「春の七草」の版間の差分

提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動
12行目: 12行目:
 
;[[ナズナ|なずな(ナズナ)]]:古名: なずな,漢字: 薺,現代名: [[ナズナ]]
 
;[[ナズナ|なずな(ナズナ)]]:古名: なずな,漢字: 薺,現代名: [[ナズナ]]
 
;[[ハハコグサ|おぎょう(ごぎょう,ハハコグサ)]]:古名: おぎょう,漢字: 御行,現代名: [[ハハコグサ]]
 
;[[ハハコグサ|おぎょう(ごぎょう,ハハコグサ)]]:古名: おぎょう,漢字: 御行,現代名: [[ハハコグサ]]
;[[コハコベ|はこべら(ハコベ)]]:古名: はこべら,漢字: 繁縷,現代名: [[コハコベ|ハコベ]]
+
;[[コハコベ|はこべら(ハコベ)]]:古名: はこべら,漢字: 繁縷,現代名: [[コハコベ|ハコベ(コハコベ,ミドリハコベ)]]
;[[コオニタビラコ|ほとけのざ(コオニタビラコ)]]:古名: ほとけのざ,漢字: 仏の座,現代名: [[コオニタビラコ]]
+
;[[コオニタビラコ|ほとけのざ(コオニタビラコ)]]:古名: ほとけのざ,漢字: 仏の座,現代名: [[コオニタビラコ]].シソ科Lamiaceaeのホトケノザ''Lamium amplexicaule'' L.とは異なる.
 
;すずな:古名: すずな,漢字: 蕪,現代名: カブ
 
;すずな:古名: すずな,漢字: 蕪,現代名: カブ
 
;すずしろ:古名: すずしろ,漢字: 大根,現代名: ダイコン
 
;すずしろ:古名: すずしろ,漢字: 大根,現代名: ダイコン
 +
 +
 +
Brassicaceae アブラナ科
 +
Capsella bursa-pastoris (L.) Medik.  ナズナ 標準 
 +
 +
Apiaceae セリ科
 +
Oenanthe javanica (Blume) DC.  セリ 標準 
 +
 +
 +
 +
 +
 +
Brassicaceae アブラナ科
 +
Brassica rapa L. var. rapa  カブ 
 +
Capsella bursa-pastoris (L.) Medik.  ナズナ 
 +
Raphanus sativus L. var. hortensis Backer  ダイコン 
 +
 +
Caryophyllaceae ナデシコ科
 +
Stellaria media (L.) Vill.  コハコベ 
 +
Stellaria neglecta Weihe  ミドリハコベ 
 +
 +
Asteraceae キク科
 +
Lapsanastrum apogonoides (Maxim.) J.H.Pak et K.Bremer  コオニタビラコ 
 +
Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb.  ハハコグサ 
 +
 +
Apiaceae セリ科
 +
Oenanthe javanica (Blume) DC.  セリ
  
 
==春の七草に関する歌==
 
==春の七草に関する歌==

2017年1月8日 (日) 20:02時点における版

春の七草 Seven spring flowers (Nanakusa: seven edible wild herbs of spring)

解説

  • 倉時代の河海抄などで「芹(せり),なづな(なずな),御形(おぎょう),はくべら,仏座(ほとけのざ),すずな,すずしろ,これぞ春の七草」として詠われる植物.一般的には,「御形」は「おぎょう(ごぎょう)」,「はくべら」は「はこべら」と呼ばれる.秋の七草が鑑賞を目的としたものであるのに対して,春の七草は食用になる種があげられている.
  • 春の七草を現在の呼び名にすると,「芹」はセリ,「なづな」はナズナ,「御形」はハハコグサ,「はくべら」はコハコベ,「仏座」はシソ科のホトケノザLamium amplexicaule L.ではなくキク科のコオニタビラコ,「すずな」はカブ,「すずしろ」はダイコンを指す.
  • 野菜のカブとダイコン以外は,いずれも春の水田雑草として見られるもので,もともとは旧暦の1月7日に七草粥として食べ,邪気を払い,無病息災を祈るものであった.いくつかの種は,農耕文化とともに中国から渡来した史前帰化植物と考えられる.
  • 本来は耕作地の周辺などで生育する植物であるため,旧暦の当該月に見られるものが多い.近年,栽培されたものが販売されるようになり,本来の生育時期よりも早く入手できるようになっている.

春の七草

せり(セリ)
古名: せり,漢字: 芹,現代名: セリ
なずな(ナズナ)
古名: なずな,漢字: 薺,現代名: ナズナ
おぎょう(ごぎょう,ハハコグサ)
古名: おぎょう,漢字: 御行,現代名: ハハコグサ
はこべら(ハコベ)
古名: はこべら,漢字: 繁縷,現代名: ハコベ(コハコベ,ミドリハコベ)
ほとけのざ(コオニタビラコ)
古名: ほとけのざ,漢字: 仏の座,現代名: コオニタビラコ.シソ科LamiaceaeのホトケノザLamium amplexicaule L.とは異なる.
すずな
古名: すずな,漢字: 蕪,現代名: カブ
すずしろ
古名: すずしろ,漢字: 大根,現代名: ダイコン


Brassicaceae アブラナ科 Capsella bursa-pastoris (L.) Medik.  ナズナ 標準 

Apiaceae セリ科 Oenanthe javanica (Blume) DC.  セリ 標準 



Brassicaceae アブラナ科 Brassica rapa L. var. rapa  カブ  Capsella bursa-pastoris (L.) Medik.  ナズナ  Raphanus sativus L. var. hortensis Backer  ダイコン 

Caryophyllaceae ナデシコ科 Stellaria media (L.) Vill.  コハコベ  Stellaria neglecta Weihe  ミドリハコベ 

Asteraceae キク科 Lapsanastrum apogonoides (Maxim.) J.H.Pak et K.Bremer  コオニタビラコ  Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb.  ハハコグサ 

Apiaceae セリ科 Oenanthe javanica (Blume) DC.  セリ

春の七草に関する歌

「せり・なずな・おぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ・これや七草」


七草を刻む時に歌う歌

「ななくさ なずな 唐土の鳥が 日本の土地へ 渡らぬ 先に ストトン ストトン」

歌の解説
現在,鳥インフルエンザが問題になっているが,これは中国大陸からの渡り鳥による伝染病である.昔の人は,「唐土」(中国大陸)から渡ってくる鳥が悪いものをもたらすことを,既に知っていた.昔の人の知恵には敬服の至りである.

慣用名

備考

文献(出典)


広島大学 / デジタル自然史博物館 / 植物 / 郷土の植物 にもどる