ニホンアカガエル

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ニホンアカガエル成体(オス).1月下旬頃,繁殖のために一斉に水辺に集まる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 神林千晶, Jan. 29, 2016)
多数のニホンアカガエルのオスが一匹のメスをめぐって争う様子.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 23, 2020)
産卵・放精中のニホンアカガエル.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 柳拓明, Jan. 22, 2020)


ニホンアカガエル Rana japonica

分類

動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 両生綱 Amphibia > 無尾目 Anura > アカガエル科 Ranidae > アカガエル属 Rana > ニホンアカガエル Rana japonica

解説

  • 本州・四国・九州・壱岐・大隅諸島.八丈島には人為移入.
  • 繁殖期は他の本土産のカエルに比べて早く,広島県内の平地で1~3月,県北で4月頃.オスは「キョッキョッキョッキョッ……」と鳴くが,鳴のうはもたない.
  • 湿田や湿地などの浅い止水に約500~3000個の卵を産卵する.1個体のメスが産卵する卵はひとかたまりの卵塊としてまとまるので,卵塊の数を数えることでメスの数を推定できる.
  • オスは,前肢の第1指に婚姻瘤(こんいんりゅう)をもつ.また,メスの腹面は,繁殖期に朱色になる.
  • ヤマアカガエルと似るが,本種は背側線が眼の後方から真っ直ぐ伸びることとあごに黒斑がないことで区別できる(ヤマアカガエルの背側線は眼の後方で外側に曲がり,あごに数個のやや大きな黒斑をもつ).
  • ヤマアカガエルとしばしば混生するが,鳴き声が違うのはもとより,本種は平地に,ヤマアカガエルは山間で見られる傾向があり(交配前隔離),人為的に ヤマアカガエルと交配させても受精不能か稔性(ねんせい)をもたず(交配後隔離),生殖的に隔離されている.
  • 幼生は,背中に左右1対の黒点があり,ヤマアカガエルの幼生と区別できる.
  • 冬~早春に繁殖を行うため,その時期に産卵場所となる浅い止水が必要であるが,圃場整備による乾田化や水田放棄により産卵場所が消失している.

天然記念物・RDB

  • 環境省RDB:準絶滅危惧(NT)→選外へ
  • 広島県RDBカテゴリ(2003):準絶滅危惧(NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2011):準絶滅危惧(NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2021):準絶滅危惧(NT)
  • 「広島市の生物」(広島版レッドデータブック):環境指標種

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • ニホンアカ

英名

  • Japanese brown frog

広島県方言

  • あかがえる

ギャラリー

備考

参考文献

  • 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島.
  • 前田憲男・松井正文. 1999. 改訂版 日本カエル図鑑. 233 pp. 文一総合出版, 東京.
  • 松井正文. ニホンアカガエル. 1996. 日本動物大百科 5: 64 p. 平凡社, 東京.
  • 岡田 純. 2012. ニホンアカガエル. 広島県の絶滅のおそれのある野生生物, 3版. 100 p. 広島県, 広島.
  • 大河内 勇. 1979. ニホンアカガエル. 千石正一(編), 原色両生・爬虫類, pp. 138-139. 家の光協会, 東京.

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