「嚴島神社世界遺産登録20周年記念事業観察会」の版間の差分

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2016年10月2日 (日) 06:48時点における版

目次

「嚴島神社」世界遺産登録20周年記念事業 野外観察会

概略

  • 天然記念物「弥山原始林」観察会
  • 世界遺産の登録区域(含,バッファーゾーン)にある,自然を専門の先生と巡る観察会.
  • 先着30名募集(要、予約:1ヶ月前から受付)
  • 世界遺産登録記念事業実行委員会(宮島観光協会内)
  • TEL.0829-44-2011
  • kansatsu@miyajima.or.jp

日程

観察会予定
日程 経路 見どころ 距離(km)
2016年4月2日(土) 広島大学の観察路.大元公園から室浜のコースの往復.午後3時ころまで. 宮島で見られる代表的な植物.全体的な基礎知識. ca. 12 km(約2万歩)
2016年5月7日(土) 登りはロープウェー.榧谷駅から仁王門経由で白糸川コース.午後3時ころまで. ロープウェー下の森林,ハイノキなど. (約1.6万歩)
2016年6月4日(土) 宮島港から山辺の小道,大元公園. 午前中のみ.矮小化した植物,石垣や路傍の植物など. (約0.9万歩)
2016年7月3日(日) 大元公園周辺 午前中のみ.モミ林.ミミズバイなど. (約0.8万歩)
2016年8月7日(日) 午後3時ころまで.(予定変更)ルートを変更して,午後1時ころまで.宮島港から包ヶ浦. ヤマモガシホンゴウソウシロシャクジョウなど. (約1.3万歩)
2016年9月3日(土) 午後3時ころまで.多々良から奥の院.(予定変更)台風接近のため中止. 低地から山地にかけての森林.
2016年10月2日(日) 登りはロープウェー.大元公園コース. 弥山原始林
2016年11月6日(日) 厳島神社から紅葉谷のロープウェー乗り場周辺 モミ林.モミミミズバイ

内容

2016年4月2日(土)

  • 広島大学の観察路で植物を観察.大元公園から室浜のコースの往復で約12 km(2万歩程度).宮島の低地で見られる代表的な植物を見るとともに,宮島自然植物実験所で全体的な基礎知識の解説.
  • 観察したおもな植物:アカマツ,クロマツ,モミ,アラカシ,シリブカガシ,クスノキ,シロダモ,イヌガシ,ヤブニッケイ,カゴノキ,コバノミツバツツジ,ヤブツバキ,ヒサカキ,サカキ,カンザブロウノキ,ミミズバイ,クロバイ,クロキ,カマツカ,ザイフリボク,ウリハダカエデ,タイミンタチバナ,ヤマモモ,ヒメユズリハ,トキワガキ,ヒノキバヤドリギ,サルトリイバラ,イヌザンショウ,コバンモチ,ミヤマガマズミ,コシダ,ウラジロ
  • 「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所(編), 坪田博美・向井誠二. 2009)を参照.
参考文献

2016年5月7日(土)

  • 登りは紅葉谷駅からロープウェー,途中の榧谷駅で下車.仁王門を経由して,白糸川コースで下山.ロープウェー下の森林や,ハイノキダイセンミツバツツジなどを観察.海抜約300 mで森林が変化することを解説.
  • 観察したおもな植物:イチョウ,クスドイゲ,アラカシ,モミ,ソテツ,スギ,オモト,マンリョウ,アカマツ,ダイセンミツバツツジ,ハイノキ,モミ,ツゲ,

記録(諸石)

2016年5月7日.曇りのち晴れ.厳島世界遺産20周年記念事業による植物観察会が宮島で行われた.9時に桟橋に集合し,有の浦,御笠浜を歩き,厳島神社にまみえる.食事処とりい付近にクスドイゲ(植栽)があり,周辺の植物について説明.紅葉谷川沿いを歩きロープウェーに乗り,弥山原始林を見下ろしながら榧谷駅まで上がる.海抜100 mまではアラカシやシリブカガシ,300 m以上でアカガシ,ツクバネガシ,ウラジロガシが出現するとのこと.榧谷駅から尾根を歩き,ウリハダカエデ,ヤブニッケイ,ソヨゴ,アラカシ,シロダモ,コジイ(花),ヤブツバキ,カナメモチ,マルバアオダモ(花)を観る.獅子岩を通過し,シキミ,ヒサカキ,クサイチゴ,サカキ,ネズミモチ,コガクウツギ(白花),クスノキ,サルトリイバラ,イヌガシ,クロバイ(花),ガンピ,コバノミツバツツジ,ミヤマガマズミ,アカマツ,ネジキ,ヒメヤマツツジ,イヌガシ,ナガバモミジイチゴ,アカガシ,スギ,ヒノキ,クロキ,ホウロクイチゴ,ツガを観る.霊火堂に差しかかる手前で,ナワシロイチゴらしき植物が樹木に絡んでいた.同種に似るキビナワシロイチゴ(本州・九州に稀産)は花崗岩地帯にほとんど分布しないため,ナワシロイチゴである可能性がある.霊火堂で昼食.昼食後,セッコクが着生するモミを過ぎ,仁王門に向かう.途中,クロバイ,ハイノキ(花)リョウブ,ヤブムラサキ,ナンゴクウラシマソウ,アオテンナンショウ,ダイセンミツバツツジ,ヤマウルシ,タラノキ,ワタゲカマツカ(花)を観る.仁王門を経由し,白糸川を下る.途中,ウリハダカエデ,シキミ,ヒサカキ,イヌガヤ,スギ,イヌガシ,シロダモ,ネズミモチ,サルトリイバラ,ソヨゴ,コシダ,サカキ,ヤマモモ,アカマツ,クロバイ,カンザブロウノキ,タイミンタチバナ,ツガ,アセビ,ミミズバイ,ウラジロ,ネジキ,アラカシを観る.ミミズバイ,カンザブロウノキ,イヌガヤなどは白糸川下流のやや暗く湿った場所に現れる傾向がある.白糸川を下り,大聖院ルートの入り口に到着.広島県では宮島のみで生育が確認されているトサムラサキを観察し,大聖院に向かう.途中,テイカカズラ,イズセンリョウ,ヒメイタビ,カナメモチ,ハスノハカズラ,サカキカズラ,サンカクヅル,コバノタツナミソウ(花),ツタバウンラン,キランソウ(花),カタバミ(花)を観る.15時ごろに大聖院に到着,現地解散とした.

2016年6月4日(土)

  • 宮島港から山辺の小道を散策.石垣など人家周辺で見られる植物やシカの影響を受けている植生を観察.

2016年7月3日(土)

  • 大元公園周辺を観察.天然記念物一部であるモミ林を散策し,モミやミミズバイ,イヌガシなど代表的な植物を観察.

2016年8月7日(日)

  • 宮島港から包ヶ浦を観察.ヤマモガシやホンゴウソウ,ヒナノシャクジョウなどを観察.

記録(諸石)

2016年8月7日.晴れ.厳島世界遺産20周年記念事業による植物観察会が宮島で行われた.9時に桟橋に集合.原爆の日の前後に開花するヤマモガシをメインの目的とし,包ヶ浦キャンプ場へ向かった.はじめに江戸時代の宮島の景観について説明があった.宮島小学校に向かう途中,コバノミツバツツジ,コシダ,アラカシ,シキミ,アカマツ,ネジキ,アセビ,ヤブムラサキ,ヤマウルシ,ハゼノキ,ヒサカキ,ミミズバイ,ヤマツツジ,アカメガシワ,カクミレノ,カナメモチ,ヒメイタビ,ヤブツバキ,カマツカ,ツルウメモドキ,ホウロクイチゴ,ハスノハカズラ,ヤマザクラ,クサギ(花),タラノキ,ヤマフジ,サカキカズラ,カエデドコロ,カタバミ,コニシキソウ,ヒメチドメを観る.学校内には,イヌビワ(実),シャリンバイ,クスノキ,トラノオジソ,モロコシソウ(苗),イノモトソウ,サンカクヅル,ミツバアケビ,スイカズラ,ヒメヤマツツジ,イロハモミジ,キンモクセイ,ナンテンがあった.その後,ノキシノブ,イヌガシ,ネズ,シロダモ,ジャケツイバラ,ヤマモモ,スギ,ナツツバキ(植栽),ダンドボロギク(花),イヌツゲ,ハマゴウ,ウリハダカエデ,カンコノキ,ノイバラ,ノブドウ,ナガバタチツボスミレ,アオテンナンショウ,ナンゴクウラシマソウ,ヘクソカズラ(花),ジャゴケ,ヒメユズリハ(幼芽),タチシノブ,トラノオシダ,ヌルデ,ツタウルシ,エノキ,ネズミモチ,カンコノキ(花),マンリョウを見ながらトンネルを通過.芝生のシカを横目にアオギリ(現・アオイ科),ウラジロ,コバノヒノキシダ,リョウブ,テイカカズラ,ソヨゴを観る.アオギリはかつてはアオギリ科に置かれていたが,APG植物分類体系ではアオイ科に移動している.またカンコノキはトウダイグサ科に置かれていたが.現在はコミカンソウ科に含まれた.檜皮の森に差しかかる手前でテッポウユリ,ヒメムカシヨモギ,キョウチクトウ(植栽・花),スダジイ(植栽)を観る.檜皮の森を経由し,包ヶ浦キャンプ場に向かう.途中,イズセンリョウ,サカキ,シリブカガシ(花),タマミズキ,カギカズラ(対生),オオバヤシャブシ,ナンキンハゼ,クマノミズキ,サルトリイバラ,ヒメヤシャブシを観る.ナンキンハゼは中国原産の落葉高木で,ハゼノキの代わりに蝋をとる材料として使われるようになったことからその名がついた.ナンキンハゼはシカが食べず,奈良公園での繁茂が問題となっている.村中ほか(2005)による「特定外来生物に指定すべき優先度の高い種」のリストの中では,ナンキンハゼは最低ランクに位置づけられているが,今後生態系への影響が懸念される.包ヶ浦キャンプ場でヤマモガシを観る.花期を見込んでやってきたが,サツマニシキの幼虫による食害が樹木全体に及んでいた.キャンプ場から奥に進むと,やや薄暗い林床があり,腐生植物のホンゴウソウ,シロシャクジョウ,ヒナノシャクジョウを観る.14時過ぎ,現地解散.

参考文献
村中孝司・石井 潤・宮脇成生・鷲谷いづみ. 2005. 特定外来生物に指定すべき外来植物種とその優先度に関する保全生態学的視点からの検討. 保全生態学研究 10: 19–33.

関連リンク