「東広島キャンパスの生き物」の版間の差分

提供: 広島大学デジタル博物館
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|[[ファイル: 20200807タンボコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129750s.jpg|250px|thumb|right|タンボコオロギの成虫(オス).初夏に多いコオロギで休耕田などの湿った場所で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=タンボコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200807タンボコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129750s.jpg|250px|thumb|right|タンボコオロギの成虫(オス).初夏に多いコオロギで休耕田などの湿った場所で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=タンボコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200806ツマグロバッタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129411s.jpg|200px|thumb|right|ツマグロバッタの成虫(オス).翅の先や後脚の関節部が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)|link=ツマグロバッタ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200806ツマグロバッタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129411s.jpg|200px|thumb|right|ツマグロバッタの成虫(オス).翅の先や後脚の関節部が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)|link=ツマグロバッタ_広島大学東広島キャンパス]]
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===7月===
 
東広島キャンパスではカブトムシやクワガタムシが見られるようになりました.[[ミヤマクワガタ_広島大学東広島キャンパス|ミヤマクワガタ]]や[[ノコギリクワガタ_広島大学東広島キャンパス|ノコギリクワガタ]]は大型のクワガタムシで,[[アベマキ]]や[[アラカシ]]などの樹液に集まります.[[カブトムシ_広島大学東広島キャンパス|カブトムシ]]は7月中旬以降によく見られるようになり,樹液を独占していることが多いです.
 
 
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|[[ファイル: 20200721ミヤマクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131268s.jpg|250px|thumb|right|ミヤマクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)|link=ミヤマクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200717ノコギリクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131035s.jpg|250px|thumb|right|ノコギリクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2020)|link=ノコギリクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200709カブトムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129397s.jpg|250px|thumb|right|カブトムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 9, 2020)|link=カブトムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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夜の雑木林ではほかの昆虫も観察できます.[[コロギス_広島大学東広島キャンパス|コロギス]]は樹上性で,触ると激しく威嚇します.[[シロスジカミキリ_広島大学東広島キャンパス|シロスジカミキリ]]は[[アラカシ]]の樹幹で見られるほか,[[ムクゲコノハ_広島大学東広島キャンパス|ムクゲコノハ]]は樹液を吸っていることが多いです.
 
 
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|[[ファイル: 20200709コロギス成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129333s.jpg|250px|thumb|right|威嚇するコロギスの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 9, 2020)|link=コロギス_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200715シロスジカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129821s.jpg|250px|thumb|right|シロスジカミキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)|link=シロスジカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200712ムクゲコノハ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129600s.jpg|250px|thumb|right|ムクゲコノハの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)]]
 
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東広島キャンパスではまだ梅雨が続いており,林縁部や草地では多くのキノコを観察することができます.[[クロハツモドキ_広島大学東広島キャンパス|クロハツモドキ]]や[[クロハツ_広島大学東広島キャンパス|クロハツ]]には[[ヤグラタケ_広島大学東広島キャンパス|ヤグラタケ]]が寄生している場合が多く,キャンパスでもそれらの老菌から発生している様子が見られます.また,昆虫に寄生する冬虫夏草の一種である[[トガリスズメバチタケ_広島大学東広島キャンパス|トガリスズメバチタケ]]が[[オオスズメバチ_広島大学東広島キャンパス|オオスズメバチ]]から発生している様子が見られました.林縁部には,大型のタマゴタケである[[ハマクサギタマゴタケ_広島大学東広島キャンパス|ハマクサギタマゴタケ(仮称)]]や[[アイタケ_広島大学東広島キャンパス|アイタケ]],[[ムラサキホウキタケモドキ_広島大学東広島キャンパス|ムラサキホウキタケモドキ]]などが生えています.草地では[[ベニセンコウタケ_広島大学東広島キャンパス|ベニセンコウタケ]]を観察できました.
 
 
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|[[ファイル: 20200716ヤグラタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130681s.jpg|250px|thumb|right|[[クロハツモドキ_広島大学東広島キャンパス|クロハツモドキ]]から生じるヤグラタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200717トガリスズメバチタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_121011s.jpg|250px|thumb|right|トガリスズメバチタケ.[[オオスズメバチ_広島大学東広島キャンパス|オオスズメバチ]]から生じている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2020)|link=トガリスズメバチタケ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200715ハマクサギタマゴタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129980s.jpg|250px|thumb|right|ハマクサギタマゴタケ(仮称).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)]]
 
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|[[ファイル: 20200715アイタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130327s.jpg|250px|thumb|right|アイタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)|link=アイタケ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200715ムラサキホウキタケモドキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130218s.jpg|250px|thumb|right|ムラサキホウキタケモドキ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)|link=ムラサキホウキタケモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200715ベニセンコウタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130153s.jpg|200px|thumb|right|ベニセンコウタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)]]
 
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カマキリ以外の,前脚に鎌状構造をもつ昆虫を紹介します.[[キカマキリモドキ_広島大学東広島キャンパス|キカマキリモドキ]]はハチのような色彩とカマキリのような頭部,前脚が特徴的ですが,どちらの仲間でもなく[[ウスバカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|ウスバカゲロウ]]と同じアミメカゲロウ目に属します.[[ミズカマキリ_広島大学東広島キャンパス|ミズカマキリ]]はカメムシ目の昆虫で,獲物を咀嚼せず口吻を突き刺し,消化液を流して溶けた肉を吸い取ります.[[アシナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス|アシナガサシガメ]]は地表に見られる細長いカメムシで,トゲの生えた鎌状の前脚を持っています.
 
 
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|[[ファイル: 20200701キカマキリモドキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128548s.jpg|250px|thumb|right|キカマキリモドキの成虫(オス).カマキリとは前脚の構え方が異なる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2020)|link=キカマキリモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200702ミズカマキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129037s.jpg|250px|thumb|right|[[ヒメアメンボ_広島大学東広島キャンパス|ヒメアメンボ]]を捕食するミズカマキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 2, 2020)|link=ミズカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200712アシナガサシガメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129592s.jpg|250px|thumb|right|林床を歩くアシナガサシガメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)]]
 
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山地に生息する傾向の強い昆虫もキャンパスで見られます.[[エゾハサミムシ_広島大学東広島キャンパス|エゾハサミムシ]]は細長い尻鋏をもち,飛翔することができるハサミムシです.[[エゾシモフリスズメ_広島大学東広島キャンパス|エゾシモフリスズメ]]はキャンパスでの個体数は少なく,今回が初確認になります.
 
 
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|[[ファイル: 20200714エゾハサミムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129654s.jpg|250px|thumb|right|エゾハサミムシの成虫(オス).キャンパスでも生息域は限られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 14, 2020)|link=エゾハサミムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200721エゾシモフリスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131660s.jpg|250px|thumb|right|エゾシモフリスズメの成虫.[[シモフリスズメ_広島大学東広島キャンパス|シモフリスズメ]]に似るが,翅にある各条線が太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)|link=エゾシモフリスズメ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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夏に見られる昆虫にはハネナガウンカという独特なグループが存在します.[[クワヤマハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス|クワヤマハネナガウンカ]],[[アヤヘリハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス|アヤヘリハネナガウンカ]],[[マエグロハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス|マエグロハネナガウンカ]]は湿度の高い森林の樹幹や葉裏に見られます.[[キスジハネビロウンカ_広島大学東広島キャンパス|キスジハネビロウンカ]]は林縁部の下草などで観察することが多いです.[[アカハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス|アカハネナガウンカ]]は[[ススキ]]や[[ジュズダマ]]の茂る草地などで植物の汁を吸っていることが多く,独特な顔つきのため愛好家からの人気が高い種です.
 
 
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|[[ファイル: 20200626クワヤマハネナガウンカ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127237s.jpg|250px|thumb|right|クワヤマハネナガウンカの成虫.記録の少ない種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2020)|link=クワヤマハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200701アヤヘリハネナガウンカ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128531s.jpg|250px|thumb|right|アヤヘリハネナガウンカの成虫.翅脈が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 1, 2020)|link=アヤヘリハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200715マエグロハネナガウンカ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130469s.jpg|250px|thumb|right|マエグロハネナガウンカの成虫.ウスマエグロハネナガウンカに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)|link=マエグロハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200717キスジハネビロウンカ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130895s.jpg|250px|thumb|right|キスジハネビロウンカの成虫.ハネナガウンカ類としては小型で,翅の幅が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17 2020)|link=キスジハネビロウンカ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200721アカハネナガウンカ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131467s.jpg|250px|thumb|right|アカハネナガウンカの成虫.キャンパスでの個体数は少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)|link=アカハネナガウンカ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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東広島市キャンパスで見られるチョウです.[[オオヒカゲ_広島大学東広島キャンパス|オオヒカゲ]]はスゲ類の生える湿地の近くなどで見られます.[[アサマイチモンジ_広島大学東広島キャンパス|アサマイチモンジ]]は通常年三化性で,長い期間にわたって観察することができます.[[イチモンジセセリ_広島大学東広島キャンパス|イチモンジセセリ]]は後翅の一列に並んだ白斑が特徴です.
 
 
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|[[ファイル: 20200715オオヒカゲ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130433s.jpg|250px|thumb|right|夜のオオヒカゲの成虫(メス).東広島キャンパスでは広く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)|link=オオヒカゲ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200715アサマイチモンジ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130570s.jpg|250px|thumb|right|アジサイにとまるアサマイチモンジの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 15, 2020)|link=アサマイチモンジ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200716イチモンジセセリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130774s.jpg|250px|thumb|right|[[ヒメジョオン]]で吸蜜するイチモンジセセリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)|link=イチモンジセセリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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東広島キャンパスで7月に見られた主な蛾類です.
 
 
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|[[ファイル: 20200715オナガミズアオ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129874s.jpg|200px|thumb|right|オナガミズアオの成虫(メス).メスは翅形が丸く,オオミズアオとの識別がやや難しくなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)|link=オナガミズアオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200720ウスイロギンモンシャチホコ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131137s.jpg|250px|thumb|right|ウスイロギンモンシャチホコの成虫.幼虫は[[コナラ]]などを食べて育つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 20, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200720コヒサゴキンウワバ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131167s.jpg|250px|thumb|right|コヒサゴキンウワバの成虫.オオヒサゴキンウワバに似るがやや小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 20, 2020)]]
 
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|[[ファイル: 20200717シロシタバ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130900s.jpg|250px|thumb|right|シロシタバの成虫.幼虫は[[ウワミズザクラ]]や[[イヌザクラ]]を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 17, 2020)|link=シロシタバ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200714キシタバ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129665s.jpg|250px|thumb|right|樹液を吸うキシタバの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 14, 2020)|link=キシタバ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200715コシロシタバ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130437s.jpg|250px|thumb|right|樹液を吸うコシロシタバの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 15, 2020)|link=コシロシタバ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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その他の虫です.
 
 
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|[[ファイル: 20200716スギハラクモバチ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130547s.jpg|250px|thumb|right|[[ヤブガラシ]]で吸蜜するスギハラクモバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200720ミミズク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131154s.jpg|250px|thumb|right|ミミズクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 20, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200702ヒメギス成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128680s.jpg|250px|thumb|right|ヒメギスの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 2, 2020)]]
 
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|[[ファイル: 20200712ミツオホシハナノミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129552s.jpg|250px|thumb|right|ミツオホシハナノミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200716オオヨツスジハナカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130623s.jpg|250px|thumb|right|オオヨツスジハナカミキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200717キマダラミヤマカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130918s.jpg|250px|thumb|right|キマダラミヤマカミキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 16, 2020)]]
 
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|[[ファイル: 20200712オオヨツボシゴミムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129622s.jpg|250px|thumb|right|オオヨツボシゴミムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 12, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200703ハイイロチョッキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129134s.jpg|250px|thumb|right|ハイイロチョッキリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 3, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200709ヤマトゴキブリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129352s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトゴキブリの成虫(メス).メスは翅が短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 9, 2020)]]
 
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===6月===
 
*2020.06.26 東広島キャンパスでは[[ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス|ニイニイゼミ]]と[[アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス|アブラゼミ]]が鳴き始めました.
 
 
[[生態実験園]]の水田では田植えが完了し,[[ホウネンエビ_広島大学東広島キャンパス|ホウネンエビ]]や[[ハイイロゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス|ハイイロゲンゴロウ]]の姿が見られるようになりました.[[ホウネンエビ_広島大学東広島キャンパス|ホウネンエビ]]は夏の水田で仰向けになって泳ぐ鰓脚綱の一種で,地域によってはアジアカブトエビやカイエビなどとともに見られます.[[ハイイロゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス|ハイイロゲンゴロウ]]は敏捷に泳ぐ小型のゲンゴロウで,都市の公園などでも見られる普通種です.[[イネミズゾウムシ_広島大学東広島キャンパス|イネミズゾウムシ]]はアメリカ原産の外来種で,水稲の害虫とされています.水中に入ると脚を小刻みに動かして遊泳することができます.
 
 
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|[[ファイル: 20200623ホウネンエビ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130613s.jpg|250px|thumb|right|抱卵しているホウネンエビの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200625ハイイロゲンゴロウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126826s.jpg|250px|thumb|right|ハイイロゲンゴロウの成虫(メス).東広島キャンパスでは水田に水が入っていない時期にはほとんど見られない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200623イネミズゾウムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130587s.jpg|250px|thumb|right|遊泳するイネミズゾウムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2020)]]
 
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梅雨入りしたことで,東広島キャンパスでは各所でキノコを観察することができました.総合科学部棟周辺では[[キタマゴタケ_広島大学東広島キャンパス|キタマゴタケ]]が,教育学部棟周辺では[[アカヤマドリ_広島大学東広島キャンパス|アカヤマドリ]]が,山中池周辺では[[タマゴテングタケモドキ_広島大学東広島キャンパス|タマゴテングタケモドキ]]の子実体が出ていました.
 
 
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|[[ファイル: 20200626キタマゴタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126928s.jpg|250px|thumb|right|キタマゴタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2020)|link=キタマゴタケ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200626アカヤマドリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127110s.jpg|250px|thumb|right|アカヤマドリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 26, 2020)|link=アカヤマドリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200627タマゴテングタケモドキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127259s.jpg|200px|thumb|right|タマゴテングタケモドキ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 27, 2020)|link=タマゴテングタケモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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樹液や灯火にはクワガタムシが集まっています.[[スジクワガタ_広島大学東広島キャンパス|スジクワガタ]]は[[コクワガタ_広島大学東広島キャンパス|コクワガタ]]に酷似していますが,大アゴの内歯の突起が一つ多いのが特徴です.[[ヒラタクワガタ_広島大学東広島キャンパス|ヒラタクワガタ]]は西日本に多いクワガタで,挟む力が大変強力です.[[ネブトクワガタ_広島大学東広島キャンパス|ネブトクワガタ]]はブナ科の樹液にはあまり集まらず,クワやモミなどの樹液に寄ってくることがあります.
 
 
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|[[ファイル: 20200619スジクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_169250s.jpg|250px|thumb|right|スジクワガタの成虫(オス).[[コクワガタ_広島大学東広島キャンパス|コクワガタ]]より個体数は少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 19, 2020)|link=スジクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200608ヒラタクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126388s.jpg|250px|thumb|right|ヒラタクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)|link=ヒラタクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200625ネブトクワガタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126870s.jpg|250px|thumb|right|ネブトクワガタの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 25, 2020)|link=ネブトクワガタ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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ホタルといえば清流に生息する[[ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス|ゲンジボタル]]や水田に生息するヘイケボタルのイメージが強いですが,東広島キャンパスにはそれ以外の陸生ホタルも見られます.[[オバボタル_広島大学東広島キャンパス|オバボタル]]や[[オオマドボタル_広島大学東広島キャンパス|オオマドボタル]]などがその例です.後者は幼虫の腹部先端が光りますが,目立ちません.幼虫は陸生貝類などを食べる雑食性で,[[コハクオナジマイマイ_広島大学東広島キャンパス|コハクオナジマイマイ]]もその獲物の一つであると考えられます.
 
 
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|[[ファイル: 20200627オオマドボタル成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127277s.jpg|250px|thumb|right|オオマドボタルの成虫(オス).クロマドボタルに似るが,胸部の中心部が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 27, 2020)|link=オオマドボタル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200624オオマドボタル幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130916s.jpg|250px|thumb|right|オオマドボタル(幼虫).夜間は腹部の先端が発光する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 24, 2020)|link=オオマドボタル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200627コハクオナジマイマイ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127344s.jpg|250px|thumb|right|コハクオナジマイマイ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 27, 2020)|link=コハクオナジマイマイ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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野外での散策は虫刺されがつきもので,東広島キャンパスでは特に蚊に刺されることが多いです.藪や森林の中,湿地,家屋内外など様々な環境に蚊は現れます.対策としては長袖長ズボンを着用して肌を覆ったり,虫よけスプレーをふったりなどが効果的です.
 
 
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|[[ファイル: 20200616ヒトスジシマカ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128437s.jpg|250px|thumb|right|吸血中のヒトスジシマカの成虫(メス).東広島キャンパスでは最も刺される機会が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 16, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200616キンパラナガハシカ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128298s.jpg|250px|thumb|right|吸血するキンパラナガハシカの成虫(メス).口吻が長く,頭部が鮮やかな青色をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 16, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200623ヤマトヤブカ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130818s.jpg|250px|thumb|right|吸血中のヤマトヤブカの成虫(メス).ががら山などで多く見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2020)]]
 
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東広島キャンパスで見られた生き物について,情報提供がありました.2019年10月29日にはぶどう池の周辺で[[ノゴマ]]が観察され,2020年4月29日には,バードウォール周辺で[[オオキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス|オオキンカメムシ]]が見つかったとのことです.いずれも貴重な記録です.
 
 
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|[[ファイル:20200429オオキンカメムシ_東広島市鏡山_永冨由佳撮影_IMG_6770s.JPG|250px|thumb|right|オオキンカメムシ.アブラギリに寄生する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 永冨由佳, Apr. 29, 2020)|link=オオキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル:20191029ノゴマオス_東広島市鏡山_永冨由佳撮影_IMG_3466s.JPG|250px|thumb|right|ノゴマ(オス).喉が鮮やかな赤色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 永冨由佳, Oct. 29, 2019)|link=ノゴマ]]
 
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*2020.06.12-19 東広島キャンパスの山中谷川や角脇川では[[ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス|ゲンジボタル]]が舞っています.6月下旬までが見頃です.
 
 
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|[[ファイル: 20200617ゲンジボタル_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128512s.jpg|250px|thumb|right|[[生態実験園]]に舞うゲンジボタル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2020)|link=ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200617ゲンジボタル成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128806s.jpg|250px|thumb|right|発光するゲンジボタルの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2020)|link=ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス]]
 
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*2020.06.02-12 東広島キャンパスで[[シロマダラ]]と[[ヒバカリ]]を観察することができました.[[シロマダラ]]は東広島キャンパス周辺でも個体数が多いですが,夜行性のため人目につくことが少ないです.[[ヒバカリ]]は薄暗い時間帯(早朝や夕方)に,湿地の周りに見られることがあります.また,キャンパス内ではありませんが,周辺地区で模様と色彩が変異した[[ニホンマムシ]]が見られました.広島県内では度々目撃されています.
 
 
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|[[ファイル: 20200610シロマダラ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126970s.jpg|250px|thumb|right|雨天の深夜に植物の上を移動中のシロマダラ(成蛇).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)|link=シロマダラ]]
 
|[[ファイル: 20200605ヒバカリ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126003s.jpg|250px|thumb|right|ヒバカリ(幼蛇).成蛇に比べて黒っぽい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 5, 2020)|link=ヒバカリ]]
 
|[[ファイル: 20200602ニホンマムシ成蛇(変異)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125796s.jpg|250px|thumb|right|ニホンマムシ(成蛇).色彩・模様が変異している.(発見者:上岡佑玄)(広島県東広島市; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)|link=ニホンマムシ]]
 
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東広島キャンパスの沢で青い[[サワガニ]]を観察することができました.青い[[サワガニ]]は全国各所で見られますが,東広島キャンパスでは稀に見つかるようです.また,[[ニホンヒキガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンヒキガエル]]の成体を観察することができました.[[ニホンヒキガエル|広島県のニホンヒキガエル]]のページもご覧ください.
 
 
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|[[ファイル: 20200610サワガニ成体メス(青)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126844s.jpg|250px|thumb|right|サワガニの成体(メス).青白い体色の個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)|link=サワガニ]]
 
|[[ファイル: 20200610サワガニ成体メス(青)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126868s.jpg|250px|thumb|right|青いサワガニの成体(メス).威嚇している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)|link=サワガニ]]
 
|[[ファイル: 20200608ニホンヒキガエル成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126496s.jpg|250px|thumb|right|ニホンヒキガエルの成体(メス).(発見者:吉野僚)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)|link=ニホンヒキガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
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東広島キャンパスで[[ハッチョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|ハッチョウトンボ]]が出現しています.[[ハッチョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|ハッチョウトンボ]]はトンボ亜目(不均翅亜目)では世界最小種とされており,広島県では絶滅危惧II類に指定されている希少な昆虫です.そのほか[[コオニヤンマ_広島大学東広島キャンパス|コオニヤンマ]]が発生しているのを確認したり,山の水たまりで[[ヤブヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ヤブヤンマ]]を観察したりすることができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200602ハッチョウトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125536s.jpg|250px|thumb|right|ハッチョウトンボの成虫(オス).体長は20mm前後.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)|link=ハッチョウトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200608コオニヤンマ成虫(未成熟)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126156s.jpg|250px|thumb|right|コオニヤンマの成虫(未成熟).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)|link=コオニヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200610ヤブヤンマヤゴ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126887s.jpg|250px|thumb|right|ヤブヤンマのヤゴ.胸部背面に鮮やかな斑紋が見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)|link=ヤブヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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東広島キャンパスで観察することができたハエトリグモです.[[ミスジハエトリ_広島大学東広島キャンパス|ミスジハエトリ]]は家屋内で見られることの多いハエトリグモで,オスは赤い帯が特徴的です.建物の中で見られるハエトリグモにはほかに[[アダンソンハエトリ_広島大学東広島キャンパス|アダンソンハエトリ]]や[[チャスジハエトリ_広島大学東広島キャンパス|チャスジハエトリ]]がいます.林床には[[ヨダンハエトリ_広島大学東広島キャンパス|ヨダンハエトリ]]が見られます.鮮やかなハエトリグモで,成熟したオスは特に目立ちます.[[ヒトリコゲチャハエトリ_広島大学東広島キャンパス|ヒトリコゲチャハエトリ]]は河原や石垣で見られるハエトリグモで,家の垣根などでも観察することができます.
 
 
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|[[ファイル: 20200605ミスジハエトリ成体(オス)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125905s.jpg|250px|thumb|right|ミスジハエトリの成体(オス).同じ環境で見られる[[アダンソンハエトリ_広島大学東広島キャンパス|アダンソンハエトリ]]や[[チャスジハエトリ_広島大学東広島キャンパス|チャスジハエトリ]]と比べると小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 5, 2020)|link=ミスジハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200602ヨダンハエトリ成体(オス)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125557s.jpg|250px|thumb|right|ヨダンハエトリの成体(オス).オスは成熟すると額の赤帯が目立つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)|link=ヨダンハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200602ヒトリコゲチャハエトリ成体(オス)_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125637s.jpg|250px|thumb|right|ヒトリコゲチャハエトリの成体(オス).石垣の上などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)|link=ヒトリコゲチャハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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鳴く虫といえば初夏のイメージがありますが,初夏にも鳴き声を聞くことができます.日中のイネ科群落では[[ナキイナゴ_広島大学東広島キャンパス|ナキイナゴ]]が「ジキ・ジキ・ジキ」と鳴いています.日が暮れると,湿地では[[キンヒバリ_広島大学東広島キャンパス|キンヒバリ]]が「リッリッリッリーーー」と美しい声で鳴いています.乾いた草地では[[コガタコオロギ_広島大学東広島キャンパス|コガタコオロギ]]が「ビー!!」と間を置いて鳴きます.本種はアカデミック地区の草地であればどこでも鳴き声を聞くことができますが,姿はやや見つけにくいです.[[クビキリギス_広島大学東広島キャンパス|クビキリギス]]やシブイロカヤキリは以前ほど鳴き声を聞かなくなってしまいました.
 
 
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|[[ファイル: 20200602ナキイナゴ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125504s.jpg|250px|thumb|right|ナキイナゴの成虫(オス).脚をこすらせて「ジキ・ジキ・ジキ」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 2, 2020)|link=ナキイナゴ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200603キンヒバリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125879s.jpg|250px|thumb|right|キンヒバリの成虫(オス).湿地に見られるヒバリモドキで,「リッリッリッリーーー」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2020)|link=キンヒバリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200603コガタコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125834s.jpg|250px|thumb|right|コガタコオロギの成虫(オス).初夏に出現するコオロギで,「ビー!!」と鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2020)|link=コガタコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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6月になり,[[シンジュサン_広島大学東広島キャンパス|シンジュサン]]が見られるようになりました.大変大きなガで,三日月のような模様が特徴的です.[[オナガミズアオ_広島大学東広島キャンパス|オナガミズアオ]]と[[オオミズアオ_広島大学東広島キャンパス|オオミズアオ]]は酷似していますが,触角の色や翅端の形,眼状紋の形,前翅前縁の色の違いなどを総合的に確認して同定することができます.
 
 
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|[[ファイル: 20200608シンジュサン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126361s.jpg|250px|thumb|right|シンジュサンの成虫(オス).それぞれの翅には三日月状の模様が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)|link=シンジュサン_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200608オナガミズアオ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126627s.jpg|250px|thumb|right|オナガミズアオの成虫(オス).[[オオミズアオ_広島大学東広島キャンパス|オオミズアオ]]に酷似しており,識別点を総合的に判断して同定する必要がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 8, 2020)|link=オナガミズアオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200610オオミズアオ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_126797s.jpg|250px|thumb|right|オオミズアオの成虫(オス).[[オナガミズアオ_広島大学東広島キャンパス|オナガミズアオ]]よりも個体数は多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2020)|link=オオミズアオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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===5月===
 
*2020.05.22 キャンパス内で[[ハルゼミ_広島大学東広島キャンパス|ハルゼミ]]が鳴いています.[[生態実験園]]や[[ふれあいビオトープ]]で変態して陸に上がった[[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカガエル]]の幼体を見かけるようになりました.
 
 
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|[[ファイル:20200522ニホンアカガエル幼体_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_58773s.JPG|250px|thumb|left|ニホンアカガエルの幼体(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, May 22, 2020)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200502ニホンイシガメ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_115369s.jpg|250px|thumb|right|ニホンイシガメ(成体).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)|link=ニホンイシガメ]]
 
|[[ファイル: 20200508ヌマガエル成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_117138s.jpg|250px|thumb|right|ヌマガエルの成体.背中線が入っている個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)|link=ヌマガエル]]
 
|}
 
 
5月に見られた生き物です.ががら山で[[コルリ]],[[クロツグミ]],[[オオムシクイ]]を観察することができました.[[コルリ]]は薮がちなところに見られ,「チッチッチッチ…ピルルルン」と囀ります.[[クロツグミ]]は早朝や夕方であればキャンパス内の草地でも観察することができました.[[オオムシクイ]]は「ジジロ・ジジロ」とやや濁った声で囀ります.
 
 
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|[[ファイル: 20200502コルリオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_114439s.jpg|250px|thumb|right|コルリ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)|link=コルリ]]
 
|[[ファイル: 20200506クロツグミオス_東広島市鏡山_佐藤撮影.jpg|250px|thumb|right|クロツグミ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 佐藤大規, May. 6, 2020)|link=クロツグミ]]
 
|[[ファイル: 20200521オオムシクイオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128517s.jpg|250px|thumb|right|オオムシクイ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2020)|link=オオムシクイ]]
 
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タマムシの仲間がたくさん見られました.[[アオマダラタマムシ_広島大学東広島キャンパス|アオマダラタマムシ]]は赤や青などの金属光沢が特徴のタマムシで,サクラやウメなどの材に集まります.[[オオムツボシタマムシ_広島大学東広島キャンパス|オオムツボシタマムシ]]は比較的大型のタマムシで,同属の[[ムツボシタマムシ_広島大学東広島キャンパス|ムツボシタマムシ]]よりも一回り大型です.[[クロナガタマムシ_広島大学東広島キャンパス|クロナガタマムシ]]は危険を感じると敏捷に飛翔します.
 
 
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|[[ファイル: 20200502アオマダラタマムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_114938s.jpg|250px|thumb|right|アオマダラタマムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)|link=アオマダラタマムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200528オオムツボシタマムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_120929s.jpg|250px|thumb|right|コナラ材の上で産卵場所を求めるオオムツボシタマムシの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 28, 2020)|link=オオムツボシタマムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200523クロナガタマムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_120315s.jpg|250px|thumb|right|クロナガタマムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2020)|link=クロナガタマムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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[[フジ]]や[[ヤマフジ]]の咲く時期には[[キムネクマバチ_広島大学東広島キャンパス|キムネクマバチ]]のオスがホバリングしながらメスを待つ姿が見られました.[[クロムネアオハバチ_広島大学東広島キャンパス|クロムネアオハバチ]]は淡い緑色の体色が特徴で,幼虫はササ類を食べることが知られています.[[ホリカワクシヒゲガガンボ_広島大学東広島キャンパス|ホリカワクシヒゲガガンボ]]はハチのような奇抜な色彩から危険なイメージがありますが,ガガンボ類のため毒針を持たず,無害な虫です.
 
 
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|[[ファイル: 20200522キムネクマバチ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_119095s.jpg|250px|thumb|right|キムネクマバチの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)|link=キムネクマバチ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200502クロムネアオハバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_115063s.jpg|250px|thumb|right|クロムネアオハバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)|link=クロムネアオハバチ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200530ホリカワクシヒゲガガンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125227s.jpg|250px|thumb|right|ホリカワクシヒゲガガンボの成虫(メス).ベッコウガガンボに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=ホリカワクシヒゲガガンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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春~初夏に羽化する蛾類が見られました.[[オオミズアオ_広島大学東広島キャンパス|オオミズアオ]]はヤママユガ科の大型蛾で,青白い翅と尾状突起が特徴的です.[[シロスジトモエ_広島大学東広島キャンパス|シロスジトモエ]]と[[オオトモエ_広島大学東広島キャンパス|オオトモエ]]はともにトモエガ亜科のガで,色や模様がよく似ていますが,大きさが一回りほど異なります(オオトモエのほうが大型).
 
 
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|[[ファイル: 20200521オオミズアオ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_119015s.jpg|250px|thumb|right|オオミズアオの成虫(オス). [[オナガミズアオ_広島大学東広島キャンパス|オナガミズアオ]]に似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2020)|link=オオミズアオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200530シロスジトモエ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125390s.jpg|250px|thumb|right|シロスジトモエの成虫.[[オオトモエ_広島大学東広島キャンパス|オオトモエ]]に似るが一回りほど小型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=シロスジトモエ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200530オオトモエ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125429s.jpg|250px|thumb|right|オオトモエの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=オオトモエ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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トンボ類では,[[ムカシヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ムカシヤンマ]]がキャンパスで広域に観察することができます.樹林地の周辺を歩くと見られることが多いです.[[サラサヤンマ_広島大学東広島キャンパス|サラサヤンマ]]は湿地をゆったりと飛翔する小型のヤンマで,[[生態実験園]]と[[ふれあいビオトープ]]のいずれの場所でも観察することができます.[[グンバイトンボ_広島大学東広島キャンパス|グンバイトンボ]]は広島県の準絶滅危惧種に指定されており,中脚と後脚の脛節が軍配状に広がります.
 
 
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|[[ファイル: 20200530ムカシヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125110s.jpg|250px|thumb|right|ムカシヤンマの成虫.翅の縁紋が細長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=ムカシヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200527グンバイトンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_120671s.jpg|250px|thumb|right|グンバイトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 27, 2020)|link=グンバイトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200528サラサヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_121074s.jpg|250px|thumb|right|ぶら下がるサラサヤンマの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 28, 2020)|link=サラサヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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上旬~中旬にかけては日当たりの良い草地で[[キバネツノトンボ_広島大学東広島キャンパス|キバネツノトンボ]]が見られました.去年に引き続いての確認ですが,今年の個体数は少ないようです.[[タイリククロスジヘビトンボ_広島大学東広島キャンパス|タイリククロスジヘビトンボ]]はキャンパス内の外灯に飛来していることが多いです.[[コマダラウスバカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|コマダラウスバカゲロウ]]は地衣類を身に纏い,獲物を待ちます.
 
 
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|[[ファイル: 20200508キバネツノトンボ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_117370s.jpg|250px|thumb|right|キバネツノトンボの成虫(メス).後翅の鮮やかな黄色が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)|link=キバネツノトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200519タイリククロスジヘビトンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_118077s.jpg|250px|thumb|right|タイリククロスジヘビトンボの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 19, 2020)|link=タイリククロスジヘビトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200530コマダラウスバカゲロウ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125361s.jpg|250px|thumb|right|コマダラウスバカゲロウの幼虫.レプラゴケを身に纏い獲物を待つ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=コマダラウスバカゲロウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
5月に観察されたカメムシ目の一覧です.
 
 
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|[[ファイル: 20200530アカスジキンカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125021s.jpg|250px|thumb|right|アカスジキンカメムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=アカスジキンカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200526ヨコヅナツチカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_120584s.jpg|250px|thumb|right|ヨコヅナツチカメムシの成虫.体長20mmほどでツチカメムシ科としては大型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 26, 2020)|link=ヨコヅナツチカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200522セスジナガカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_119458s.jpg|250px|thumb|right|セスジナガカメムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)|link=セスジナガカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200522オオメナガカメムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_119573s.jpg|250px|thumb|right|オオメナガカメムシの成虫.体長は5mmほど.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)|link=オオメナガカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200504ヤスマツアメンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_116385s.jpg|250px|thumb|right|ヤスマツアメンボの成虫(オス).[[コセアカアメンボ_広島大学東広島キャンパス|コセアカアメンボ]]と同様薄暗い湿地で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 4, 2020)|link=ヤスマツアメンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200530カタビロクサビウンカ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_124933s.jpg|250px|thumb|right|カタビロクサビウンカの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=カタビロクサビウンカ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
 
個性的なテントウムシの仲間を観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200523カメノコテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_110224s.jpg|250px|thumb|right|カメノコテントウの成虫.体長は12mmほどで大型.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2020)|link=カメノコテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200508シロジュウシホシテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_117400s.jpg|250px|thumb|right|シロジュウシホシテントウの成虫.キジラミ類を捕食する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)|link=シロジュウシホシテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200527アミダテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_120762s.jpg|250px|thumb|right|アミダテントウの成虫.[[アオバハゴロモ_広島大学東広島キャンパス|アオバハゴロモ]]の幼虫を食べるとされる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 27, 2020)|link=アミダテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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ザトウムシとハエトリグモの仲間です.これらのザトウムシは湿度の高い林床などで見られます.[[ニホンアカザトウムシ_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカザトウムシ]]と[[オオアカザトウムシ_広島大学東広島キャンパス|オオアカザトウムシ]]は触肢が鎌状になっている特徴的なザトウムシで,後者の方が大型で,触肢脛節の形状が異なります.[[マメザトウムシ_広島大学東広島キャンパス|マメザトウムシ]]は苔むした倒木上などを歩き回ります.
 
[[カタオカハエトリ_広島大学東広島キャンパス|カタオカハエトリ]]は乾いた裸地などで見られ,[[ヤマトシロアリ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトシロアリ]]の生殖虫を捕食している姿を観察することができました.[[ヤサアリグモ_広島大学東広島キャンパス|ヤサアリグモ]]は[[アリグモ_広島大学東広島キャンパス|アリグモ]]より小型のハエトリグモで,林床の草木の上などに見られます.
 
 
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|[[ファイル: 20200505ニホンアカザトウムシ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_116585s.jpg|250px|thumb|right|ニホンアカザトウムシ(成体).触肢脛節にトゲはほとんどない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)|link=ニホンアカザトウムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200505オオアカザトウムシ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_116525s.jpg|250px|thumb|right|オオアカザトウムシ(成体).触肢脛節にトゲが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)|link=オオアカザトウムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200526マメザトウムシ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_120609s.jpg|250px|thumb|right|マメザトウムシ(成体).小さいザトウムシ類で、眼丘が発達している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 26, 2020)|link=マメザトウムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200504カタオカハエトリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_116082s.jpg|250px|thumb|right|カタオカハエトリの成体(オス).[[ヤマトシロアリ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトシロアリ]]の生殖虫を捕食している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=カタオカハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200530ヤサアリグモ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_125063s.jpg|250px|thumb|right|ヤサアリグモの成体(オス).上顎を開いている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 30, 2020)|link=ヤサアリグモ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200505キノボリトタテグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_116473s.jpg|250px|thumb|right|巣穴から体を出すキノボリトタテグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)|link=キノボリトタテグモ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
そのほかの甲虫類です.
 
 
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|[[ファイル: 20200521スキバジンガサハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_118403s.jpg|250px|thumb|right|スキバジンガサハムシの成虫.[[ヒルガオ]]の葉上で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 21, 2020)|link=スキバジンガサハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200508エゴツルクビオトシブミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_117533s.jpg|250px|thumb|right|エゴツルクビオトシブミの成虫(オス).オスは首が長い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 8, 2020)|link=エゴツルクビオトシブミ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200523アシナガオトシブミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_120138s.jpg|250px|thumb|right|アシナガオトシブミの成虫(メス).[[コナラ]]や[[アベマキ]]の葉でゆりかごを作る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 23, 2020)|link=アシナガオトシブミ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200505ミヤマオビオオキノコムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_116462s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のミヤマオビオオキノコムシ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 5, 2020)|link=ミヤマオビオオキノコムシ]]
 
|[[ファイル: 20200522シロテンハナムグリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_119227s.jpg|250px|thumb|right|シロテンハナムグリの成虫.赤みが強い個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 22, 2020)|link=シロテンハナムグリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200504オオゾウムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_116233s.jpg|250px|thumb|right|オオゾウムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 4, 2020)|link=オオゾウムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
===4月===
 
*2020.04.29-30 ががら山で[[センダイムシクイ]],[[エゾムシクイ]],[[アオゲラ]]を観察することができました.[[センダイムシクイ]]と[[エゾムシクイ]]は形態がよく似ており見た目だけでの識別は困難ですが,前者は「チヨチヨビー」と囀り,「焼酎一杯ぐいー」と聞きなしされます。後者は「ヒーツーキー,ヒーツーキー」と囀り,「日、月」と聞きなしされます.[[アオゲラ]]は「キョッ,キョッ」と鳴いたり,繁殖期には「ピョー,ピョー」と大きい声で鳴くので目立ちます.
 
 
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|[[ファイル: 20200429センダイムシクイオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_113199s.jpg|250px|thumb|right|センダイムシクイ(オス).チヨチヨビーと囀る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200430エゾムシクイオス_東広島市鏡山_南葉撮影IMG_114258s.jpg|250px|thumb|right|エゾムシクイ(オス).ヒーツーキー,ヒーツーキーと囀る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200430アオゲラメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_114097s.jpg|200px|thumb|right|アオゲラ(メス).メスは赤い羽毛が後頭部にのみ生じる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)|link=アオゲラ]]
 
|}
 
 
開けた地面や林道では[[ハンミョウ_広島大学東広島キャンパス|ハンミョウ]]や[[ニワハンミョウ_広島大学東広島キャンパス|ニワハンミョウ]]が駆け回っています.人の気配を察知すると飛翔して前方へ逃げるので,「ミチオシエ」の名があります.また,広葉樹の若葉を見ていると筒状に巻かれた葉っぱが目につくことがありますが,それらはオトシブミやチョッキリゾウムシと呼ばれる昆虫のしわざです.これらの虫はメスが葉っぱを丁寧に巻いて,その中に産卵します.今回は[[ファウストハマキチョッキリ_広島大学東広島キャンパス|ファウストハマキチョッキリ]]と[[ヒゲナガオトシブミ_広島大学東広島キャンパス|ヒゲナガオトシブミ]]を観察することができました.また,体から鹿の角のような突起が伸びる[[クロモンキリバエダシャク_広島大学東広島キャンパス|クロモンキリバエダシャク]]や自分の抜け殻をトーテムポールのように頭部に積み重ねる[[リンゴコブガ_広島大学東広島キャンパス|リンゴコブガ]]の幼虫など,変わったイモムシを観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200429ハンミョウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_113565s.jpg|200px|thumb|right|ハンミョウの成虫(オス).脚にはダニが寄生している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)|link=ハンミョウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200430ニワハンミョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_114275s.jpg|250px|thumb|right|ニワハンミョウの成虫.鞘翅の縁や脚は赤く輝く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)|link=ニワハンミョウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200430ファウストハマキチョッキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_113963s.jpg|200px|thumb|right|ゆりかごを作るファウストハマキチョッキリの成虫(メス).2,3枚の[[コナラ]]の葉を脚や口吻を用いて綴じ合わせていく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 30, 2020)|link=ファウストハマキチョッキリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200429ヒゲナガオトシブミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_113362s.jpg|250px|thumb|right|ヒゲナガオトシブミの成虫(メス).[[コブシ]]などを産卵床にする.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)|link=ヒゲナガオトシブミ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200429クロモンキリバエダシャク幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_113026s.jpg|250px|thumb|right|クロモンキリバエダシャクの幼虫.一対の突起が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)|link=クロモンキリバエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200429リンゴコブガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_113542s.jpg|200px|thumb|right|正面から見たリンゴコブガの幼虫.頭部脱皮殻を頭上に積み重ねるという奇妙な生態をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 29, 2020)]]
 
|}
 
 
*4月に見られた野鳥です.上旬は[[カワラヒワ]]や[[ウグイス]]がよく囀っていました.また,[[キジ]]の「ほろうち」を耳にすることもありました.中旬から下旬にかけてはががら山を中心に夏鳥を観察することができました.主に囀りを聞くことができるのは[[コマドリ]],[[オオルリ]],[[ヤブサメ]],[[キビタキ]]です.外来種である[[コジュケイ]]の声もしばしば確認されています.[[ツバメ]]や[[コシアカツバメ]]も訪れています.
 
 
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|[[ファイル: 20200426オオルリオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112859s.jpg|250px|thumb|right|オオルリ(オス).キャンパス内では個体数が少なく,観察する機会は少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2020)|link=オオルリ]]
 
|[[ファイル: 20200426キビタキオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112843s.jpg|250px|thumb|right|キビタキ(オス).東広島キャンパスでは人の往来が多いエリアでも観察することができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2020)|link=キビタキ]]
 
|[[ファイル: 20200419ヤブサメオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_110569s.jpg|250px|thumb|right|囀るヤブサメ(オス).「シシシシシシ…」と大変高い音で囀る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)|link=ヤブサメ]]
 
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|[[ファイル: 20200419コサメビタキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111017s.jpg|250px|thumb|right|コサメビタキ.東広島キャンパスでは春・秋に渡り途中の個体を観察することができる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)|link=コサメビタキ]]
 
|[[ファイル: 20200416キジオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_110080s.jpg|250px|thumb|right|キジ(オス).繁殖期には肉垂(顔を覆う赤い肉質の塊)が発達する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)|link=トウカイキジ]]
 
|[[ファイル: 20200425エナガ幼鳥_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112716s.jpg|250px|thumb|right|エナガ(幼鳥).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)|link=エナガ]]
 
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|[[ファイル: 20200424カワラヒワ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111692s.jpg|250px|thumb|right|カワラヒワの親子(左:成鳥,右:幼鳥).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)|link=カワラヒワ]]
 
|[[ファイル: 20200409メジロ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_107927s.jpg|250px|thumb|right|桜の花の蜜を吸うメジロ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 9, 2020)|link=メジロ]]
 
|[[ファイル: 20200411ウグイス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_118680s.jpg|250px|thumb|right|虫を食べるウグイス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 11, 2020)|link=ウグイス]]
 
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|[[ファイル: 20200409ツバメ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_107965s.jpg|250px|thumb|right|ツバメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 9, 2020)|link=ツバメ]]
 
|[[ファイル: 20200421コシアカツバメ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111468s.jpg|250px|thumb|right|コシアカツバメ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2020)|link=コシアカツバメ]]
 
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4月に観察されたヘビです.[[シマヘビ]]は東広島キャンパスでは個体数が多く,縞模様が目立たない個体も見られました.
 
 
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|[[ファイル: 20200415アオダイショウ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_109758s.jpg|250px|thumb|right|アオダイショウの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 15, 2020)|link=アオダイショウ]]
 
|[[ファイル: 20200409シマヘビ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_108056s.jpg|250px|thumb|right|シマヘビ(成蛇).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 9, 2020)|link=シマヘビ]]
 
|[[ファイル: 20200419シマヘビ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111194s.jpg|250px|thumb|right|シマヘビ(成蛇).縞模様が目立たない個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)|link=シマヘビ]]
 
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4月に見られたトンボです.[[オツネントンボ_広島大学東広島キャンパス|オツネントンボ]]や[[ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス|ホソミオツネントンボ]]は成虫で越冬するトンボです.後者は春になると体色が青くなります.[[トラフトンボ_広島大学東広島キャンパス|トラフトンボ]]や[[シオヤトンボ_広島大学東広島キャンパス|シオヤトンボ]],[[フタスジサナエ_広島大学東広島キャンパス|フタスジサナエ]],[[アサヒナカワトンボ_広島大学東広島キャンパス|アサヒナカワトンボ]]は春に出現するトンボで,いずれも東広島キャンパスではよく見られます.
 
 
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|[[ファイル: 20200416オツネントンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_109953s.jpg|250px|thumb|right|オツネントンボの成虫(オス).複眼がわずかに青みがかっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)|link=オツネントンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200408ホソミオツネントンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_107252s.jpg|250px|thumb|right|ホソミオツネントンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 8, 2020)|link=ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200416トラフトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_110068s.jpg|250px|thumb|right|トラフトンボの成虫(オス).羽化してから日が浅い(テネラル)ため,体色が薄い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)|link=トラフトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200419シオヤトンボ成虫未成熟メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111002s.jpg|250px|thumb|right|シオヤトンボの成虫(未成熟メス).羽化後間もない内は雌雄ともに体色が黄色いので,腹部末端を見て識別するのがよい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)|link=シオヤトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200424アサヒナカワトンボ成虫無色翅型オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112091s.jpg|250px|thumb|right|アサヒナカワトンボの成虫(無色翅型オス).山中谷川に生息している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)|link=アサヒナカワトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200424フタスジサナエ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112256s.jpg|250px|thumb|right|フタスジサナエ成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)|link=フタスジサナエ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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4月に見られた,湿地や沢の周辺で見られる小さい生き物です.[[ナミウズムシ_広島大学東広島キャンパス|ナミウズムシ]]はいわゆるプラナリアで,[[サワガニ]]同様「きれいな水」の指標生物とされています.[[Spherillo sp._広島大学東広島キャンパス|コシビロダンゴムシ]]の仲間は,明治時代頃に帰化したと考えられている[[オカダンゴムシ_広島大学東広島キャンパス|オカダンゴムシ]]とは異なり在来種であり,湿度の高い林床などで見られます.[[エサキヒメコシボソガガンボ_広島大学東広島キャンパス|エサキヒメコシボソガガンボ]]は脚が白と黒の斑状になっており,脚を広げてふわふわと飛び回ります.
 
 
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|[[ファイル: 20200421ナミウズムシ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111601s.jpg|250px|thumb|right|ナミウズムシ.東広島キャンパスでは山中谷川の石などをめくると見つけられる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200421Spherillo_sp._東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111622s.jpg|250px|thumb|right| Spherillo sp.シッコクコシビロダンゴムシと呼ばれている種類で,在来種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 21, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200419エサキヒメコシボソガガンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111285s.jpg|250px|thumb|right|エサキヒメコシボソガガンボの成虫.湿地などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)]]
 
|}
 
 
4月に見られたチョウです.[[トラフシジミ_広島大学東広島キャンパス|トラフシジミ]]は[[コツバメ_広島大学東広島キャンパス|コツバメ]]より少し遅れて出現するシジミチョウで,東広島キャンパスでは[[ウツギ]]の咲く頃によく見られます.[[コミスジ_広島大学東広島キャンパス|コミスジ]]は山道などをひらひらと舞い,翅を広げてとまります.越冬から覚めた[[クロコノマチョウ_広島大学東広島キャンパス|クロコノマチョウ]]も[[生態実験園]]の林床をさかんに飛んでいます.
 
 
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|[[ファイル: 20200425トラフシジミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112404s.jpg|250px|thumb|right|トラフシジミの成虫.翅表は角度によって鮮やかに輝く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)|link=トラフシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200425コミスジ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112564s.jpg|250px|thumb|right|コミスジの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)|link=コミスジ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200416クロコノマチョウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_110348s.jpg|200px|thumb|right|林床のクロコノマチョウの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 16, 2020)|link=クロコノマチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
4月に見られた好蟻性昆虫とアリです.[[トガリムネトゲアリヅカムシ_広島大学東広島キャンパス|トガリムネトゲアリヅカムシ]]は主にヤマアリ類の巣で見られ,西日本では普通に見られるアリヅカムシとされています.[[サトアリヅカコオロギ_広島大学東広島キャンパス|サトアリヅカコオロギ]]は[[トビイロシワアリ_広島大学東広島キャンパス|トビイロシワアリ]]の巣で見られ,アリの幼虫や卵などを食べるとされています.[[ミカドオオアリ_広島大学東広島キャンパス|ミカドオオアリ]]は光沢の強いオオアリの仲間で,夜活動することが多いです.
 
 
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|[[ファイル: 20200410トガリムネトゲアリヅカムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_108186s.jpg|250px|thumb|right|トガリムネトゲアリヅカムシの成虫.[[ハヤシクロヤマアリ_広島大学東広島キャンパス|ハヤシクロヤマアリ]]の巣の内部で見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 10, 2020)|link=トガリムネトゲアリヅカムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200424サトアリヅカコオロギ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112362s.jpg|250px|thumb|right|サトアリヅカコオロギ.[[トビイロシワアリ_広島大学東広島キャンパス|トビイロシワアリ]]の巣に特異的に寄生する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)|link=サトアリヅカコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200419ミカドオオアリ働きアリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111148s.jpg|200px|thumb|right|ミカドオオアリ(働きアリ).薄暗い林の中では日中でも活動していることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 19, 2020)]]
 
|}
 
 
[[コナラ]]やクワ,桜などの若葉が芽吹く時期には,それらを餌としたり,産卵床とする昆虫が現れます.[[ナナフシモドキ_広島大学東広島キャンパス|ナナフシモドキ]]や[[ムシクソハムシ_広島大学東広島キャンパス|ムシクソハムシ]],[[ヨツモンクロツツハムシ_広島大学東広島キャンパス|ヨツモンクロツツハムシ]]は[[コナラ]]の葉を食べます,[[セモンジンガサハムシ_広島大学東広島キャンパス|セモンジンガサハムシ]]はサクラの葉を食べ,[[クワコ_広島大学東広島キャンパス|クワコ]]はクワの葉を食べます.[[モモチョッキリ_広島大学東広島キャンパス|モモチョッキリ]]はウメやモモの実に穴を穿ち,その中に産卵します.
 
 
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|[[ファイル: 20200425ナナフシモドキ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112629s.jpg|250px|thumb|right|ナナフシモドキの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)|link=ナナフシモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200424ムシクソハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_111803s.jpg|250px|thumb|right|ムシクソハムシの成虫.イモムシの糞のように見えるものが本種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)|link=ムシクソハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200426ヨツモンクロツツハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112908s.jpg|250px|thumb|right|ヨツモンクロツツハムシの成虫.クリや[[コナラ]]の若葉の上でよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 26, 2020)|link=ヨツモンクロツツハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|-
 
|[[ファイル: 20200425セモンジンガサハムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112674s.jpg|250px|thumb|right| セモンジンガサハムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 25, 2020)|link=セモンジンガサハムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200424クワコ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112064s.jpg|250px|thumb|right|クワコの幼虫.初齢幼虫には毛がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)|link=クワコ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200424モモチョッキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_112264s.jpg|250px|thumb|right|モモチョッキリ.ウメの実に開いた穴は本種によるもの.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Apr. 24, 2020)|link=モモチョッキリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
===3月===
 
*2020.03.23-30 東広島キャンパスでは[[イボタガ_広島大学東広島キャンパス|イボタガ]]や[[エゾヨツメ_広島大学東広島キャンパス|エゾヨツメ]]などの大型の春蛾が出現しています.前者は特に個体数が多く,夜に灯火に飛来する姿がよく見られます.また,[[ノブドウ]]や[[ツタ]]を食草とする[[トビイロトラガ_広島大学東広島キャンパス|トビイロトラガ]]も見られました.
 
 
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|[[ファイル: 20200330イボタガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_106117s.jpg|250px|thumb|right|イボタガの成虫.英名の「owl moth」が指すように,独特の模様はフクロウに似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 30, 2020)|link=イボタガ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200329エゾヨツメ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105864s.jpg|250px|thumb|right|エゾヨツメの成虫(オス).後翅の青い眼状紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 29, 2020)|link=エゾヨツメ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200323トビイロトラガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105139s.jpg|250px|thumb|right|トビイロトラガの成虫.後翅は鮮やかな黄色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 23, 2020)]]
 
|}
 
 
キャンパスでは[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]に続いて[[トノサマガエル_広島大学東広島キャンパス|トノサマガエル]]の繁殖期が始まろうとしています.[[トノサマガエル_広島大学東広島キャンパス|トノサマガエル]]は一昨年から[[生態実験園]]での繁殖が確認されています.また,[[アキサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス|アキサンショウウオ]]の幼生が孵化しています.
 
 
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|[[ファイル: 20200327シュレーゲルアオガエル抱接_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105791s.jpg|250px|thumb|right|抱接中のシュレーゲルアオガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 27, 2020)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200330トノサマガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105921s.jpg|250px|thumb|right|トノサマガエルの成体(オス).成熟したオスは繁殖期に体が黄土色になる(婚姻色).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 30, 2020)|link=トノサマガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200327アキサンショウウオ幼生_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105787s.jpg|250px|thumb|right|孵化してから日が浅いアキサンショウウオの幼生.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 27, 2020)|link=アキサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
晴れた日中には越冬明けの[[ルリタテハ_広島大学東広島キャンパス|ルリタテハ]]や[[ヒオドシチョウ_広島大学東広島キャンパス|ヒオドシチョウ]]などのタテハチョウやスプリング・エフェメラルの[[コツバメ_広島大学東広島キャンパス|コツバメ]]などを観察することができます.
 
 
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|[[ファイル: 20200324ヒオドシチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105627s.jpg|250px|thumb|right|テリトリーを張るヒオドシチョウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 24, 2020)|link=ヒオドシチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200325ルリタテハ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105747s.jpg|250px|thumb|right|[[アセビ]]の花から吸蜜するルリタテハの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)|link=ルリタテハ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200324コツバメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105156s.jpg|250px|thumb|right|コツバメの成虫.春のわずかな間だけ見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 24, 2020)|link=コツバメ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
ため池のほとりで[[ツグミ|ハチジョウツグミ]]を,上空を[[ミサゴ]]が滑空するのを観察することができました.また,[[ニホントカゲ]]もよく見られます.
 
 
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|[[ファイル: 20200325ハチジョウツグミ_東広島市鏡山_南葉撮影_MG_105610s.jpg|250px|thumb|right|ハチジョウツグミ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)|link=ツグミ]]
 
|[[ファイル: 20200325ミサゴ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105625s.jpg|250px|thumb|right|ミサゴ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)|link=ミサゴ]]
 
|[[ファイル: 20200325ニホントカゲ幼体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105714s.jpg|250px|thumb|right|ニホントカゲの幼体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 25, 2020)|link=ニホントカゲ]]
 
|}
 
 
*2020.03.08-13 広島県の準絶滅危惧種に指定されている[[カンムリセスジゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス|カンムリセスジゲンゴロウ]]を観察することができました.5mmほどの小さいゲンゴロウで,今にも干上がりそうな湿地に現れます.[[ハスオビエダシャク_広島大学東広島キャンパス|ハスオビエダシャク]]や[[ヒロバトガリエダシャク_広島大学東広島キャンパス|ヒロバトガリエダシャク]]は春に出現するエダシャクです.
 
 
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|[[ファイル: 20200313カンムリセスジゲンゴロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103864s.jpg|250px|thumb|right|カンムリセスジゲンゴロウの成虫.不安定な水場に現れる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)|link=カンムリセスジゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200313ハスオビエダシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103882s.jpg|250px|thumb|right|ハスオビエダシャクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200312ヒロバトガリエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103679s.jpg|250px|thumb|right|ヒロバトガリエダシャクの成虫(オス).メスに比べて有色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 12, 2020)]]
 
|}
 
 
[[生態実験園]]や[[ふれあいビオトープ]]で[[シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス|シュレーゲルアオガエル]]が鳴いています.オスは穴を掘ってその中に潜むため姿を観察しにくいです.その他[[アカハライモリ]]や[[アキサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス|アキサンショウウオ]]が見られました.[[アカハライモリ]]は[[アメリカザリガニ_広島大学東広島キャンパス|アメリカザリガニ]]の影響を大きく受けており,個体数が減っています.また,[[ニホンカナヘビ]]や[[ニホントカゲ]]が活動していました.
 
 
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|[[ファイル: 20200309シュレーゲルアオガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102195s.jpg|250px|thumb|right|シュレーゲルアオガエルの成体(オス).環境に応じて体色を変化させる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200308アカハライモリ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101890s.jpg|250px|thumb|right|アカハライモリの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 8, 2020)|link=アカハライモリ]]
 
|[[ファイル: 20200308アキサンショウウオ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101930s.jpg|250px|thumb|right|アキサンショウウオの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 8, 2020)|link=アキサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200311ニホンカナヘビ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102476s.jpg|250px|thumb|right|ニホンカナヘビの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 11, 2020)|link=ニホンカナヘビ]]
 
|[[ファイル: 20200312ニホントカゲ幼体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102581s.jpg|250px|thumb|right|ニホントカゲの幼体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 12, 2020)|link=ニホントカゲ]]
 
|[[ファイル: 20200309シュレーゲルアオガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102198s.jpg|250px|thumb|right|シュレーゲルアオガエルの成体(オス).繁殖期のオスは喉が黒くなる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)|link=シュレーゲルアオガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
[[ぶどう池]]で[[ヒクイナ]]を,[[発見の小径]]で[[ミヤマホオジロ]]を観察することができました.[[ヒクイナ]]は広島県で絶滅危惧II類に指定されています.[[ハヤブサ]]が建物で休む姿も見られました.
 
 
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|[[ファイル: 20200309ヒクイナ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102163s.jpg|250px|thumb|right|ヒクイナ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200311ミヤマホオジロオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102308s.jpg|250px|thumb|right|ミヤマホオジロ(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 11, 2020)|link=ミヤマホオジロ]]
 
|[[ファイル: 20200313ハヤブサ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103843s.jpg|250px|thumb|right|建物にとまるハヤブサ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)]]
 
|}
 
 
成虫越冬していた昆虫や,春に孵化または羽化する昆虫を観察することができました.主にスプリング・エフェメラルの一つである[[ビロードツリアブ_広島大学東広島キャンパス|ビロードツリアブ]]や翅表に美しい光沢をもつ[[ムラサキシジミ_広島大学東広島キャンパス|ムラサキシジミ]],[[ルリタテハ_広島大学東広島キャンパス|ルリタテハ]],[[ナナホシテントウ_広島大学東広島キャンパス|ナナホシテントウ]]などが見られます.また,早くも[[オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス|オオカマキリ]]の幼虫が孵化していたり,[[キアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス|キアシナガバチ]]の女王が飛び回っていたりします.
 
 
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|[[ファイル: 20200312ビロードツリアブ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_DSC_0881s.jpg|250px|thumb|right|ビロードツリアブの成虫(オス).オスは複眼同士が接する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩崎元道, Mar. 12, 2020)|link=ビロードツリアブ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200312ムラサキシジミ成虫オス_東広島市鏡山_岩崎撮影_DSC_0889s.jpg|250px|thumb|right|ムラサキシジミの成虫(オス).メスに比べて有色部が広い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩崎元道, Mar. 12, 2020)|link=ムラサキシジミ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200309ルリタテハ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102073s.jpg|250px|thumb|right|ルリタテハの成虫.見晴らしのよい場所で翅を広げて静止する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 9, 2020)|link=ルリタテハ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200313ナナホシテントウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103707s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のナナホシテントウ.オスは精子を渡す際に体を左右に震わせる(ボディシェイキング).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)|link=ナナホシテントウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200311オオカマキリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102412s.jpg|250px|thumb|right|オオカマキリの幼虫.通常東広島キャンパスでの孵化期は4~5月である.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 11, 2020)|link=オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200313キアシナガバチ女王_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103703s.jpg|250px|thumb|right|越冬から覚めたキアシナガバチ(女王).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 13, 2020)|link=キアシナガバチ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
===2月===
 
*2020.02.22-28 [[生態実験園]]で[[カワセミ]]を観察することができました.今回観察した個体は嘴の下が黒いのでオスのようです.[[エナガ]]や[[キクイタダキ]],[[アカゲラ]]も現れました.
 
 
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|[[ファイル: 20200223カワセミオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_106113s.jpg|250px|thumb|right|カワセミのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 23, 2020)|link=カワセミ]]
 
|[[ファイル: 20200226エナガ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100529s.jpg|250px|thumb|right|エナガ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 26, 2020)|link=エナガ]]
 
|[[ファイル: 20200224キクイタダキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100085s.jpg|250px|thumb|right|[[ネズ]]にとまるキクイタダキ.名前の由来となった黄色の冠羽が見える.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)|link=キクイタダキ]]
 
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|[[ファイル: 20200223アカゲラ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_106127s.jpg|200px|thumb|right|[[アカマツ]]の立ち枯れをつつくアカゲラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 23, 2020)]]
 
|}
 
 
東広島キャンパスでは春を告げる虫が出現しています.[[トビモンオオエダシャク_広島大学東広島キャンパス|トビモンオオエダシャク]]に似た[[チャオビトビモンエダシャク_広島大学東広島キャンパス|チャオビトビモンエダシャク]]は愛好家から珍種として扱われており,トビモンオオに比べると小型です.[[ギフダイミョウガガンボ_広島大学東広島キャンパス|ギフダイミョウガガンボ]]は翅の模様が美しく,類似種が複数存在することが知られています.
 
越冬から覚めた虫も見られ,[[ネコハエトリ_広島大学東広島キャンパス|ネコハエトリ]]が[[ぶどう池]]の手すりで活動していたり,[[ヨコヅナサシガメ_広島大学東広島キャンパス|ヨコヅナサシガメ]]が[[アカマツ]]の樹皮上を歩いていたりしました.
 
 
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|[[ファイル: 20200226チャオビトビモンエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101078s.jpg|250px|thumb|right|チャオビトビモンエダシャクの成虫(オス).静止時は[[トビモンオオエダシャク_広島大学東広島キャンパス|トビモンオオエダシャク]]ほど翅が横に広がらない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 26, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200227トビモンオオエダシャク成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101158s.jpg|250px|thumb|right|トビモンオオエダシャクの成虫(メス).オスに比べると大型で翅の模様が不明瞭.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 27, 2020)|link=トビモンオオエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200226ギフダイミョウガガンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100679s.jpg|250px|thumb|right|ギフダイミョウガガンボの成虫.春と秋の二度に渡り,短い期間出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 26, 2020)]]
 
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|[[ファイル: 20200224ネコハエトリ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100149s.jpg|250px|thumb|right|カニグモの仲間を捕食するネコハエトリの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)|link=ネコハエトリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200224ヨコヅナサシガメ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100168s.jpg|250px|thumb|right|越冬明けのヨコヅナサシガメの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)]]
 
|}
 
 
東広島キャンパスの夜では野生動物が活動している姿が見られます.[[ホンドギツネ]]が採餌する姿や[[ヤマシギ]]がテニスコートの周辺を歩きまわる姿を観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200227ホンドギツネ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101182s.jpg|250px|thumb|right|東広島キャンパスのホンドギツネ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 27, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200227ヤマシギ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101174s.jpg|250px|thumb|right|ヤマシギ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 27, 2020)]]
 
|}
 
 
[[カクレミノ]]や[[タラノキ]]などウコギ科の枝には越冬中の[[タテジマカミキリ_広島大学東広島キャンパス|タテジマカミキリ]]が掴まっていることがあります.[[タテジマカミキリ_広島大学東広島キャンパス|タテジマカミキリ]]はウコギ科の枝を齧って削り,その凹みに身を寄せて擬態します.[[キンヒバリ_広島大学東広島キャンパス|キンヒバリ]]は湿地に見られ,幼虫で越冬して春に成虫になります.[[トサカグンバイ_広島大学東広島キャンパス|トサカグンバイ]]は[[アセビ]]の葉裏で越冬しており,胸部が大きく盛り上がるのが特徴です.
 
 
{|
 
|[[ファイル: 20200224タテジマカミキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100065s.jpg|250px|thumb|right|タテジマカミキリの成虫.触角を真っ直ぐ伸ばし,枝の一部に溶け込んでいる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)|link=エタテジマカミキリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200222キンヒバリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105827s.jpg|250px|thumb|right|キンヒバリの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 22, 2020)|link=キンヒバリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200219トサカグンバイ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105150s.jpg|250px|thumb|right|トサカグンバイの成虫.冬は[[アセビ]]の葉裏でよく見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 19, 2020)]]
 
|}
 
 
[[クロテンフユシャク_広島大学東広島キャンパス|クロテンフユシャク]]と[[ホソウスバフユシャク_広島大学東広島キャンパス|ホソウスバフユシャク]]の交尾態を観察することができました.学内で観察可能なフユシャク亜科のInurois属は全種ががら山で観察することができます.また,[[クロガネモチ]]の葉には[[シンジュサン_広島大学東広島キャンパス|シンジュサン]]の繭を確認することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200224クロテンフユシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100481s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のクロテンフユシャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)|link=クロテンフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200223ホソウスバフユシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_106192s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のホソウスバフユシャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 23, 2020)|link=ホソウスバフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200224シンジュサン繭_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100181s.jpg|250px|thumb|right|シンジュサンの繭.常緑樹の葉や枯葉を合わせてその中に繭をつくるのが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 24, 2020)|link=シンジュサン_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
*2020.02.18-21 東広島キャンパスで新たに[[ハヤブサ]]の幼鳥を観察することができました.先週紹介した成鳥は体の下面に密な黒い横縞模様が並びます.一方,幼鳥は体の下面に黒い縦縞模様が並びます.その他[[ノスリ]]や[[コゲラ]]などを観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200221ハヤブサ幼鳥_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105647s.jpg|250px|thumb|right|ハヤブサの幼鳥.幼鳥は胸の模様が縦斑.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 21, 2020)|link=ハヤブサ]]
 
|[[ファイル: 20200218ノスリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_104937s.jpg|250px|thumb|right|飛翔中のノスリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 18, 2020)|link=ノスリ]]
 
|[[ファイル: 20200220コゲラ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105369s.jpg|250px|thumb|right|コゲラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 20, 2020)|link=コゲラ]]
 
|}
 
 
早春の蛾が次々と出現しています.[[トビモンオオエダシャク_広島大学東広島キャンパス|トビモンオオエダシャク]]は大型のシャクガで,オスは紫がかった褐色の翅が特徴です.[[シロテンエダシャク_広島大学東広島キャンパス|シロテンエダシャク]]や[[クロモンキリバエダシャク_広島大学東広島キャンパス|クロモンキリバエダシャク]]なども早春のエダシャクで,大学ではいずれも個体数が多いです.
 
冬尺蛾も晩冬~初春の種として,[[シロフフユエダシャク_広島大学東広島キャンパス|シロフフユエダシャク]]や[[ホソウスバフユシャク_広島大学東広島キャンパス|ホソウスバフユシャク]],冬夜蛾では[[スモモキリガ_広島大学東広島キャンパス|スモモキリガ]]も見られます.
 
 
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|[[ファイル: 20200221トビモンオオエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105531s.jpg|250px|thumb|right|トビモンオオエダシャクの成虫(オス).春先に出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 21, 2020)|link=トビモンオオエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200219シロテンエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105218s.jpg|250px|thumb|right|シロテンエダシャクの成虫(オス).学内の山林では非常に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 19, 2020)|link=シロテンエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200219クロモンキリバエダシャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105159s.jpg|250px|thumb|right|クロモンキリバエダシャクの成虫.特徴的な黒斑が並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 19, 2020)|link=クロモンキリバエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|-
 
|[[ファイル: 20200221シロフフユエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105750s.jpg|250px|thumb|right|シロフフユエダシャクの成虫(オス).ブナ科植物が多い雑木林で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 21, 2020)|link=シロフフユエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200219ホソウスバフユシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105212s.jpg|250px|thumb|right|ホソウスバフユシャクの成虫(オス).斑紋が不明瞭な個体が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 19, 2020)|link=ホソウスバフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200220スモモキリガ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_105512s.jpg|250px|thumb|right|スモモキリガの成虫.クリーム色で翅の端の方に黒斑が並ぶ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 20, 2020)]]
 
|}
 
 
*2020.02.10-14 東広島キャンパスでは今季,大規模な[[ツグミ]]の群れが渡ってきており,山中池~[[生態実験園]]にて移動中の群れを見ることができます.また,そのような[[ツグミ]]を狙ってか,山中池では多くの猛禽類が現れます.主な種類は[[ノスリ]]と[[ハイタカ]]ですが,最近ではキャンパス初記録となる[[ハヤブサ]]の姿が見られます.[[ハヤブサ]]は上昇した後,高速で水平飛行をしたり,急降下したりして獲物を追い詰めます.他には留鳥の[[カワウ]]や冬鳥の[[シロハラ]]を観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200211ハヤブサ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103866s.jpg|250px|thumb|right|ハヤブサ.頬に太い黒斑があることが特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 11, 2020)|link=ハヤブサ]]
 
|[[ファイル: 20200214カワウ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_104627s.jpg|250px|thumb|right|カワウ.頭部が白く変化している(婚姻色).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 14, 2020)|link=カワウ]]
 
|[[ファイル: 20200211シロハラ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_104156s.jpg|250px|thumb|right|枝にとまるシロハラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 11, 2020)|link=シロハラ]]
 
|}
 
 
ががら山で[[コミミズク_広島大学東広島キャンパス|コミミズク]]が越冬している姿を観察することができました.[[コミミズク_広島大学東広島キャンパス|コミミズク]]はヨコバイ科の昆虫で,扁平で細長い体が特徴です.幼虫は[[コナラ]]やハンノキ類などの冬芽の付け根に密着して越冬します.また,一時的な暖かさのせいか早春に見られる昆虫が見られました.[[テングチョウ_広島大学東広島キャンパス|テングチョウ]]は成虫で越冬し,春には目覚めた本種が林道を飛翔する姿が見られます.[[オカモトトゲエダシャク_広島大学東広島キャンパス|オカモトトゲエダシャク]]は春を告げる蛾で,静止するときは翅を折り畳むので「T」字の独特な見た目になります.
 
 
{|
 
|[[ファイル: 20200210コミミズク幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103516s.jpg|250px|thumb|right|コミミズクの幼虫.[[コナラ]]などの枝先に密着し,越冬する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 10, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200211テングチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103698s.jpg|250px|thumb|right|テングチョウの成虫.春先,晴れて暖かい日には活動している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 11, 2020)|link=テングチョウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200213オカモトトゲエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_104546s.jpg|250px|thumb|right|オカモトトゲエダシャクの成虫(オス).翅を折り畳んで静止する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 13, 2020)|link=オカモトトゲエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
*2020.02.03-09 東広島キャンパスでは,現在レンジャク科の[[ヒレンジャク]]と、少数の[[キレンジャク]]を観察することができます.両種は混群を形成しており,飛翔時に「ヒーヒー」,「ピリリリリ」と高い声で鳴くのが特徴です.キャンパスでは主に熟れた柿の実を食べる姿がよく見られ,[[ツグミ]]や[[ヒヨドリ]],[[ハシボソガラス]],[[メジロ]]も柿に集まってきます.[[キジバト]]は枝で休む様子を観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200209ヒレンジャク_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103312s2.jpg|250px|thumb|right|ヒレンジャク.赤い矢印が指す黒い模様(過眼線)は冠羽の後ろまで到達する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2020)|link=ヒレンジャク]]
 
|[[ファイル: 20200209ヒレンジャク_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103210s.jpg|250px|thumb|right|熟れた柿を食べに飛来したヒレンジャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2020)|link=ヒレンジャク]]
 
|[[ファイル: 20200208キレンジャク_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103024s2.jpg|250px|thumb|right|熟れた柿を食べに飛来したキレンジャク.尾羽の先が黄色い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2020)]]
 
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|[[ファイル: 20200208ツグミ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103071s.jpg|250px|thumb|right|柿の枝にとまるツグミ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2020)|link=ツグミ]]
 
|[[ファイル: 20200209ヒヨドリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_103126s.jpg|250px|thumb|right|熟れた柿を食べるヒヨドリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 9, 2020)|link=ヒヨドリ]]
 
|[[ファイル: 20200207ハシボソガラス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102933s.jpg|250px|thumb|right|柿のヘタを咥えて投げ捨てるハシボソガラス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 7, 2020)|link=ハシボソガラス]]
 
|-
 
|[[ファイル: 20200207メジロ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102823s.jpg|250px|thumb|right|熟れた柿を食べに現れたメジロ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 7, 2020)|link=メジロ]]
 
|[[ファイル: 20200208キジバト_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102970s.jpg|250px|thumb|right|喉を膨らませ「デーデー ポッポー」と鳴くキジバト.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 8, 2020)|link=キジバト]]
 
|}
 
 
成虫で越冬するクサカゲロウ類を灯火や看板で観察することができました.[[アミメクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|アミメクサカゲロウ]]はクサカゲロウ科でも大型の種で,常緑樹の葉裏などで見られます.[[ヤマトクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトクサカゲロウ]]と[[スズキクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|スズキクサカゲロウ]]は姿形がよく似た種ですが,[[ヤマトクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトクサカゲロウ]]の越冬型は体が淡褐色になり,[[スズキクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス|スズキクサカゲロウ]]は冬も緑色をしています.また,クサカゲロウ類は頭部の黒斑の形状が種ごとに異なり,そこが同定のポイントになります.
 
 
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|[[ファイル: 20200203アミメクサカゲロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102674s.jpg|250px|thumb|right|アミメクサカゲロウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 3, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200129ヤマトクサカゲロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102475s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトクサカゲロウの成虫.越冬型の体は淡褐色.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 29, 2020)|link=ヤマトクサカゲロウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200204スズキクサカゲロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102714s.jpg|250px|thumb|right|スズキクサカゲロウ(成虫)の頭部.黒斑は複眼に接しない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Feb. 4, 2020)]]
 
|}
 
 
===1月===
 
*2020.01.25-31 東広島キャンパスで繁殖のため水辺に集まる[[アキサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス|アキサンショウウオ]]を二匹観察することができました.以前の分類では[[カスミサンショウウオ]]とされていた種ですが、昨年分類が再検討されて新種記載されました.[[アキサンショウウオ|広島県のアキサンショウウオ]]のページもご覧ください.また,角脇調整池で[[ミコアイサ]]を観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200127アキサンショウウオ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102429s.jpg|250px|thumb|right|アキサンショウウオの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 27, 2020)|link=アキサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200127アキサンショウウオ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102394s.jpg|250px|thumb|right|アキサンショウウオの成体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 27, 2020)|link=アキサンショウウオ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200125ミコアイサオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102263s.jpg|250px|thumb|right|飛翔するミコアイサのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 25, 2020)|link=ミコアイサ]]
 
|}
 
 
冬の水辺では両生類の繁殖だけでなく,越冬中の水生昆虫を観察することができます.
 
 
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|[[ファイル: 20200130ミズカマキリ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_MG_102527s.jpg|250px|thumb|right|越冬中のミズカマキリの成虫.数匹で群がっていることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 30, 2020)|link=ミズカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200131コオイムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102592s.jpg|250px|thumb|right|越冬中のコオイムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 31, 2020)|link=コオイムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200131コマツモムシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102599s.jpg|250px|thumb|right|越冬中のコマツモムシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 31, 2020)|link=コマツモムシ_広島大学東広島キャンパス]]
 
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|[[ファイル: 20200130マメゲンゴロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102573s2.jpg|250px|thumb|right|マメゲンゴロウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 30, 2020)|link=マメゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
*2020.01.16-23 東広島キャンパスのため池で[[オシドリ]],発見の小径では[[アカゲラ]]や[[アオジ]],各所で[[ハイタカ]]や[[ノスリ]]を観察することができました.[[アカゲラ]]は[[生態実験園]]や[[ふれあいビオトープ]]のアカマツ林でしばしば鳴き声を聞くことができます.
 
 
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|[[ファイル: 20200118オシドリオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101480s.jpg|250px|thumb|right|オシドリのオス.ブナ科樹木に囲まれたため池に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2020)|link=オシドリ]]
 
|[[ファイル: 20200118オシドリメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101411s.jpg|250px|thumb|right|オシドリのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2020)|link=オシドリ]]
 
|[[ファイル: 20200123アカゲラ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101976s.jpg|250px|thumb|right|アカゲラ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)]]
 
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|[[ファイル: 20200123アオジオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102049s.jpg|250px|thumb|right|アオジのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)|link=アオジ]]
 
|[[ファイル: 20200121ハイタカメス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101806s.jpg|250px|thumb|right|木にとまるハイタカのメス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 21, 2020)|link=ハイタカ]]
 
|[[ファイル: 20200118ノスリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101682s.jpg|250px|thumb|right|ノスリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 18, 2020)|link=ノスリ]]
 
|}
 
 
[[ニホンアカガエル]]の繁殖がピークを迎えていました.激しい蛙合戦を観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200123ニホンアカガエル_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102138s.jpg|250px|thumb|right|多数のニホンアカガエルのオスが一匹のメスをめぐって争う様子.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200123ニホンアカガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102153s.jpg|250px|thumb|right|[[生態実験園]]の田んぼで待機するニホンアカガエルの成体たち(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200122ニホンアカガエル_東広島市鏡山_柳撮影_22819s.jpg|250px|thumb|right|産卵・放精中のニホンアカガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 柳拓明, Jan. 22, 2020)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
東広島キャンパスの建物近くの土から[[ホタルミミズ_広島大学東広島キャンパス|ホタルミミズ]]を得ることができました.[[ホタルミミズ_広島大学東広島キャンパス|ホタルミミズ]]は刺激を受けると肛門などから発光物質を出すという生態が知られています.今回はその様子を写真に収めることができました.庭や畑で見られる普通種とされていますが,冬期以外では見つけづらいと言われています.また,広葉樹の枯れ木から生える[[エノキタケ_広島大学東広島キャンパス|エノキタケ]]を観察することができました.
 
 
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|[[ファイル: 20200122ホタルミミズ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101837s.jpg|250px|thumb|right|ホタルミミズ.平常時はほとんど光ることはない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 22, 2020)]]|
 
|[[ファイル: 20200122ホタルミミズ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102200s.jpg|250px|thumb|right|ホタルミミズ.刺激を受けると肛門から発光物質を出す.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 22, 2020)]]
 
|[[ファイル: 20200123エノキタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101960s.jpg|250px|thumb|right|広葉樹の枯れ木に密生するエノキタケ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)|link=エノキタケ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
冬尺蛾の仲間も12月の下旬に見られたものとは異なる種を観察することができました.水辺では[[ホソクロマメゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス|ホソクロマメゲンゴロウ]]や[[オニヤンマ_広島大学東広島キャンパス|オニヤンマ]]のヤゴも見られました.
 
 
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|[[ファイル: 20200117クロバネフユシャク成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101288s.jpg|250px|thumb|right|クロバネフユシャクの成虫(メス).シロオビフユシャクのメスに比べ体色が暗い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 17, 2020)|link=クロバネフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200120シモフリトゲエダシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101737s.jpg|250px|thumb|right|シモフリトゲエダシャクの成虫(オス).冬尺蛾類では大型種.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 20, 2020)|link=シモフリトゲエダシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200117クロテンフユシャク成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_101299s.jpg|250px|thumb|right|クロテンフユシャクの成虫(オス).類似種のウスバより遅れて出現する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 17, 2020)|link=クロテンフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|-
 
|[[ファイル: 20200123ホソクロマメゲンゴロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102092s.jpg|250px|thumb|right|ホソクロマメゲンゴロウの成虫.湿地や水たまりに見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)|link=ホソクロマメゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200123オニヤンマ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_102175s.jpg|250px|thumb|right|オニヤンマの幼虫(ヤゴ).緩やかな細流に見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)|link=オニヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
*2020.01.06-01.17 東広島キャンパスで[[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカガエル]]の繁殖が始まっています.[[ふれあいビオトープ]]では卵塊が一つ見つかっています.「[[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|東広島キャンパスのニホンアカガエル]]」のページと「[[ニホンアカガエル|広島県のニホンアカガエル]]」のページもご覧ください.
 
 
{|
 
|[[ファイル: 20200114ニホンアカガエル成体オス_東広島市鏡山_IMG_91158s.jpg|250px|thumb|right|ニホンアカガエルの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 14, 2020)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200114ニホンアカガエル抱接_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91168s.jpg|250px|thumb|right|抱接中のニホンアカガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 14, 2020)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル:20200117ニホンアカガエル卵塊_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_53152s.JPG|250px|thumb|right|東広島キャンパスで今冬初確認のニホンアカガエルの卵塊(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Jan. 17, 2020)|link=ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス]]
 
|}
 
 
山中池では[[オオバン]]や[[ヨシガモ]]を観察することができました.
 
 
{|
 
|[[ファイル: 20200109オオバン_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90883s.jpg|250px|thumb|right|オオバン.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)|link=オオバン]]
 
|[[ファイル: 20200109ヨシガモオス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90903s.jpg|250px|thumb|right|ヨシガモのオス.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)|link=ヨシガモ]]
 
|}
 
 
フユシャク亜科の一種である[[ウスモンフユシャク_広島大学東広島キャンパス|ウスモンフユシャク]]や越冬中の[[ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス|ホソミオツネントンボ]],[[トゲヤドリカニムシ_広島大学東広島キャンパス|トゲヤドリカニムシ]]などを観察することができました.
 
 
{|
 
|[[ファイル: 20200106ウスモンフユシャク交尾_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_100750s.jpg|250px|thumb|right|交尾中のウスモンフユシャク.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)|link=ウスモンフユシャク_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200109ホソミオツネントンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_90984s.jpg|250px|thumb|right|越冬中のホソミオツネントンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 9, 2020)|link=ホソミオツネントンボ_広島大学東広島キャンパス]]
 
|[[ファイル: 20200116トゲヤドリカニムシ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_91224s.jpg|250px|thumb|right|トゲヤドリカニムシの成体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 16, 2020)]]
 
 
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2020年10月9日 (金) 16:34時点における版

広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 広島大学の自然 > 東広島キャンパスの動物 > 東広島キャンパスの生き物

キャンパスで現在見られる動物の情報です.写真や名前をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).解説ページの写真はクリックすると拡大します.

2020

9月

  • 2020.09.13-28 東広島キャンパスでコガタノゲンゴロウを観察することができました.コガタノゲンゴロウは1950年代以降大きく数を減らしたゲンゴロウの一種で絶滅が心配される種でしたが,近年急激に分布を拡大しており,個体数も回復しています.マルチビゲンゴロウは微小なゲンゴロウ類で,こちらは近年減少傾向にあり環境省RDBで準絶滅危惧種に選定されています.トガリアメンボは東南アジア原産の外来種で,その高い飛翔性から分布を拡大しています.
コガタノゲンゴロウの成虫(メス).東広島市内でも目撃情報が絶えない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 26, 2020)
マルチビゲンゴロウの成虫.2mmほどしかない微小なゲンゴロウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
トガリアメンボの成虫.体長は4mmほどで,敏捷に泳ぐ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)

様々なヘビの幼体(幼蛇)を観察することができました.シマヘビジムグリは幼蛇と成蛇で色彩が異なります.一方,シロマダラは模様の変化が小さいです.

シマヘビの幼蛇.幼蛇はアズキヘビとも呼ばれる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
ジムグリの幼蛇.赤地に黒の斑紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 29, 2020)
シロマダラの幼蛇.成蛇に比べると体の白みが強い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)

東広島キャンパスは鳥の秋の渡りシーズンに入り,エゾビタキコサメビタキなどが見られます.エゾビタキは胸から腹にかけての縦斑紋が特徴的で,コサメビタキにはこれがありません.この二種はしばしば「フライキャッチ(空中で羽虫を捕らえる)」をする様子を観察することができます.森林内ではオオムシクイの姿を見ることができます.外見でメボソムシクイやコムシクイといった類似種と識別するのは難しく,鳴き声によって同定することが求められます.

エゾビタキ.胸から腹にかけては白地で,明瞭な縦斑紋をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
コサメビタキ.胸や腹に目立った斑紋はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
オオムシクイ.野外において,メボソムシクイやコムシクイとは鳴き声以外での識別が困難.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)

キャンパスのクモ類です.林縁部ではビジョオニグモがよく見られます.腹部には人の顔のような模様があり,個体によって表情も様々です.薄暗い林内ではキジロオヒキグモが見られました.特徴的な長い腹部をもつ記録の少ないクモです.トビズムカデは大型のムカデで,夜間道路や樹幹を這っています.

ビジョオニグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)
キジロオヒキグモの成体(メス).長く伸びた腹部が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 29, 2020)
トビズムカデの成体.脚の赤い個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2020)

セミや鳴く虫の紹介です.セイタカアワダチソウクズの生える乾いた草地では,ヒロバネカンタンが鳴いています.カンタンとは異なり,「リー・リー」と音を引き延ばします.アカマツ林の樹上ではチッチゼミが鳴いています.小型種で高枝にいることが多いため姿の観察は困難ですが,「チッチッチッチ...」という鳴き声はよく聞くことができます.生態実験園ではミンミンゼミアキニレの枝に産卵する様子が見られました.

クズの葉裏から身を乗り出して鳴くヒロバネカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
アカマツの高枝で鳴くチッチゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 15, 2020)
アキニレの枝に産卵するミンミンゼミの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)

ササキリの仲間です.ササキリはやや薄暗い林縁部で「ジリジリジリジリ…」と鳴きます.複眼が真っ黒なのが特徴です.ホシササキリウスイロササキリは明るい草地で「シリリリリリ…」と鳴く,ともに似たササキリです.ホシササキリは乾燥した草地に多く,翅の側面に黒斑を有します.ウスイロササキリはやや湿った草地を好み,翅が長く目立った斑紋もありません.

鳴くササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ホシササキリの成虫(オス).東広島キャンパスでは多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ウスイロササキリ成虫(メス).東広島キャンパスでは少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)

クマスズムシは畑地や林床などに見られるコオロギで,「シュリシュリシュリ…キーーーーーン」という独特な声で鳴きます.カネタタキは樹上で「チン・チン・チン」と鳴きます.ツユムシは明るい草地で見られ,「ピチッ・ピチッ」と小さく鳴きます.

鳴くクマスズムシの成虫(オス).「シュリシュリシュリ…」という前奏から始まり,次第に「キーーーーーン」という高音に変化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)
鳴くカネタタキの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ツユムシの成虫(オス).明るく開けた草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)

セスジツユムシは発見の小径で最も見られるツユムシで,オスは主に夜間,「チチチチチ…ジーチョ・ジーチョ」と鳴きます.サトクダマキモドキヤマクダマキモドキは落葉広葉樹林の林縁部に多く見られます.両種はよく似ていますが,サトでは前脚が緑色の個体が多く,ヤマでは前脚が赤く色づきます.

鳴くセスジツユムシの成虫(オス).「チチチチチ…」という前奏から始まり,「ジーチョ・ジーチョ」という音で終わる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
サトクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色にならない個体が多い(稀に色づく個体もいるため注意).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)
ヤマクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色に色づく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)

9月に見られた主なチョウです.ナガサキアゲハは黒を基調とした大型のアゲハで,メスは前翅の基部に赤い斑紋があり,後翅には白い斑紋が並びます.ウラギンシジミはオスの翅表の斑紋が赤褐色であり,メスとの識別点になります.ツマグロキチョウは食草のカワラケツメイの減少とともに全国的に減っていますが,東広島では毎年安定して観察することができます.

静止するナガサキアゲハの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)
秋型のウラギンシジミの成虫(オス).やや前翅頂が尖る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ブタナで吸蜜するツマグロキチョウの成虫(秋型).後翅裏に黒い筋が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)

トンボの紹介です.水草の豊富な池ではムスジイトトンボが見られます.オオイトトンボによく似ており,細かな違いを確認する必要があります.オオルリボシヤンマは過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内のため池で発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地ではマユタテアカネの連結産卵が見られます.

ムスジイトトンボの成虫(オス).オオイトトンボに似るが,複眼は青みが強く,後眼紋が小さい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)
オオルリボシヤンマの成虫(オス).東広島キャンパスでは過去に目撃例がない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)
連結飛翔するマユタテアカネ.産卵行動も見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)

キャンパスで見られる個性的なイモムシです.ウラギンシジミの幼虫は尻の方に二本の角をもち,刺激を受けるとここから線香花火のような突起を出します.シンジュサンの幼虫は青白い体色に短い突起が並んでいるのが特徴です.シャチホコガの幼虫は刺激を受けると反り返り,長い胸脚を広げて体を震わせます.

ウラギンシジミの幼虫.クズの花序を調べると見つかる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)
シンジュサンの幼虫.シンジュ(ニワウルシ)のみならず,クロガネモチカラスザンショウコシアブラなど様々な樹種につく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)
威嚇するシャチホコガの幼虫.落葉広葉樹の葉を好む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)
ルリクチブトカメムシの成虫.瑠璃色の金属光沢が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 3, 2020)
ミソハギに飛来するナミルリモンハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 1, 2020)
ノブドウで吸蜜するオオセイボウの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 8, 2020)

他の虫に擬態していると考えられる生き物を紹介します.ホソヘリカメムシの若齢幼虫は非常にアリに似た姿形をしていますが,鋭い口吻があるのでカメムシであることがわかります.キボシマルウンカは様々な植物につく6-7mmほどの昆虫で,テントウムシに酷似しますが,ウンカに近縁な昆虫です.オドリハマキモドキは翅を立たせながら葉上をせわしなく動き回ります.前翅の先端に並ぶ黒い斑紋がハエトリグモの目のように見え,小刻みに跳ねながら動くさまもそっくりです.

ホソヘリカメムシの幼虫.カメムシである証拠として,口吻がある(矢印).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 3, 2020)
交尾中のキボシマルウンカ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 31, 2020)
オドリハマキモドキの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 31, 2020)

広義のバッタ類です.クルマバッタは東広島キャンパスでは限られた草地でしか観察することができません.クルマバッタモドキトノサマバッタに似ていますが,胸部背面がやや盛り上がること,飛ぶとき後翅に黒い輪っか模様が確認できること,翅の模様など総合的に見ると識別可能です.アシグロツユムシは林縁部などで見られるツユムシの仲間で,「ジキ・ジキ...」と目立たない声で鳴きます.アオマツムシは明治頃に帰化したとされる外来種です.街路樹や雑木林などの樹上で「チリー・チリー!」と騒がしく鳴きます.

緑色型のクルマバッタの成虫(メス).胸部背面が盛り上がる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 9, 2020)
アシグロツユムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 1, 2020)
鳴くアオマツムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 9, 2020)


カマキリ類も発生しています.ハラビロカマキリは樹上で見られるカマキリで,昨年キャンパスで確認された外来種のムネアカハラビロカマキリとの競合が懸念されます.チョウセンカマキリオオカマキリに酷似しますが,やや開けた草地などの環境を好みます.詳しい解説はそれぞれの個別ページをご覧ください.コカマキリは地表付近で見られるカマキリで,前脚の脛節の内側の斑紋が特徴です.

褐色型のハラビロカマキリ成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 8, 2020)
チョウセンカマキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
コカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)


キャンパス内の小川ではハグロトンボがよく見られます.翅がすべて黒く,オスは腹部が金緑色に輝くので大変印象的です.アジアイトトンボはため池や湿地で見られ,アオモンイトトンボに似ていますが一回り小さいです.オニヤンマは日本最大のトンボで,ゆったりと飛翔するさまは圧巻です.

山中谷川のハグロトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
湿地のアジアイトトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)
オニヤンマの成虫(メス).産卵管がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)

8月

鳴くスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
鳴くマツムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
クズの葉の隙間から鳴くカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
エンマコオロギの成虫(オス).オスも丸みを帯びた頭部をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
ミツカドコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
鳴くツヅレサセコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ヤマトヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
クサヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
鳴くオナガササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
マツムシモドキの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ウスグモスズの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
クマスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)

ヤママユは大型の蛾で,晩夏から初秋にかけて出現します.ヤホシホソマダラは胴体が青く輝く美しい昼行性の蛾で,キャンパスでは6-7月と9-10月に開けた草地で観察することができます.ヒメクロホウジャクも昼行性で,ミソハギの花に訪花していました.

ヤママユの成虫(メス).翅の色には変異がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
ヤホシホソマダラの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ヒメクロホウジャクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)

トンボの仲間は,アカネ属のマユタテアカネヒメアカネマイコアカネの未成熟個体をため池や湿地の周辺で観察することができます.アオイトトンボコバネアオイトトンボは既に成熟しており,林縁部の草本にとまる姿が見られます.カトリヤンマなどのヤンマは日中は不活発ですが夕方になると活発に飛翔します.

マイコアカネの成虫(未成熟オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
ヒメキンミズヒキにとまるアオイトトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
カトリヤンマの成虫(オス).日中は薄暗い林内で休んでいることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
  • 2020.08.11 ががら山の麓のススキ群落でカヤキリを観察することができました.カヤキリは日本最大の鳴く虫かつ日本最大級のキリギリスで,丈の高いススキヨシが茂る草原で「ジーーーー」という大きな声で鳴きます.また,成虫になったオオカマキリを観察することができました.
ススキにとまるカヤキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
カヤキリの成虫(オス).頭頂はやや尖るが,クビキリギスほどではない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
羽化したばかりのオオカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)

山地に生息する傾向の強いハサミツノカメムシを観察することができました.オスの腹部の先には赤い鋏状の突起(生殖節)が見られますが,メスでは見られません.ヒゲナガサシガメは幼虫で越冬するサシガメで,樹上や山際の手すりでよく見られます.アオバハゴロモは広葉樹や草本の枝や茎についている様子がよく見られ,キャンパスでの個体数も多いです.

ハサミツノカメムシの成虫(メス).胸部の両端が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
ヒゲナガサシガメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
アオバハゴロモの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)

東広島キャンパスで見られるコガネグモ類です.キャンパスではコガネグモは草地や森林が接するような環境で,ナガコガネグモはやや湿った草地で,ムシバミコガネグモは林縁の人工物の周辺で見られることが多いです.初夏にはふれあいビオトープを中心にチュウガタコガネグモが,これからの季節は薄暗い林縁部ではコガタコガネグモが観察できます.

コガネグモの成体(メス).林縁部や草地などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
ナガコガネグモの成体(メス).草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
ムシバミコガネグモの成体(メス).林縁部に見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
  • 2020.07.30-08.07 東広島キャンパスでマメイタイセキグモカトウツケオグモを観察することができました.両種とも全国的に記録の少ない種です.マメイタイセキグモはいわゆるナゲナワグモであり,湿度の高い夜間にススキ原などで粘球を振り回し,小型の蛾を誘因して捕らえます.カトウツケオグモも,何らかの手段でハエを誘引しているのではないかという説がありますが,詳しいことは分かっていません.
マメイタイセキグモの成体(メス).粘球がついた糸を振り回し,小型の蛾に付着させて捕らえる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
蛾を捕らえたマメイタイセキグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)
カトウツケオグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)

東広島キャンパスではアキノタムラソウが咲いており,チョウやハチの仲間が訪花します.今回はナミルリモンハナバチとその寄生対象とされるスジボソコシブトハナバチ,さらにシロスジコシブトハナバチを観察することができました.

アキノタムラソウに訪花するナミルリモンハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
アキノタムラソウに訪花するシロスジコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
アキノタムラソウから吸蜜するスジボソコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)


角脇調整池の岸辺ではツチガエルのオスが鳴いています.「ギュー、ギュー」という低く濁った音が特徴です.(広島県のツチガエルのページもご覧ください.)また,カエルやミミズを狙ってか50cmを超えるヒバカリの成蛇も現れました.学内の山の林床では空色が美しいキノコのソライロタケを観察することができました.

ソライロタケ.林床で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
鳴くツチガエルの成体(オス).「ギュー、ギュー」という音を発する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)
ヒバカリの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)

東広島キャンパスのため池にはギンヤンマショウジョウトンボなど,多様なトンボが見られます.ここでは3種取り上げたいと思います.チョウトンボは青い光沢感のある翅が特徴的で,ヒシガマなどの水生植物が豊富な富栄養池に見られます.富栄養池を好むトンボにはウチワヤンマタイワンウチワヤンマがいます.タイワンウチワヤンマは元々九州などに分布していましたが,温暖化の影響で北上しているとされています.両種とも腹部先端のうちわ(団扇)が特徴です.

チョウトンボの成虫(オス).西条では大変個体数が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
ウチワヤンマの成虫.団扇の中に黄斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
タイワンウチワヤンマの成虫.団扇の中に斑紋はないため,全体が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)

晩夏に野外観察をする上で気を付けたいのはイラガ(幼虫)の存在です.イラガの仲間はカキノキクリなど広葉樹の葉を食べ,多くの種が派手な色彩とトゲだらけの見た目をしていますが,葉裏にいることが多く中々存在に気づくことが難しいです.刺されると電気が走るような痛みを伴うことから「デンキムシ」の俗称があります.ここではイラガアオイラガアカイラガヒメクロイラガヒロヘリアオイラガテングイラガの6種を紹介します.

イラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
アオイラガの幼虫.ヒロヘリアオイラガの幼虫に似るが,背面中央の青帯は一様に色がついている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
アカイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
カキノキを食べるヒメクロイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
ヒロヘリアオイラガの幼虫.背面中央の青帯は斑状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
テングイラガの幼虫.10mmほどの大きさ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)

東広島キャンパスの朝から夕方にかけてはセミやキリギリス(ニシキリギリス)が鳴いています.キャンパスで夏に確認できるセミとしては,アブラゼミクマゼミニイニイゼミミンミンゼミツクツクボウシヒグラシの6種です.日が暮れると,秋の鳴く虫が鳴いています.この時期に多いのはハヤシノウマオイで,「スィーッチョン」と鳴きます.バッタの仲間も見られます.

ニイニイゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
ヒグラシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2020)
ニシキリギリスの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
ハヤシノウマオイの成虫(オス).「スィーッチョン」とゆっくりとしたテンポで鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
タンボコオロギの成虫(オス).初夏に多いコオロギで休耕田などの湿った場所で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
ツマグロバッタの成虫(オス).翅の先や後脚の関節部が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)

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