植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter415

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ヒコビアミニレター No. 415(2013年6月15日)

 2013年6月1-2日の第539回植物観察会は,東京都八王子市高尾町高尾山(599 m)と独立行政法人森林総合研究所多摩森林科学園(〒193-0843 東京都八王子市廿里町1833-81)で行われた.原則通り,現地集合・現地解散であるが,多摩森林科学園見学の関係で要申込とした.6月1日は,高尾山で植物を観察した.参加者7名.天気はくもり.各々現地に向かい,京王高尾線の高尾山口駅に13時集合.予定より早めに集まったため,日程とコースの説明の後,12時45分に出発.ミシュランガイドの影響か,登山客が広島では考えられないほど非常に多かった.ケーブルカーやリフトは利用せず,登山道を登った.登りは1号路から4号路,いろはの森コースを経て,1号路へ戻り,高尾山頂へ到着した.途中,タマアジサイスミレサイシンエゴノキ(開花),フタリシズカイイギリヤブミョウガウリノキ(つぼみ),タカオスミレモミジイチゴキブシアオキウドイワタバコマメヅタコウヤボウキクサギウラジロガシキッコウハグマハリギリイナモリソウ(開花)などを見る.金比羅台に近づくとモミアカガシが出てきた.リフトの駅あたりからイヌブナが出はじめ,駅を過ぎるといよいよ人が多くなった.しばらくして4号路に入る.吊り橋を渡ってさらに進む.途中,シラキ(開花)やチドリノキキジョランアオハダフサザクラなどが見られた.ブナを見るためいろはの森コースに入る.ブナは少なく,イヌブナの方が多かった.頂上に13時過ぎに到着して,集合写真を撮る.頂上付近では,シラカシコナラウラジロモミクマシデカシワなどが見られた.垰田さんの説明では,カシワなどは植栽されたものとのこと.帰りは6号路を使って下山した.谷沿いの道でスギが多く,大山橋を過ぎた所で満開のセッコクを見ることができた.途中,カツラダンコウバイミミガタテンナンショウリョウメンシダホオノキ(開花),テイカカズラアブラチャンなどが見られた.17時過ぎに下山.参加者の乃美さんは,日暮れ前後に出てくるムササビを見るため,今度はケーブルカーで登られたとのこと.

 6月2日は,多摩森林科学園の園内での観察.参加者7名.天気はくもりのち晴れ.森林科学園の入口に9時30分集合.植物観察会の垰田さんが以前勤務されていたこともあり,今回この場所を選定した.多摩森林科学園は,独立行政法人森林総合研究所の支所の一つで,JR中央線高尾駅から歩いてすぐの所に位置する.入園料大人300円で一般公開している.多摩森林科学園のある場所は,江戸時代に幕府の直轄地で,明治以降には御料林として管理されていた.1921年(大正10年)2月に宮内省帝室林野管理局林業試験場として発足し,1988年(昭和63年)に現在の名称になったとのこと.都市近郊林に関する研究や多様性保全に関する研究が行われており,とくにサクラの遺伝資源に関する研究で有名.また,近年は普及・広報活動にも力を入れており,1992年(平成4年)から現在のような一般公開が始まっている.今回は,園内の樹木園や試験林,サクラ保存林などを中心に植物観察を行った.コース説明の後,主任研究員の島田和則氏と勝木俊雄氏の案内で園内を散策した.説明によれば,園内の森林は,薪炭林として利用されるコナラ二次林は少なく,モミスダジイといった常緑樹が多く見られ潜在自然植生に近い森林が残っており,以前は園周辺にコナラ林が見られたが,現在は宅地開発などでほとんど残っていないとのこと.はじめに見た第一樹木園は,林業に使う樹種を集めてあり,ドイツトウヒカラマツオウゴンスギヨレスギなどのスギの品種,ヒメバラモミシノブヒバシナノキシダレイトスギトウネズミモチメタセコイヤセコイヤツゲアスナロカゴノキシロダモイヌシデコウヤマキヤクタネゴヨウタイワンハリギリストローブマツタラヨウアラカシツガモミイイギリ(開花)などが見られた.途中,垰田さんから,木曽五木やアスナロナギの耐陰性などについて説明があった.さらに進むと,イチイガシスダジイツタウルシトチュウマタタビタケニグサウラジロガシアラカシハルニレミズナラシマサルスベリイヌブナキタコブシオオモミジモッコクセンペルセコイアモクゲンジヒマラヤスギミサキカグマヤワラシダミズメテーダマツニガイチゴヤツガタケトウヒなどが見られた.ニガイチゴが広島のものより大型であった.第3樹木園を経てサクラ保存林に向かい,オオヤマザクラカワヅザクラヤエベニヒガン,諸々の里ザクラの系統,その他ケンポナシコナラアサダハナイカダなどが見られた.12時30分頃,休憩所で昼食をとる.年間3万人程度の利用者があるとのこと.また,最近イノシシが出て来るとのこと.森の科学館に向かう道中で,コアジサイ(開花)やイナモリソウ(開花),園芸品種のフゲンゾウミツデカエデイヌザクラヤマグワレンギョウアサノハカエデクマシデドロノキタイワンツゲミヤマウグイスカグラなどがあった.13時30分頃解散し,各々帰路についた.

(H. Tsubota & S. Uchida 記)

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