植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter353

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ヒコビアミニレター No. 353 (2009年4月27日)

2009年4月19日の第478回植物観察会は,広島県安芸高田市八千代町の土師ダム湖岸から堂床山の山頂近く,標高600 m付近の大沢湿原県自然環境保全地域で行われた.参加者は51名,快晴で,出発時刻の9時30分には汗ばむ気温になった.標高280 m の湖岸では,オニグルミが若い雄花序を下げていた.登山道入口のザイフリボク,コバノミツバツツジが満開.三田谷に沿った中国自然歩道は荒れて歩き難い.山腹斜面下部は大きな転石が重なり,コナラ,ウツギ,イボタノキ,エゴノキ等の樹木にミツバアケビ,ヤマフジが絡んでいる.渓畔のウワミズザクラ,ミツバウツギ,アサガラ(昨秋の果実あり)がつぼみ.クロモジ,カナクギノキ,シキミ,ヤマブキ,アオキ,ビロードイチゴ,ウグイスカグラが開花中.常緑樹ではシロダモ,ヒイラギ,カヤ,イヌガヤ,ウラジロガシ,シラカシ.草本は量が少なく,ミツバツチグリ,ヒトリシズカ,ヤマルリソウがわずかに咲き,ミヤマカンスゲ,ニシノホンモンジスゲ,ヒメカンスゲ,ヒカゲスゲなどのスゲも穂を出している.標高約600 mの保全地域には,アカマツ,コナラ,ウワミズザクラ,ナラガシワ,アカシデ,ハンノキ,ヤマナラシ,ホオノキ,ウメモドキが上層に,アセビ,コバノミツバツツジ等が下層にあり,草本は路傍のシハイスミレ,ニシキゴロモが少しあるだけ.オオミズゴケのある湿地では,ワラビやイネ科草本が冬枯れのままで,緑の葉は見られない.全体を通じて,草本がきわめて少なかった.大きく伸びた草本は,花が終わったばかりハシリドコロの数株と,キツネノカミソリの多数の新葉のみであった.イヌツゲやシシガシラ等に食み痕が目立つことから,この地域に多いシカの影響と考えられる.下山後には湖畔へ下り,オオタチヤナギの花序を観察した.

(H. Taoda 記)

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