムシの成虫(メス).オオムツボシタマムシに似るが,本種のほうがより小型で斑紋が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)

キャンパス中のため池でチョウトンボが舞っていたり,ウチワヤンマが縄張りを張っていたりしています.また,南方系のナナフシであるタイワントビナナフシの幼虫を観察することができました.

飛翔するチョウトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)
枝の先にとまるウチワヤンマの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)
タイワントビナナフシの幼虫.分布を北に拡大している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)

昼行性のガであるスキバホウジャクや,その他の夜行性のガやイモムシなどを観察することができました.

ファイル:20190705スキバホウジャク成虫メス 東広島市鏡山 南葉撮影 IMG 62297s.jpg
スイカズラに産卵のため訪れるスキバホウジャクの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)
オオゴマダラエダシャクの成虫.大変大きなエダシャクで,翅の縁の黒斑は繋がる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)
アカスジシロコケガの成虫(オス).オスの前翅の黒斑は二つに分かれて並ぶことが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
メンガタスズメの成虫.胸部に黒い人面のような模様がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 3, 2019)
ヤブガラシの花を食べるコスズメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
オオエグリシャチホコの幼虫.マメ科植物を食べて生育する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
ウンモンスズメ幼虫(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩崎元道,Jun . 28, 2019)

狩りバチや寄生バチ,スズメバチの仲間も観察することができました.

獲物を探すベッコウクモバチの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
ヤブガラシの蜜を吸うスズバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
産卵するオオホシオナガバチの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)


キャンパスでは,鹿児島以南の島々に分布するオオスミコガネグモや南西諸島に分布するナガマルコガネグモを除けば,日本産コガネグモ属の全種を観察することができます.

コガネグモの成体(メス).日本のコガネグモ属では最大.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2019)
ムシバミコガネグモのメス.コガタコガネグモに似るが,模様がガタガタしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 4, 2019)
ナガコガネグモのメス.隠れ帯は縦につける.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 5, 2019)

6月

  • 2019.06.22-28 キャンパスのコナラアベマキの樹液などにクワガタムシやカブトムシが集まっています.
カナブンとともに樹液を吸うカブトムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)
ヒラタクワガタの成虫(オス).樹皮が剥がれてできた隙間を好む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)
ノコギリクワガタの成虫(オス).ショックを受けると落下して死んだふりをすることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
ノコギリクワガタの成虫(メス).体が赤褐色で丸みを帯びるのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
ネブトクワガタの成虫(オス).針葉樹の樹液にも集まるなど,他のクワガタには見られない生態をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)

夜のキャンパスではシンジュサンが灯りに飛来することがあります.また,オオウラギンスジヒョウモンはアザミで吸蜜する姿が,ウラナミアカシジミが各所のアベマキクヌギの若木の周りで見られます.

シンジュサンの成虫(メス).開張すると120mm以上にもなる非常に大きなガ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 22, 2019)
オオウラギンスジヒョウモンの成虫(オス).ウラギンスジヒョウモンに似るが,翅頂が尖るなどの差異がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
ウラナミアカシジミの成虫.夕方になると活発に飛ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)


キャンパスではヤマカガシをはじめとした毒のある生き物も見られます.観察する場合はむやみに触る,刺激するなどしないようご注意ください. また,キリギリスの仲間が発生しています.今週はホシササキリキリギリス(ニシキリギリス)を観察することができました.

ヤマカガシの成蛇.赤色の色素が抜け,体色が白と黒の二色になっている個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
ホシササキリの成虫(メス).前翅に黒い点列をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)
ニシキリギリスの成虫(オス).丈の高い草むらを好む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)

キャンパスではヤンマの黄昏飛翔を観察することができます.また,生態実験園の水田ではオオシオカラトンボの産卵も見られます.

林縁部を巡回するオニヤンマの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2019)
ギンヤンマの成虫(オス).オスは腹部と胸部の境界が青い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)
黄昏飛翔中のヤブヤンマの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2019)
打水産卵をするオオシオカラトンボの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2019)
コフキトンボの成虫(未成熟オス).シオカラトンボ属に似るが,小型で胸部に複雑な模様を有する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2019)

その他トゲアリやハエトリグモ,カミキリムシ,ウシカメムシスジアオゴミムシなどを観察することができました.

トゲアリのはたらきアリ.ムネアカオオアリに似るが,胸部にトゲがあるのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
ヒメカラスハエトリの成体(オス).カラスハエトリに似るが,小型で頭胸部が丸みを帯びる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
キレワハエトリの成体(オス).ウデブトハエトリに似るが,腹部に白帯が入らない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2019)
ナガゴマフカミキリの成虫.斑模様は樹皮に溶け込みやすい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
リンゴカミキリの成虫.サクラなどの葉脈を齧る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
キボシカミキリの成虫.幼虫成虫ともにクワやイチジクの害虫になりうる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
クロカミキリ成虫.触角が短く大アゴが発達しているため,クワガタやゴミムシと間違われることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2019)
口吻を掃除するウシカメムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2019)
スジアオゴミムシの成虫.アオゴミムシよりも大型で,翅には何本もの筋がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)
  • 2019.06.17-21 夜のキャンパスの生き物の様子を紹介します.山中谷川や角脇川ではゲンジボタルが見頃を迎えています.またクワガタムシなど樹液に集まる虫も活発になっています.
山中谷川で舞うゲンジボタル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
ネブトクワガタの成虫(オス).キャンパスではコナラの樹液に集まっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
戦うコクワガタの成虫(オス)同士.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
カナブンの成虫.日中よく樹液に集まる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
ヨツボシケシキスイの成虫(オス).オスは左右非対称の大アゴが発達する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
オオゾウムシの成虫.外来種のヤシオサゾウムシを除けば日本最大のゾウムシである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)

山中谷川ではホタルだけではなく,5種類以上と多くのアメンボを観察することができます.今回はその一部を紹介します.

シマアメンボの成虫(無翅型).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
昆虫を捕らえているオオアメンボの成虫(オス).他のアメンボに比べると極端に体が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
コセアカアメンボの成虫.流れをあまり好まないためか淀みで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)

キャンパス内の水辺ではいつも様々なトンボを観察することができます.今回紹介しているアオヤンマグンバイトンボベニイトトンボはいずれも環境省のレッドデータブックにて準絶滅危惧種に指定されています.

アオヤンマの成虫.抽水植物の豊かなため池に見られ,営巣性のクモを狩る生態が知られている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)
グンバイトンボの成虫(メス).メスの脚は軍配状になっておらず,モノサシトンボとの識別が少し難しくなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)
ベニイトトンボの成虫(オス).環境省RDBで準絶滅危惧種に指定されているが,キャンパスでは個体数が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
モノサシトンボの成虫(オス).他のイトトンボなどに比べると眼が離れている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
ウスバキトンボの成虫(オス).最もふつうに見られるトンボで,日中はヒラヒラと空中を漂っていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)
ハラビロトンボの成虫(メス).キャンパスでは広く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2019)

チョウも多くの種類を観察することができます.オオヒカゲは発生が進んでおり,ふれあいビオトープでも確認することができます.

オオヒカゲの成虫(オス).キャンパスではササの生い茂る場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)
ヒメアカタテハの成虫.アカタテハに似るがより小型で,後翅の橙色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)
ルリタテハの成虫(オス).オスは見晴らしのよい場所でテリトリーを張る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)
キアゲハの成虫(オス).ナミアゲハに似るが,前翅の付け根周辺の模様が黒いモザイク状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)
ムラサキシジミの成虫(メス).カシやコナラなどが生えている林縁部で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)
ルリシジミの成虫(メス).フジやハギなどに産卵する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)

ガも多数観察することができました.ヤホシホソマダラは環境省のレッドデータブックにて準絶滅危惧種に指定されています.

ヤホシホソマダラの成虫(メス).キャンパスではササが茂っており,かつ開けている環境に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
エビガラスズメの成虫.翅を閉じているとシモフリスズメに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
交尾中のキハダカノコ.カノコガに似るが腹部の模様が異なる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2019)

中~大型のコガネムシも観察することができます.いずれも様々な広葉樹の葉を食べます.

ファイル:20190617オオコフキコガネ成虫メス 東広島市鏡山 南葉撮影 IMG 56750s.jpg
オオコフキコガネの成虫(メス).コフキコガネに似るが,体にふく粉がより灰白色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)
アオドウガネの成虫.金属光沢はほとんどない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)
ドウガネブイブイの成虫.銅色の光沢をもつコガネムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)

その他見られた生き物を紹介します.

シマヘビの成蛇.縞模様が目立たない個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)
正面から見たニホンアカガエルの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
2羽のヒバリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)
カタオカハエトリの成体(オス).第一歩脚が橙色をしている非常に特徴的なハエトリグモ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2019)
チャイロアサヒハエトリを捕食しているマミジロハエトリの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
孵化したキバネツノトンボの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
ゴマダラカミキリの成虫.幼虫は様々な広葉樹の生木を食害することで知られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)
ベニヘリテントウの成虫.オオワラジカイガラムシを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)
マイマイカブリの幼虫.幼虫も成虫同様カタツムリを襲う.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 21, 2019)
脱皮するオオカマキリの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2019)
ハネナシコロギスのオス.成虫になっても翅を欠く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2019)
ハマベアワフキの成虫.低地の草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2019)
ハラグロオオテントウの成虫.大変大きなテントウムシで,10mm以上ある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 13, 2019)
ゲンジボタルの成虫(オス).オスは発光器がメスよりも大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)
ノコギリカミキリの成虫(オス).ニセノコギリカミキリに似るが,本種のほうが前胸の光沢が強い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)
コガネムシの成虫.キャンパスでは生態実験園の林縁に生える植物上に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)
キマワリの成虫.立ち枯れした木や生木の幹についている場合が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)
オオヒラタシデムシの成虫.動物の死骸やその他腐食物を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)

キャンパス内でクロアナバチサトジガバチといった狩りバチやヒメスズメバチなど様々なハチが見られます.オオスズメバチやキイロスズメバチといった攻撃性の高い種も見られるので刺激しないよう注意が必要です.

クロアナバチの成虫.キリギリスの幼虫を捕らえている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)
休むサトジガバチの成虫.ヤマジガバチに似るが,より小型で中胸背板に皺がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)
ヒメスズメバチの成虫(メス).オオスズメバチや他のスズメバチに似るが,腹部の先端が黒いのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)

色々な昆虫の幼虫を観察することができました.スゲドクガの幼虫は環境省RDBで準絶滅危惧種に指定されています.

ハラビロカマキリの幼虫.腹部を上げる姿が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)
ナナフシモドキの幼虫.エダナナフシに似るが,触角がより短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)
スゲドクガの幼虫.カヤツリグサ科やイネ科の植物の葉を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)
シャチホコガの幼虫.ヒメシャチホコの幼虫に似るが,腹脚の黒斑の有無で識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)

生態実験園やぶどう池でコシアキトンボが飛んでいます.また,未成熟のアオイトトンボもキャンパス各所で見られます.アブの仲間ではムシヒキアブ科のシオヤアブも発生しています.

縄張りを往復するコシアキトンボの成虫.同種のオスやオオシオカラトンボやショウジョウトンボと争う姿を観察することができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 13, 2019)
アオイトトンボの成虫(メス).胸部に黒い模様が入っている個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)
昆虫を捕食するシオヤアブの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)

キャンパスではシャクガ類をはじめとした蛾の仲間を観察することができます.

オオミズアオの成虫(オス).オナガミズアオに似るが,触角が茶色っぽく,翅先が丸い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)
ハグルマトモエの成虫(オス).オスグロトモエに似るが,前翅の2本筋が広がる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 11, 2019)
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キマダラコウモリの成虫.コウモリガに似るが,前翅の銀白色紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)
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ギンボシリンガの成虫.白地に赤の複雑な模様が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)
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交尾中のウメエダシャク(成虫).総合科学部棟前のアンズの木に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)
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ヒョウモンエダシャクの成虫.日中林間を飛ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 14, 2019)
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その他アリグモオナガグモといった独特なクモ類を観察することができました.

アリグモの成体(メス).触肢はオスほど発達しない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)
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オナガグモの成体(メス).卵を保護している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2019)
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コアシダカグモの成体(メス).アシダカグモのメスに似るが,上顎と単眼の間の白帯が本種にはなく,また腹部後縁の黄色斑が明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 12, 2019)
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グンバイトンボの成虫(オス).モノサシトンボに似るがより小型で,オスは中脚と後脚が白い軍配状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2019)
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工学部棟前のイボテングタケ.テングタケに似るが針葉樹林に多く,傘のイボが硬質.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2019)
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ヒメギスの幼虫を狩るクロアナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)
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東広島植物園サトキマダラヒカゲヒオドシチョウを,生態実験園キアシドクガオビガの幼虫を,ふれあいビオトープキスジホソマダラマツカレハを観察することができました.キアシドクガはときに大発生するガで,名前にドクガとつきますが一生を通して毒を持ちません.またマツカレハは毒針をもつケムシで,同じく毒を持つタケカレハの幼虫とともにふれあいビオトープに多いので観察には十分ご注意ください.

サトキマダラヒカゲの成虫(メス).メスは後翅裏の色がメスより淡くなる傾向がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)
ヒオドシチョウの成虫(メス).メスは翅形が幅広く,腹部が太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)
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キアシドクガの成虫(オス).日中林縁を盛んに飛び回る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)
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キスジホソマダラの成虫(メス).メスの触角は櫛型でない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)
オビガの幼虫.スイカズラに多いケムシで,毒はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)
マツカレハの幼虫.毛には毒があり,刺されないよう注意が必要.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2019)

山中池周辺でキュウシュウクロナガオサムシを,生態実験園センチコガネオジロアシナガゾウムシヤマクダマキモドキニシムネアカオオアリを観察することができました.オジロアシナガゾウムシはパンダのような模様をしており,クズの茎などに多いです.

キュウシュウクロナガオサムシの成虫(メス).広島県にはオニクロナガオサムシとチュウゴククロナガオサムシの2亜種が存在する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 07, 2019)
センチコガネの成虫.オオセンチコガネに似るが,体色はより地味な場合が多く,頭楯が半円形である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)
交尾中のオジロアシナガゾウムシ.食草はクズ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)
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ヤマクダマキモドキの幼虫.キャンパスでは生態実験園に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)
ニシムネアカオオアリのはたらきアリ.ムネアカオオアリに似るが,本種は胸部の前半分が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)

生態実験園チャイロアサヒハエトリふれあいビオトープヤマシロオニグモ,山中池周辺でサワガニ東広島植物園トビズムカデを観察することができました.サワガニはキャンパスでは山中谷川に多いですが,ふれあいビオトープを流れる湧水でも見つかることがあります.また,トビズムカデは10cmを超える巨体で,少し触れただけでも咬みつこうとする上に毒を持つのでご注意ください.

チャイロアサヒハエトリの成体(オス).メスに比べると歩脚が非常に細長く,ハエトリグモとしては独特な見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)
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ヤマシロオニグモの成体(メス背白型).腹背の模様は変異が大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 06, 2019)
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サワガニの成体(メス).メスの腹節は半円形で,左右の第1歩脚(はさみ)の大きさにほとんど差がない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 07, 2019)
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トビズムカデの成体.コガネムシ類の幼虫を捕食している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 07, 2019)

5月

パトロール中のサラサヤンマの成虫(オス).日本のヤンマ科では最小.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
モノサシトンボの成虫(メス).キャンパスでは広く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
成熟したアサヒナカワトンボの成虫(オス)の橙褐色翅.成熟すると体に粉を吹く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)

ふれあいビオトープヒメジャノメヒカゲチョウオオヒカゲを観察することができました.いずれも成虫は眼状紋(目玉模様)をもつチョウです.ヒカゲチョウは先週紹介したクロヒカゲに酷似していますが,全体的に明るい色をしています.

ヒメジャノメの成虫.コジャノメに似るが,本種は後翅の裏に並ぶ眼状紋が3つである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
ヒカゲチョウの成虫.クロヒカゲより色が明るく,オオヒカゲよりも一回り小さい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
オオヒカゲの幼虫.幼虫の頭部には斜めに伸びた一対の角がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)

生態実験園ラクダムシを,ふれあいビオトープヤマトクサカゲロウヒメクロゴキブリを観察することができました.クサカゲロウの仲間は頭部の模様で識別をすることができます.

ラクダムシの成虫(メス).メスは長い産卵管をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)
ヤマトクサカゲロウの成虫.背面中央には黄色い筋が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)
ヒメクロゴキブリの成虫(オス).樹上性のゴキブリであり,害はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)

生態実験園マイマイカブリヨツボシゴミムシを観察することができました.ゴミムシの仲間は地表をせわしなく動き回っています. またふれあいビオトープ付近でアオハナムグリオバボタルゴボウゾウムシハスジカツオゾウムシを,生態実験園ヤナギハムシハラグロオオテントウを観察することができました.オバボタルは成虫が光らないホタルで,幼虫は陸生です.

マイマイカブリの成虫.キャンパスではよく道路を横断する姿が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)
ヨツボシゴミムシの成虫.似た種類が複数存在する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
アオハナムグリの成虫.ナミハナムグリに似るが,本種は前翅に毛がほとんど生えず,前胸の金紫色の部分は縁のみである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
オバボタルの成虫.キャンパスでは広く見られるが,特に林床のような場所に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
ゴボウゾウムシの成虫.オオゴボウゾウムシなどに似るが,本種のほうが前翅の点刻が弱い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
ハスジカツオゾウムシの成虫.アザミやヨモギといったキク科植物の上で見られることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
ヤナギハムシの成虫.キャンパスではアカメヤナギなどの葉を食べていると考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
ハラグロオオテントウの幼虫.約10mmほどの大きの巨体で,主にクワキジラミなどを捕食する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)

植物園でコガタノミズアブを,ふれあいビオトープミスジガガンボチュウガタコガネグモを観察することができました.コガタノミズアブの幼虫は水棲であるため,水田や湿地の周辺で見られます.

コガタノミズアブの成虫(メス).美しい黄緑色をしたミズアブ類で,近年減少している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)
ミスジガガンボの成虫.小さいが翅に3本の黒帯が入り,頭~胸部が青色に輝く美しいガガンボ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 31, 2019)
チュウガタコガネグモの成体(メス).コガネグモに似るが,少し小さく腹部の模様も異なる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2019)
正面から見たシュレーゲルアオガエルの抱接.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
横から見たシュレーゲルアオガエルの抱接.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
ナキイナゴの成虫(オス).後脚と前翅をこすり合わせシャカシャカという音を鳴らす.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)

植物園でクロスジギンヤンマヨツボシトンボショウジョウトンボを観察することができました.これら3種のトンボは激しく縄張り争いを行っている様子でした.

池を周回するクロスジギンヤンマの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
ヨツボシトンボの成虫(オス).メスの産卵中,オスはそれを見張るようにメスの真上でホバリングをする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
成熟したショウジョウトンボの成虫(オス).止まり木に近寄る別のトンボを追い払おうとする姿が観察される.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)

同じく植物園でアカサシガメシマサシガメアカスジキンカメムシを観察することができました.サシガメ類は肉食で他の昆虫の体液を吸いますが,アカスジキンカメムシは植物の汁を吸います.

アカサシガメの成虫.低木上に多く,真っ赤な体がよく目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
シマサシガメの成虫.ヨコヅナサシガメに少し似るが,より小型でどちらかというと草本上に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
アカスジキンカメムシの成虫.成虫は緑色の胸部と翅に赤い筋が入っているという派手な模様をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)

クロオオアリ及びムネアカオオアリの結婚飛行が始まろうとしています.キャンパスの至る所で翅をつけた女王アリや,巣の周りで待機する雄アリのようすを観察することができました. また,ふれあいビオトープオオイシアブチャイロオオイシアブを観察することができました.この2種は酷似しているため,識別が少し難しいです.

結婚飛行を控えているクロオオアリの巣.翅があるのは雄アリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
クロオオアリの女王.まだ交尾を終えていない様子.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 24, 2019)
ニシムネアカオオアリの女王アリ.翅が生えているため,まだ交尾を済ませていないと考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
オオイシアブの成虫(メス).しばしば飛ぶ虫を目で追う.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
チャイロオオイシアブの成虫(メス).腹部第2節以降にオレンジ色の毛が生えているため,オオイシアブよりも全体的に明るい色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 24, 2019)

発見の小径アサマイチモンジクロヒカゲキンモンガを,植物園でベニオビヒゲナガを観察することができました.ヒゲナガガ類はオスの触角が非常に細長いのが特徴で,キャンパスではほかにシロオビヒゲナガやクロハネシロヒゲナガなどを観察することができます. イモムシではアケビコノハホタルガシロシタホタルガを観察することができました.ホタルガシロシタホタルガはともに刺激されると有毒な分泌液を出すので,観察にはご注意ください.

ウツギの花で吸蜜するアサマイチモンジの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
クロヒカゲの成虫.ヒカゲチョウよりも全体的に黒っぽい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
キンモンガの成虫.昼行性のガで,チョウのような美しい模様をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
ベニオビヒゲナガの成虫(オス).翅の赤い帯が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
アケビコノハの幼虫.眼状紋と威嚇姿勢が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
ホタルガの幼虫.ヒサカキによく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
シロシタホタルガの幼虫.サワフタギやクロミノニシゴリに見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)

生態実験園ウバタマムシヒメイトアメンボヤマトシリアゲを,植物園でカタオカハエトリヒトリコゲチャハエトリキアシナガバチを観察することができました.ヤマトシリアゲはキャンパスで最も普通に見られるシリアゲムシ類で,オスの腹部の先端は鋏状になっておりオス同士での争いやメスとの交尾に用いられます.カタオカハエトリの旧称はカキイロハエトリで,その名の通りオスは第1脚が鮮やかな柿色をしていますが,今回紹介しているメスは地味な体色です.

アカマツの切り株の上にいるウバタマムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 24, 2019)
ヒメイトアメンボの成虫.アメンボというよりはナナフシのような形をしており,キャンパスでは生態実験園やふれあいビオトープで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
ヤマトシリアゲの交尾.オス(左)は,メス(右)が餌を食べているのを見計らって交尾行動に移る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
カタオカハエトリの成体(メス).メスはオスのように脚が鮮やかでない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
ヒトリコゲチャハエトリの成体(オス).オスはあまりシラホシコゲチャハエトリとは似ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2019)
巣材を集めるため看板を齧るキアシナガバチの成虫(メス).セグロアシナガバチに似るが,胸部から腹部にかけて一対の黄斑があり,各脚にも黄色い模様が目立つなどの違いがある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2019)
イソヒヨドリ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
上陸したニホンアカガエルの幼体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)
孵化したシュレーゲルアオガエルのオタマジャクシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)
休むシュレーゲルアオガエルの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)
夜活動するニホンヤモリの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)


ふれあいビオトープムカシヤンマタベサナエフタスジサナエ,山中池でオオヤマトンボクロイトトンボ,植物園でヤマサナエを観察することができました.ムカシヤンマは県の,フタスジサナエは国のRDBで準絶滅危惧種に指定されています.

ふれあいビオトープのパイロンにとまるムカシヤンマの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)
ブタナにとまるタベサナエの成虫(メス).タベサナエは胸部の前方の黒条が途中で切れている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)
フタスジサナエの成虫.フタスジサナエは胸部の黒条が2本.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)
山中池の岸辺を巡回飛行するオオヤマトンボの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)
成熟したクロイトトンボの成虫(オス).左にはジュンサイハムシの姿も確認できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)
ヤマトシリアゲを捕食するヤマサナエの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)

学生プラザ付近でウンモンスズメ生態実験園ダイミョウセセリヒメウラナミジャノメ,山中池周辺でイボタガふれあいビオトープヒオドシチョウルリイロスカシクロバを観察することができました.

ケヤキにとまるウンモンスズメの成虫.緑色の翅にピンクの脚と,派手な見た目をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)
スイカズラにとまるダイミョウセセリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
ヒメウラナミジャノメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
イボタガの幼虫.突起は若齢幼虫のみ存在する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)
エノキの葉を食べるヒオドシチョウの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)
ルリイロスカシクロバの幼虫.ブドウなどを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)

生態実験園エゴツルクビオトシブミヒメクロオトシブミカシルリオトシブミを,キャンパス北部でシロオビナカボソタマムシアカガネサルハムシを,ががら山でニワハンミョウを観察することができました.

エゴツルクビオトシブミの成虫(オス).オスは非常に首が長く,本当に鶴のような形をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
ヒメクロオトシブミの成虫.様々な広葉樹の葉を巻き,産卵用のゆりかごを作る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
カシルリオトシブミの成虫(メス).主にイタドリの葉の上で見られ,それを巻いてゆりかごを作る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)
シロオビナカボソタマムシの成虫.クマイチゴの葉を好んで食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
アカガネサルハムシの成虫.ノブドウなどを食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
ニワハンミョウの成虫(メス).メスは大アゴの有色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)

ががら山でトビイロツノゼミ,キャンパス北部でウシカメムシふれあいビオトープハルゼミの抜け殻を観察することができました. また,生態実験園メガネアサヒハエトリ,工学部棟周辺でチャイロアサヒハエトリを観察することができました.

トビイロツノゼミの成虫.最も身近なツノゼミ類.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)
ウシカメムシの成虫.胸部から大きく突き出た一対の角が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 14, 2019)
ハルゼミの抜け殻.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)
メガネアサヒハエトリの成体(オス).タカラダニに寄生されている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 16, 2019)
チャイロアサヒハエトリの幼体.メスは脚が短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 12, 2019)


キバネツノトンボの成虫.昼間,開けた草地などを素早く飛び回る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)
アカスジキンカメムシの幼虫.成虫と比べると体色は比較的地味.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)
トサハエトリの成体(オス).ジャバラハエトリ類に似るが,オスは胸部が光沢のない黒色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)

キャンパス内でニホンイシガメ生態実験園クロスジギンヤンマヨツボシトンボを観察することができました.ほかにもヤマサナエクロイトトンボなど,各種トンボが続々と羽化しています.

ニホンイシガメの幼体.甲板の数からおよそ2歳だと推測される.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)
飛翔するクロスジギンヤンマの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)
ヨツボシトンボの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 10, 2019)

キャンパス南部でカバキコマチグモオオイシアブウバタマコメツキを観察することができました.カバキコマチグモはキャンパスでは特に南部に多く,毒を持つクモです.ススキの葉の先がちまき状に巻かれているのは本種の産室であるため,不用意に触れたり開けたりしないよう十分にご注意ください.

カバキコマチグモの成体(メス).メスは葉を粽のような形に巻いて,中に産卵する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 7, 2019)
コメツキムシを捕食するオオイシアブの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)
アカマツ材上のウバタマコメツキの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 9, 2019)

4月

  • 2019.04.20-26 キャンパス内でハルゼミが鳴いています.高所で鳴くことが多いため,姿を確認することが難しいです.

植物園でアオオビハエトリアダンソンハエトリシラホシコゲチャハエトリを観察することができました.アダンソンハエトリは屋内でよく見られるハエトリグモで,アオオビハエトリシラホシコゲチャハエトリも垣根や植木鉢の上でよく見られるため,いずれも身近な存在です.

求愛するアオオビハエトリの成体(オス).メスのアオオビハエトリより第一脚に毛が多く,腹部の模様が不明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)
アダンソンハエトリの成体(オス)の正面顔.オスは触肢が白くて目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)
シラホシコゲチャハエトリの成体(オス).腹部の白い斑が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)

植物園でニッポンヒゲナガハナバチ,ぶどう池横のドウダンツツジでコマルハナバチオオスズメバチを観察することができました.

ニッポンヒゲナガハナバチの成虫(オス).オスは触角が非常に長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)
コマルハナバチの成虫.クロマルハナバチよりも小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)
オオスズメバチの女王蜂.女王蜂は刺激しなければ基本的には襲ってこない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)

陣ヶ平山周辺でオスクロハエトリニホンジネズミ(ジネズミ)アオゲラを観察することができました.ニホンジネズミは東広島キャンパスの哺乳類相調査でも確認されています.

オスクロハエトリの成体(オス).メスや亜成体はヤハズハエトリに似るが,オスは全身が黒銅色をしているので容易に識別できる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2019)
ニホンジネズミ.ネズミと名が付くが,モグラの仲間である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 23, 2019)
早朝に囀るアオゲラ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019

ふれあいビオトープシュレーゲルアオガエルクビキリギスヤサアリグモを観察することができました.シュレーゲルアオガエルクビキリギスは夜のふれあいビオトープで鳴く姿が観察できます.

鳴くシュレーゲルアオガエルの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)
鳴くクビキリギスの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)
ヤサアリグモの成体(メス).アリグモのメスに似るが,腹部がより細長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)

ふれあいビオトープセモンジンガサハムシ生態実験園イチモンジカメノコハムシ,植物園でバラルリツツハムシを観察することができました.セモンジンガサハムシイチモンジカメノコハムシは非常によく似ていますが,食樹や体の大きさ,模様などが異なります.

交尾中のセモンジンガサハムシ(成虫).イチモンジカメノコハムシに似るが,背中の金色に輝くX字紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)
イチモンジカメノコハムシ(成虫).セモンジンガサハムシに似るが,背中に金色の紋はなく,体も一回り大きい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)
バラルリツツハムシ(成虫).様々な樹木の葉を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2019)

陣ヶ平山でシオヤトンボ,角脇調整池でオツネントンボ生態実験園アサヒナカワトンボを観察することができました.ヤマサナエクロスジギンヤンマの発生も確認しています.

シオヤトンボの成虫(未成熟オス).シオカラトンボよりも一回り小さく,ずんぐりしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2019)
オツネントンボの成虫(オス).ホソミオツネントンボとは異なり,越冬前と越冬後で体色に変化がない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 22, 2019)
アサヒナカワトンボの成虫(オス)の透明翅.周囲を樹林で囲まれた渓流を好むため,生態実験園は本種の生息環境に適していると考えられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2019)
セイヨウタンポポの上のキリギリスの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)
セイヨウタンポポの上のヤブキリの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)
ヒメギスの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)

植物園でニホンミツバチセグロアシナガバチを,ぶどう池キムネクマバチ(クマバチ)を観察することができました.4月になると藤の花の周りや林縁部でクマバチのオスがホバリングをする姿がよく観察されますが,羽音が大きいだけで人を刺すことはありませんのでご安心ください.

ニホンミツバチの働きバチ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)
セグロアシナガバチの女王.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)
キムネクマバチの成虫(メス).メスはホバリングをせず,ひたすら花の蜜を集めている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)

植物園でナガメ生態実験園イカリモンガぶどう池周辺でタベサナエナミハナムグリシマヘビクロセンブリ,生物生産学部農場でナミテントウシラヒゲハエトリオオハサミムシを観察することができました.

交尾中のナガメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)
イカリモンガの成虫.チョウにそっくりなガである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)
タベサナエの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2019)
ナミハナムグリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)
シマヘビの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)
クロセンブリの成虫.キャンパスでは発見の小径沿いでよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 18, 2019)
交尾中のナミテントウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)
シラヒゲハエトリの成体(メス)の正面顔.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)
威嚇するオオハサミムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2019)
オオハエトリ成体(オス).オスの触肢はボクシンググローブのような形をしているのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 6, 2019)
ハチを捕らえているマダラスジハエトリ成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
アオオビハエトリ成体(メス).メスは腹部の模様が明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)

また,陣ヶ平山でイボタガと,ツチイナゴ,植物園周辺でエゾヨツメを観察することができました.イボタガエゾヨツメはともに春に見られる代表的な大型蛾で,写真では分かりませんがエゾヨツメの翅表には鮮やかな青い目玉模様があります.

イボタガの成虫.翅の色や模様は樹皮にそっくりである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 6, 2019)
ツチイナゴの成虫.本土では珍しい越冬するバッタである.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
枝にとまるエゾヨツメの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 6, 2019)

発見の小径ではイタドリハムシツマキチョウビロードツリアブニホンカナヘビホソミオツネントンボミズカマキリメミズムシなどを観察することができました.

イタドリハムシの成虫.春になると草地を飛び回っていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
ツマキチョウの成虫(オス).前翅の先が黄橙色になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
ホバリングするビロードツリアブの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
日光浴をするニホンカナヘビの成体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
ホソミオツネントンボの成虫(オス).越冬後は美しい水色に変化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
ミズカマキリの成虫.4月になると越冬から目覚めて活動する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
メミズムシの成虫.極めて長い口吻をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 7, 2019)
クロボシツツハムシ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Apr. 9, 2019)

3月

成虫越冬したテングチョウ(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 15, 2019)
ダイサギ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 15, 2019)
さえずるホオジロのオス(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 15, 2019)


ウメで吸蜜するメジロ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)
カワヅザクラで吸蜜するメジロ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)
アセビで吸蜜するメジロ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)
ニホンアカガエルの幼生(オタマジャクシ)(広島県東広島市 東広島キャンパスふれあいビオトープ; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)
ニホンヒキガエルの卵塊.ひも状の卵塊の中に多数の卵が見える.(広島県東広島市; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)
アキサンショウウオの卵のう.幼生が中で泳ぎ始めている.(広島県東広島市; 撮影: 池田誠慈, Mar. 1, 2019)

2月

ニホンアカガエルのふ化(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Feb. 22, 2019)
カスミサンショウウオの卵(尾芽胚)(広島県東広島市; 撮影: 池田誠慈, Feb. 15, 2019)
流木に登ったオオバン.普段見えない脚が観察できた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Feb. 22, 2019)
ハシビロガモ(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2019)
ハシビロガモ(メス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2019)
ハシビロガモ(採餌)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2019)
オシドリ(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2019)
ホシハジロ(メス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2019)
コガモ(メス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2019)
  • 2019.02.08-09 毎週金曜日の野鳥調査でツグミなどを観察することができました.翌日にはキャンパス内のため池でトモエガモカイツブリなどを観察することができました.また,ニホンジカや各種昆虫,クモ類なども観察することができました.
ツグミ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2019)
トモエガモ(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2019)
カイツブリ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2019)
ニホンジカ(ホンシュウジカ)のオス(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2019)
ムネアカアワフキの巣.石灰質で硬い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2019)
マユミの開裂した実の中で越冬するウロコアシナガグモ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2019)
ニホンアカガエルの成体(メス).(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 3, 2019)
ニホンアカガエルの産卵.メスが産んだ卵にオスが放精している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 3, 2019)
カスミサンショウウオの成体(メス).(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 3, 2019)
ニホンアカガエル.奥は抱接中のペア,手前は成体(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 1, 2019)
抱接中のニホンアカガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 1, 2019)
抱接中のニホンアカガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 1, 2019)

1月

ニホンアカガエルの卵塊.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 24, 2019)
ニホンアカガエルの卵塊.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 24, 2019)
ニホンアカガエルの卵塊.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 24, 2019)
ニホンアカガエル成体(オス).メスを待機している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 25, 2019)
ニホンアカガエル成体(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 25, 2019)
ニホンアカガエル成体(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 25, 2019)


ヨシガモのオス.冬羽へ移行している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 17, 2019)
ホシハジロのメス.しばしば潜水をしていた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 17, 2019)
トモエガモ(メス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 17, 2019)
ハイタカ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 18, 2019)
シメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2019)
ルリビタキのメス.尾羽の一部が青い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2019)
モズのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2019)
ホオジロ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2019)
  • ガの繭も複数見つけることができました.落葉によって秋まで木陰に隠れていたものが観察しやすくなっています.
イラガ(繭).殻は硬質.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 14, 2019)
ヤママユ(繭).成虫が羽化してから長い時間が経っているためか色褪せている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2019)
トモエガモ(メス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 4, 2019)
コガモ(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 4, 2019)
ヤマハゼの果実を採食するメジロ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 4, 2019)
ツグミ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 4, 2019)
ジョウビタキ(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 4, 2019)


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