ニホンイシガメ

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ニホンイシガメ成体.頭部はオリーブ色.甲羅は黄褐色で後縁にはノコギリ状の深い切れ込み(鋸歯)があるのが特徴.四肢にオレンジ色の模様が入る.(広島県山県郡芸北町(現在の広島県山県郡北広島町); 撮影: 内藤順一, Sep. 6, 1992)
ニホンイシガメ成体(広島県東広島市椋梨川水系; 撮影: 池田誠慈, Mar. 30, 2016)
ニホンイシガメ(成体)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May. 2, 2020)

ニホンイシガメ Mauremys japonica

分類

動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 爬虫綱 Reptilia Linnaeus > カメ目 Testudines > イシガメ科 Geoemydidae > イシガメ属 Mauremys > ニホンイシガメ Mauremys japonica

解説

  • 本州・四国・九州・佐渡島・隠岐・見島・対馬・壱岐・淡路島・五島列島などに分布する日本固有種.
  • 幼体は背甲に3本の隆条(キール)をもつが,成体になると目立たなくなり,中央の1本が不明瞭に残るのみ.背甲の後縁は鋸歯状.
  • 背甲は赤か黄色味を帯びた褐色.腹甲は黒色か黒褐色1色で,クサガメのように黄色の縁取りは入らない.
  • 四肢にオレンジ色の模様が入るものも見られる.
  • 平地より山麓部に多く,河川の上流~中流域や池沼に生息する.クサガメよりも遊泳能力が高く,流れの速い場所や水温の低い場所には本種が多くみられる.
  • オスの尾はメスに比べて長くて基部が太く,尾を伸ばすと総排泄腔が甲羅の外側にくる.メスはオスよりも大きい.
  • 雑食性で,水生昆虫や魚,甲殻類を食べる.
  • ミトコンドリアDNAの解析によると2系統が認められる.本州・四国に分布する系統と本州・九州に分布する系統で,それらは広島県と島根県付近で混在しており,中国地方は境界領域になっていると思われる.
  • ワシントン条約附属書IIに記載されており(CITES II),日本国外への輸出が禁止されている.

天然記念物・RDB

  • 環境省RDB:準絶滅危惧 (NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2003):準絶滅危惧 (NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2011):準絶滅危惧 (NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2021):準絶滅危惧 (NT)
  • ワシントン条約附属書II(CITES Appendix II 2013)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • イシガメ

英名

  • Japanese pond turtle

広島県方言

  • ぜにがめ(幼体のことを指してこう呼んでいた.現在はクサガメの幼体を指すことが多い.)


ギャラリー

備考

参考文献

  • 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島.
  • 千石正一. 1979. イシガメ. 千石正一(編), 原色両生・爬虫類, p. 5. 家の光協会, 東京.
  • 中村健児・上野俊一. 1963. 原色日本両生爬虫類図鑑. 214 pp. 保育社, 大阪.
  • 鈴木 大. 2012. 遺伝的変異から見たニホンイシガメの進化史と日本産クサガメの外来性について. クリーパー 61: 47-57.
  • 安川雄一郎. 1996. ニホンイシガメ. 日本動物大百科 5, pp. 59, 63. 平凡社, 東京.
  • 安川雄一郎. 2007. イシガメ属とその近縁属の分類と自然史(後編). クリーパー 40: 11-12, 35, 36-41.

更新履歴

  • 2015.07.23 ページ作成.
  • 2022.05.06 ギャラリー化,広島県RDB情報追加.

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