春の七草
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動春の七草
解説
- 倉時代の河海抄などで「芹(せり),なづな(なずな),御形(おぎょう),はくべら,仏座(ほとけのざ),すずな,すずしろ,これぞ春の七草」として詠われる植物.一般的には,「御形」は「おぎょう(ごぎょう)」,「はくべら」は「はこべら」と呼ばれる.秋の七草が鑑賞を目的としたものであるのに対して,春の七草は食用になる種があげられている.
- 春の七草を現在の呼び名にすると,「芹」はセリ,「なづな」はナズナ,「御形」はハハコグサ,「はくべら」はコハコベ,「仏座」はシソ科のホトケノザLamium amplexicaule L.ではなくキク科のコオニタビラコ,「すずな」はカブ,「すずしろ」はダイコンを指す.
- 野菜のカブとダイコン以外は,いずれも春の水田雑草として見られるもので,もともとは旧暦の1月7日に七草粥として食べ,邪気を払い,無病息災を祈るものであった.いくつかの種は,農耕文化とともに中国から渡来した史前帰化植物と考えられる.
春の七草
- せり(セリ)
- 古名: せり,漢字: 芹,現代名: セリ
- なずな(ナズナ)
- 古名: なずな,漢字: 薺,現代名: ナズナ
- おぎょう(ごぎょう,ハハコグサ)
- 古名 おぎょう 漢字 御行 現代名 ハハコグサ
- はこべら(ハコベ)
- 古名 はこべら 漢字 繁縷 現代名 ハコベ
- ほとけのざ(コオニタビラコ)
- 古名 ほとけのざ 漢字 仏の座 現代名 コオニタビラコ
- すずな
- 古名: すずな,漢字: 蕪,現代名: カブ
- すずしろ
- 古名: すずしろ,漢字: 大根,現代名: ダイコン
春の七草に関する歌
せり・なずな・おぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ・これや七草
七草を刻む時に歌う歌
ななくさ なずな 唐土の鳥が 日本の土地へ 渡らぬ 先に ストトン ストトン
- 解説
- 現在,鳥インフルエンザが問題になっているが,これは中国大陸からの渡り鳥による伝染病である.昔の人は,「唐土」(中国大陸)から渡ってくる鳥が悪いものをもたらすことを,既に知っていた.昔の人の知恵には敬服の至りである.
慣用名
備考
文献(出典)
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