流紋岩

提供: 広島大学デジタル博物館
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流紋岩(りゅうもんがん)

  • 火山岩の一種である。成分は花崗岩とほぼ同じであるが、花崗岩がゆっくり冷えたため大粒の結晶を多く含むのに対して、流紋岩は地表あるいは表面近くで急速に冷えてできたため結晶(斑晶)が小さくガラス質に富んでいる。典型的なものは縞状の粒状構造が観察され、名称の由来となっている。
  • 石質は花崗岩に近いものから頁岩(堆積岩)、玉髄(鉱物)に近いものまでさまざまな種類があり、均質な石材が打製石器に、粗粒な石材が石斧や敲石として利用されている。西条盆地では凝灰岩(火山灰が固結した岩石)質のものが主体で、広範に分布する石材であるが、石器石材として利用されるものはある程度地域が限定されるようである。
  • 流紋岩は旧石器時代に主として利用された石材で、縄文時代にも地域によっては主要な石材として利用されている。西条盆地をはじめとする広島県西部では後期旧石器時代前半を主体に利用されている。縄文時代においても稀に利用されているが、主要な石材となることはない。