ウメ

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ウメ Armeniaca mume (Siebold & Zucc.) de Vriese

シノニム

分類

  • バラ科 Rosaceae
ウメ(紅梅,植栽)(広島県東広島市 東広島キャンパス; 撮影: 池田誠慈, Feb. 17, 2017)
ウメ(白梅,植栽)(広島県東広島市 東広島キャンパス; 撮影: 坪田博美, Feb. 18, 2018)
満開のウメ(紅梅)(広島県東広島市 東広島キャンパス; 撮影: 池田誠慈, Feb. 17, 2017)

分布

  • 中国原産
  • 広島県内で古くから広く植栽されている.

解説

  • 落葉小高木.葉は互生で卵形,鋸歯がある.花は早春に開花し,花柄は短く,白色から赤紅色までさまざま.開花後,展葉する.
  • ウメは雄性両全性同株で,花は両性花(雌しべが正常に発達したもの)と雄花(雌しべが退化したもの)が混在する.
  • 果実は成熟すると自然に落下する.これは大型哺乳類による種子散布に適応したものと考えられている.
  • 中国原産で,古くから植栽され染色や食用,薬用に利用されている.梅酒は未成熟の果実を,梅干しはウメの果実を加工した食品.
  • 奈良時代末期成立の万葉集でも多くの和歌が詠まれており,700年台には日本で栽培されていたと考えられる.
  • 花色はさまざまであるが,紅梅色や梅重(うめがさね)など伝統的な色の名称にもなっている.
  • ウメは自家不和合性を示す品種が多く,結実のために花粉親として別の品種を混色する.
  • ウメは,近縁のアンズやスモモと複雑に交雑しており,ウメの品種は世界では1000品種を超え,日本では600の品種があるとされている.
  • 花の鑑賞が主体なものを花ウメ,果実の収穫が主のものを実ウメとして区別するが,実際には厳密な区別はない.
  • 古い時代から花ウメは,特徴のある品種群を「性(しょう)」という単位で束ねる分類がなされてきた.現在では,これらの性による分類をさらに大きく3つの系統に束ねた「系統(系)」という分類も一般的になっている.性による分類は花や枝葉などの特徴だけを見てなされたもので,分類には無理があり,はっきりと分けられないものも多く出てくる.性による分類は依然課題が多く,分類する人によって性の数も異なることがある.

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梅に関する参考文献・インターネットリソース

参考文献

  • 大坪孝之・亀田龍吉. 2017. ウメハンドブック. 96 pp. 文一総合出版, 東京.

インターネットリソース

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