アオダイショウとシマヘビの見分け方

提供: 広島大学デジタル博物館
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解説

  • アオダイショウシマヘビは,ともにナミヘビ科ナメラ属の無毒のヘビで1mを越す大きさに成長する.いずれも昼行性の傾向が強く,人の生活圏で見られることも多い.ここでは両種とともによく混同されるヤマカガシ属の有毒種ヤマカガシについて見分け方を解説する.
  • ヘビ類は成熟度,個体や地域により色彩や模様などの変異が大きく,それらの特徴による同定は場合によっては困難であるため,頭部や鱗などを確認しての同定がより正確.
  • ヘビ類の誤同定は場合によっては重大な事故に繋がるおそれがあるため,自分で種のわからない蛇はさわらない・干渉しないということが重要である.基本的に不用意に捕まえたり攻撃したりしなければ,国産のヘビのほとんどは自ら攻撃することはない.
    • アオダイショウは頭部が長く角張り,瞳孔の形状はいつでも丸い.一般的に体色は緑や黄色がかった暗色.一般的な個体では腹板(腹部を覆う大型の鱗)の両端にキールがあり,胴体の断面も角張った形をしている.このおかげで立体的な運動を得意としており,食性は成長後は鳥類や哺乳類に偏る.都市部や市街地にも生息する.刺激すると非常に青臭いにおいを出す.
    • シマヘビは頭部が短く丸みを帯び,虹彩が赤く瞳孔の形状は明るい場所で縦の長楕円形になる.一般的な個体では体色はクリーム色で明るく背側に4本の明瞭な縞模様があるが,全身あるいは身体のほとんどが光沢のある黒色になる黒化型が比較的よく出現する.食性は幅広く鳥類・哺乳類・魚類などにも及ぶが,基本的に両生類や爬虫類で,特にカエルなどを好むため主に水田や川などの周辺に生息する.
    • ヤマカガシは頭部が短く丸みを帯び,瞳孔の形状はいつでも丸い.眼の下の鱗に涙のような黒い模様が入る.体色は非常に変異が大きく一般化できないので,背側の鱗に入るキールを確認する.キールが入ることでザラザラとした質感の印象を受ける.食性はカエルに偏り,シマヘビ同様水辺によく現れる.外敵に対しては頸部を横に広げて威嚇する.舌は黒紫色.

アオダイショウ

シマヘビ

ヤマカガシ

見分け方に関連するページ

両生類

爬虫類

鳥類

参考文献

  • 山渓ハンディ図鑑10. 2007. 日本のカメ・トカゲ・ヘビ. 154-167,190-194 pp. 山と渓谷社.

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更新履歴

  • 2022.05.27 ページ作成.

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