昆虫について

提供: 広島大学デジタル自然史博物館 植物
移動: 案内検索

広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 郷土の動物 > 広島県の昆虫 > 昆虫について | 広島県の動物図鑑 / 和名順

目次

昆虫について

むしと昆虫

まず,「昆虫」とは何か?という話をする前に,少しだけ「むし」というものについて触れてみたいと思います.

後で詳しく解説しますが,「昆虫」というと脚(昆虫のあしはこの字を使います)が6本あって,翅(脚と同様この字をあてます)が4枚で…,とすぐにチョウやトンボを思い浮かべるのではないかと思います.

しかし「むし」というとちょっと様子が違いませんか?「むし」と聞く(書く)となんだか気持ちの悪い生き物と感じる人も多いのではないでしょうか?

昔,大型の「けもの(いのしし等)」「さかな」「とり」等の生きもの以外の小動物をまとめて「むし」と言っていました.ですからヘビやカエルなども含まれていたのです.「蛇(へび)」という漢字のなかに「虫」が付くのも納得です.そして本当の「昆虫」には「蟲」という字を使いました.

昔の人は昆虫が群れている様子を表そうとしたのでしょうか.

昆虫の定義について(頭部・胸部・腹部・翅など)

昆虫とは何か?と聞かれると,あまり詳しくない人でも「脚が6本ある生きもの」とすぐに思い浮かぶのではないでしょうか.

確かに「6本の脚をもつ」ものは昆虫ですが,「昆虫は全て6本脚か?」といわれるとそうではないものもいます.

たとえばハエ目ユスリカ科の幼虫は胸部と腹部の端に擬脚(ぎきゃく)と 呼ばれる脚のようなものが2対ずつ4本しかありません.さらにハエの幼虫ウジムシには全く脚がありません.また成虫でも,タテハチョウ科の仲間は前脚が退化し,着地や歩行には全く使用されず,「4本脚のチョウ」と言われることがあります.

では昆虫の定義はなんなのでしょうか?

ちょっと難しいことをいうと,昆虫の体は頭部・胸部・腹部の3つの部分に分かれています.さらに胸部は前・中・後の3つに分かれていて,脚はそれぞれに1対ずつ,計6本ついています.また,胸部には4枚の翅が付いています.

ただ,これにも例外があって,双翅目(ハエ目)には読んで字のごとく2枚の翅しかありませんし,アリは翅を持ちません(巣から分散する時期だけハネアリになる).また,原始的なシミの仲間は全く翅を持ちません.

しかし,例外をあげるときりが無いので,昆虫とは

「体が頭部・胸部・腹部からなり,胸部には節のある脚が3対6本と2対4枚の翅をもつ生きもの」

ということになります.

昆虫の歴史

昆虫は現在動物界の中で最も繁栄したグループです.

その数は70万種とも80万種とも言われ,現在でも次々と新しい種類が発見されています.これは動物全体の実に70%以上にもなると言われています.

私たち人間が属する哺乳類が約4000種と言われていますから,いかに昆虫の種類が多いかということがわかると思います.

さて,そんな昆虫ですが,いったいいつごろ地球上に現れたのでしょうか? 発見された昆虫の化石のなかで最も古いものは,約3億7千万年前のもので,トビムシとバッタの系統と考えられるものでした.

その化石から推測すると,約4億年前には地球上に出現していたと考えられています.恐竜が出現したのが約2億3千万年前と言われていますから,昆虫がいかに古い時代に出現したかということがわかります.

現在見られる昆虫で最も古くに出現したものは,カゲロウ目,ゴキブリ目,バッタ目などです.

ゴキブリの生命力の強さは,人間よりもはるかに長い時代を生き抜いてきたことを考えると当然のように思えますね.

昆虫の生活史(完全変態・不完全変態)

卵がかえり,イモムシが成長し,サナギになって,まるで別人(別虫?)のような美しいチョウチョが突然現れ大空へ.このように「サナギ」という段階をもつ変態を「完全変態」といいます.完全変態する仲間はチョウ目,コウチュウ目,ハエ目,トビケラ目などがあります.これらは進化した結果現れた昆虫たちです.

一方,ゴキブリ目,トンボ目,カワゲラ目など,原始的な特徴を残したままの仲間は「不完全変態」といって,サナギにならず,幼虫(この場合,若虫とよぶ)から直接成虫になります.カワゲラ目などは,若虫にそのまま翅をくっ付けただけのような姿をしています.

さらに原始的で翅を持たないシミの仲間は変態すらしません.「変態」は進化と共に身に着けた成長様式のようです.人間は進化した結果,自分の姿ではなく,周りの環境を劇的に変化させる能力を身に付けたのでしょうか?

昆虫の分類

生き物は形態的特徴(体のしくみ)によって色々なグループに分けられています.

生き物は「動物界」「植物界」という「界」という大きなグループに分けられます.以前の分類体系では5つの界に分けられていました.ここでは昆虫(綱)が属する「動物界」についてお話します.

まず「界」の下には「門」→「綱」→「目」→「科」→「属」→「種」と言うように,だんだん小さなグループに細かく分かれていきます.

例えば「門」には脊索(せきさく)動物門,節足(せっそく)動物門などが含まれています.「脊索」とは「脊髄(せきずい)の下にある棒状の支持器官」のことで,「脊索動物門」とは脊索を持つ動物のグループです.

ここにはヒト,ヘビ,トリなどが含まれますが,これらは「門」の次のグループ「綱」で分かれていて,それぞれ哺乳(ほにゅう)綱(類),爬虫(はちゅう)綱(類),鳥綱(類)となっています.

それでは昆虫はというと「節足動物門」に含まれます.これは漢字から分かるように,「節のある足(脚)を持った動物」のグループです.

では具体的に皆さんの良く知っている「キアゲハ(種)」についてみてみましょう.順番に「節足動物門」→「昆虫綱」→「チョウ目」→「アゲハチョウ科」→「アゲハチョウ属」→「キアゲハ(種)」となります.「アゲハチョウ属」には他に「ナミアゲハ」や「カラスアゲハ」なども含まれます.

目次


広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 郷土の動物 > 広島県の昆虫 > 昆虫について | 広島県の動物図鑑 / 和名順