「東広島キャンパスの生き物」の版間の差分
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− | |[[ファイル: 20200926コガタノゲンゴロウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_143637s.jpg|250px|thumb|right|コガタノゲンゴロウの成虫(メス).東広島市内でも目撃情報が絶えない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 26, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200926コガタノゲンゴロウ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_143637s.jpg|250px|thumb|right|コガタノゲンゴロウの成虫(メス).東広島市内でも目撃情報が絶えない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 26, 2020)|link=コガタノゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200922マルチビゲンゴロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142351s.jpg|250px|thumb|right|マルチビゲンゴロウの成虫.2mmほどしかない微小なゲンゴロウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200922マルチビゲンゴロウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142351s.jpg|250px|thumb|right|マルチビゲンゴロウの成虫.2mmほどしかない微小なゲンゴロウ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=マルチビゲンゴロウ_広島大学東広島キャンパス]] |
|[[ファイル: 20200928トガリアメンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144952s.jpg|250px|thumb|right|トガリアメンボの成虫.体長は4mmほどで,敏捷に泳ぐ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)]] | |[[ファイル: 20200928トガリアメンボ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144952s.jpg|250px|thumb|right|トガリアメンボの成虫.体長は4mmほどで,敏捷に泳ぐ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)]] | ||
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− | |[[ファイル: 20200910シマヘビ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_137771s.jpg|200px|thumb|right|シマヘビの幼蛇.幼蛇はアズキヘビとも呼ばれる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200910シマヘビ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_137771s.jpg|200px|thumb|right|シマヘビの幼蛇.幼蛇はアズキヘビとも呼ばれる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 10, 2020)|link=シマヘビ]] |
− | |[[ファイル: 20200929ジムグリ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_145220s.jpg|250px|thumb|right|ジムグリの幼蛇.赤地に黒の斑紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 29, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200929ジムグリ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_145220s.jpg|250px|thumb|right|ジムグリの幼蛇.赤地に黒の斑紋が特徴.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 29, 2020)|link=ジムグリ]] |
− | |[[ファイル: 20200921シロマダラ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141303s.jpg|250px|thumb|right|シロマダラの幼蛇.成蛇に比べると体の白みが強い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200921シロマダラ幼蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141303s.jpg|250px|thumb|right|シロマダラの幼蛇.成蛇に比べると体の白みが強い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)|link=シロマダラ]] |
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− | |[[ファイル: 20200927エゾビタキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_143898s.jpg|250px|thumb|right|エゾビタキ.胸から腹にかけては白地で,明瞭な縦斑紋をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200927エゾビタキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_143898s.jpg|250px|thumb|right|エゾビタキ.胸から腹にかけては白地で,明瞭な縦斑紋をもつ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)|link=エゾビタキ]] |
− | |[[ファイル: 20200927コサメビタキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144203s.jpg|250px|thumb|right|コサメビタキ.胸や腹に目立った斑紋はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200927コサメビタキ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144203s.jpg|250px|thumb|right|コサメビタキ.胸や腹に目立った斑紋はない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)|link=コサメビタキ]] |
|[[ファイル: 20200927オオムシクイ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144627s.jpg|250px|thumb|right|オオムシクイ.野外において,メボソムシクイやコムシクイとは鳴き声以外での識別が困難.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)]] | |[[ファイル: 20200927オオムシクイ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144627s.jpg|250px|thumb|right|オオムシクイ.野外において,メボソムシクイやコムシクイとは鳴き声以外での識別が困難.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)]] | ||
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+ | キャンパスのクモ類です.林縁部では[[ビジョオニグモ_広島大学東広島キャンパス|ビジョオニグモ]]がよく見られます.腹部には人の顔のような模様があり,個体によって表情も様々です.薄暗い林内では[[キジロオヒキグモ_広島大学東広島キャンパス|キジロオヒキグモ]]が見られました.特徴的な長い腹部をもつ記録の少ないクモです.[[トビズムカデ_広島大学東広島キャンパス|トビズムカデ]]は大型のムカデで,夜間道路や樹幹を這っています. | ||
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+ | {| | ||
+ | |[[ファイル: 20200913ビジョオニグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_139573s.jpg|250px|thumb|right|ビジョオニグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)|link=ビジョオニグモ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
+ | |[[ファイル: 20200929キジロオヒキグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_145165s.jpg|200px|thumb|right|キジロオヒキグモの成体(メス).長く伸びた腹部が特徴的.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 29, 2020)|link=キジロオヒキグモ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
+ | |[[ファイル: 20200920トビズムカデ成体_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141192s.jpg|250px|thumb|right|トビズムカデの成体.脚の赤い個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2020)|link=トビズムカデ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
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− | |[[ファイル: 20200922ヒロバネカンタン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142232s.jpg|200px|thumb|right|[[クズ]]の葉裏から身を乗り出して鳴くヒロバネカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200922ヒロバネカンタン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142232s.jpg|200px|thumb|right|[[クズ]]の葉裏から身を乗り出して鳴くヒロバネカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=ヒロバネカンタン_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200915チッチゼミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_149984s.jpg|250px|thumb|right|[[アカマツ]]の高枝で鳴くチッチゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 15, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200915チッチゼミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_149984s.jpg|250px|thumb|right|[[アカマツ]]の高枝で鳴くチッチゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 15, 2020)|link=チッチゼミ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200913ミンミンゼミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_139029s.jpg|250px|thumb|right|[[アキニレ]]の枝に産卵するミンミンゼミの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200913ミンミンゼミ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_139029s.jpg|250px|thumb|right|[[アキニレ]]の枝に産卵するミンミンゼミの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)|link=ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス]] |
|} | |} | ||
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{| | {| | ||
− | |[[ファイル: 20200922ササキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141756s.jpg|200px|thumb|right|鳴くササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200922ササキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141756s.jpg|200px|thumb|right|鳴くササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=ササキリ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200922ホシササキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142046s.jpg|250px|thumb|right|ホシササキリの成虫(オス).東広島キャンパスでは多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200922ホシササキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142046s.jpg|250px|thumb|right|ホシササキリの成虫(オス).東広島キャンパスでは多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=ホシササキリ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200923ウスイロササキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142554s.jpg|250px|thumb|right|ウスイロササキリ成虫(メス).東広島キャンパスでは少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200923ウスイロササキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142554s.jpg|250px|thumb|right|ウスイロササキリ成虫(メス).東広島キャンパスでは少ない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)|link=ウスイロササキリ_広島大学東広島キャンパス]] |
|} | |} | ||
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{| | {| | ||
− | |[[ファイル: 20200921クマスズムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141252s.jpg|250px|thumb|right|鳴くクマスズムシの成虫(オス).「シュリシュリシュリ…」という前奏から始まり,次第に「キーーーーーン」という高音に変化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200921クマスズムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141252s.jpg|250px|thumb|right|鳴くクマスズムシの成虫(オス).「シュリシュリシュリ…」という前奏から始まり,次第に「キーーーーーン」という高音に変化する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 21, 2020)|link=クマスズムシ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200922カネタタキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142424s.jpg|250px|thumb|right|鳴くカネタタキの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200922カネタタキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142424s.jpg|250px|thumb|right|鳴くカネタタキの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=カネタタキ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200923ツユムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142563s.jpg|250px|thumb|right|ツユムシの成虫(オス).明るく開けた草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200923ツユムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142563s.jpg|250px|thumb|right|ツユムシの成虫(オス).明るく開けた草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)|link=ツユムシ_広島大学東広島キャンパス]] |
|} | |} | ||
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{| | {| | ||
− | |[[ファイル: 20200927セスジツユムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144759s.jpg|250px|thumb|right|鳴くセスジツユムシの成虫(オス).「チチチチチ…」という前奏から始まり,「ジーチョ・ジーチョ」という音で終わる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200927セスジツユムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144759s.jpg|250px|thumb|right|鳴くセスジツユムシの成虫(オス).「チチチチチ…」という前奏から始まり,「ジーチョ・ジーチョ」という音で終わる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)|link=セスジツユムシ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200923サトクダマキモドキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142946s2.jpg|250px|thumb|right|サトクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色にならない個体が多い(稀に色づく個体もいるため注意).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200923サトクダマキモドキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142946s2.jpg|250px|thumb|right|サトクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色にならない個体が多い(稀に色づく個体もいるため注意).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 23, 2020)|link=サトクダマキモドキ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200922ヤマクダマキモドキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142436s2.jpg|250px|thumb|right|ヤマクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色に色づく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200922ヤマクダマキモドキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142436s2.jpg|250px|thumb|right|ヤマクダマキモドキの成虫(オス).前脚の腿節が赤褐色に色づく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=ヤマクダマキモドキ_広島大学東広島キャンパス]] |
|} | |} | ||
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{| | {| | ||
− | |[[ファイル: 20200913ナガサキアゲハ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_138780s.jpg|250px|thumb|right|静止するナガサキアゲハの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200913ナガサキアゲハ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_138780s.jpg|250px|thumb|right|静止するナガサキアゲハの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)|link=ナガサキアゲハ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200922ウラギンシジミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141746s.jpg|250px|thumb|right|秋型のウラギンシジミの成虫(オス).やや前翅頂が尖る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200922ウラギンシジミ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_141746s.jpg|250px|thumb|right|秋型のウラギンシジミの成虫(オス).やや前翅頂が尖る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=ウラギンシジミ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200928ツマグロキチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144871s.jpg|250px|thumb|right|[[ブタナ]]で吸蜜するツマグロキチョウの成虫(秋型).後翅裏に黒い筋が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200928ツマグロキチョウ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144871s.jpg|250px|thumb|right|[[ブタナ]]で吸蜜するツマグロキチョウの成虫(秋型).後翅裏に黒い筋が入る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 28, 2020)|link=ツマグロキチョウ_広島大学東広島キャンパス]] |
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+ | トンボの紹介です.水草の豊富な池では[[ムスジイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|ムスジイトトンボ]]が見られます.[[オオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|オオイトトンボ]]によく似ており,細かな違いを確認する必要があります.[[オオルリボシヤンマ_広島大学東広島キャンパス|オオルリボシヤンマ]]は過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内のため池で発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地では[[マユタテアカネ_広島大学東広島キャンパス|マユタテアカネ]]の連結産卵が見られます. | ||
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+ | |[[ファイル: 20200913ムスジイトトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_138328s.jpg|250px|thumb|right|ムスジイトトンボの成虫(オス).[[オオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|オオイトトンボ]]に似るが,複眼は青みが強く,後眼紋が小さい.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)|link=ムスジイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
+ | |[[ファイル: 20200927オオルリボシヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144175s.jpg|250px|thumb|right|オオルリボシヤンマの成虫(オス).東広島キャンパスでは過去に目撃例がない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)|link=オオルリボシヤンマ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
+ | |[[ファイル: 20200927マユタテアカネ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_144115s.jpg|200px|thumb|right|連結飛翔するマユタテアカネ.産卵行動も見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 27, 2020)|link=マユタテアカネ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
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+ | キャンパスで見られる個性的なイモムシです.[[ウラギンシジミ_広島大学東広島キャンパス|ウラギンシジミ]]の幼虫は尻の方に二本の角をもち,刺激を受けるとここから線香花火のような突起を出します.[[シンジュサン_広島大学東広島キャンパス|シンジュサン]]の幼虫は青白い体色に短い突起が並んでいるのが特徴です.[[シャチホコガ_広島大学東広島キャンパス|シャチホコガ]]の幼虫は刺激を受けると反り返り,長い胸脚を広げて体を震わせます. | ||
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+ | |[[ファイル: 20200913ウラギンシジミ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_139272s.jpg|250px|thumb|right|ウラギンシジミの幼虫.[[クズ]]の花序を調べると見つかる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)|link=ウラギンシジミ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
+ | |[[ファイル: 20200913シンジュサン幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_139388s.jpg|250px|thumb|right|シンジュサンの幼虫.[[シンジュ]](ニワウルシ)のみならず,[[クロガネモチ]]や[[カラスザンショウ]],[[コシアブラ]]など様々な樹種につく.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 13, 2020)|link=シンジュサン_広島大学東広島キャンパス]] | ||
+ | |[[ファイル: 20200922シャチホコガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_142058s.jpg|250px|thumb|right|威嚇するシャチホコガの幼虫.落葉広葉樹の葉を好む.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 22, 2020)|link=シャチホコガ_広島大学東広島キャンパス]] | ||
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− | |[[ファイル: 20200714エゾハサミムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129654s.jpg|250px|thumb|right|エゾハサミムシの成虫(オス).キャンパスでも生息域は限られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 14, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200714エゾハサミムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129654s.jpg|250px|thumb|right|エゾハサミムシの成虫(オス).キャンパスでも生息域は限られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 14, 2020)|link=エゾハサミムシ_広島大学東広島キャンパス]] |
− | |[[ファイル: 20200721エゾシモフリスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131660s.jpg|250px|thumb|right|エゾシモフリスズメの成虫.[[シモフリスズメ_広島大学東広島キャンパス|シモフリスズメ]]に似るが,翅にある各条線が太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)]] | + | |[[ファイル: 20200721エゾシモフリスズメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131660s.jpg|250px|thumb|right|エゾシモフリスズメの成虫.[[シモフリスズメ_広島大学東広島キャンパス|シモフリスズメ]]に似るが,翅にある各条線が太い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2020)|link=エゾシモフリスズメ_広島大学東広島キャンパス]] |
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2020年10月1日 (木) 22:27時点における版
広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 広島大学の自然 > 東広島キャンパスの動物 > 東広島キャンパスの生き物
キャンパスで現在見られる動物の情報です.写真や名前をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).解説ページの写真はクリックすると拡大します.
2020
9月
- 2020.09.13-28 東広島キャンパスでコガタノゲンゴロウを観察することができました.コガタノゲンゴロウは1950年代以降大きく数を減らしたゲンゴロウの一種で絶滅が心配される種でしたが,近年急激に分布を拡大しており,個体数も回復しています.マルチビゲンゴロウは微小なゲンゴロウ類で,こちらは近年減少傾向にあり環境省RDBで準絶滅危惧種に選定されています.トガリアメンボは東南アジア原産の外来種で,その高い飛翔性から分布を拡大しています.
様々なヘビの幼体(幼蛇)を観察することができました.シマヘビとジムグリは幼蛇と成蛇で色彩が異なります.一方,シロマダラは模様の変化が小さいです.
東広島キャンパスは鳥の秋の渡りシーズンに入り,エゾビタキやコサメビタキなどが見られます.エゾビタキは胸から腹にかけての縦斑紋が特徴的で,コサメビタキにはこれがありません.この二種はしばしば「フライキャッチ(空中で羽虫を捕らえる)」をする様子を観察することができます.森林内ではオオムシクイの姿を見ることができます.外見でメボソムシクイやコムシクイといった類似種と識別するのは難しく,鳴き声によって同定することが求められます.
キャンパスのクモ類です.林縁部ではビジョオニグモがよく見られます.腹部には人の顔のような模様があり,個体によって表情も様々です.薄暗い林内ではキジロオヒキグモが見られました.特徴的な長い腹部をもつ記録の少ないクモです.トビズムカデは大型のムカデで,夜間道路や樹幹を這っています.
セミや鳴く虫の紹介です.セイタカアワダチソウやクズの生える乾いた草地では,ヒロバネカンタンが鳴いています.カンタンとは異なり,「リー・リー」と音を引き延ばします.アカマツ林の樹上ではチッチゼミが鳴いています.小型種で高枝にいることが多いため姿の観察は困難ですが,「チッチッチッチ...」という鳴き声はよく聞くことができます.生態実験園ではミンミンゼミがアキニレの枝に産卵する様子が見られました.
ササキリの仲間です.ササキリはやや薄暗い林縁部で「ジリジリジリジリ…」と鳴きます.複眼が真っ黒なのが特徴です.ホシササキリとウスイロササキリは明るい草地で「シリリリリリ…」と鳴く,ともに似たササキリです.ホシササキリは乾燥した草地に多く,翅の側面に黒斑を有します.ウスイロササキリはやや湿った草地を好み,翅が長く目立った斑紋もありません.
クマスズムシは畑地や林床などに見られるコオロギで,「シュリシュリシュリ…キーーーーーン」という独特な声で鳴きます.カネタタキは樹上で「チン・チン・チン」と鳴きます.ツユムシは明るい草地で見られ,「ピチッ・ピチッ」と小さく鳴きます.
セスジツユムシは発見の小径で最も見られるツユムシで,オスは主に夜間,「チチチチチ…ジーチョ・ジーチョ」と鳴きます.サトクダマキモドキとヤマクダマキモドキは落葉広葉樹林の林縁部に多く見られます.両種はよく似ていますが,サトでは前脚が緑色の個体が多く,ヤマでは前脚が赤く色づきます.
9月に見られた主なチョウです.ナガサキアゲハは黒を基調とした大型のアゲハで,メスは前翅の基部に赤い斑紋があり,後翅には白い斑紋が並びます.ウラギンシジミはオスの翅表の斑紋が赤褐色であり,メスとの識別点になります.ツマグロキチョウは食草のカワラケツメイの減少とともに全国的に減っていますが,東広島では毎年安定して観察することができます.
トンボの紹介です.水草の豊富な池ではムスジイトトンボが見られます.オオイトトンボによく似ており,細かな違いを確認する必要があります.オオルリボシヤンマは過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内のため池で発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地ではマユタテアカネの連結産卵が見られます.
キャンパスで見られる個性的なイモムシです.ウラギンシジミの幼虫は尻の方に二本の角をもち,刺激を受けるとここから線香花火のような突起を出します.シンジュサンの幼虫は青白い体色に短い突起が並んでいるのが特徴です.シャチホコガの幼虫は刺激を受けると反り返り,長い胸脚を広げて体を震わせます.
- 2020.09.01-10 東広島キャンパスで見られた青い昆虫を紹介します.ルリクチブトカメムシは水田脇や河川敷などの草むらに見られる美しい瑠璃色のカメムシで,ハムシなどを襲う肉食性です.アキノタムラソウの花期が終わったため,ナミルリモンハナバチはミソハギやキツネノマゴに飛んできます.オオセイボウは全身が青い金属光沢を帯びる美しいハチですが,キャンパスではやや観察が難しく,ノブドウやキツネノマゴに稀に吸蜜にやってきます.
他の虫に擬態していると考えられる生き物を紹介します.ホソヘリカメムシの若齢幼虫は非常にアリに似た姿形をしていますが,鋭い口吻があるのでカメムシであることがわかります.キボシマルウンカは様々な植物につく6-7mmほどの昆虫で,テントウムシに酷似しますが,ウンカに近縁な昆虫です.オドリハマキモドキは翅を立たせながら葉上をせわしなく動き回ります.前翅の先端に並ぶ黒い斑紋がハエトリグモの目のように見え,小刻みに跳ねながら動くさまもそっくりです.
広義のバッタ類です.クルマバッタは東広島キャンパスでは限られた草地でしか観察することができません.クルマバッタモドキやトノサマバッタに似ていますが,胸部背面がやや盛り上がること,飛ぶとき後翅に黒い輪っか模様が確認できること,翅の模様など総合的に見ると識別可能です.アシグロツユムシは林縁部などで見られるツユムシの仲間で,「ジキ・ジキ...」と目立たない声で鳴きます.アオマツムシは明治頃に帰化したとされる外来種です.街路樹や雑木林などの樹上で「チリー・チリー!」と騒がしく鳴きます.
カマキリ類も発生しています.ハラビロカマキリは樹上で見られるカマキリで,昨年キャンパスで確認された外来種のムネアカハラビロカマキリとの競合が懸念されます.チョウセンカマキリはオオカマキリに酷似しますが,やや開けた草地などの環境を好みます.詳しい解説はそれぞれの個別ページをご覧ください.コカマキリは地表付近で見られるカマキリで,前脚の脛節の内側の斑紋が特徴です.
キャンパス内の小川ではハグロトンボがよく見られます.翅がすべて黒く,オスは腹部が金緑色に輝くので大変印象的です.アジアイトトンボはため池や湿地で見られ,アオモンイトトンボに似ていますが一回り小さいです.オニヤンマは日本最大のトンボで,ゆったりと飛翔するさまは圧巻です.
8月
- 2020.08.24-30 東広島キャンパスでは秋の鳴く虫が多く出現しています.スズムシやマツムシはススキなどが茂る草地で鳴き声を聞くことができます.カンタンはクズやツクシハギが生える草地で見られ,「ルルルルル…」と透き通った声で鳴きます.エンマコオロギやミツカドコオロギ,ツヅレサセコオロギなどのコオロギ類も出現しています.(エンマは「コロコロリー」,ミツカドは「ジッ・ジッ・ジッ」,ツヅレサセは「リー・リー・リー」といずれも地表付近で鳴く.)ヤマトヒバリやクサヒバリ,オナガササキリは林縁部で鳴き声を聞く機会が多いです.マツムシモドキやウスグモスズはそれぞれマツムシ科,ヒバリモドキ科に属しますが,いずれも鳴かない種です.クマスズムシはスズムシではなくコオロギに近縁で,独特な高い声で鳴きます.
ヤママユは大型の蛾で,晩夏から初秋にかけて出現します.ヤホシホソマダラは胴体が青く輝く美しい昼行性の蛾で,キャンパスでは6-7月と9-10月に開けた草地で観察することができます.ヒメクロホウジャクも昼行性で,ミソハギの花に訪花していました.
トンボの仲間は,アカネ属のマユタテアカネやヒメアカネ,マイコアカネの未成熟個体をため池や湿地の周辺で観察することができます.アオイトトンボやコバネアオイトトンボは既に成熟しており,林縁部の草本にとまる姿が見られます.カトリヤンマなどのヤンマは日中は不活発ですが夕方になると活発に飛翔します.
- 2020.08.11 ががら山の麓のススキ群落でカヤキリを観察することができました.カヤキリは日本最大の鳴く虫かつ日本最大級のキリギリスで,丈の高いススキやヨシが茂る草原で「ジーーーー」という大きな声で鳴きます.また,成虫になったオオカマキリを観察することができました.
山地に生息する傾向の強いハサミツノカメムシを観察することができました.オスの腹部の先には赤い鋏状の突起(生殖節)が見られますが,メスでは見られません.ヒゲナガサシガメは幼虫で越冬するサシガメで,樹上や山際の手すりでよく見られます.アオバハゴロモは広葉樹や草本の枝や茎についている様子がよく見られ,キャンパスでの個体数も多いです.
東広島キャンパスで見られるコガネグモ類です.キャンパスではコガネグモは草地や森林が接するような環境で,ナガコガネグモはやや湿った草地で,ムシバミコガネグモは林縁の人工物の周辺で見られることが多いです.初夏にはふれあいビオトープを中心にチュウガタコガネグモが,これからの季節は薄暗い林縁部ではコガタコガネグモが観察できます.
- 2020.07.30-08.07 東広島キャンパスでマメイタイセキグモとカトウツケオグモを観察することができました.両種とも全国的に記録の少ない種です.マメイタイセキグモはいわゆるナゲナワグモであり,湿度の高い夜間にススキ原などで粘球を振り回し,小型の蛾を誘因して捕らえます.カトウツケオグモも,何らかの手段でハエを誘引しているのではないかという説がありますが,詳しいことは分かっていません.
東広島キャンパスではアキノタムラソウが咲いており,チョウやハチの仲間が訪花します.今回はナミルリモンハナバチとその寄生対象とされるスジボソコシブトハナバチ,さらにシロスジコシブトハナバチを観察することができました.
角脇調整池の岸辺ではツチガエルのオスが鳴いています.「ギュー、ギュー」という低く濁った音が特徴です.(広島県のツチガエルのページもご覧ください.)また,カエルやミミズを狙ってか50cmを超えるヒバカリの成蛇も現れました.学内の山の林床では空色が美しいキノコのソライロタケを観察することができました.
東広島キャンパスのため池にはギンヤンマやショウジョウトンボなど,多様なトンボが見られます.ここでは3種取り上げたいと思います.チョウトンボは青い光沢感のある翅が特徴的で,ヒシやガマなどの水生植物が豊富な富栄養池に見られます.富栄養池を好むトンボにはウチワヤンマやタイワンウチワヤンマがいます.タイワンウチワヤンマは元々九州などに分布していましたが,温暖化の影響で北上しているとされています.両種とも腹部先端のうちわ(団扇)が特徴です.
晩夏に野外観察をする上で気を付けたいのはイラガ(幼虫)の存在です.イラガの仲間はカキノキやクリなど広葉樹の葉を食べ,多くの種が派手な色彩とトゲだらけの見た目をしていますが,葉裏にいることが多く中々存在に気づくことが難しいです.刺されると電気が走るような痛みを伴うことから「デンキムシ」の俗称があります.ここではイラガ,アオイラガ、アカイラガ,ヒメクロイラガ,ヒロヘリアオイラガ,テングイラガの6種を紹介します.
東広島キャンパスの朝から夕方にかけてはセミやキリギリス(ニシキリギリス)が鳴いています.キャンパスで夏に確認できるセミとしては,アブラゼミ,クマゼミ,ニイニイゼミ,ミンミンゼミ,ツクツクボウシ,ヒグラシの6種です.日が暮れると,秋の鳴く虫が鳴いています.この時期に多いのはハヤシノウマオイで,「スィーッチョン」と鳴きます.バッタの仲間も見られます.
7月
東広島キャンパスではカブトムシやクワガタムシが見られるようになりました.ミヤマクワガタやノコギリクワガタは大型のクワガタムシで,アベマキやアラカシなどの樹液に集まります.カブトムシは7月中旬以降によく見られるようになり,樹液を独占していることが多いです.
夜の雑木林ではほかの昆虫も観察できます.コロギスは樹上性で,触ると激しく威嚇します.シロスジカミキリはアラカシの樹幹で見られるほか,ムクゲコノハは樹液を吸っていることが多いです.
東広島キャンパスではまだ梅雨が続いており,林縁部や草地では多くのキノコを観察することができます.クロハツモドキやクロハツにはヤグラタケが寄生している場合が多く,キャンパスでもそれらの老菌から発生している様子が見られます.また,昆虫に寄生する冬虫夏草の一種であるトガリスズメバチタケがオオスズメバチから発生している様子が見られました.林縁部には,大型のタマゴタケであるハマクサギタマゴタケ(仮称)やアイタケ,ムラサキホウキタケモドキなどが生えています.草地ではベニセンコウタケを観察できました.
カマキリ以外の,前脚に鎌状構造をもつ昆虫を紹介します.キカマキリモドキはハチのような色彩とカマキリのような頭部,前脚が特徴的ですが,どちらの仲間でもなくウスバカゲロウと同じアミメカゲロウ目に属します.ミズカマキリはカメムシ目の昆虫で,獲物を咀嚼せず口吻を突き刺し,消化液を流して溶けた肉を吸い取ります.アシナガサシガメは地表に見られる細長いカメムシで,トゲの生えた鎌状の前脚を持っています.
山地に生息する傾向の強い昆虫もキャンパスで見られます.エゾハサミムシは細長い尻鋏をもち,飛翔することができるハサミムシです.エゾシモフリスズメはキャンパスでの個体数は少なく,今回が初確認になります.
夏に見られる昆虫にはハネナガウンカという独特なグループが存在します.クワヤマハネナガウンカ,アヤヘリハネナガウンカ,マエグロハネナガウンカは湿度の高い森林の樹幹や葉裏に見られます.キスジハネビロウンカは林縁部の下草などで観察することが多いです.アカハネナガウンカはススキやジュズダマの茂る草地などで植物の汁を吸っていることが多く,独特な顔つきのため愛好家からの人気が高い種です.
東広島市キャンパスで見られるチョウです.オオヒカゲはスゲ類の生える湿地の近くなどで見られます.アサマイチモンジは通常年三化性で,長い期間にわたって観察することができます.イチモンジセセリは後翅の一列に並んだ白斑が特徴です.
東広島キャンパスで7月に見られた主な蛾類です.
その他の虫です.
6月
生態実験園の水田では田植えが完了し,ホウネンエビやハイイロゲンゴロウの姿が見られるようになりました.ホウネンエビは夏の水田で仰向けになって泳ぐ鰓脚綱の一種で,地域によってはアジアカブトエビやカイエビなどとともに見られます.ハイイロゲンゴロウは敏捷に泳ぐ小型のゲンゴロウで,都市の公園などでも見られる普通種です.イネミズゾウムシはアメリカ原産の外来種で,水稲の害虫とされています.水中に入ると脚を小刻みに動かして遊泳することができます.
梅雨入りしたことで,東広島キャンパスでは各所でキノコを観察することができました.総合科学部棟周辺ではキタマゴタケが,教育学部棟周辺ではアカヤマドリが,山中池周辺ではタマゴテングタケモドキの子実体が出ていました.
樹液や灯火にはクワガタムシが集まっています.スジクワガタはコクワガタに酷似していますが,大アゴの内歯の突起が一つ多いのが特徴です.ヒラタクワガタは西日本に多いクワガタで,挟む力が大変強力です.ネブトクワガタはブナ科の樹液にはあまり集まらず,クワやモミなどの樹液に寄ってくることがあります.
ホタルといえば清流に生息するゲンジボタルや水田に生息するヘイケボタルのイメージが強いですが,東広島キャンパスにはそれ以外の陸生ホタルも見られます.オバボタルやオオマドボタルなどがその例です.後者は幼虫の腹部先端が光りますが,目立ちません.幼虫は陸生貝類などを食べる雑食性で,コハクオナジマイマイもその獲物の一つであると考えられます.
野外での散策は虫刺されがつきもので,東広島キャンパスでは特に蚊に刺されることが多いです.藪や森林の中,湿地,家屋内外など様々な環境に蚊は現れます.対策としては長袖長ズボンを着用して肌を覆ったり,虫よけスプレーをふったりなどが効果的です.
東広島キャンパスで見られた生き物について,情報提供がありました.2019年10月29日にはぶどう池の周辺でノゴマが観察され,2020年4月29日には,バードウォール周辺でオオキンカメムシが見つかったとのことです.いずれも貴重な記録です.
- 2020.06.12-19 東広島キャンパスの山中谷川や角脇川ではゲンジボタルが舞っています.6月下旬までが見頃です.
- 2020.06.02-12 東広島キャンパスでシロマダラとヒバカリを観察することができました.シロマダラは東広島キャンパス周辺でも個体数が多いですが,夜行性のため人目につくことが少ないです.ヒバカリは薄暗い時間帯(早朝や夕方)に,湿地の周りに見られることがあります.また,キャンパス内ではありませんが,周辺地区で模様と色彩が変異したニホンマムシが見られました.広島県内では度々目撃されています.
東広島キャンパスの沢で青いサワガニを観察することができました.青いサワガニは全国各所で見られますが,東広島キャンパスでは稀に見つかるようです.また,ニホンヒキガエルの成体を観察することができました.広島県のニホンヒキガエルのページもご覧ください.
東広島キャンパスでハッチョウトンボが出現しています.ハッチョウトンボはトンボ亜目(不均翅亜目)では世界最小種とされており,広島県では絶滅危惧II類に指定されている希少な昆虫です.そのほかコオニヤンマが発生しているのを確認したり,山の水たまりでヤブヤンマを観察したりすることができました.
東広島キャンパスで観察することができたハエトリグモです.ミスジハエトリは家屋内で見られることの多いハエトリグモで,オスは赤い帯が特徴的です.建物の中で見られるハエトリグモにはほかにアダンソンハエトリやチャスジハエトリがいます.林床にはヨダンハエトリが見られます.鮮やかなハエトリグモで,成熟したオスは特に目立ちます.ヒトリコゲチャハエトリは河原や石垣で見られるハエトリグモで,家の垣根などでも観察することができます.
鳴く虫といえば初夏のイメージがありますが,初夏にも鳴き声を聞くことができます.日中のイネ科群落ではナキイナゴが「ジキ・ジキ・ジキ」と鳴いています.日が暮れると,湿地ではキンヒバリが「リッリッリッリーーー」と美しい声で鳴いています.乾いた草地ではコガタコオロギが「ビー!!」と間を置いて鳴きます.本種はアカデミック地区の草地であればどこでも鳴き声を聞くことができますが,姿はやや見つけにくいです.クビキリギスやシブイロカヤキリは以前ほど鳴き声を聞かなくなってしまいました.
6月になり,シンジュサンが見られるようになりました.大変大きなガで,三日月のような模様が特徴的です.オナガミズアオとオオミズアオは酷似していますが,触角の色や翅端の形,眼状紋の形,前翅前縁の色の違いなどを総合的に確認して同定することができます.
5月
5月に見られた生き物です.ががら山でコルリ,クロツグミ,オオムシクイを観察することができました.コルリは薮がちなところに見られ,「チッチッチッチ…ピルルルン」と囀ります.クロツグミは早朝や夕方であればキャンパス内の草地でも観察することができました.オオムシクイは「ジジロ・ジジロ」とやや濁った声で囀ります.
タマムシの仲間がたくさん見られました.アオマダラタマムシは赤や青などの金属光沢が特徴のタマムシで,サクラやウメなどの材に集まります.オオムツボシタマムシは比較的大型のタマムシで,同属のムツボシタマムシよりも一回り大型です.クロナガタマムシは危険を感じると敏捷に飛翔します.
フジやヤマフジの咲く時期にはキムネクマバチのオスがホバリングしながらメスを待つ姿が見られました.クロムネアオハバチは淡い緑色の体色が特徴で,幼虫はササ類を食べることが知られています.ホリカワクシヒゲガガンボはハチのような奇抜な色彩から危険なイメージがありますが,ガガンボ類のため毒針を持たず,無害な虫です.
春~初夏に羽化する蛾類が見られました.オオミズアオはヤママユガ科の大型蛾で,青白い翅と尾状突起が特徴的です.シロスジトモエとオオトモエはともにトモエガ亜科のガで,色や模様がよく似ていますが,大きさが一回りほど異なります(オオトモエのほうが大型).
トンボ類では,ムカシヤンマがキャンパスで広域に観察することができます.樹林地の周辺を歩くと見られることが多いです.サラサヤンマは湿地をゆったりと飛翔する小型のヤンマで,生態実験園とふれあいビオトープのいずれの場所でも観察することができます.グンバイトンボは広島県の準絶滅危惧種に指定されており,中脚と後脚の脛節が軍配状に広がります.
上旬~中旬にかけては日当たりの良い草地でキバネツノトンボが見られました.去年に引き続いての確認ですが,今年の個体数は少ないようです.タイリククロスジヘビトンボはキャンパス内の外灯に飛来していることが多いです.コマダラウスバカゲロウは地衣類を身に纏い,獲物を待ちます.
5月に観察されたカメムシ目の一覧です.
個性的なテントウムシの仲間を観察することができました.
ザトウムシとハエトリグモの仲間です.これらのザトウムシは湿度の高い林床などで見られます.ニホンアカザトウムシとオオアカザトウムシは触肢が鎌状になっている特徴的なザトウムシで,後者の方が大型で,触肢脛節の形状が異なります.マメザトウムシは苔むした倒木上などを歩き回ります.
カタオカハエトリは乾いた裸地などで見られ,ヤマトシロアリの生殖虫を捕食している姿を観察することができました.ヤサアリグモはアリグモより小型のハエトリグモで,林床の草木の上などに見られます.
そのほかの甲虫類です.
4月
- 2020.04.29-30 ががら山でセンダイムシクイ,エゾムシクイ,アオゲラを観察することができました.センダイムシクイとエゾムシクイは形態がよく似ており見た目だけでの識別は困難ですが,前者は「チヨチヨビー」と囀り,「焼酎一杯ぐいー」と聞きなしされます。後者は「ヒーツーキー,ヒーツーキー」と囀り,「日、月」と聞きなしされます.アオゲラは「キョッ,キョッ」と鳴いたり,繁殖期には「ピョー,ピョー」と大きい声で鳴くので目立ちます.
開けた地面や林道ではハンミョウやニワハンミョウが駆け回っています.人の気配を察知すると飛翔して前方へ逃げるので,「ミチオシエ」の名があります.また,広葉樹の若葉を見ていると筒状に巻かれた葉っぱが目につくことがありますが,それらはオトシブミやチョッキリゾウムシと呼ばれる昆虫のしわざです.これらの虫はメスが葉っぱを丁寧に巻いて,その中に産卵します.今回はファウストハマキチョッキリとヒゲナガオトシブミを観察することができました.また,体から鹿の角のような突起が伸びるクロモンキリバエダシャクや自分の抜け殻をトーテムポールのように頭部に積み重ねるリンゴコブガの幼虫など,変わったイモムシを観察することができました.
- 4月に見られた野鳥です.上旬はカワラヒワやウグイスがよく囀っていました.また,キジの「ほろうち」を耳にすることもありました.中旬から下旬にかけてはががら山を中心に夏鳥を観察することができました.主に囀りを聞くことができるのはコマドリ,オオルリ,ヤブサメ,キビタキです.外来種であるコジュケイの声もしばしば確認されています.ツバメやコシアカツバメも訪れています.
4月に観察されたヘビです.シマヘビは東広島キャンパスでは個体数が多く,縞模様が目立たない個体も見られました.
4月に見られたトンボです.オツネントンボやホソミオツネントンボは成虫で越冬するトンボです.後者は春になると体色が青くなります.トラフトンボやシオヤトンボ,フタスジサナエ,アサヒナカワトンボは春に出現するトンボで,いずれも東広島キャンパスではよく見られます.
4月に見られた,湿地や沢の周辺で見られる小さい生き物です.ナミウズムシはいわゆるプラナリアで,サワガニ同様「きれいな水」の指標生物とされています.コシビロダンゴムシの仲間は,明治時代頃に帰化したと考えられているオカダンゴムシとは異なり在来種であり,湿度の高い林床などで見られます.エサキヒメコシボソガガンボは脚が白と黒の斑状になっており,脚を広げてふわふわと飛び回ります.
4月に見られたチョウです.トラフシジミはコツバメより少し遅れて出現するシジミチョウで,東広島キャンパスではウツギの咲く頃によく見られます.コミスジは山道などをひらひらと舞い,翅を広げてとまります.越冬から覚めたクロコノマチョウも生態実験園の林床をさかんに飛んでいます.
4月に見られた好蟻性昆虫とアリです.トガリムネトゲアリヅカムシは主にヤマアリ類の巣で見られ,西日本では普通に見られるアリヅカムシとされています.サトアリヅカコオロギはトビイロシワアリの巣で見られ,アリの幼虫や卵などを食べるとされています.ミカドオオアリは光沢の強いオオアリの仲間で,夜活動することが多いです.
コナラやクワ,桜などの若葉が芽吹く時期には,それらを餌としたり,産卵床とする昆虫が現れます.ナナフシモドキやムシクソハムシ,ヨツモンクロツツハムシはコナラの葉を食べます,セモンジンガサハムシはサクラの葉を食べ,クワコはクワの葉を食べます.モモチョッキリはウメやモモの実に穴を穿ち,その中に産卵します.
3月
- 2020.03.23-30 東広島キャンパスではイボタガやエゾヨツメなどの大型の春蛾が出現しています.前者は特に個体数が多く,夜に灯火に飛来する姿がよく見られます.また,ノブドウやツタを食草とするトビイロトラガも見られました.
キャンパスではシュレーゲルアオガエルに続いてトノサマガエルの繁殖期が始まろうとしています.トノサマガエルは一昨年から生態実験園での繁殖が確認されています.また,アキサンショウウオの幼生が孵化しています.
晴れた日中には越冬明けのルリタテハやヒオドシチョウなどのタテハチョウやスプリング・エフェメラルのコツバメなどを観察することができます.
ため池のほとりでハチジョウツグミを,上空をミサゴが滑空するのを観察することができました.また,ニホントカゲもよく見られます.
- 2020.03.08-13 広島県の準絶滅危惧種に指定されているカンムリセスジゲンゴロウを観察することができました.5mmほどの小さいゲンゴロウで,今にも干上がりそうな湿地に現れます.ハスオビエダシャクやヒロバトガリエダシャクは春に出現するエダシャクです.
生態実験園やふれあいビオトープでシュレーゲルアオガエルが鳴いています.オスは穴を掘ってその中に潜むため姿を観察しにくいです.その他アカハライモリやアキサンショウウオが見られました.アカハライモリはアメリカザリガニの影響を大きく受けており,個体数が減っています.また,ニホンカナヘビやニホントカゲが活動していました.
ぶどう池でヒクイナを,発見の小径でミヤマホオジロを観察することができました.ヒクイナは広島県で絶滅危惧II類に指定されています.ハヤブサが建物で休む姿も見られました.
成虫越冬していた昆虫や,春に孵化または羽化する昆虫を観察することができました.主にスプリング・エフェメラルの一つであるビロードツリアブや翅表に美しい光沢をもつムラサキシジミ,ルリタテハ,ナナホシテントウなどが見られます.また,早くもオオカマキリの幼虫が孵化していたり,キアシナガバチの女王が飛び回っていたりします.
2月
東広島キャンパスでは春を告げる虫が出現しています.トビモンオオエダシャクに似たチャオビトビモンエダシャクは愛好家から珍種として扱われており,トビモンオオに比べると小型です.ギフダイミョウガガンボは翅の模様が美しく,類似種が複数存在することが知られています. 越冬から覚めた虫も見られ,ネコハエトリがぶどう池の手すりで活動していたり,ヨコヅナサシガメがアカマツの樹皮上を歩いていたりしました.
東広島キャンパスの夜では野生動物が活動している姿が見られます.ホンドギツネが採餌する姿やヤマシギがテニスコートの周辺を歩きまわる姿を観察することができました.
カクレミノやタラノキなどウコギ科の枝には越冬中のタテジマカミキリが掴まっていることがあります.タテジマカミキリはウコギ科の枝を齧って削り,その凹みに身を寄せて擬態します.キンヒバリは湿地に見られ,幼虫で越冬して春に成虫になります.トサカグンバイはアセビの葉裏で越冬しており,胸部が大きく盛り上がるのが特徴です.
クロテンフユシャクとホソウスバフユシャクの交尾態を観察することができました.学内で観察可能なフユシャク亜科のInurois属は全種ががら山で観察することができます.また,クロガネモチの葉にはシンジュサンの繭を確認することができました.
- 2020.02.18-21 東広島キャンパスで新たにハヤブサの幼鳥を観察することができました.先週紹介した成鳥は体の下面に密な黒い横縞模様が並びます.一方,幼鳥は体の下面に黒い縦縞模様が並びます.その他ノスリやコゲラなどを観察することができました.
早春の蛾が次々と出現しています.トビモンオオエダシャクは大型のシャクガで,オスは紫がかった褐色の翅が特徴です.シロテンエダシャクやクロモンキリバエダシャクなども早春のエダシャクで,大学ではいずれも個体数が多いです. 冬尺蛾も晩冬~初春の種として,シロフフユエダシャクやホソウスバフユシャク,冬夜蛾ではスモモキリガも見られます.
- 2020.02.10-14 東広島キャンパスでは今季,大規模なツグミの群れが渡ってきており,山中池~生態実験園にて移動中の群れを見ることができます.また,そのようなツグミを狙ってか,山中池では多くの猛禽類が現れます.主な種類はノスリとハイタカですが,最近ではキャンパス初記録となるハヤブサの姿が見られます.ハヤブサは上昇した後,高速で水平飛行をしたり,急降下したりして獲物を追い詰めます.他には留鳥のカワウや冬鳥のシロハラを観察することができました.
ががら山でコミミズクが越冬している姿を観察することができました.コミミズクはヨコバイ科の昆虫で,扁平で細長い体が特徴です.幼虫はコナラやハンノキ類などの冬芽の付け根に密着して越冬します.また,一時的な暖かさのせいか早春に見られる昆虫が見られました.テングチョウは成虫で越冬し,春には目覚めた本種が林道を飛翔する姿が見られます.オカモトトゲエダシャクは春を告げる蛾で,静止するときは翅を折り畳むので「T」字の独特な見た目になります.
- 2020.02.03-09 東広島キャンパスでは,現在レンジャク科のヒレンジャクと、少数のキレンジャクを観察することができます.両種は混群を形成しており,飛翔時に「ヒーヒー」,「ピリリリリ」と高い声で鳴くのが特徴です.キャンパスでは主に熟れた柿の実を食べる姿がよく見られ,ツグミやヒヨドリ,ハシボソガラス,メジロも柿に集まってきます.キジバトは枝で休む様子を観察することができました.
成虫で越冬するクサカゲロウ類を灯火や看板で観察することができました.アミメクサカゲロウはクサカゲロウ科でも大型の種で,常緑樹の葉裏などで見られます.ヤマトクサカゲロウとスズキクサカゲロウは姿形がよく似た種ですが,ヤマトクサカゲロウの越冬型は体が淡褐色になり,スズキクサカゲロウは冬も緑色をしています.また,クサカゲロウ類は頭部の黒斑の形状が種ごとに異なり,そこが同定のポイントになります.
1月
- 2020.01.25-31 東広島キャンパスで繁殖のため水辺に集まるアキサンショウウオを二匹観察することができました.以前の分類ではカスミサンショウウオとされていた種ですが、昨年分類が再検討されて新種記載されました.広島県のアキサンショウウオのページもご覧ください.また,角脇調整池でミコアイサを観察することができました.
冬の水辺では両生類の繁殖だけでなく,越冬中の水生昆虫を観察することができます.
- 2020.01.16-23 東広島キャンパスのため池でオシドリ,発見の小径ではアカゲラやアオジ,各所でハイタカやノスリを観察することができました.アカゲラは生態実験園やふれあいビオトープのアカマツ林でしばしば鳴き声を聞くことができます.
ニホンアカガエルの繁殖がピークを迎えていました.激しい蛙合戦を観察することができました.
東広島キャンパスの建物近くの土からホタルミミズを得ることができました.ホタルミミズは刺激を受けると肛門などから発光物質を出すという生態が知られています.今回はその様子を写真に収めることができました.庭や畑で見られる普通種とされていますが,冬期以外では見つけづらいと言われています.また,広葉樹の枯れ木から生えるエノキタケを観察することができました.
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冬尺蛾の仲間も12月の下旬に見られたものとは異なる種を観察することができました.水辺ではホソクロマメゲンゴロウやオニヤンマのヤゴも見られました.
- 2020.01.06-01.17 東広島キャンパスでニホンアカガエルの繁殖が始まっています.ふれあいビオトープでは卵塊が一つ見つかっています.「東広島キャンパスのニホンアカガエル」のページと「広島県のニホンアカガエル」のページもご覧ください.
フユシャク亜科の一種であるウスモンフユシャクや越冬中のホソミオツネントンボ,トゲヤドリカニムシなどを観察することができました.
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