植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter469

提供: 広島大学デジタル自然史博物館 植物
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ヒコビアミニレターNo.469(2017年4月30日)

 2017年4月16日の第593回植物観察会は廿日市市吉和のもみのき森林公園で行われた.もみのき森林公園センター前に10時集合.参加者43名.当日は公園内でマラソン大会が開かれていたので,沢山の人が集まっていた.公園センターは海抜高約900 mで,中間温帯のモミ・ツガ林域から冷温帯のブナ林域に移行する冷涼な気候帯にある.観察会の当日はまだ春の植物が開芽したばかりであまり目立たず,西方に見える冠山には残雪が広範囲に存在するし,北方に位置するめがひらスキー場にも雪が沢山あり,植物観察会を行うには少し早すぎたかもしれない.逆にまだ葉が茂っていないので冷温帯落葉広葉樹林の特徴がよく見えるので,この季節に来るのも悪くないと感じられた.モミの木は常緑樹であり,落葉樹林の中にあって目立つ存在で,公園の名前の由来となるものと納得させられる.公園センターの元職員の平本勝吉さんから当日の観察コースについて説明があり,次に関太郎先生から1983年(昭和58年)にもみのき森林公園予定地の植生調査を行った当時の様子について説明があった.この辺りは,昭和40年ころ乳用牛団地として開発を始めたところであり,広葉樹を伐採してモミを切り残したのでモミの大径木が多く残ったといわれる.散策道には様々なコースがとれるが北方に位置する小室井山(1072 m)を目指したのちに南西方向の稜線を下って公園センターに戻るコースを歩いた.公園センター付近にはコナラヤドリギが沢山ついていた.モミ(胸高直径40–70 cm),コシアブラ(40 cm),コナラ(30–60 cm),ミズナラ(25–40 cm),ブナ(25–70 cm),スギ(25–50 cm)などの大径木が目立った.林床にはウバユリバイケイソウコバノフユイチゴコマユミミヤマシキミアケボノソウシシガシラオトコヨウゾメムラサキマユミクロモジタンナサワフタギモミソヨゴウリハダカエデクリリョウブなどが見られたが単調な種組成であった.雪で押し倒された植物が目立ち,アセビミヤマシキミ(ツルシキミ),イヌツゲハイイヌガヤエゾユズリハスギが地面に押し付けられて地面を覆うような生育型をしていた.他方で,非常に興味深かったのは,海抜高1000 m付近でシロダモの稚樹(高さ25 cm)が1本あり,これは積雪により守られて生存した結果だと思われる.

(G. Toyohara 記)

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