コバノヘクソカズラ

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コバノヘクソカズラ(廿日市市宮島町; 撮影: 内田慎治, July 18, 2014)

目次

コバノヘクソカズラ Paederia foetida L. f. microphylla (Honda) Tsukaya, Imaichi et J.Yokoy.

シノニム

  • Paederia foetida L. forma microphylla (Honda) Tsukaya, Imaichi & J.Yokoy.
  • Paederia scandens (Lour.) Merr. var. mairei (H.Lév.) H.Hara f. microphylla (Honda) H.Hara
  • Paederia scandens (Lour.) Merr. forma microphylla (Honda) H.Hara

その他

  • Paederia scandens (Lour.) Merrill var. marirei (Leveille) Hara f. microphylla (Honda) Hara(広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会 1997で採用.)
  • Paederia scandens (Lour.) Merr. var. marirei (Leveille) Hara f. microphylla (Honda) Hara

分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > アカネ科 Rubiaceae > ヤイトバナ属 Paederia

解説

  • 宮島の植物に小形化した形態のものが多いことは,すでに乾・本田(1930),堀川(1942d),関ほか(1975)などで論ぜられている.
  • 乾・本田(1930)は「又ヘクソカズラの葉の極端に小さくなれるもの到る処に見られることも注意すべきことなり」と述べているが,Honda(1929)は,すでにその前年に宮島から新変種として発表している.
  • 本変種は葉の幅5~10 mm,長さ5~12 cmで,花をつけており,基本種のヘクソカズラに比べて葉が小型になる点で特徴付けられる.
  • Haraは品種として扱っているが,宮島での観察によれば,正常型との間に連続的な変異は認めがたく,変種のランクがいいと思われる.
  • 生態的にも,コバノヘクソカズラは,宮島の自然度の高い森林の林縁に生育し,正常型はごみ焼き場とか人家付近など人為的影響のある所に見られる.
  • 宮島以外では,隣の西能美島や倉橋島でヘクソカズラの小形のものが見られるが,宮島のものほど極端な形態ではない.
  • Tsukaya et al. (2006)は,コバノヘクソカズラの葉の小型化が遺伝的に固定しており,細胞数の減少が原因であることを明らかにし,新組み合わせP. foetida L. forma microphylla (Honda) Tsukaya, Imaichi & J.Yokoy.を提案している.
  • 落葉性のつる性草本.本種は,基本種に比べて,葉が細長く小型になる点で特徴付けられる.日本と台湾に分布し,日本では宮島と金華山(岐阜県岐阜市)の2か所で生育が確認されている.正基準産地は宮島であり,多くの研究で報告されている.Tsukaya et al.(2006)はタイプ標本を含めた日本産と台湾産の計65個体について研究を行い,コバノヘクソカズラの形態的特徴は個体群内で安定したものであり,細胞数の減少が原因であることを明らかにし,新組み合わせP. foetida L. f. microphylla (Honda) Tsukaya, Imaichi & J.Yokoy.を提案している.本品種は「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)(米倉・梶田,2003–)では扱われていない.

花期

分布・産地・天然記念物

分布

産地

天然記念物

標本

  • 廿日市市宮島(HIRO-MY 35439, rn-6427)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

英名

広島県方言

備考

  • 環境庁コード: 46735

文献(出典)

  • Honda(1929),乾・本田(1930),加藤(1939),堀川(1942d),Hara(1952),Suzuki et al.(1970),関ほか(1975),広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997),Tsukaya et al.(2006),平原ほか(2011)

引用文献

  • Honda,M. 1929. Nuntia ad Floram Japoniae II. Bot. Mag. Tokyo 43: 189-193.
  • 堀川芳雄.1942d. 厳島の植物.広島県教育委員会編,広島県史跡名勝天然記念物調査報告第5輯.pp. 157-212. pls. 44-52. 広島県教育委員会,広島.
  • 乾 環・本田正次.1930. 厳島瀰山原始林調査報告.文部省編,天然記念物調査報告植物之部第10輯.pp. 25-28. 文部省,東京.
  • 関 太郎・中西弘樹・鈴木兵ニ・堀川芳雄.1975. 厳島(宮島)の維管束植物.天然記念物彌山原始林・特別名勝厳島緊急調査委員会編,厳島の自然-総合学術研究報告-.pp. 221-332. 宮島町,広島.
  • Tsukaya, H., Imaichi, R. & Yokoyama, J. 2006. Leaf-shape variation of Paederia foetida in Japan: reexamination of the small, narrow leaf form from Miyajima Island. J. Plant. Res. 119: 303-308.

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