カスミサンショウウオ種群

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アキサンショウウオ成体(オス).尾は側扁し,上下に黄条は出ていない.(広島県三原市; 撮影: 池田誠慈, Apr. 3, 2016)
イワミサンショウウオ成体(オス).尾の上下に明瞭な黄条がある.後肢の趾(あしゆび)の数は4本の個体がほとんどを占める.(島根県益田市; 撮影: 大川博志, Feb. 1, 2009)
サンインサンショウウオ成体.尾は側扁し,上下に黄条(黄色い筋)が強く出る.(島根県松江市; 撮影: 大川博志, Jan. 19, 2013)
セトウチサンショウウオ成体(オス).尾は側扁し,尾の上下に黄条は出ない.(広島県南部; 撮影: 池田誠慈, Apr. 7, 2018)
ヒバサンショウウオ(旧カスミサンショウウオ高地型).側面と腹面に地衣状斑紋がある.尾は側扁せず棒状.(広島県北部; 撮影: 池田誠慈, May 31, 2015)
ヤマグチサンショウウオの幼体(当歳,飼育個体).尾の上下に明瞭な黄条がある.(大分県北部産; 撮影: 宗像優生, Aug. 5, 2019)
アブサンショウウオの幼体(1歳,飼育個体)(山口県中部産; 撮影: 宗像優生, Aug. 5, 2019)
ヒバサンショウウオの幼生(広島県北部; 撮影: 池田誠慈, Jun. 12, 2016)
アキサンショウウオの幼生(上が背面,下が側面).胴体から尾に黒褐色の小斑点が密に現れる.(広島県中部; 撮影: 池田誠慈, May 7, 2016)
ヒバサンショウウオの幼生.胴体から尾に黒褐色の小斑点が密に現れる.(広島県北部産; 撮影: 池田誠慈, Jun. 28, 2016)
ヒバサンショウウオ(旧カスミサンショウウオ高地型)の幼生(広島県北部; 撮影: 池田誠慈, Jun. 30, 2015)
チュウゴクブチサンショウウオの幼生(左)とヒバサンショウウオの幼生(右)の比較.(広島県北部; 撮影: 池田誠慈, Jun. 30, 2015)
アキサンショウウオとアカハライモリの幼生の比較.アキサンショウウオ(写真上)の背びれは頭胴部の中央から始まるのに対し,アカハライモリの背びれは前肢の基部から始まる.また,アキサンショウウオは胴体から尾に黒褐色の小斑点があるのに対し,アカハライモリは斑紋がなく側線器(白丸印)が目立つ.(クリックして拡大)(撮影: 池田誠慈, Jun. 28, 2016)
アキサンショウウオの幼生(写真左)とアカハライモリの幼生(写真右)の頭部の比較.アカハライモリは鼻孔から眼の後ろにかけて明瞭な黒い模様がある.(撮影: 池田誠慈, Jun. 28, 2016)

目次

カスミサンショウウオ種群

分類

動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 両生綱 Amphibia > 有尾目 Caudata > サンショウウオ科 Hynobiidae > サンショウウオ属 Hynobius

解説

  • 本州(愛知県以西)・四国・九州・壱岐島に分布する日本固有種をカスミサンショウウオ1種としていたが,9種に再分類された(Matsui et al. 2019).
  • 広島県では,県南部から中国山地にかけてアキサンショウウオ Hynobius akiensisイワミサンショウウオ Hynobius iwamiセトウチサンショウウオ Hynobius setouchiヒバサンショウウオ Hynobius utsunomiyaorumの4種が生息.
  • 成体の模様,尾の上下に黄色い筋があるものとないもの,後肢の趾(あしゆび)の数,卵のうの形状と卵の数,繁殖期の違いなど,非常に変異に富んだものが含まれていた.
  • 県内では中国山地脊梁部に分布する高地型と県南部の低地型と2つの型が報告されたが(比婆科学教育振興会,1996;宇都宮・宇都宮,1998),上記のような特徴からいくつかの地方型にする考えがあった(大川ほか,2005:大川ほか,2009).
  • 繁殖期以外に成体を観察するのは困難.繁殖期は,多くは3月頃ピークで,ヒバサンショウウオ(旧カスミサンショウウオ高地型)は遅れて4月中旬~5月上旬.湧水や湿地で産卵が行われる.
  • 繁殖期のオスは下あごが白くなり,総排泄腔周辺が大きく膨らむのでメスと区別できる.

天然記念物・RDB

  • 環境省RDBカテゴリ:絶滅危惧II類(VU)(カスミサンショウウオとして)
  • 広島県RDBカテゴリ(2011):絶滅危惧II類(VU)(カスミサンショウウオとして)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

英名

  • clouded salamander

広島県方言

  • やまいもり(広島県庄原市; 旧比婆郡高野町)
  • しちぶ(比婆地方.ヒバサンショウウオのことを指して)
  • かく(チュウゴクブチサンショウウオの幼生の地方名と混用)

他県では

  • はたけどじょう(奈良県)
  • やぶどじょう(滋賀県)
  • とことこ(壱岐島)

他県のカスミサンショウウオ種群

備考

参考文献

  • 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島.
  • 松井正文. 1979. 原色両生・爬虫類. 108 p. 家の光協会, 東京.
  • 松井正文・関慎太郎. 2008. カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシハンドブック. 79 pp. 文一総合出版, 東京.
  • Matsui M., Okawa, H., Nishikawa K., Aoki, G., Eto, K., Yoshikawa, N., Tanabe, S. Misawa, Y. & Tominaga, A. 2019. Systematics of the widely distributed Japanese clouded salamander, Hynobius nebulosus (Amphibia: Caudata: Hynobiidae), and its closest relatives. Current Herpetol. 38(1): 32-90.
  • 内藤順一・田村龍弘. 1996. 広島県芸北町の両生類. 高原の自然史 pp. 247-279. 芸北町教育委員会.
  • 中村健児・上野俊一. 1963. 原色日本両生爬虫類図鑑. 214 pp. 保育社, 大阪.
  • 大川博志. 2012. カスミサンショウウオ. 広島県の絶滅のおそれのある野生生物, 3版. 97 p. 広島県, 広島.
  • Okawa, H. and Utunomiya, T. 1989. Hunobius nebulosus from Hiroshima Prefecture. Current Herpetology in East Asia. 142-146.
  • 大川博志・宇都宮妙子・宇都宮泰明・内藤順一. 1990. 広島県のカスミサンショウウオ. 比婆科学 146: 49-53.
  • 大川博志・宇都宮妙子・宇都宮泰明・内藤順一. 1998. 広島県のカスミサンショウウオ(2). 比婆科学 188: 13-18.
  • 大川博志・宇都宮妙子・奥野隆史. 1999. 後肢趾が4本のカスミサンショウウオの集団について. 比婆科学 192: 47-52.
  • 大川博志・奥野隆史・宇都宮妙子. 2005. 阿武・津和野地方および山口市に分布するカスミサンショウウオの一集団. 両生類誌 14: 11-14.
  • 大川博志・奥野隆史・宇都宮妙子. 2009. 西日本のカスミサンショウウオの後肢趾の変異. 爬虫両棲類学会報 2009(1): 12-18.
  • 佐藤井岐雄. 1943. 日本産有尾類総説. 536 pp. 日本出版社, 大阪.
  • 佐藤月二・水岡繁登. 1959. 三段峡・八幡湿原の両生類. 総合学術調査研究報告: 314-324.
  • 宇都宮妙子・宇都宮泰明・大川博志・内藤順一. 1996. 広島県灰塚ダム周辺地域の両生類. 灰塚の自然. 177-215. 建設省.
  • 宇都宮妙子・宇都宮泰明. 1998. 広島県高野町の両棲類. 広島県高野町の自然誌. pp. 265-299. 比婆科学教育振興会.

更新履歴

  • 2015.07.01 ページ作成.
  • 2015.07.06 「天然記念物・RDB」と「慣用名・英名・広島県方言」のカテゴリ追加.
  • 2015.07.14 解説を追加.
  • 2019.03.05 Matsui et al.(2019)に従いページを更新.

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